※この作品はR-18です。

虚ろの遊園   作:ヘビとマングース

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トーキング

 隣に座って、ちらりと顔を確認する。

 もう何度もそうしているのだが彼女に自覚はなく、何を言うわけでもなくちらちらとその姿を確認していて、少しずつ距離を詰めようとしていた。

 いっそのことこっちに来ればいいのに。そうは思っても、仮に言ってしまえば激怒して殴りかかられるかもしれない。双葉は敢えて何も言わずに待っていた。

 

 互いに興味のないテレビを見るふりをしながら、珍しく二人きりのリビングで、家には自分たちしか居ない状況を過ごしていた。

 ある意味チャンスだ、と考えるのは毒されているのかもしれない。

 

 このまま何事も起こらないのか。

 ちょうど双葉がそう思った時に肩が触れ、意を決して動いたひよ里がぶつかるように隣へ来た。

 

 「あー……あいつらは?」

 「今日は浦原商店だって。夜には帰ってくるだろうけど」

 「ふーん。まあ別に、どうでもええけど」

 

 興味がない、という態度を示して、妙に大きく聞こえる鼓動の音を気にせず、頬が赤く染まっていることを自覚せぬまま手が動き出す。

 別にどうでもいいけどという態度で右手が取られた。抵抗せずに、何もしていない双葉の手はひよ里に握られて、引き寄せられると胸元でぎゅっと抱かれる。

 

 ここまで来るのは興味があるからで間違いないと思うのだが、指摘してはいけない。

 意地っ張りなひよ里はまず間違いなく否定して、競う相手が居る普段ならばムキになって動くかもしれない。だが二人っきりの今は怒って逃げてしまう可能性もあった。

 彼女と上手く付き合おうとする双葉は優しい顔で何も言わず、彼女の行動を受け入れている。

 その反応が心地よかったのか、ひよ里はさらに愛おしそうに右腕を掻き抱いた。

 

 「その……なんや」

 「何?」

 「べ、別に、うちはなんとも思ってないけど」

 

 言い辛そうにしていて中々言葉が出てこない。しかし彼女は本来うじうじするのが嫌いだ。他人にしても自分にしても悩まずにスパッと決めればいいと思っている。

 覚悟を決めるまでは流石に早くて、勢いよく顔を覗き込まれる。その時には悩む様子など皆無であって、双葉の目を見つめて力強く言った。

 

 「お前がどこの誰やろうが、うちの傍におったらええんや。わかったな?」

 「う、うん……ありがとう」

 「勝手に、どっか行ったりすんなよ」

 

 言い終えると胸元へ額を押しつける。

 撫でてほしがる猫みたいだ。どこぞで頭を撫でたことがある野良猫を思い出して、双葉は考えようともせずにひよ里の頭を撫でてやる。意外に反応は間違えていなかったようで、喜んでいるらしい彼女はその手を享受し、さらに押し付けようとしながら大人しくしていた。

 

 二人きりで居る時間は珍しくて、会話はない。気まずいわけではないのだが、いつも通りに過ごせる気分でもなくて、自然と沈黙ができる時間が増えていた。

 彼女たちが気遣ってくれている状況であることは理解しており、無理に話さなくてもいいのではないかと思っている。

 双葉は無言でひよ里の頭を撫でていて、しばし何事も起こらない穏やかな時間が続いていた。

 

 もはや点けっぱなしのテレビにも気が向かず、お互いに意識が向いているのは疑いようもない。

 リモコンを取ってテレビを消してしまい、双葉が動いた。

 もやもやしている時は、何も考えないのが吉だ。ルキアもそう言っていた。

 

 異変に気付いたひよ里が顔を上げて、正面から見つめ合い、頬に手を添えられる。何をされるのかは一瞬にして理解できてしまった。むしろそれを期待して、言い出せなくてもじもじしていた気配すらある。

 喜びこそすれ、拒むつもりなどまるでないひよ里は自らの意思で目を閉じた。

 

 「んっ……ふっ」

 

 唇が触れ合って、安心したかのように体から力が抜けていく。

 安堵している様子のひよ里の頬を撫で、くすぐったそうに身じろぎする様も愛らしい。

 短く、ちゅっと軽く吸って、何度も離れては再び触れた。ひよ里は恥ずかしそうにしているが嬉しそうでもあって、相変わらず自分の感情を隠せていない様子だった。

 

 「ひよ里」

 「んー……?」

 「俺もそんな気がしてたし、ルキアも言ってたんだけど」

 「なんやねん。っていうかお前、二人っきりの時に別の女の名前出すな」

 「俺のこと好きなの?」

 「はあっ!? あっ、アホかっ!? お前のことなんかすっ、すぅ――!」

 

 途端に顔を真っ赤にして否定しようとした。だがひよ里は全てを言い切る前に、じっと見つめてくる双葉の視線に気付き、息を呑む。

 自ら判断したわけではない。気付けば勝手に口が動いていた。

 

 「好きに決まってるやろが……! いちいち言わすな、そんなことっ」

 「ありがとう。俺もひよ里のこと好きだよ」

 「がっ!? あ、当たり前や、ハゲェ……!」

 

 恥ずかしさのあまり、視線がうろうろして挙動不審な彼女を抱きしめてやる。双葉の胸元に顔を押しつけられるとこれ幸いに自ら抱きつき、離れようとはしなかった。

 彼女の反応が愛おしく、穏やかに微笑んで頭を撫でてやる。

 

 何もしなくても、このまま抱き合っているだけでもいい。

 ぎゅうっと腕に力を込めて自らの体に抱え込む。

 苦しかったかもしれないがひよ里も嫌がるどころか喜んでいるようで、時折ぐりっと顔を動かして押し付けてきて、安堵した様子で深く息を吐き出している。

 なんとも言えない、幸福な時間だった。

 

 やがて双葉が動き出してひよ里の顔を見ようとする。彼女はまだ物足りない態度だったが頬に手を添えられると顔を上げ、素直に視線を合わせる。

 呼吸が荒い。ふーふーと熱気を含めて余裕がない表情に見える。

 それはそれで興奮していたのか。双葉は苦笑するが嫌がらなかった。

 

 「キスする?」

 「し、したいんやったら、してもええけど」

 「じゃあやめとこっか」

 「ああああうっさいなお前ェ! はよせぇやボケェ!」

 「口が悪いなぁ。んっ」

 

 珍しくマウントを取れる相手だ。こういう一面も双葉は気に入っていた。

 強気な姿勢を崩さないひよ里だがその実、決して自らキスをしようとはしない。常に双葉からされるのを待っているのだ。自分がその気になればすかさず襲い掛かってくる他の二人とは明確な違いがあって、口こそ悪いが一番優しいのではないかとさえ思う。

 

 指の腹で頬をするりと撫でてやり、目を細める姿を眺める。

 顔を近付けて触れる寸前にふっと息を吹きかけた。

 びくんと反応する彼女はすぐに目つきを変えてしまう。

 

 「ほんっ、まに、お前はぁ……」

 

 怒っているように見えて態度はすぐに軟化し、自らキスを求めて、しかし素直にそう言うのは恥ずかしいのか、半ば無意識的に少しだけ唇を尖らせていた。

 ひよ里の様子にくすりと笑って、求められた通りにキスをしてやる。

 唇が触れ、力が抜けていく。

 体を預けてくるひよ里を抱きとめて、髪を撫でながら首の角度を変えた。

 

 「んん……んふっ、ふぅ」

 

 互いに掻き抱き、きつく抱きしめるひよ里とは対照的に双葉の手が動き出す。

 ぎゅっと尻の肉を強く掴んで、彼女が甘えた声を発するのを笑顔で受け入れていた。

 

 日頃の態度とは裏腹に、いつもセックスしかしてないアホばっかりや、と否定的な態度であった彼女ですら、双葉を前にすると顔つきが変わってしまう。抱きしめられると体から自然に力が抜けてしまって全てを委ねてしまう。一人の時に気をつけようなどと思っていても、いざその時になればどうしても反応してしまっていた。

 キスをされると強制力はより強力だ。心身ともにどうあっても抗えない。

 

 ソファの上に彼女を押し倒す。

 抵抗はなく、腕力では不思議とひよ里の方が勝っているはずだが振りほどくつもりがない。素直に双葉の下で彼を見上げていて、潤んだ瞳は甘えるようであった。

 

 ちゅっと頬へキスを落として、安堵したひよ里が目を閉じて享受するのを確認した後、再び頬へ唇を押し当てながら徐々に下へ移動していく。

 首筋で一際強く吸いつくと、彼女の体はわずかに震えて反応していた。

 同時に体を撫でていた双葉の手が、ひよ里の体から少しずつ服を剥ぎ取ろうとしている。

 

 「んん、ふぅ、はぁ……!」

 「気持ちいい?」

 「う、るさぃ……! そんなこと、言わすな……」

 「言ってるみたいなもんだと思うけど」

 

 呼吸が少しずつ荒くなっている。

 いつしか勝手に着るようになった双葉のシャツだ。なぜか彼女は一日着られた後の物を、洗濯する用に配置してある籠の中から拝借しているらしく、理由を聞くと大声を出して威嚇してくるため知ることができない。なぜか双葉が着たシャツを翌日には必ず着ていた。

 それをまくりあげて、ブラジャーを着けていない胸元まで露わになる。

 

 小さな、ほとんど膨らみのない胸元へそっと手を触れさせる。

 乳首を避けるようにわずかに柔らかい肉を優しく撫でればびくっとしていた。

 すっかり感度が良くなってしまったようで、見るからに硬くなっている小さな突起物に触れずとも小さく震えている。円を描くように、膨らみがあるらしい辺りを撫で回した。

 

 慣れたつもりだった。だが唐突にふと浮かんでくる疑問がある。

 双葉が眉間に皺を寄せたのに気付き、ひよ里も表情を変えて心配そうにする。

 また悩んでいるのか。そう思ったのに、今度ばかりは双葉の心境は違ったようだ。

 

 「俺、ロリコンだって思われてないかな……」

 「どういう意味やコラァ!!」

 

 反射的に動いた手がスパンと頬を打ち、ほぼ同時に跳ね上げられた脚が股間を蹴りあげていた。

 予想しなかったダメージは大きく、双葉は体を小さくして震え出す。しかし彼の下に居たひよ里が見逃すはずもなくて、胸倉を掴むと顔を真っ赤にして怒鳴り散らした。

 

 「おんまえはほんっまにムードもクソもないなぁ! 舐めてんのかコラァ!」

 「す、すいません、舐めてません、ほんとに……」

 「乳かっ!? 結局お前はそこなんか! アァッ!?」

 「違いますっ。ひよ里さんが好きなんです、ほ、ほんとに」

 「そうやろうが!」

 

 がばっと首に腕を回して乱暴に唇を塞ぐ。

 噛みつくように力を入れて何度も双葉の唇を啄ばみ、確かめるように舌で舐め回して、意図して歯を立てて彼の苦しむ声を引き出した。

 

 気を取り直して双葉もまた彼女の体に触れる。

 余計なことを言いもするが、同居する彼女を好いているのは本当だ。

 不安になる時、何も言わずとも抱きしめてくれるひよ里は、普段は口が悪くて誰かれ構わず喧嘩腰ではあったものの、近くに居なければ伝わらない優しさがあって、今では双葉もすっかり頼りにしている。言動とは裏腹な態度を感じることはむしろ多かった。

 

 何があっても、彼女たちが居れば大丈夫だ。

 自分に言い聞かせるようにしながら、双葉は自らの意思でひよ里から顔を離した。

 

 寂しそうな顔をするのも一時だけだろう。

 心配はせずに、満足させてやるために手と顔を動かす。

 シャツをまくって露わになった胸元に唇を押しつけ、ちゅうっと吸いつき、舌を押し当てて円を描くように這い回った。ひよ里は小さく声を漏らして悶える。

 

 「んん、はぁ……あっ、んっ」

 「ひよ里。いつもありがとう」

 「こ、こんな時に、言うな……わかってる、から」

 

 わずかな膨らみを確認するかのように乳房を舐め回した後、乳首へ向かおうとして、途中で気が変わったと言いたげな動きで行き先が変わる。あっと声が漏れてしまったが不満を訴えるのも恥ずかしく、ひよ里は何も言わずに双葉の行動を受け入れる。

 肌の上を這って動く舌が、脇へ触れても後悔はしなかった。

 毛のないつるりとした脇の下を丹念に舐められる。流石に羞恥心は隠せなかったが、身じろぎしながらも拒もうとはしていない。

 

 「うひぃ……! そ、そんな、とこまで……変態っ」

 「自覚あるけど、誰がそうしたと……あ」

 「おい。こら。うち以外を思い出してんのか? こら」

 「ご、ごめん。あーちょっと、あれだ。俺もヤバいから」

 

 嫉妬深いひよ里が再び怒りを露わにしたため、双葉はわずかに慌てながらズボンを脱ぐ。

 下着をぐいっと太ももまで下ろして、勃起したペニスが外気に触れた。

 彼の動作でそれを理解し、びくっとしたひよ里は目を見つめられるとすぐにその気になる。

 

 「これ、触って」

 「ん……」

 

 素直に従ってそろりと手を伸ばす。

 小さな手がペニスを握って、痛くしないための気遣いを感じた。

 すでにとろりと体液が漏れており、ひよ里の手が触れるとわずかに濡らして、くちゅくちゅと卑猥な音がする。ひよ里はますます集中していった。

 

 双葉の手がショーツの中へ差し込まれる。指先が触れた箇所はすでに濡れていて、指先に少し力を込めるだけで音が鳴った。

 反射的に脚が閉じられて、さらにそれを阻止しようと首筋に舌を這わせる。

 

 「んっ、ひゃっ、あっ……!」

 「すごい、濡れてる」

 「うぅるっさいっ。言う、なぁ、ハゲェ……!」

 

 入り口に押し込むと簡単に指が受け入れられた。第一関節までを挿入し、その部分だけをゆっくり出し入れする。嫌なわけではないが焦らされている気がして、その点だけは気に入らなかった。もっと奥まで入れろ、と思う自分に違和感さえ抱かず奥歯を噛む。

 ペニスを握る手にも更なる力が入って、一方で動かす余裕はない。亀頭を包むように掴んで痛みを覚えるほどぎゅうううっと握られていた。

 その意思は双葉にも伝わったようで、おもむろにひよ里の唇を舐める。

 

 「こんなに濡れてるなら、さ」

 「う……ええけど。別に」

 

 多くを言わずに、双葉が体を起こそうとした。

 あっと声を出してしまって、寂しそうな顔で彼の服を掴んだひよ里は反射的に止める。しかし止めた後で恥ずかしくなり、顔を背けながら呟く声は非常に小さかった。

 

 「舐めて、ほしいんやけど……その前に」

 「うん、わかった」

 

 答えると同時にぐりっとクリトリスを押し潰すように捏ねた。彼女は声を漏らし、羞恥心が邪魔をするのか抗議の声は上げずに自身が着るシャツで顔を隠してしまう。

 今頃は匂いを堪能している頃だろう。

 顔の位置を移動させた双葉は、埋めるようにしてひよ里の股間に口付けた。

 

 肉を押し広げ、全体に舌を這わせて唾液を塗り込む。

 視線を向ければぬらぬらと怪しく光を反射し、よく濡れているのがわかる。

 膣へ舌を挿入して重点的に舐めれば、彼女の全身が小刻みに震えて、小さな声が聞こえていた。

 

 二人きりの時間はそう多くない。

 なんともまったりした瞬間で、熱を感じる体内に舌を挿し込んでいるのは辛いどころかともすれば集中してしまう。時間を忘れて、彼女への気遣いさえ忘れて、自らが満足するまで淫らに舌を動かして閉ざされた肉を優しく揉みほぐしてやった。

 その効果は大きかったらしく、愛液は次から次に溢れ出してきてまるで洪水だ。

 音を立ててすすり、呑み込むと、羞恥心を掻き立てられてひよ里の口から小さな悲鳴が漏れる。そんな姿さえ愛らしいと思ってやめなかった。

 

 「あぁっ、はぁっ、はぁっ――!」

 「んん、んちゅ、んるっ……まだ舐めてほしい?」

 「はあっ、はっ、はあっ……!

 

 どうやら答える余裕すらないようで返事がない。

 仕方なく双葉はそれでも舐め続けた。

 柔らかく、きれいなピンク色のおまんこを時折指で開いては凝視し、物欲しそうにひくひくしている光景を焼きつけてから舌で相手をする。情熱的なキスは彼女が最も好むもの。返事はなくてもまさか拒まれているはずがない。

 

 そうして必要以上にクンニをして時間をかけ、双葉は嫌がるどころか嬉々としていて、ひよ里もまた甘い声で鳴いて喜んでいる。

 しばらくそんな状況が続いた時、がたんと物音が聞こえた。

 

 「……ん? なん――」

 

 ひよ里はぐったりしていて動けない。顔は赤く染まって、軽くイッてはいるのだが大きな絶頂は感じておらず、気持ちよさともどかしさの狭間で妙に疲れている。だからこそもっと大きな快感が欲しいところだがそれを伝える余力もない。

 従って物音に気付いたのは双葉だけで、顔を動かしてリビングの入り口を見た。

 

 廊下の陰からルキアとウルルがわずかに顔を覗かせてこちらを見ている。

 一体、ここで何をしているのだろう。

 視線がばっちり合っていた。それでも逃げも隠れもせず、二人して興味津々という顔でこちらの痴態を見つめており、双葉が気付いた事実に気付くと小さく頷いてさえみせる。

 状況からして、どうやら初めから見られていたようだ。

 

 ルキアが静かに両手を上げた。

 顔の前で、左手で指を合わせて輪を作り、右手の人差指をその中へ挿し込む仕草をする。

 状況からして間違いなく、挿入しろ、と言っているのだ。

 

 心境は複雑である。何のつもりにしても、胸中は晴れやかではない。

 首を動かし、再びひよ里の股に向き合った双葉は静かに手を動かした。

 

 待ち望んでいる様子でとろりと愛液を垂らす膣に、右手の中指を一気に突っ込む。ぐちゅっと音を立てて奥まで呑み込まれ、唐突な刺激にひよ里の尻が跳ねた。

 指を折り曲げ、腕を動かし、ぐちゅぐちゅと乱暴に膣内を掻き回す。

 ひよ里は驚愕と同時に大きな快感を得ていて、思わずイッてしまいそうなほど気持ちよかった。

 

 「おおっ!? おほぉっ!? おっ、んっ、あっ、あっ、あぁっ――!」

 

 驚きはしたものの、待っていた感覚だ。すぐに受け入れて声は高らかに弾み出す。

 もう少し、もう少しでイケる大きな快感。

 また軽くイッているのだが最後のひと押しは足りず、双葉が動きを止めてしまったせいで、彼女は再びぐったりと倒れてしまった。

 

 顔を動かした双葉はリビングの入り口に目を向けた。

 違う違う、と何も言わずに首だけ振って意思表示をしている。ルキアは双葉の股間を指差して、それだと指摘してきた。言われずともわかっていたが、素直に応じるのが癪だっただけだ。

 

 どういう状況なのかと理解しかねるが、考えるのは面倒で、最後にはまあいいかと納得する。

 ひよ里には何も告げずにペニスを押し当て、おまんこの全体を亀頭で撫でた後、挿入した。

 

 「んんんんっ!? あああぁ……はあぁっ」

 

 勢いよく奥まで押し込まれ、子宮口に激突した瞬間に全身が痺れる。ついに待っていた大きな絶頂を感じてひよ里の体は自制できないほど震えていた。

 すかさず絡みついてくるひだにペニスを囚われて、双葉は苦しげな声を漏らす。

 我慢できなくなってルキアとウルルがこっそり近付いてきたのはそんな時だった。二人に近付くと呆けているひよ里を覗き込み、堪らず双葉の背中に抱きつく。

 

 「気持ちよさそうだな」

 「むふー」

 「はぁ、ふぅ……へ? なぁああああああっ!?」

 

 この場に居ないはずのルキアとウルルを認識した途端、ひよ里は膣にペニスを挿入されたまま思わず動いて双葉に抱きついた。

 二人はにやにやした顔で笑っていて、彼女は混乱していたのだが、徐々に状況を呑み込んでいくと羞恥を隠せぬまま、大きな怒りを露わにする。

 

 「み、みっ、見てんなやハゲェッ!!」

 「ほほう、なるほど。二人きりだとあんな感じなのだな」

 「ほほう……」

 「なっ、がっ、あぁっ……!?」

 「なに、貴様は双葉と二人きりになった時間が少ないだろうと思って気を利かせたのだ。それほど恥ずかしがる必要もあるまい。いつも見ていることをしていただけだ、予想通りな」

 

 ずいぶん甘酸っぱい雰囲気だったなと付け加えて、ルキアは満足そうに微笑んでいる。

 一方でウルルはすでに待ち切れずに双葉のうなじに吸いついていて、跡を残してやろうと異様な力を込めていた。双葉もすでに諦めた顔で抵抗せずにいる。

 混乱するひよ里は慌ただしく視線を右往左往させて、一連の行動ややり取りが見られていたのだと自覚し、双葉のペニスがいまだ自分に刺さっていることも理解して、感情の制御ができなくなるときつく目をつぶった。

 

 「うううぅ……! とにかく出ていけお前らァ~!!」

 「それは無理だ」

 「無理、です……」

 「うあああああっ! 全部忘れろハゲェ~!!」

 「こ、こら、落ち着けって、ちょっと……!」

 

 暴れ出したひよ里を押さえるべく、予想していた双葉が彼女の手を掴んでのしかかる。普段ならばいざ知らず、慌てふためいて羞恥心に押し潰されそうになっている今ならば彼の腕力でも取り押さえることができたようだ。

 ここぞとばかりにルキアは彼に抱きついてキスを求め、ウルルはすでに移動して二人の接合部を確認し、双葉のアナルに触れている。

 混沌とした状況で、またいつもの騒がしい時間が始まっていた。

 

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