シーツの上に横たわった裸体は、驚くほど美しく見えた。
猫を被っている時はともかく、日頃の古風な喋り方とは裏腹に、彼女の体は少女然としている。非常に小柄で身長は低くて、体は細く、胸や尻も小さい。抱きしめれば折れてしまうのではないかと心配するほど華奢であり、光を反射しているのではと思うくらい肌が白いのもそんな印象を強くさせた。
双葉とてそれほど体格が大きいわけではないが、百七十センチ前後の身長はあるわけで、相対してみると違いは明らか。
互いに高校生で問題はないはずなのに、小学生を相手にしているような背徳感がある。
余裕も経験もなかったとはいえ、双葉は努めて冷静に彼女の頬を撫でる。
そっと触れた指先が、びくっと肌が震えるのを感じた。
さっきあれほど触ってきたというのに、自分が触られる場面になるとこれか。じとりと見つめる双葉の前でルキアは恥じらいを見せていた。
ついさっきまでは押されっぱなしだったものの、二度も射精させられて、こうなったらもうとことんまでやると決めた後は、意外なほどに冷静で居られた。ルキアが服を脱いだ途端に恥じらい始めたのも彼の背を押したのだろう。
ベッドを軋ませて前のめりな姿勢になり、横たわるルキアの上に覆い被さる。
最近になってまさかという疑いの目を向けるばかりになっていて、さっきまでは死神ではなく悪魔なのではないかと思っていたのだが、こうなればただ可愛いだけの少女であり、興奮しながらも嫌になるくらい戯れたいと思う。
覆い被さって体を重ね、肌をぴったり触れ合わせて、彼女の顔を覗き込む。
双葉は頬を赤くして視線を逸らそうとするルキアの頬を摘み、ぐにぐにと揉む。それ自体に彼女が感じる様子はない。しかし無視できるはずもなく、くすぐったそうに微笑み、逃げるように体をよじった。
「こら、何をする……! く、くすぐったい……」
「何をするはこっちのセリフなんだよ。いつもいつも、俺の気も知らないで」
ぎゅううっと横へ引っ張って、少し痛みを感じる程度に頬を引っ張り、顔を近付ける。
至近距離で見つめ合い、互いに笑えば、なんとなくムードはできていた。
「い、言っておくが、私は貴様が求めるからこうしているのであって……き、貴様のそれを、治めてやろうとしているのだぞ? わかっているな?」
「えーっと、そういうことでいいの? なんか違う気が……」
「違うものか! と、とにかく、その……早くしろ」
「やっぱり、俺に責任転嫁するの無理があるんじゃないか?」
双葉が目を閉じて顔を寄せれば、文句を言わずにルキアも自然と目を閉じた。
唇が触れ合う。おそらくはどちらもファーストキスだった。
顔を汚していた精子はティッシュで拭き取った後。それでも数秒前までどうしようかと思っていたのだが、いざ触れてみたらどうでもよくなる。
二人は顔の角度を何度も変え、お互いに強く唇を押しつけ合い、長くキスを続けた。
「んっ、ふむっ、むぅ……」
「んあー、した、きてるんだけど……」
どちらも興奮冷めやらぬといった様子であったが、一際ルキアが乗り気であり、待ち望んでいた行為を心から楽しんでいた。
唇のみを合わせるだけでは飽き足らず、唇が触れ合うキスに飽きる前に舌を出して、閉じられていた双葉の唇を押し開いた。追い求めるように彼の舌へ絡みついて、激しい水音が鳴るほど唾液を擦りつけ、強く吸いつく。
驚く双葉だがすぐに順応して、彼女の行動を受け入れようとしていた。
どうするのが正解かはわからない。だがどうしたいかはわかっている。ならば正解か否かは求める必要さえなくて、二人は息が乱れるほど激しく深いキスを続けた。
舌の動作が加わったことで忙しくなる。
時折顔の角度を変えながら、慌ただしく動く舌は何度も相手と自分の口を出入りして、侵入したかと思えば迎え入れたり、気持ちいいという実感を得るような余裕を失くすほど熱中していた。いつ終わればいいのかもわからず、キスだけで何分も使ってしまう。
やがて名残惜しそうに双葉が顔を離して、見つめ合ってなんとも言えない気分を味わった。
緊張感が漂い、恥じらいを感じて、互いの興奮が手に取るように伝わってくる。
双葉が愛でるようにしてルキアの顔を撫で、頬を摘むようにした後、目元、鼻筋、唇を移動して指が首へ下りていく。ルキアは小さく声を漏らしながら、それを拒否しなかった。
白く滑らかな肌を伝って、柔らかな肉を押して、ゆっくりとどこかへ向かっている。
察してはいたが、わずかな膨らみがある胸を触れられた時、ルキアははあっと息を吐いた。
「ちっちゃいけど、柔らかいな……」
「ん……小さいは余計だ、馬鹿者」
文句を言いながらも彼の掌を感じて、自然と体が動いてしまう。
もぞもぞと身じろぎするルキアを見下ろし、双葉は急がず、ひたすらに胸を揉む。
柔らかな乳房はそれほど脂肪がついておらず、大きくはない。小さい部類に入るのだろうとは思うのだが、それでも男の胸とは違うのだと、直に触れてみて思う。
指を動かせばぷるりと肉が動いて、きゅっと押せば逆らうように反発し、一方では指を呑み込もうとするかのように沈没していく。
心地いい感触で、楽しい。彼はしばらく熱中した。
どう反応すればいいのか、よくわからないままで居るルキアであったが、何も感じないというわけではない。男は女の胸が好きだという話は知っていて、いざ自分がその瞬間を迎えると、一体何をされているのだろうと思う。しかしその一方ではわずかに電流が走るかのような感覚もあって、彼女はまだ自分が感じているのだと自覚できていない。
なぜか体が熱くなって、吐息が抑えられなくなる。
ルキアは順調に変わりつつあったものの、双葉もまた認識できないまま、身勝手に動いていた。
「んっ……ふっ」
「すげぇ……」
感心するように呟きながら、顔を寄せて舌を伸ばした。つんと立っている乳首に優しく触れて、思わずといった反応でルキアが声を漏らす。
強く押し付けて味わうように動きを止め、舌先で弾いてみて、双葉は左右両方の胸が唾液まみれになるほど舐め回した。
ルキアの気分はますます高まり、何かに耐えるように体をよじらせる。
確かに悪い気はしない。だが今の状態では焦らされているようにしか思えないのだ。
そんなものではなく、欲しているのはただ一つだった。
ルキアは双葉の肩に手を置いて気付かせた後、瞳を潤ませ、寂しそうに言う。
「も、もういいから、その……は、早く」
初めて見せる弱みであり、懇願する様子で弱々しい声を出していた。
反射的にムラッと、爆発するかの如く衝動が沸き上がる。それでも冷静で居ようと努めた双葉はおもむろに手を動かし、真っ先に彼女の股を確認した。
あんっと甘い声を弾ませる瞬間、彼女の秘所が溢れ出すほど濡れているのがわかった。
何を言わんとしているのかはわかる。わかっていながら、双葉は顔の位置を変えて、彼女の股に寄せると舌を伸ばし、濡れそぼった秘所をぺろりと舐めた。
ルキアは体を跳ねさせ、声を大きくする。
舌先で感じたそこはやけに熱く、ねっとりと濡れていて、閉じられた肉は貝を連想させ、同時に子供のようだとも思った。ぴったり閉じられたおそらく経験のないだろう秘所をこじ開けるべく、舌先でぐいっと肉を押しやり、奥まで舌を差し込んで舐めた。
勃起したクリトリスの存在感は大きく、何かを求めるようにして小さな穴がひくひくしている。
そこを舌先で撫でてやれば、ルキアは面白いように反応して、中へ入ってやろうとさらに力を入れて舌を押しつける。わずかに入って、温かい肉に包まれた。
「あぁっ、はあっ……!」
首と背を逸らしてルキアは感じており、彼女の反応に楽しくなって舌を動かす。
太ももや腹を撫でながら、しばし舐めることに集中する。すでに双葉もルキア同様、我慢ならない状態だったとはいえ、それでも彼女の体をほぐすために手を抜かなかった。彼女を気遣ったわけではない。ただ自分が舐め回したかったからだ。
股ぐらを存分に這い回った後はへその周り、太もも、足の指まで舐め回して、気分が最高潮に高まった頃、痛いほどに勃起したペニスを握る。
ようやくだ。焦らしに焦らして、ちょっとした刺激ですぐに出てしまいそうだった。
「悪い。すぐイキそうなんだけど……」
「ん、はっ……いいから、もう……」
「あ、ゴム……」
「早くっ」
珍しく余裕のない声で、興奮し切った表情で、もはや自我など残されていなかった。
ルキアの姿に平静を失い、気付けば双葉は我を忘れて動いていて、ずぶりと奥まで押し込んだ。
体内を貫かれ、衝撃と激しい電流で息が詰まり、ルキアの体が大きく跳ねる。同時に双葉は柔らかな肉に包まれて、あまりにも優しい感触と、強く締め付けてくる力で、くぐもった声で小さく吠えながら倒れ込む。
二人は知らぬ間にきつく抱き合って、激しい射精を行い、それを体内で受け止めていた。
「あっ、はぁぁ……!」
「あー……やば。もう、イッた……」
熱い感触が体内でしっかりと感じ取れる。
ルキアはびくびくと腰を動かして、本人の意図しないところではあったが、さらに多くを望むように挿入されたままのペニスを締め上げる。
きつく締められたせいで辛そうな表情をする双葉だが、同時に安堵してもいて、興奮冷めやらずにルキアの顔を見つめる。
まさかこれで終わるはずがない。どちらもそう思っていたのだろう。
少し落ち着く必要があって、少しの間、ルキアが顔を背けていた。
ようやく落ち着けそうになってから、ちらりと双葉の顔を見て、おずおずと顔を向ける。するとどちらからともなく顔を寄せてキスをした。
またしても熱中して舌を絡めて、熱い息を顔に吹きかけながら、一方で膣内ではぎゅうぎゅうとペニスが締め付けられている。
待ち切れなくなるのはすぐのことで、キスをしながら腰を動かし始めた。
「んっ、んっ、んっ、あんっ――!」
口を合わせて舌を繋げたまま、どちらも腰を動かしていた。
双葉は興奮し切って意識的に動いていたのだが、ルキアは自身が待っているつもりであり、腰が勝手に動いていることには本人も気付いていない。
ぐちょぐちょとねっとりした水音が部屋に響いている。それが二人の気分をより高めた。
ついさっきまで童貞であったため当然とはいえ、冷静に相手のことを想う余裕などない。必死に腰を振る双葉はルキアを強く抱きしめて離さなかった。
叩きつけるように突き入れて、限界まで挿入されるペニスは小柄なルキアの奥まで届き、全身に大きな衝撃が走る。電流のような強烈な感覚は何なのか、理解できないが素直に享受していた。
ルキアは必死になって声を発して、双葉は必死に乱れた呼吸を続ける。
熱意は高まり、並の運動に比べても勝るほどに暑かった。
「はぁ、んっ……大丈夫か? 痛く、ないか?」
「ん、んあっ……! へ、平気だ。んっ、んっ……」
急に心配になって尋ねた後、すかさず再び唇を押し合わせる。
ルキアはすでに余裕がなくされるがままで、一方で腰だけはへこへこと勝手に動き、時にはさらに彼を誘うかのように円を描いてぐるりと回される瞬間さえあった。
双葉もすでに理性などないが、それでも自身の状態については感じることができる。話す余裕さえないにもかかわらず、それだけは言っておこうと再び口を離す。
「ご、ごめん……また、すぐ、イキそう……」
「あっ、あっ、あっ、あっ――!」
呟いた直後、ルキアが双葉の首に腕を回して強く抱きついた。今まで力を抜いて放置されていた両足を動かして、彼の腰に巻きつけてしまう。
話す余裕などないが、まるで絶対に離さないと言いたげな姿勢と力強さであった。
そもそも彼女を気遣って引き抜こうなどというつもりもなかったのだが、離れることを許されなかった双葉は強かに腰を叩きつけ、やがて彼女の体内に吐精する。
勢いは衰えず、びゅくびゅくと強い勢いを感じた。
これもまた叩きつけるようにして膣内に精子を吐き出されて、その勢いや熱に目元を緩ませて、抱きつく体を強張らせたルキアは情けない声を発する。
「あっ、あぁぁぁ……!」
ぶるぶる震える双葉の体を愛おしく思い、不思議な幸福感に包まれていた。
念願叶ったと言えるだろう。
好奇心を抑えていたルキアにとって、想像していた通りの状況に陥ったこの瞬間こそ待ち望んでいた時であり、相手を選ぶ余裕はなく、暴走したに等しい状態での強行であったが、後悔などするはずもない絶頂である。
びくびく震えていたルキアは、自分でも気付かぬ内に、少量とはいえまるで小便を漏らすように愛液を漏らしていて、それもまたどうしようもなく幸せな快感だった。
ルキアはだらしない表情で笑い、全身の力が抜けて倒れ込む。
抱きついていた腕も足も伸ばして、裸体を隠そうともせずにまどろんだ。
細く肉付きも乏しいとはいえ、白い裸体は美しく、改めて目を奪われる。
じっと見下ろしていた双葉はしばし動くことができなかった。
ペニスは彼女の体内に残ったまま。抱きしめることも考えたが、やはりしばらく眺めていた。
二人の荒い呼吸がやけに大きく聞こえていて、室内は静かだった。
ゆっくり動き出した双葉が体を倒し、ルキアに覆い被さる。
どちらからともなく体に腕を回して抱き合い、飽きることなくキスをする。リップ音を鳴らしてすぐに離れたり、舌先で唇の形を確かめたり、互いに絡ませたり、遊ぶように様々な動作を試して何度となく唇を触れ合わせる。
双葉の手がルキアの髪を撫で、彼女の手が彼の背を撫でる。
そうしてしばらくまどろみの中でたゆたい、時を忘れて触れ合っていた。
やがて双葉のペニスが再び硬くなっているのに気付く。
眠りと自意識の狭間で安堵していたが、体内の感触が変化したのをわかって、ぱっちりと目を開いたルキアは恥じらう様子で双葉を見る。しかし嫌がってはいない。むしろ見るからにその気だと感じられて、何も言わずとも双葉は興奮した。
双葉はルキアの腰を掴んで、ピストンを開始する。
甘い声を発して彼女は面白いように反応し、あっさりそれを受け入れた。
硬さを増すペニスを前後させて、二人の遊びは再び始まったのである。