ヤリモクでポケモントレーナーになりました。 作:お隣の池の中のプラナリさん
「ニャビー!ほのおのキバ!」
「ジャノビー、かわしてグラスミキサー!」
次の日、私ははじめてのポケモンバトルを体験していた。一度そろそろワイルドエリアを抜けて、エンジンシティに向かおうとしていた矢先、新米トレーナーの女の子と出会い(一方的に仕掛けられたせいで)勝負することになったのだ。
『ギャウ!!』
「ニャビー!大丈夫?」
ジャノビーのグラスミキサーは、空中を駆けていたニャビーに直撃する結果となった。そのまま勢い良く地面に投げ出されるニャビーだが、四本の足で踏ん張りすっくと立ち上がる。
ニャビーを連れたこの赤毛の女の子もまた、バトルは不慣れらしい。話を聞く限り私より後に旅に出たそうで、ひよっこもいいところだ。
「負けない!ニャビー、ひのこ!」
『ニャウ!』
口々から猪突猛進な印象を受ける彼女の名はエンリ。150センチを切る小柄な身体の何処に隠し持っているのか聞きたくなるほどの、炎のように熱い熱意を持った天真爛漫なトレーナーだ。
「やどりぎのタネを飛ばして相殺!」
『ジャノッ!』
ニャビーのひのこに合わせ、指示通りにやどりぎのタネを飛ばすジャノビー。ひのこはやどりぎのタネにぶつかり、弾けて消えた。
「おーけー!もう一度グラスミキサー!」
ジャノビーのリーチの長さを生かし、もう一度グラスミキサーを指示する。ニャビーのレベルはまだジャノビーより間違いなく低く、遠距離攻撃はひのこのみと見て良さそうだ。
ポケモンの技スペックは4つ固定であり、それ以上の技を覚えようとするとどれかひとつがランダムに消える。
ニャビーの技で確認したものは ひのこ、たいあたり、ほのおのキバの3つだ。
「かわして!」
『ニャ……ギャアッ!』
命中率が下がり、視界を遮られていたニャビーにグラスミキサーが再び直撃する。効果はいまひとつだがレベル差もありその場に倒れ込む結果となった。
「うっ……ごめんねニャビー。」
エンリはニャビーをモンスターボールに戻すと、続けて別のモンスターボールを投げてきた。ポンッとモンスターボール特有の音を響かせ、2体目のポケモンが姿を現した。
『クルルルルルッ!!』
「……マメパトか。」
エンリの二匹目はマメパトのようだ。街中から森の中まで幅広く生息している飛行タイプのポケモンであり、序盤鳥ポケモンの中でも大人しく、進化先も特に目立ったものでなかったことは記憶している。
「草タイプには飛行タイプが有利!かぜおこし!」
『ポーーーッ!!』
マメパトが翼をはためかせるのと同時に、ブンブンと強い風がこちらに吹き付けてきた。
複数のポケモンを持ち歩いている彼女の方がよっぽどポケモントレーナーらしい。人とポケモンバトルするのははじめてだが、私も早いうちにポケモンを捕まえとかないと。
『ジャノッ……』
ジャノビーは両手で頭を押さえ、かぜおこしの風圧に耐えている。ニャビーの戦闘スタイルとは180度違ってマメパトのメインウエポンは飛行特殊技ということか。
「ジャノビー!つるのムチ!」
『きゅう!』
「良く見てかわして!」
『クルッ……!』
ジャノビーにつるのムチを指示する。グラスミキサーよりも飛距離は劣るが、切り返しが効く為だ。
マメパトに向かって叩きつけられるはずのつるのムチは、左右にマメパトが動いて避けられ地面にムチをしならせる。
「マメパト、でんこうせっか!」
『クルルルルルッ!!』
その隙を突くつもりか、マメパトは高速でジャノビーとの距離を詰める。
「つるのムチで地面を蹴ってジャンプ!!」
『ジャノッ!』
ジャノビーは指示通り地面につるのムチを叩きつけ、その衝撃で大きくジャンプした。それによって現在、ジャノビーはマメパトの上をとっている。
そして私がエンリに見せたジャノビーの技は、グラスミキサー、やどりぎのタネ、つるのムチ。勿論もうひとつ技は持っている。この勝負を決定付ける技が。
「まきつくだ!!」
『ぎゅいいいいっ!!』
つるのムチを器用に伸ばし、マメパトの進路を塞いだジャノビー。そしてジャノビー自身がもつ長い身体でマメパトに巻き付いた。
「マメパト!!」
マメパトの身体はジャノビーの重さに耐えられず地面に落ちる。まだひんしになったわけではないが、縛られているため回避はおろか、かぜおこしもできない。
「これで決まったね。」
「ううう……私の敗けだあああっ!」
エンリが素直に敗けを認めたため、ジャノビーに指示をしてマメパトを解放する。ワイルドエリアのど真ん中でポケモン一匹いないというのは厳しい状況だろう。
ブーメランなんて知らないよ。私はバトルとか興味ないし。
「ありがとうございました。タイプ相性をひっくり返す程の信頼感……流石ですヨウさん!」
「あ、うん。本来の戦い方はそれで合ってるから真似はしない方がいいかな?」
エンリがやたら近距離でグイグイ来るので呆気に取られてしまったが、全くもって悪い子ではなさそうだ。
「今度は負けませんからね!絶対!絶対勝ちますから!」
彼女は最後にそう捨て台詞を残すと、マメパトをモンスターボールに戻しエンジンシティの方へ爆走していってしまった。近くの草むらにいたアゴジムシやらヌイコグマが驚きのあまり跳ね上がってるの遠巻きに見つめながらなにも言い返せずにいる。
というか、また勝負しよって言われた?やだ、断りたいんだけど。
『ジャノ……。』
ジャノビーも彼女の振る舞いに疲れを感じたのか、尻尾がぺたんと垂れ下がっている。彼もバトルは好きではないらしい。ポケモンが少なからず持っている戦闘に対する本能が見受けられなかったからだ。
どちらかというと、やはりベッドの上でする方が好きならしい。というかそんな風にした張本人なんですけどね。私。
「今日は休もっか。ジャノビー。」
『きゅいー。』
私がそう持ちかけると、ジャノビーも納得の様子でテントの組み立てを待ち始めた。
「────それじゃお休み、ジャノビー。」
『きゅーん♡』
テントの中で二人、裸で抱き合いながら疲れを取ることにした。今日はあまり激しく動かずに、挿入とキスをして繋がったまま仲良く就寝する。
完全にトレーナーとしての道は外れているけれど、別にジャノビーは自分の相棒以外の何物でもないから問題ない。法律も自分のポケモンとの性行為については特に書かれてなかった。健全ではないが問題でもない。
ポケモンのニックネーム、つける?
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つける
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つけない
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相棒だけにつけて他はそのまま