ヤリモクでポケモントレーナーになりました。 作:お隣の池の中のプラナリさん
「ゼェッ...ゼェッ...おい、起きろや。」
───結局、私の嫌な予感は的中した。あの日丸々シャルに責められ尽くされ、気づけば二人共々気絶したように眠りこけていたらしい。
この高い草むらの中でね。
いくら竿が無いからと言って、流石に腰を延々振るってセックス紛いのことしてたら身体も痛くなるわ。まだようやく立てるかどうかくらいにしか体力も回復してないし、上から覆い被さるようにして自重を預けている当の戦犯はぐーすか眠ってますね。
今外なんだわ。今朝なんだ。そして今全裸なんだわ。今身を隠せるものはこの草むらだけなんだわ。
詰んだぁぁぁ......!!!
「ん....ぁ」
「おはよシャル。とりあえず、退いてもらって......」
「あ、ごめ........っと腰が動かないわ。」
「ですよね。私も腰が砕けて動けないわ。」
残念なことにシャル自身も相当疲弊しているらしい。そりゃそうだ。いくら竿がないとはいえ、まるで交尾のごとくあんなにヤったのだから。
「はぁー...とりあえずキャンプに戻r」
コツン、と言う音と共に遠くからなにかを投げられた。件のそれはどうや、モンスターボールのようである。モンスターボールはシャルの後頭部に直撃し、彼女が短く「いでっ」と鳴く。
「どっどどどどどどどうしようっ!!私達見られてる?全裸だよ不味いよ!!」
「落ち着いてっ!まず人間だってわかってたらモンスターボールなんて投げないでしょうが!」
当然私達は内心大大大パニック。少なくともシャルの背中が見えているということだろうか。投げた本人がこっちにきたりでもしたら完全に詰みなんだけどどうしよ。
......
.....
.....
.....
しかし、待てど待てどもそのトレーナーが戻ってくる様子はない。必死に息を殺し、どうにかこのままやり過ごしたいところだ。
「...遠くでハガネールと戦ってるトレーナーがいるだけみたい。他に人いないし、多分彼が投げたボールが弾かれただけかな。」
「....ふぅ。」
私より高い位置にいたシャルが草むらから顔を覗かせて警戒してくれていた。どうやら現状をみられることにはならなそうでよかった。
「戻ろっか。」
「そだね。よくよく考えたら這って戻れるでしょ。」
そんなこんなで、今回もギリギリバレずにテントまで戻ることができた。露出狂はこういう状況がそそるというが、その気持ちは私にはわからない。絶望感と羞恥心と焦りしかなかったわほんと。
「ふーっ、ほんと気をつけてよね。シャルがあんなに本気になるなんて、少し怖かった。」
「....ごめん。」
一応今回はなんとか戻れたとはいえ、流石にやり過ぎだ。一回彼女を軽く叱っておかなくちゃいけないと思って一喝だけしておく。
けど、別にシャルのことは嫌いになったわけじゃない。というか今回の叱りは「相手ならするから場所だけ考えて欲しい」という意味合いの方が強い気がしていた。自分の事ながら、ホント毒されてるなあと思う。
「ごめんね?」
「いいよ別に。なにか起きた訳じゃないし、気持ちよかったからさ。」
ポケモンを横に並べて隣で猥談しながらするだけの関係だった私とシャルだが、お互いに弱みや性格を知ってきてからか妙に距離が近くなってきている気がする。
まあ彼女が犯されかけたところも見てるし、シャルも私がイキまくってるところをこれでもかと見てるわけであって。それでいて仲良く隣にいる関係なんて普通の感性じゃまずあり得ないよね。
「...で、今日はどうする?またワイルドエリアでヤる?」
「そうだね、特に思い付かないよ......」
ひとまずずっと裸なのもどうかということで、服だけ着てテントを離れることにする。惰眠を貪り性欲解消も全然いいが、それだけだとどうも満足しなくなっている。たまには人間らしくいたいという二人の性なのだろう。
理性と性、いってることは同じにして矛盾してるのも中々面白い。
───というわけでひとまずテントから離れてワイルドエリア内を探索する。ワイルドエリアは湖や荒地のようなエリア、のどかな草原など複数のエリアに分かれ生息するポケモンも異なる。
人工物のようなものも時折みられるが、どういった意図で立てられているのかは全くの不明である。
「きゃははっ!」
「あははっ!」
私の気を剃らしたのは、笑い声をあげながら草原内を駆け回る。ポケモンの格好をした少年少女。【ポケモンごっこ】と呼ばれるトレーナーの肩書きで、文字通り特定のポケモンになりきっている子供のトレーナーだ。
持っているポケモンもその人の服装がモチーフになっているものが、大半である。
それぞれピカチュウ、イーブイをモチーフにしたパーカーを羽織っている幼い彼らは危険なワイルドエリアをまるで公園かのように走り回っているのだ。
「おねーさんもおいでよ!!」
「う....あぁっ、危ないよ.....??」
そうして現れたのは、私達より年上だと一目でわかる大人びた少女だった。少女と形容したのは、それでもまだ幼さが残る顔立ちだったからだ。
彼女はくすんだ金髪や瞳をもち、顔つきは非常におっとりとした優しげなものだ。だがそんな彼女もまた、ポケモンをモチーフにした服に身を包んでいたのである。
彼女の紙、目の色にあうくすんだ黄色の布地のパーカー。フード部分にプリントされた特徴的な顔と耳。その耳は片方が折れている。スカートのようになっているギザギザの部分もまたポケモンの特徴をしっかりとらえている。
「ミミッキュになりきっているのか。ま、可愛いからね。」
「でもそれにしては邪魔じゃない?あのおっぱい......」
「こらこら.....」
そう、あの子のなりきっているポケモンはミミッキュという好きな人と嫌いな人が両極端に分かれるゴースト、フェアリータイプのポケモンだ。因みに私は好き。
「おねーさん、早くポケモンバトルしよーよ!」
「ま、まってね??ここじゃ迷惑になるからね!!?」
年上の姉だろうか?大人を巻きこんでやんちゃするのも中々見慣れた光景でつい微笑ましくなる。私は兄弟とかいなかったから羨ましくも感じてしまうしな。
「何回できるかな?」
(ん.....??)
ポケモンバトルに回数、なんてものはあっただろうか。連続技の練習か、はたまた何人抜き(三タテ)か........
「ボクのメガホーンでまた倒しちゃうからな!!」
「ふえっ!?」
あっふーん....
私は今の一言で全部察してしまった。とうのシャルは微笑ましそうに光景を眺めて笑っている。おいおい、彼がモチーフにしてるピカチュウなメガホーンなんて覚えないからね??
「ねえケイくーん!!ちゃんと私も相手してよ!!」
次にイーブイのパーカーを羽織るロリの女の子がそんなことを口走る。えっええ....これはもうつまりそういうことなのですよね。あの男の子、両手に花や、ヤリチンやバケモンや。
と、とりあえずなにも聞かなかったことにしてここはやり過ごすとしよう。
「お、あんなところに女のポケモントレーナーが!!俺とポケモンバトルしようぜ!ぴっぴかちゅう!!」
....視線をぐりんと回したヤリチュウトレーナーに見つかり、そのままバトルを持ち込まれる。考えた上で一番最悪のパターンだ、とりあえずここは傷つけない程度にやんわりと断っていこう。
「ちょっとケイ!!迷惑だよ!!」
「大丈夫ですっ!私と一戦しましょ!!」
私が断る前に多分状況を知らないであろうシャルが勝手に許可を取ってしまった。馬鹿野郎が。とうのお姉さんはすごく申し訳なさそうにこっちを見ている。多分そういうことだよね。だってあの目、子供が粗相をして謝る親の顔とも違う、完全に「やってしまった、取り返しつかない、どう謝ろう」っていう顔だもの。
ポケモンのニックネーム、つける?
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つける
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つけない
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相棒だけにつけて他はそのまま