家族がずっと一緒にいるため園神凜祢は資産家のおじさんに抱かれる 作:猪熊夜離
男の手がブラウスのボタンを外していく。ひとつ、ふたつ、三つ。手が止まる。不快な視線を胸の谷間に感じた。脱がせるなら早く脱がせてしまえばいいのに。男の目が白い肌の上を這いずる。
もうひとつボタンが外される。大きく前を開かれて胸の大部分があらわになる。黒のオープンカップブラ。乳首が丸出しのエロ下着。
「今日もエロい下着だな」
「こっちのほうがサービスしやすいので」
園神凜祢は羞恥に身を震わせながら言った。いまさら恥ずかしがることではない。何度もやってきたことじゃないか。自分を奮い立たせる。
ふたりがいるのは凜祢と夫の五河士道が働く喫茶店。男は客だ。店内には彼以外にも客がいてふたりの様子を窺っている。士道も忙しそうに働きつつ時折こちらに視線を送る。
一時期この店は経営不振に陥り、畳まねばならないと考えるまで追い詰められた。だが凜祢の身体を張った懇願により資金援助を受けることができた。資金援助したのは町内会長も務める資産家の男。そのとき会長からプレゼントされたのが、いま身に着けているエロ下着だ。上だけではない。スカートをまくれば、陰唇が丸見えのショーツもセットで着けている。
会長からの資金援助で時間を稼げたが、抜本的な経営改革なくしては本格的に危機を乗り越えたと言えない。これまでにない新たなメニュー、新たなサービスを夫婦は模索した。そのなかで生まれたのが凜祢の母乳を使った新メニュー、そして母乳直飲みサービスだった。
凜祢は避妊薬の副作用で母乳が噴き出す体質に変えられてしまった。それを活かし従来の牛乳を母乳に置き換えた。人の乳を使うほうがより人の味覚や身体、ひいては本能に馴染むはず。目論見どおり母乳メニューがヒットして店の経営は持ち直した。離れていた常連客が戻り、美人人妻の母乳目当てに男客が行列を作る繁盛店に生まれ変わった。
母乳は新鮮な搾りたてにこだわった。料理に使う分をその場で絞り出し、客がコーヒーを注文すれば配膳時に目の前でミルクを入れた。そのため凜祢の制服は常に乳頭を露出させたエロ下着のみになった。下までオープンショーツにしたのは、母乳が出る条件である性的興奮に由来する。乳の出が悪いときにはキッチンの影に隠れて自分で刺激する。客は運が良ければ店内に響くバイブのモーター音と凜祢の喘ぎ声を今夜のオカズに持って帰れる。
ほとんどの客は裸に近い格好を好む。それでも中にはマニアックな客もいる。彼らは裸の女を視姦するよりも自分で脱がせたがった。そして、そういう客ほど金払いがいい。脱がせたがりの男たちは決まって母乳直飲みサービスを注文する。この店で一番高価なメニューだ。
今日の男は白いブラウスと下着の線がくっきり浮くサイズのタイトミニのスカートを持参した。
「これに着替えて膝に跨ってよ」と言う男の鼻息は荒かった。
言われたとおりにすると男がブラウスを脱がせに掛かった。すぐ脱がせるのに着せるなんて無駄じゃないかな。男のロマンってやつ? 凜祢には理解し難い。
「あっ♡ んっ……いやっ♡」
男の手が乳房をつかむ。捏ねるように揉まれて甘い声が漏れた。少し力を入れすぎて痛い。
「もっと……優しくっ……んんっ♡」
「そうか、奥さんはもっとじっくり愉しみたいのか」
「ちがっ……あっ♡ あっ♡ ダメぇ♡」
調子に乗るなと叱りたいが胸と一緒に抵抗する心も握り潰される。人妻を喘がせながら男は得意顔になる。
「そろそろ母乳出したくておっぱいムズムズしてきたころかな。たっくさん飲んでやるぞ」
男が乳首に吸い付く。ちゅーっと母乳を吸い上げた。
「ひぁ、あああ! や、やめ!! あっ、ひッ! ああッ!?」
「胸のエロポッチちゃんは吸って欲しそうにしてるけどな。どっちが本心か正直になるまで可愛がってやる」
男は乳首を舐めしゃぶる。口の中で転がし唾液でぬとぬとにしてから吸い、また舐めると見せて軽く歯を立てる。おっぱいを責める間に両手はブラウスを完全に脱がせてしまう。男の動きに凜祢も協力して上半身はオープンブラ一枚だけになってしまった。
男の手が腋下から横乳、横腹、背中と撫で回す。くすぐったさに身を捩る。下半身が揺れて男の膝におまんこを擦りつける。
男が貧乏ゆすりで膝を揺らした。
「――――ッあ!」
振動が敏感な部分へダイレクトに伝わる。
「んッ、ぁあ! んッ、ン、ぁ、っ!」
「母乳の出がよくなったな。おまんこ膝に擦りつけて感じてるんだろ」
「あっ♡ いっ♡ いやぁ……そ、そんなんじゃ……なぁっ♡」
「スケベなだけでなく嘘つきときたもんだ。もうスイッチ入ってるんだから認めてしまえばいいのに。チューしたら素直になるかな」
男の顔が近づいてくる。凜祢は咄嗟に顔を逸らすが唇の端にキスされた。
「キスは……やめて……あっ、ダメ……あっ♡」
首を振って逃げようとするが男はどこまでも追いかけてくる。ちゅっちゅっと唇の端を舐めるような浅いキスを繰り返す。そうして何度も続けていると、一回してしまったのだからという妥協の気持ちが芽生えてくる。
「ちゅばッ……んちゅ……れろあむ……」
「奥さんもノッてきたじゃないか。もっといやらしいベロチューするぞ。舌出せ」
「んちゅっ……ちゅぷ、ちゅっ、れじゅ……れりゅれりゅ……じゅるるっ♡」
店内の男たちが色めき立って二人の行為を見守る。無遠慮な視線に晒されながら繰り返されるサービスの域を超えたインモラルな行い。息苦しさと頭を撫でる男の手の意外な優しさに凜祢の理性は溶かされる。
ヤニ臭い舌に自分の舌を絡める。ざらつく肉の擦れ合う感触に脳髄が痺れた。口で発生した水音はダイレクトに耳を犯す。
男の手が尻に回った。スカート越しに撫でられる。もどかしい、と感じた。もっと強く触れて欲しい。ダメだ。流されている。分かっているが止まれない。
いまや愛液の量は誤魔化せないほど増えている。男の膝が濡れ、ズボンの色が変わっていた。脳で発生した興奮物質が直におまんこへ流れていってるようだ。唇をぴったり合わせて男が凜祢の唾液を啜る。お返しとこちらも啜り返した。
お互いを食べ合うような深いキス。挿入もしていないのに凜祢の乳首から母乳が溢れ出す。
「恥ずかしい♡」
「俺で気持ちよくなってくれてるってことだろ。最高の接客さ」
男は乳房に垂れた母乳を舐め取る。肌を拭った舌が乳輪の縁をなぞる。ぷっくり膨らんだ乳輪を舌先でツンツンされ、乳首が一層鋭く尖った。
「んくぅ♡」
「また乳首を吸って欲しいんだろ。だったら頼めよ。私のおっぱいミルク吸い出してくださいって」
「言えない。そんなこと」
「いまさら清純ぶるなよ。もっと恥ずかしいことだって言わされてきたんだろ」
桜色の果実がパクっと男に咥えられる。パンパンに張った胸から母乳が吸い出されると泣きたくなるくらい気持ちいい。
凜祢目当てに来店する客は彼女に恥ずかしいことを言わせたがる。感じたのか、もっとして欲しいのか、どういう具合によかったんだ。性的興奮を覚えると母乳が噴き出してしまう彼女の体質も男たちに拍車をかけた。いくら強がっても母乳の量で感じ方が分かってしまう。男たちは誰が最も凜祢から母乳を絞り出せるかで競い合った。
いまでは凜祢の弱い部分、感じる責め方が常連客の間で共有され、母乳が噴き出すまでの時間を競うタイムアタック部門、絞り出した母乳の量を競うスコアアタック部門でランキングまでつけられている。
母乳直飲みをやめたいと思うことはある。だが、やめて客足が途絶えたら、また不安で押し潰されそうな毎日に戻ったらと思うと言えない。躊躇いながらも続けているうちに、凜祢の身体は男たちの愛撫で淫らに開花していった。
「あああっ♡ あはんっ♡ ひゃ、はあぁぁ♡」
凜祢は男の頭を抱いた。息を荒げながら身をよじる。もっと舐めて。口には出さない。出せない。でも思いは伝わる。男は左乳首をたっぷり可愛がったあと、反対の乳首も同じように愛撫する。口を離したほうの乳首も指先でつままれる。親指と人差指で痛いくらい刺激されて母乳の出が加速した。
「はあぁぁっ♡ あっ、あっ♡ あんっ♡ ちくび♡ ちくびばっかり……ずるい……あっ♡ こんなこと、されたら……気持ちよくなっちゃうっ♡ はあぁっ♡」
凜祢は目を閉じ、余計な感覚をシャットアウトして、すべての神経を乳首に集中させた。男がくれる快感にだけ意識を向ける。両手足の指では数え切れない男の愛撫を受けた。その中でも今日の男は上位に入る。テクニシャンなのか自分と相性がいいのか。乳首だけで絶頂に近づいた。
「おっと。大事なことを忘れてた」
男が乳首を吐き出す。
もう少しでイケそうだったのに。どうして。目を開くと男の顔が近くにあった。
「そんな物欲しそうな顔するなよ」
「物欲しそうな顔なんて……」
してない、と言い切る自信はない。
「さっき言ったろ。おっぱいミルク吸って欲しかったらお願いするんだよ」
「そ、そんなのぉ……んん!」
男の手が脇腹をくすぐりながら背中に這い上がる。肩甲骨を撫でられてムズムズする。
「喘いでないで言えよ、エロ女」
「あっ♡ いやっ♡ いやっ♡ 酷いこと言われてるのに反応しちゃうっ♡」
屈辱的な言葉に凜祢の母乳と愛液があふれ出す。
「罵られて悦ぶ変態が一丁前に恥じらってんじゃねえよ」
「そんな、あんっ♡ あんっ♡ あんっ♡ いやぁん♡ おっぱい……止まらない……あんっ♡」
「吸って欲しいんだろ。思いっきり」
そこが彼女の限界だった。
「……うん! 吸って! 私のおっぱいミルク吸い出して! 乳首ナメナメして!」
言い終わるか終わらないかのうちに男が乳首を咥える。絶頂目前でお預けをくらっていた肉体が高みへと駆り立てられる。
「やっ! あっ♡ それ……だめっ♡ 抑えられない。声出ちゃうっ♡」
「声を出せ。俺で感じてる声を聞かせろ」
「あぁぁっ、やっ、やだっ、やだ、やだぁっ、声、出ちゃうっ、だめ、だめ……っ!」
ダメと言いながら凜祢は男の髪に指を差し入れ、自分の胸に彼の頭を強く押し付ける。本心と言葉が乖離する。
閉じた瞼の裏がチカチカ光る。点滅を繰り返すヘッドライトのように白と黒の世界が交互に訪れた。イッてしまう。この男の手で。もう間もなく。抗う術も気力もない。イカされちゃうんだ、みんなの前で……士道の前で。
「あっ、やだっ、だめっ、いや、もうむりぃ……っ! あっ、あぁ――っ!」
士道なら分かってくれるよね。私がお店のためにしてるんだって。好きでエッチするのは士道だけだって。私たちはお互いを信じてる。だからなにがあっても絶対大丈夫。凜祢は自分に言い聞かせる。だが士道の顔を見る勇気はない。もし他の男に愛撫されて乱れる妻を軽蔑する彼の顔が目に入ったら。その可能性を考えると直視できなかった。
そんなはずはない、大丈夫、大丈夫、士道なら大丈夫。
そのとき、入り口のドアが開いた。
「おや」
男の声だった。
「皆さんお楽しみ中でしたかな」
「かい、ちょう……さぁ……んっ♡」
その名を呼ぶ凜祢の声には、官能の縁に立たされた女の媚びが混ざっていた。この店の支援者で凜祢の身体をクスリとセックスで作り変えた人物。彼の顔を見るだけで凜祢のおっぱい、おまんこは反応するよう躾けられている。
「続けて、続けて。私はこっちの席で見させてもらいますよ」
近くのテーブル席に腰掛ける。正面から凜祢の痴態を鑑賞できるベストポジション。
「へへっ。それじゃ失礼して」
「あっ♡ ああっ♡ はぁぁぁん……♡」
「観客が増えて悦んでるのか変態女。腰が動いてるぞ」
「あっ♡ あっ♡ 乳首もおまんこも気持ちいいのぉ♡ これ、おかしくなっちゃう♡ みんなに見られてイッちゃう♡」
「イケよ売女。無様に母乳吹きながらイッちまえ」
「ふあぁぁ♡ おほっ♡ おおっ♡ おふぅぅぅぅぅぅぅ♡ イクっ♡ イッちゃうぅぅぅぅぅ♡ お゛ほほぉぉぉ♡」
家畜のような鳴き声。自らの無様なイキ声に凜祢は、はっと目を覚ます。
目の前にあるのは見慣れた天井。体を起こして辺りを見回す。隣に安らかな寝息を立てる士道がいた。
「夢?」
確かめるようにつぶやく。
「……やだ、濡れてる」
おまんこは見なくとも分かるくらい湿っていた。胸も冷たい。夢に興奮して寝ながら母乳を出していたのだ。男の子がする夢精のように。
ただの夢だからよかった、とは思えない。夢にはその人の願望が表れるという。それなら自分はあんなことを期待しているのか。
「そんなわけ、ないよ。違う。絶対違う」
否定しながらも凜祢の手は胸と股間に伸びた。触れた場所がピリッと電流を放つ。触り続けるとピリピリが強くなった。
「違う。こんなの違う……んっ……はっ……ッ!」
夢で男が転がしたように乳首をいじる。濡れた声が漏れるのを噛み殺しながら喘いだ。
私の身体おかしいよ。会長さんとしてから敏感になって……あのクスリで母乳が出るように鳴ってから、おっぱい触っただけで立ってられなくなる……こんなのいけないのに手が止まらない。
夫の横で彼以外に触られた感触を思い出しての自慰。裏切り行為と感じても凜祢の火照った身体は止まれなかった。