※この作品はR-18です。

紐パンきつねの夏色逢瀬   作:ナルキケーネ(ハーメルン支店)

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温もりに咲く百合の花

 フブキとまつりが、自分たちらしい愛の在り方を見つけてから程なくして。

 

 逆パターンのセックスに興味を持っていたまつりは、友人Aからふたなり薬を貰い、フブキのクリトリスをペニスに変成させようとしていた。

 

「まつりちゃん……ホントに、やるの……?」

 

 お高いラブホテルの広々としたベッドに、女の子座りをしたフブキが憂鬱げに呟いた。

 

 自分の股間に男性器を生やす……これまで事務所の大黒柱として頑張ってきたとはいえ、男性経験皆無の女の子としてはやっぱり複雑な心境だった。

 

「あったりまえじゃん。マンネリしないように、いろんな愛し合い方を探らないとだし……バーチャルだからこそできる無限の可能性、全部試してみたくね?」

 

「まつりちゃん、絶対後者の方がメインだよね……。でも、ちょっと……これ……飲むの、怖いね……。大丈夫かな……?」

 

 手にした錠剤をころころと踊らせて、フブキはちょっとだけ口を突き出した。

 

「なに言ってんの。フブキの方が先にまつりに飲ませたクスリなんだけど?」

 

「うぐ……それは、たしかに……。私が日和って文句言うのもおかしな話だよね……よし……!」

 

 フブキは身から出た錆を受け入れ、意を決してクスリを飲み下した。

 

「……あれ……? なんともない……かも……?」

 

「たぶん、効果出るまで時間かかるんでしょ。まつりのチ×コもそうだったし」

 

「そういえば、そうだったね……どれぐらいの時間で、おち×ちんになっちゃうのかなぁ……?」

 

「ま、気にしてたって仕方ねーや。それまでイチャイチャしようよ」

 

「そうだ――ひゃぅっ!? ま、まつりちゃん、いきなりそんなっ……はぅ~っ……!」

 

 まつりはフブキをベッドに押し倒し、見慣れた通常衣装をひと息に脱がしていく。複雑な構造のおしゃれ着でも、どう脱がせば効率良く素肌を拝めるかを身体と心が覚えていた。

 

 真っ赤なブラジャーに飾られた、パンパンに膨らんだ成長期の乳房を眺めながら、ショートパンツを脱がせ……恥丘までのラインが淫らに透けている紐パンを露わにする。

 

「……へぇ……。黒も最高だったし、白も、水色も良かったし……今日のバラみたいな赤もキレイで、白い肌によく似合ってるよ」

 

 まつりがお椀型になるまで育てた乳房をぷにゅっ♡とたわませ、艶めくお腹を撫でていく。女の子らしい下腹部をさすって、肢体を美しく飾る下着の視覚的なエロスを愉しんだ。

 

「はへっ……♪ は、恥ずかしいから、そんなこと言わないでよ……えへ……えへへ……♪」

 

「めっちゃ笑とるやん。そういうとこもかわいいぞ~、フブキ~♪」

 

「やぁだ~、やめてよぉ~……♡ 今日のまつりちゃん……なんか、テンションおかしいよー……!」

 

 まつりにうりうりと頭を擦り付けられながら、フブキは真っ赤になった頬を隠すように、熱くなった顔に手を添えた。

 

 まつりは、フブキの恥ずかしがる姿に沸々と込み上がるドキドキを感じ……愛しさを込めて、髪と耳を掻き撫でる。

 

 その柔らかい手に愛されて……フブキはくすぐったそうに目を細め、くんくんと喉を鳴らして……尻尾をパタパタとベッドで躍らせて、小動物のように嬉しがっていた。

 

「ん……んっ……♡ まつりちゃん……」

 

「ん、どしたん……?」

 

「…………すき……まつりちゃんのこと……大好きっ……♡」

 

「……まつりも大好きだよ……んっ……♡」

 

 フブキの碧い瞳に吸い込まれるように、まつりのエメラルドのような輝きが近づいて……愛が煌めく夜空の中で、唇の温もりを求め合う。

 

 生きるための呼吸すら鬱陶しいから、相手の香りで胸を満たして、酸素の代わりにしてしまう。そうして、相手に心まで溺れて……どちらからともなく手を動かし、肌と柔肉を自然と触り合っていた。

 

「ん……っ……フブキ……」

 

 やはりというか、なんというか。まつりは、あれから何度か男役としてフブキの内側まで愛したのだが……その反応で気づいたことがあった。

 

 元々フブキは、イケメンやイケボ、性格的な魅力などの〝男性的なカッコよさ〟に惹かれるような女性だった。潜在的な欲求として『女の子として愛されたい』というものがあるのだと察していた。

 

 だからこそ、その代わりを務めるために可能性を追求しているのだが……フブキは男女役に分かれて性交渉をするより、まつりとは〝女の子同士〟として愛し合って、今のようにイチャイチャする方が好みのようだった。

 

「んっ……♡ れぅ……ちゅっ……ふむぅ……♡」

 

 キスをしながら、フブキに服を脱がされていくまつり。機能美に富んだブラジャー越しに胸を触られ、顔に出さないように気を付けていたドキドキを悟られてしまった。

 

「ん……ふふっ……♡ まひゅり、ひゃ……くむ、んっ……ちゅる……♡」

 

「っ……! ふ、ぶき……んっ……れる……ぅっ……♡」

 

 フブキに舌を絡め取られながら、しなやかで繊細で、しっとりと沁み込むようなディープキスの快感に没頭する。

 

 この柔らかさと、禁断の甘い香りは、女の子同士のキスでしか味わえないもので……まつりは、その花香のような魅力の虜になっていた。

 

 まつりもわかっていた。健全な女として、たくましい男に愛されたくなる気持ちが、どれだけ自然なものなのかを。

 

 ただ……自分がフブキと同じ感情を抱いており、だからこそフブキを愛しく思えることも自覚している。こうして、女の子の手に優しく触れられることを……お世辞でも気遣いでもなく、心から求めていた。

 

 歪な情事から始まって、持ち寄った凹凸を上手く噛み合わせても、全部を満たし合えるわけではないのだろう。

 

 それでも、まつりにとって……フブキは、自分史上で最高の〝唯一無二〟となっていた。

 

 快楽を教えて、見返りに愛を教えられて。対等なように見えても、やじろべえのようにグラグラとした関係……だからこそ、いつまでも愛を楽しめる気しかしないのだ。

 

「く、ぷっ……♡ ぷぁっ……♡ はぁ……はぁ……♡」

 

 永久に続いていたように感じた、心と意識がとろけるような接合がとかれる。いやらしく求め合っていた舌先同士で、銀色の橋を架けて見つめ合う。

 

 ぷつり、と粘液の糸が途切れても、見えない繋がりで愛情はリンクしている。乱れた吐息も、ふたつの唇で挟む空気すらも愛しく思えていた。

 

 シーツが擦れる音も、落ち着かない部屋の良い匂いも、ふたりで同じものを共有する。

 

 それが、とても充実した時間だと感じさせてくれる。この愛を確かめ合うひと時は、何にも代えがたい魅力に満ちていた。

 

「まつりちゃん……今日もあったかくて……かわいいね……♪」

 

「……んっ……あ、ありがと……いや、急になに……?」

 

「ふふっ……♡ なんか、言いたかったんだもん……♡」

 

 お返しのつもりだったのか、フブキは唐突に、思っていることを口にした。

 

 情欲と性愛を灯した女の瞳に魅入られ、まつりは照れくさくなって目を背けた。

 

 碧炎の揺らめきの奥に、輝きで出来たハートを見たような気がして……胸の高鳴りが、上手く抑えられなかった。

 

「……まつりちゃん……私……」

 

「……わかってるよ、フブキ……もっと、たくさん……ね」

 

「……うんっ……♪」

 

 お互いの身体に手を伸ばし、せっかく着飾った下着も脱がせ合う。産まれたままの姿になって、アイドルの肌のすべすべ感を味わうように、くんずほぐれつを愉しんだ。

 

 あったかいハグをして、おでこ同士を擦り付けながらキスをする。脚を絡ませて、胸をむにゅりと押し付けあって……ひとつに重ねた温もりを混ぜて、ふたりで均等に分け合うのだった。

 

 

 

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