少年はあどけない顔を無防備に見せながら微睡んでいる。太ももの上に心地よい重さを感じつつ天城は少年の髪を手櫛で梳く。頼もしかった指揮官は小さな存在であると改めて実感した。時折少年の喉から小さく可愛らしい声が響き、天城は嬉しそうに尻尾を揺らす。公園のベンチは2人だけの空間であった。すぐに天城も目を閉じ船を漕ぎ始めた。
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んん……なにこれ……ふかふかだ……。落ち着く柔らかさで……甘い匂いで……。ずっと肌に感じていたい……。
……んん? うわわわわわわわっ!?
天城の膝枕で寝てたのはいいけれどっ! 天城も座ったまま寝ちゃってて体をかがめてるからっ……む、胸がっ……。お、起きてないよね……。すっ、少しだけこのまま触っててもいいかな……。やわらかい……。
天城はその……、なかなかの大きさなのだ。和服の胸元を押し上げていて、目に毒なんだ。僕も男の子であるわけで……そのっ……触ってみたりしたかった。寝てる間にこんなことするのはイケナイ事だと頭では分かっていても、僕を魅了してくる物の前では抑えきれなかった……。
起こさないようにふかふかを(ちょっとだけね……!)愉しんだ後に、僕は天城の寝顔を間近で見る。白い肌に整った目鼻立ち。まるで白百合のように儚さがあって、けれど強かさも併せ持った見慣れた顔だ。
天城はすぅすぅと寝息を立てているけど、公園に着いてから30分ほど経っている。わざわざ起こすのは忍びないし、寝顔を見ていたい気持ちもあるけれどそろそろ起こした方が良いね。どうしてもくっつきたい気分なのでハグしながら起こそうかな。
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少年は天城の姿勢を肩を押すようにして起こしつつ、太ももの上に乗りながら向き合って座る。そして正面から抱きすくめた。女性特有の柔らかさを感じつつ少年は天城の首元に自分の顔を幸せそうにうずめる。甘えるように。天城はその感触に気づきゆっくりと瞼を開ける。そして甘えられているのだと瞬時に理解し、少年を包むようにして抱き返した。交わされる言葉は無いが、それは必要ないからだ。
少々乱れた和服の胸元に気づき、天城は少年に目を細め艶やかに笑う。少年はバレた! と慌てふためくが、天城は少年の手を取り自分の胸に手を置かせた。その際も言葉は無かったが、私は全て受け入れると言わんばかりの包容力を漂わせつつ少年に微笑んでいた。
戦禍の中での相棒という関係の移り変わりはすぐそこまでやってきていた。それを分かっているかのように少年と美しい九尾の髪を爽やかな風が凪いだ。