雑然 作:まるまるまる
男の愛撫とも言えないような愛撫。綿毛が肌をかすめるようなフェザータッチがこの20分余り、奏をある意味で苦しめていた。
最初はただただ快楽とは程遠い感覚に寒気がした。しかし5分、10分、15分と時間が経つにつれ、男の指に身体が過敏になっていくのがわかった。
男は決して性感帯には触れようとしなかった。首から上ではキスを楽しみながら、下では奏の肌をじっくりゆっくりと、指で舐めていた。
腿、腹、背中、肩。外気に露出している部分。衣類越し。ハーフパンツの裾やTシャツから潜り込こませ、様々な刺激とも言えないような弱々しい刺激を、男は時間をかけて奏の身体に染み込ませた。
分厚い肉に火を通していくのと同じ、初めから強火では肉は焦げついてしまう。弱火でじっくり中心まで火を通し、食欲のそそる香りが立って初めて口にする。
この熱の根が、二つの突起と股座から伸びているのに奏は気づいていないふりをした。
「……ま、こんなもんか」
唇を開放した男と奏の間に透明の橋が伸びる。
味、体温、舌の長さ、唇の厚さ。この20分間の濃厚なキスで普通の関係では到底知り得ない、トップアイドルの特徴を唾液を介して男は入手した。
「はぁ……はぁ、あっ……ぇ?」
「よっと」
「――ッ!? ――ッ!?」
無言で男が白い背中に指を滑らせると、息を荒くしている奏の身体はビクビクと神経を撫でられたように反応した。男の言葉を肯定する自らの体に奏は理解が及ばなかった。
男の腕が汗を含んだ白いTシャツに伸びる。
どうやらもうこの姿の奏に用はないらしい。外気に晒されていく白い肌の面積が増えていく。
自分の身体の変化に意識が追いついていない奏の頭の中に、抵抗するという選択肢がでてきたのは男の手がハーフパンツに伸びてからだった。
「……っ! 待って!」
「何だ?」
「……自分で……自分で脱ぐから……」
無駄な足掻き。無意味。そんなことは奏にも分かっている。だが、観念したように男の好きされるのは奏のプロデューサーへの想いが許さなかった。
男の視線に晒されながら、奏はシンプルな黒い下着だけの姿になる。
均整の取れた不足のない肢体。太陽を知らぬような美しい肌。年齢にそぐわぬ色香。
想いを寄せる相手ではない者の手によって火をつけられた雌の身体は、多くの女を抱いてきた男も目を奪われるほど。いや、女を知っているからこそ優れた鑑定士のように、途方もない価値を正しく測ることができた。
「そこに立て」
黙り込む奏に指示を送る。
男が指したのはベッドの外。つまり床。奏は指示通りの場所にベッドから立ち上がると、三脚のついたカメラとベッドに挟まれる形になった。
今頃カメラには自分の背中やが写り、男を隠すようになっているのだろうか、と奏は思った。
「よし、脱がせろ」
何を? ととぼけることはできないだろう。 言われるがまま召使いのように命令に従い、Tシャツとズボンをを脱がせたところで手が止まる。
「くくっ……どうした? まだ終わってねぇぞ。下が残ってるだろ」
「……っ」
本来なら男を喜ばせないために何のリアクションもせず、淡々と進めていくのが奏にとって最善だった。
それを理解していながら奏は手を止めた。止めざるを得なかった。
……嘘……こんなに違うものなの……?
拳ほどの大きさの棒状な何かが不自然にパンツの形を変えている。
奏は膝を付き恐る恐るパンツに指を引っ掛けた。
現れた全貌に「ひっ」と、奏の喉が引き攣る。
大きく、太く。グロテスクで、どす黒く、暴力的で、雄々しい。皮に張りめぐる血管がその威容を強く引き立てる。ナイフを突き立てられたかのように奏の身体が硬直に支配された。
「どうだ?」
「え……?」
「Pと比べてみてよ」
1+1は? と聞かれるように。条件反射で脳から弾き出された答えに、奏は心のなかで首を振った。
「……さあ、わからないわ。そんなにじっくり視たことはないから」
嘘だ。
もう片手では足りないほどに蜜月を重ねた二人。細部まではわからないが、パッと見の大きさは記憶に染み付いている。
しかし素直に答えるのは以ての外。だから、奏は男の問いから背を向けた。
「へー、そんなもんかね。他の女からはなかなか好評なんだがな」
「そう、残念ね」
「……ま、いいか。じゃあ、ほれっ」
根本を摘んだ男が、仰向けに倒れている巨大な肉塊の穂先を奏に向けた。むき出しにされた先端が奏を睨む。
男が下卑た表情で何を要求しているのか。裸同然の男女がこの位置関係でやることといえば自ずと限られる。
何も言わず奏がソレに触れると、ピクリと震えた。男から操縦権が委ねられる。
恐る恐る、奏は手に収まる獣に顔を近づけた。
「……れろ。えろ、れろ……ぴちゃ……れる……」
慎ましく最低限に唇から顔を出した舌が男の逸物に這う。奏に男に対する奉仕精神などかけらもない。キスの熱は未だに身体をじくじくと蝕むが、ままならない思考でも奏の忌避感は消えていなかった。
奏はちらりと上目遣いに男の表情を伺う。これでなにか言われてもあまり経験が無いからと、やり過ごす腹積もりであり、それでもし逆上した男が怒りに任せ行為に移ればさっさと終わらせたい奏にとってありがたい展開だ。
だが期待した男からのアクションは無く、刺激とも言えない舌先の感触を大人しく享受していた。その反応が何か奏に不都合なわけではないが、読めない男に表情が歪む。
……それにしても……
酷い匂い。
チロチロと、アイスを舐めるように顔を寄せている以上、匂いはダイレクトに伝わる。
鼻が曲がるような悪臭、ではない。かと言ってその逆というわけでもない。プロデューサーにも同じように口でする機会は何度もあった。当然、男にするように無味乾燥としたものではなく、もっと情熱的なものである。奏は、思い返せば確かに同じような匂いはあった。しかしプロデューサーのはここまでのものだっただろうか。
すんすん。何度も鼻を鳴らす。
わからない。わからないならわかるまでやらなければ。すんすん。
変な匂いだ。もしかしたら女にはない匂いなのかもしれない。わかるのは少なくとも何度も嗅ぐような匂いじゃないということ。すんすん。男に気づかれるかも。もういいだろう。すんすん。
呼吸をする度、頭の中に靄が掛かっていく。すんすん。
匂いが濃くなった気がする。舐めているから? すんすん。
エラの下だ。そこに舌を忍ばせれば濃くなった。すんすん。
身体が熱い。愛撫とキスで高まった体温が、また一段上がったような気がする。すんすん。
止まらない。何度も吸い込んでしまう。すんすん。
何度も。
何度も何度も何度も何度も何度も――
「すぅーーッ!♡ はぁーーッ!♡ すぅーーッ!♡ ~~~~ッ!♡ ――……え? どうし、て……?」
「おいおい。何度も言ってるじゃねえか。そろそろ咥えてくれってよ」
男根が男の手に奪われる。
「それにしても随分とまあ夢中になってたみたいだな。そんなに気に入ったか? 俺のちんぽは」
「……はあ、勘違いもここまでくれば清々しいわね。私が夢中になってるように見えた? あらごめんなさい。そういう風に見せればさっさと満足して帰れると思ったのだけれど。どうやら恥ずかしい勘違いさせてしまったみたいね」
「……ククッ」
「……何が可笑しいの」
まくしたてる奏に男から笑いが溢れる。
トップアイドルの唾液を潤滑油に亀頭を扱き上げながら奏を見つめる。
「いやなに、申し訳ないことをさせたと思っただけだ。まさかあれが演技だったなんて思わなくてな。そういえばドラマも色々出てるんだっけか。俺なんかが気づくわけもないか」
「……そうよ。別に、分かったのならいい――」
「まさか、間抜けなスケベ面しながらきのこを探す豚みてぇにフガフガしながらちんぽの臭いに夢中になってるのが演技だったなんてな。」
「なっ……!?」
「あんな顔みたらファンもドン引き間違いなしだぜ。ああでも、あんなちんぽ面見せてもまさかトップアイドル速水奏なんてわからないか」
「い、いい加減に――ッ!」
これ以上の侮辱は我慢ならない。奏が恥に染まった顔でなんとか言い返そうと口を開く。その瞬間、男が奏の青い髪を乱雑につかみ天井を向く性器にアイドルの一番の売り物を押し付けた。
「――ッ!? んーーッ! んーーっ!」
自分の唾液と男の汗と、性器特有のくすんだ臭いが顔いっぱいに広がる。尿道の通り道に顔を埋めた奏は、抗議の声を上げながら両手で男の身体を叩くが、トレーニングを積んでいない女の腕ではびくともしない。
時間にして数十秒。奏の抵抗は時間とともに尻すぼみになり、最後には宙吊りにプランとぶら下がるだけになった。なんとか出していたくぐもった声も、身体をビクビクと震わせるだけで何も言わない
「どうする? 奏ちゃんがやりたくないって言うならしゃぶるのははやめにしてとっとと本番でも俺は構わないぜ。ああでも、もしかしたらPのやつが悲しむかもしれねえけどな」
ぐりぐりと、笑みを絶やすこと無く女の命を我が物のように扱い、いきり立った肉棒をダメ押しとばかりに押し付け、ようやく男は奏の髪から手を離す。
散々辱めを受けた奏。その顔が男をゆっくりと見上げる。
怒り。屈辱。無力感。
あれだけのことをされて男に対する敵意の感情は未だ衰えていない。しかし、男はそんな奏の瞳を視て悪辣な笑みをより深くした。
「まあでも、もし奏ちゃんが俺のちんぽをしゃぶりたいならしょうがないけどな」
「――ふざけないで」
薄いピンクに上気した白い肌。
男の手によってボサボサになった髪。
「世界がひっくり返っても私からそんなことするのはありえないわ」
「おっと」
「……でも――」
玉のような汗がしっとりと体全体を包み込む。
捕食されるようなキスと愛撫で引き出された熱。それが肺いっぱいに取り込まれた雄の臭いに反応し奏の思考を鈍らせる。
ダメだというのはわかっている。行くなと心のどこかが叫んでいる。
しかし脳がそれを許さない。オーバーヒートを起こした思考回路に奏の脳が発熱源の迅速な対処を要求している。発熱源は言うまでもなく、奏の雌としての本能だ。
「プロデューサーの為だから♡ あの人がそれを望むのなら、わたしは貴方なんて願い下げだけど♡ しょうがないわ♡ 貴方のを私のお口でしてあげる♡ プロデューサーさん、観てるわよね?♡ ほんとは嫌だけど、しょうがなくよ?♡ 安心して頂戴プロデューサー、私が好きなのは貴方だけよ♡」
男を見る奏の目には怒りとは別の、情欲の火がたしかに灯っていた。
「そんじゃ、ほれっほれっ」
「きゃっ♡ ちょっと♡ ……もう♡ それじゃしゃぶるわよ♡ こんな大きいの口に入るのかしら♡」
ぺちぺちと、さつまいものような肉棒をそこらの宝石よりも価値があるトップアイドルの顔に叩きつける。
それ手に取った奏は自分の顔よりもさらに大きい肉棒に気圧されながらも、めいいっぱい口を開く。
「あーー、はぁむ♡ ムフーーッ♡ ムフーーッ♡ んむ、じゅる、にゅずっ、ぐぽっ♡」
まだ……口の中で大きくなってる……♡
やっとの思いで咥えたというのに男の肉棒はなお口内を圧迫する。
空気の通り道が狭くなり、不細工な鼻呼吸を余儀なくされた奏だが、懸命に奉仕を続ける。
彼女の魅力を引き立てる大人びた唇でぶっとい肉棒を扱き上げ、唾液をたっぷり乗せたを舌をカリ首の裏側にまで余すこと無く攻め立てる。
吐き気を感じるギリギリまで笠を喉奥まで迎え入れ舌を回し穂先をもてなすと、「うおおっ」と男が快感に呻き、奏は目尻を少し下げた。
「んじゅっ、んじゅっ♡ ちゅる……じゅぞっ♡ ちゅぽっ――ちょっと♡ スマホなんてどこから出したのよ♡ もしかして撮ってるの? うそっ♡ それもあの人の指示?♡」
「くくっ。フェラ顔はこのアングルが一番だからな。俺は仲間思いだからな。Pも大喜びしてくれるだろうさ」
「……最低ね……♡ そう言われたら何も言えないじゃない♡ ……それじゃ、私もプロデューサーさんに喜んでもらえるようにしないと、ね……♡」
奏は竿よりもさらに下に潜り込むと、ずっしりと種を蓄えた白いマグマの貯蔵庫をパクリと口に含んだ。
その姿を男の手にある無機質な瞳が捉えている。
「うおっ、まさかの金玉舐め! あ〜……やっば。めっちゃ気持ちいいわ、それ」
スマホの画面にはとてもファンには見せれない卑猥な眺めが記録されている。陰嚢を舐めしゃぶるに留まらず、スラリと通った鼻筋をベッド代わりに男の竿を横たえる。
自分が他人からどう見られているのか。アイドルになる以前からそういった能力が備わっていた奏は雌として、雄がどうすれば喜ぶのか。一時恥辱も忘れ、無自覚に男の支配欲を満たしていた。
「あむ♡ じゅぶ、ちゅぅぅぱっ♡ レロ、ッ、じゅるるる、じゅぽ、ちゅぽっ……んふ♡」
「くぅぅ、エロすぎだろっ! この変態アイドル! ステージの上じゃ澄ました顔しやがって! 射精すぞッ! 咥えろ!」
登り来る射精感。乱暴に髪を掴み無理やり引き離すと、ちゅぽっ♡ と小気味良い音がした。
これは私の意思じゃない。あの人が望んでるから。拒否したら暴力を振るわれるかも。いや、顔に掛けられるかもしれない。ホントは嫌だけどそれよりマシでしょ? だから――♡
「あーー♡ ――んブッ♡」
「ッ! 射精るッ!」
唯々諾々と、男の命令に従った奏。頭の中で繰り返した無意味な言い訳も一瞬にして口内を支配した肉塊と精液に吹き飛ばされる。
生暖かい感触に包まれながら、肉竿は律動を繰り返す。半固形状の苦々しい白い液体が奏の口内で出口を求めて奔流する。しかし出口は肉塊に塞がれ、それどころか衰えること無く射精を続けている。
奏の、白い肌に浮き出た喉が波打つ。
……ごく……ごく……。
白く熱い液体が小さな舌に運ばれ食道を通り過ぎる。
しつこく喉に絡みつく粘液に苦戦しながらもなんとか飲み下していく。
「ん……ん……♡」
白く熱い液体が小さな舌に運ばれ食道を通り過ぎる。
しつこく喉に絡みつく粘液に苦戦しながらもなんとか飲み下していく。
喉奥に焼けるような感覚を感じるたび、火に薪を焚べるように身体を犯す熱が強く燃え上がる。
「あー射精た。射精た。最後の一滴までちゃんと綺麗にしろよー?」
「ちゅる……ちゅ……♡ ん……これで満足?♡」
「ああ。気持ちよかったぞ。俺の前に誰か他の男と浮気してたっつっても驚かないくらいにはな」
「……ふざけないで。私はプロデューサーさんの頼み以外で誰かに体を許したりしないわ」
「そうかい。じゃあ俺はトップアイドル速水奏の二人目の男ってわけだ。光栄だ、な!」
「――きゃっ! ちょっと急に何する――お゛っ♡」
ずちゅっ♡ と、卑猥な音が一つ響く。それと同時にその美貌からは想像できない下品な声が奏の喉から飛び出る。
女にはない力で強制的に立たされたまでは分かる。思い切り引っ張られその勢いで上半身は倒れないよう男に抱きついてしまった。だが、次いで腹部より下からせり上がった甘い痺れ。情けなく身体を震わせながら視線を下ろすと、そこには男の腕が伸び、奏の黒いショーツに潜り込んでいた。
「おーー? おやおや随分とまあ、漏らしたみてぇにぐちょぐちょだ。奏ちゃんもまんざらじゃなかったのかなー?」
「ふ……ふざけないで……♡ あなたがそう思いたいだけでしょ……♡ も、妄想なら一人で――あ♡ ダメっ♡ 待って♡ やめてっ♡ ひっ、ぃっ♡ はや、ッ、くぅ♡ やめっ、あっ♡」
「んーー? やめてって何のことだ?」
「指ッ!♡ 指ッ、うごか、しィィ♡ はやく止めてェ!♡」
まだ一人の雄しか知らない聖域を小指に近い2本の指が蹂躙する。
大層なテクニックを用いずとも指を咥えこんだ奏の膣は存分に反応を返す。縦横どこでも指が触れればぐちゅぐちゅと蜜が溢れ、震える太ももを伝っていく。
今の奏では女と会話したこともないような童貞でも喘がせるのは容易いだろう。
悲鳴に近い嘆願を聞いた男はあっさりと指を止めた。但し、指はそのままだ。
「なんだ止めて欲しかったのか。奏ちゃんが濡れてないなんて言うからさ。教えてあげようと思ってな」
「はー、はー……♡ そ、そう……♡ っはー、はー……ごめんなさい♡ 私の、っ、はーっ♡ 勘違いだったみたい♡ ぬ、濡れてたようね……♡」
「わかればいいけどよ。ところでなんでやめてほしかったんだ?」
「……へ?」
イカされるのが嫌だったから。そう答えるのは難しくない。だが暗に、私は初対面の好きでもない男で股を濡らしちょっと指で愛撫されるだけで絶頂する簡単な女です、と男にもプロデューサーにも知られたくはなかった。
素直に答えるなんて選択肢はありえない。
「い、痛かったのよ。その、プロデューサーの優しいやり方に慣れてたから」
「……へぇ」
「私のことはもういいでしょ? これ以上は時間の無駄よ、早く終わらせましょう」
「……」
「え……? ちょっと、嘘、待って、お願い。ねぇ、あなたのを下手くそって言ってるわけじゃないの。だからーーあっ♡」
当然、男は奏の嘘など通用していない。それは奏以外にも女をたくさん男が抱いてきたというのも理由としてあるが、足を震わせ必死に静止を要求する姿は誰が見てもあと少しで絶頂間近だとわかる。
どうせ理由は大したものじゃないだろうとあたりをつけていたが、わざと泳がせ様子をうかがった。
全ては奏を安心させ油断しきったところにどちらが上か、上下関係を身体に教え込むため。
つまり、男は最初から奏の頼みなど聞いてはいなかった。
「あっあっあっあっ♡ ーーぁああああああああああっ♡」
くちゅくちゅくちゅくちゅっ♡
卑猥な水音。部屋に破裂する絶叫。床に飛びった潮。指を締め付ける膣壁。落ち着きを忘れた腰。
この淫らに蕩けた顔を視て誰が痛かったなど言う戯言を信じるのだろうか。
ドラマでは様々な演技をこなしてきた奏だが、こんな表情はしたこともないしできない。いや、奏に限らずどんな名だたる名女優の演技もまがい物の粋をでないだろう。
今の奏の顔は誰にも真似できない世界に一つの顔をしていた。
「おーこれがトップアイドル速水奏のイキ顔か。うーん、やっぱ女はどいつも似たような顔になるもんだな」
「ひゅーッ♡ ひゅーッ♡」
普段の奏ならば見過ごすはずがないすべての女性を敵に回すようなこの発言も、今の奏ではみっともなく男に抱きつき喉で笛を鳴らしながら息を整えるのにいっぱいいっぱいだ。
男が淫裂から指を引き抜けば「おっ♡」と、品のない声と愛液が一緒に漏れ出した。
テラテラと光を受けて輝くのは指のみならず、男の手の平全体に渡り光を白く反射させている。
「うーむ、もっと色々やりたかったがあんまりPのやつを待たせるのも悪いか?」
言うが早いかブラと雌汁で重くなった黒いショーツをあっという間に男は剥ぎ取り、邪魔にならないところへ投げ捨てる。
未だ快楽に体を震わせる奏を男はベッドで四つん這いにさせた。大きすぎない母性の象徴が小さく揺れる。
「うわっ、この顔と身体で乳までこれかよ。AV堕ちしても困らねえな」
「な……何するの……♡」
「ほれほれ奏ちゃん、これもお決まりらしいからさ。最後にPにまたメッセージ頼むわ。俺も早くヤりてえしな」
一度射精したにもかかわらず、衰えるどころかより大きくいきり立つ努張を男は扱きながら奏の背後に回り、濡れそぼる淫裂に照準を合わせ穂先でくちゅくちゅとちょっかいを出す。。「んんっ♡」と引き出された甘い声に奏は逃れようのない運命のレールの上に自分が乗っていることをようやく悟る。
早く終わらせるつもりが手練手管の愛撫で身体に火をつけられ、女を狂わせる濃い臭いに脳を溶かされ簡単に口淫まで許してしまった。
だがそれでもこの最後の一線は思い通りにはさせない。
奏は決意をより固める。どんな甘言にも快楽にも惑わされはしない。これまで不甲斐ない姿を晒した。ただそれでも、プロデューサーへの想いは最初から変わっていないと断言できる。
奏はプロデューサーの目の代わりとなっている無機質な瞳と向き合い。口を開いた。
「プロデューサー、きっとあなたのことだから私のこんな姿を観て後悔しているのでしょうね。 ふふっ、安心してって言ったでしょ? 私の気持ちは最初から何も変わってないわ。……んあっ♡」
カリ首が淫核を舐めあげ、さっさと終わらせろと奏を急かす。
男の催促を無視しようとする奏の心情とは逆に、秘裂はパクパクと期待に口を開きし膣中からとろりと蜜が滴る。
「……っ、ちょっと♡ ひんっ♡ わ、わかったわ♡ 早く♡ 早く終わらせるから♡ ーーだからね、プロデューサー♡ これが終わったらいつも通り抱きしめて愛を囁いてちょうだい♡ そしたらーー」
許してあげるわ♡
その言葉を合図に男は腰を突き出した。
速水奏とは、と道行く人に問かければ口を揃えてトップアイドルと答えるだろう。
歌、ダンス、ビジュアル。どれをとっても一級品。欠点などあるはずもなく、時代を象徴するアイドルというのが世間の評価だ。
間違ってはいない。
しかしそれは、アイドル速水奏しか知らない群衆の、掛け値のついた評価でしかない。
「――ひぃぃぃぃッ♡ イグッ♡ イグッ♡ イクイクイクイク♡ またイクゥゥゥううう♡」
勢い良く反った背筋から汗が飛び散り怒張を膣壁がぎゅうぎゅうと締め上げる。幾度目かの
絶頂に奏の身体は悲鳴をあげていた。
あれからただひたすら男に快楽を叩き込まれ続けた奏は、プロデューサーとの営みの差に絶望を感じていた。
男の規格外の怒張が子宮口をえぐるたび意識が飛び跳ねそのまま帰ってこないのではと疑ってしまうほどに強烈で、二回りは小さいプロデューサーの一物では決して味わったことのない深い絶頂。
奏の精神は今にも崩れ去ってもおかしくないほどに、男の雄に消耗させられていた。
「待ってッ♡ 止まってッ♡ お願いだからッ♡」
「また待ってか? 何度目だよ。――ダメだ。いつまで経っても俺がイけねえだろ」
「ご、ごめんなさっ、あっ♡ それダメっ♡ 浅いとこもダメっ♡ それイくっ♡ 甘イキするっ♡ ッ! フーッ、フーッ!♡」
「気持ちいいか? Pのちんぽよりも気持ちいいんだろ? ちゃんと声に出せ、よっ!」
「いぎィっ♡ ぉ、おぉぉぉ♡ 気持ちいい!♡ あの人よりもおっきくてかたいちんぽ、気持ちいいからぁぁぁ!♡」
声に出せば情欲の熱がより燃え上がる。怒りも、罪悪感も、屈辱も、今の奏にはすべてがスパイスにしかならない。愛のかけらもないピストンが、今まで経験した何よりも気持ちいい。
奏は認めざるを得なかった。意思とは関係ないところで自分の身体が男に屈しかけているという残酷な現実。心ではなく生物としての本能が今日あったこの男を番として認識しているのを。
「おらっおらっ、よしっ。とりあえず記念すべき一発目の膣内射精だ。しっかり締めろよ。奏」
「お゛っ♡ イ゛っ♡ ぃ、ヒィ♡ ッ! こ、これっ♡ しきゅっ♡ 子宮っ♡ 何れ!?♡ おっ♡」
男の言葉を認識した脳が無許可で子宮を降ろしたことに困惑する奏。どちゅ! どちゅ! っと尖塔が天井を抉る度、膣肉がザワザワと蠢き締め付けその時に備え始めた。
肌と肌との音が弾けるたび白に塗りつぶされる視界。その一瞬の隙間に奏の瞳はあるものを捉えた。
「――♡」
「うおっ! なんだっ!? 膣内が急に! ッあ〜射精るっ!。射精すぞっ!」
びゅくっ♡ びゅー、びゅるるるっ!
「あ、あ、あ――あぁぁぁぁ……っ♡」
男は奏の腰を引きつけ叫ぶ。
明らかに自然ではない、射精をさせるためだけの肉の動き。男の脈動に合わせ子宮がごくごくと奔流を飲み込んでいく。
カメラだ。
歌、ダンス、演技、表情、身体。そして、アイドル速水奏を映すカメラ。日常の一部とすら言えるそれが口が裂けてもアイドルらしいとは言えない浅ましい痴態を、ただただ咎めるように見ていた。
「あー気持ちいい。さすが、トップアイドルはマンコの方も優秀ときた。こんな動き娼婦でもしねぇぞ」
四つん這いの腕を折り、シーツに顔を埋める奏の白い尻をペチペチと称賛を込めて叩けば肉が波打つ。
自分だけではない。多くの人間が情熱を捧げてきたアイドルという職業。それをこのような一方的で歪んだ性行為と並べられた称賛など侮辱と変わらない。なのに、奏の膣はよりぬかるみ、蠢き、悦楽に震え、未だに硬いままの肉棒を強く締め付ける。
「ま、まだ大き……ッ♡」
「当然だろ。最低でもあと五発はだすからな。特上の芸能人なんて次いつ喰えるかわからねぇからな。余すとこなく味わっておかねぇと」
「ひっ♡――いぎっ♡ おおお、おっ♡ い゛っ♡ んっ、んっ!♡ は、あぁぁ♡」
何かがこの腹の中の白い欲望の熱に塗りつぶされていく。理性も、これからの人生も。正常に回っていた歯車が形もわからないほどに溶かされているような。そんな確信を感じた奏の顔に浮かんでいたのはステージの上よりも、愛する人の隣よりも遥かに美しくそして――凄艶な笑みだった。
「くうっ! うっ、射精すぞっ! 五発目っ! どこに出してほしい!? 言えっ!」
「ぁ、あああぁぁぁっ!♡ 膣内ぁっ!♡ 膣内に射精してぇ♡ あなたのでかちんぽでお腹の中いっぱいにしてぇ!♡」
びゅく、びゅるる、ぶぴゅっ。
五発目の射精。男の白い欲望が小さな部屋にばら撒かれる。すっかりと男の肉棒の形を覚えた肉襞はやわやわと締め付け射精を促す。
抜かず休まずで絡み合った二人。あれだけあった嫌悪の色も奏には欠片も見えず、ベットに手を付き立ちバックで自ら腰を押し付け種をねだっている。
「ああ……♡ 射精てる……♡ 私とプロデューサーの部屋にあなたの精子がびちゃびちゃ飛び跳ねてるぅ……♡」
仲間と切磋琢磨した記憶。愛しい人との愛の記憶。大事なものが自我の変質とも汚されていっているというのに、どうしてこんなに心が満たされていくのだろうか。自分はアイドルでも特別な人間でもなく、ただの雌。そう教え込まれるのがたまらなく心地良い。
五発目だと言うのに以前その凶悪さは衰えを見せず、ぐっぽりと膣壁を押し広げていた肉棒を、男はゆっくりと抜いた。。
「お――おぉぉぉぉ♡ お゛っ♡」
ちゅぽっ♡
小気味よい音と下品な雌の声。
数時間に振りに外気に触れた生殖器はどちらともつかない精液やら愛液やら、体液のカクテルに覆われている。
「ちょっとベッドに寝っ転がってマンコ広げてろ」
「な、何を……♡」
男の命令に困惑を覚えながらも身体は従ってしまう奏。言われた通りにベッドに背中を乗せ見せつけるようにM字開脚で痴態を晒す。しかし、如何に堕とされた奏といえど、流石に恥を感じているのか頬の赤みが濃くなっていく。
ごぷっ♡ ぶぴっ♡ と聞いている方が恥ずかしくなるような音が、膣奥から白濁液と共に溢れ出し、肉襞を広げる指を今にも離してしまいそうだった。
男はそんな耳まで赤くする奏の痴態を、男はシャッター音を響かせスマホに収め始めた。
「ちょ、ちょっと……!?♡ それは……!♡」
「ああ、安心しろ。お前が考えてるようなことじゃねぇ。途中経過を送るだけだ」
「途中経過……?」
宛先は何処かなど聞かなくてもわかる。
愛を捧げあった相手にこの姿が届く。きっと数時間前の奏なら噛みつき爪を立て、殴られてもなりふり構わず阻止しようとしただろう。だが――
「……♡」
パシャッ、パシャッとシャッター音は軽快に鳴り続ける。
阻止するどころか指の力が強まり、溢れ出る精液の勢いがさらに分泌された愛液でさらに増した。
「くくっ、撮られて興奮してんのか。すっかり変態だな。それともアイドルは全員カメラの前ではまたを濡らす奴らなのか?」
「黙りなさい♡ あなたが馬鹿みたいに膣内射精して奥に押し込んだのがいま出てきただけでしょ♡ 私だけならまだしも他の子を馬鹿にしないで頂戴♡ あなたとも今日で最後なんだから♡」
「へーそうかい。そりゃ残念だな。それなら今日と言わず、今すぐやめるか。映像はある程度撮ったしPも満足するだろ」
「え……」
きっと引き止めるものは色々とあった。常識、アイドル、愛、仲間との思い出、速水奏が培ってきたこれまで。
様々な経験と記憶が脳裏をよぎり、闇しか見えない深海に沈む奏を明るく照らす。
男からの願ってもいない提案。答えを出すのに寸分も逡巡も必要なかった。
「ダメよ♡ もしプロデューサーさんが物足りなかったなんて言ったらまたあなたとヤラないといけないのよ?♡ そんなの御免だわ♡ んっ♡ だから徹底的に犯してもらわないと♡ そうでしょ?♡ あンッ♡ だから、ね?♡」
背を向けた男に抱きつき豊かな胸を擦り付け、プライドも尊厳もかなぐり捨てて引き止める。
雄に媚びる惨めな雌。まだプロデューサーへの体裁を保とうとバレバレな嘘で捲し立てるのが惨めさを加熱させている。
今ならプロデューサーの気持ちが分かる気がした。神聖で、大切で、高潔、なものがあっけなく汚されていく喪失感。ポッカリと穴が空いたところが禁忌で埋め立てられていく充足感。穢れた自分を晒す開放感。神経を愛撫するようなスリルがどうしようもなくたまらない。
「ん~、たしかにそうかもなあ。でも帰るつもりだったから萎えちまったな。責任とって勃たせろ」
だらりと萎れぶら下がるだけになった肉棒を見せつける男の要求に、奏の行動は早かった。
「犯してください♡ ファンもプロデューサーも裏切った最低な雌穴♡ あなたの強い雄ちんぽでお仕置きしてください♡」
女性的な魅力を十分に蓄えた尻を突き出し左右に揺らす。淫裂からは未だに精液が染み出し、ぽたり、穢れた雫が滴り落ちた。
男の萎びた生殖器は見る見るうちに凶悪に変貌し、様々な淫液を垂らす締まりの悪い穴に添えられる。
悦びに震える淫らな身体。奏はある予感がしていた。
この映像を見たプロデューサーはきっともう一度頼んでくるであろうこと。この男とは長く深い付き合いになること。そして自分はその未来を進んで受け入れること。
アイドルという非日常がさらに歪に変わる。
肉穴がまた潤み、奏は甘い声で鳴いた。
文字数減らしたいけど、どんなテンポで書いていいかわからん。
もっとエッチにしたいよ。