みんなに優しいアイドルが陰ではぐちゃぐちゃにされてるなんて… 作:人の心を捨てないと書けない
日間と週間で一位取れたみたいですね。うれしみ
ピークは過ぎたのでこれ以上上がる事は無いでしょうが、頑張ります
「透、円香」
「ん、なに」
「なにか」
颯ちゃんを駅まで送ってから登校し、透と円香を人気のない場所へ呼び出した。流石に誰かに聞かれたくはない話だ。
「その…うぅん…」
いざ、言葉を出すとなると喉の奥で詰まってしまう。あれだけイメトレしてきたのに…
いや…覚悟を決めたんだ。今言えなかったら、きっと一生言えない!
「二人は…ボクのことどう思って…いや、好き…なの?」
…あぁ、言ってしまった。自分で言った事が信じられない。もし違ったら…やばい人だよボク…
「うん…その、ね。私はそうだよ。好き、蒼紗」
「浅倉…わ…私、は。…私も一緒…です」
……どんな、顔をすれば良いんだろうか。女の子同士ってことには、ボクの素性から何の問題も無い。ただ、女の子から…真っ向に好意を伝えられたことは初めてだ。
嬉しくもあるが…顔が熱い。いや、ここで逃げちゃ駄目だ
「その、さ。ボク…嬉しいよ。円香も、透も好き。だけど…二人の好きとは、違うと思う」
黙って聞いてくれる二人。
「だから、ごめん。それに…ほら。アイドルなんてやってるから…最近は二人との時間も取れてない。今は、二人と…ボクはそういう関係になれない…なっちゃ駄目だと思う…」
「だから…ごめん」
言ってしまった。ボクが黙っていたら、ボクが気にするだけだったのに。これでは、二人がどう思うか…!
「…大丈夫、泣かないで。顔を上げて」
え…ボク、今泣いてるの?
「ごめんなさい。苦しめてましたね、私たち」
「うん…ごめん、私も」
「な…なんで二人が謝るの…?」
ボクが二人を拒絶したのに、どうして?悪いのはボクだよ…!
「蒼紗、私たちは今すぐあなたをどうするかなんて考えてません。恋仲になるだとか、それはあくまでも理想だっただけ」
「好きだよ。蒼紗のこと。でも、私たちをそういう目で見てないのは知ってる。だからさ…
「まだ、友達でいよう」
「……ごめん、なさい」
「…違います、これは私も浅倉も決めてたこと。貴女が今、私たちをフったから、妥協して言ってるわけじゃ無い」
どういうことなの、二人は何を言って…
「だから、蒼紗の隣を予約したいってこと。いつか、振り向いて貰うよ。だから…そのいつかの為の約束」
浅倉は私はボクに近寄って、優しく、キスをした。
「…私も、いつか、貴女を…」
浅倉と代わって、樋口も私に顔を寄せてくるが…
「円香…顔真っ赤…」
「っ!うるさい…です…!」
「よし、良いぞ三好。調子戻ってきているぞ」
「はっ…はっ…。はい…!ありがとうございます」
滴る汗を拭く姿も魅力的ですね。服が張り付いて体のラインが浮き出ているのもエロティック……っとと、いけない。最近は煩悩が多い。
どうやら吹っ切れたみたいですね。凪アドバイスが効いたようで何よりです。
「蒼さん、ごきげんよう」
「えっと…さっきまで一緒にレッスンしてたけど…?」
「悩み事はどうです?」
「話‥聞いてよもぉ…。…うん、解決したよ….一応ね」
それは良かった。……良かった、はず。なんでしょう、このモヤモヤは。
「そ、それでどのように…?」
凄い、ドキドキしています。蒼さんがどういう答えを出したのか。うぅむ、なぜドキドキしているんでしょう。蒼さんと…私の知らない友達との恋の行方なんて、そんなに興味のあることじゃ…
「断ったよ。……まぁ、一旦だけどさ。向こうに気を遣わせちゃって…」
「ほっ…そうですか。あ……いえ、その…なんであれ気持ちが晴れたのならば良かったですと凪は賛辞を贈ります」
「まぁ、別の悩み事に変わっただけなんだけどね」
やんわりと笑いながら言う蒼さん。この調子ならば心配はいらないだろう。はーちゃんにも伝えてあげましょう。まだチャンスはあると。
「颯ちゃんにも迷惑かけちゃったし…ボクを心配して来てくれたからさ、何がお礼しないとね。颯ちゃんが喜ぶものって何かな」
ふむ、はーちゃんはそう言うことにしたんですね。あの会話を盗み聞きしてるのは知ってましたが、まさかストーキングに出てしまうなんて…
でも、いくらはーちゃんがそう言ったって…鵜呑みにするなんて。はーちゃんは演技が下手なのに、こうも上手く騙せるなんて、蒼さんは人が良すぎる。知り合いにはとことん甘く、にぶちんなのではないか。
「ね、凪ちゃんも何か欲しいものある?悩み聞いてくれたお礼、したいな」
そう言って私の真横に擦り寄って来た。耳元で聞こえるとろんと蕩けるような声と、汗が混じった蒼さんの不思議な匂いに顔が熱くなる。
「———-い、いえ。…えーっと、その……もう少しで凪のトークが始まるので暫しのお待ちを……うむぅ…」
頭が真っ白になって何の言葉も出てこない。本当にどうにかしてしまったようだ。
その場にいるのがきつくて、立ち去ることにした。
「…本日の凪の営業は終了致しました、またのご来店を…」
閉店のBGMを歌いながらすすっと扉を出る。
「一体…凪はどうしたのでしょう…!」
顔が火照って、心臓もドキドキして…これではまるで…
「ふぅ…私は凪、私は凪…」
その考えを一蹴した。そんな事があってはならないのだ。はーちゃんの為にも……
「久川さん。お話があるのですが…よろしいでしょうか」
「……おや、Pですか。何用でしょう」
「…後にしましょうか、決して緊急の話ではありませんので…」
「いえ、鮮度が大事、思い立ったが吉日、と言う事で今にしましょう」
一人で考え込んでいるとどうにかなってしまいそうだったので、新しい話をとにかく取り入れたかった。
「そうですか、では…久川さん…凪さんと颯さん。そして三好さんでユニットを組もうと思いまして」
気分転換にならない話題だった。