「さて、可愛らしく甘えて下さっているところですがそろそろ港町の方に行きましょうか。ずっと抱っこしててもよろしいのですけれど、せっかく外に出ましたので何か町の方を散策してみましょう? 丁度着く頃には昼時になりますし、たまには外食というのもよろしいのではありませんこと?」
僕を抱きしめた体勢のまま、天城が予定を立てる。背中をぽんぽんされながら。これはダメ人間になるね……おそろしい……。
「そうだね! 普段行かないお店とかも見てみようかな。何か素敵な物が売ってたりするかもしれないし!」
そうして僕達は公園を後にして、港町へ向かうのだった。
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公園とは打って変わって港町は賑やかだ。海沿いにある市場などはもちろんのこと、少し内陸側に入った所の商店街はかなり活気がある。飲食店などがあれば、服屋、娯楽施設など様々なお店がある。そして何より、戦争を共に乗り越えた艦船達がたくさんいた。皆顔なじみなので手を振ったり声を掛けてくれたり。活気に当てられ、僕と天城は若干浮き足立っていた。
「指揮官様、私は服を見てきます。一緒に見に来るのもよろしいですけれど、退屈なさると思いますので別のところを見てきても構いませんわ」
「分かった。ゆっくり見てきていいからね! 待ち合わせはどうする?」
「そうですわね……。混みそうですしお昼は少し遅めにするとしまして、午後一時に『潮騒亭』で落ち合うと致しましょうか」
「うん、そうしよう。じゃ、気をつけてね!」
貴方もですよ、と天城に言われつつ単独行動を開始する。ちなみにまだ子供な僕だけど、お金とかは不自由しない程度には持っているよ。なんなら行く先々のお店でおまけとかしてくれたりする。一応英雄なので。もちろん厚意は受け取るけど強要はしない。お金の無駄遣いもすることはないのだ。いくら英雄でも僕は普通の子供だ。謙虚にね。子供らしくないとは言われるけどこれは僕が徹底していることなのだ。
ぶらついてる中で話しかけてくれた艦船の子達と少しお喋りしたり、小物を売っている店をちょっと覗いてみたり、何気ない時間を過ごす。
「しきか~ん、しきか~~ん! 何か買っていくにゃ~~!」
おっと、この声はあの子だな。そういえばここら辺に店があったね
「明石じゃないか~。どれどれ、何を売ってるんだにゃ?」
「こんにちは指揮官~。明石の真似をするんじゃないにゃ……。……ごほん。今日はと~ってもいいモノが入ってるにゃ~? 指揮官と一緒に過ごしている天城へのプレゼントにどうかにゃ?」
「プレゼントか~。それはいい案だ! いつものお礼として何かプレゼントしよう!」
そうして、僕は品揃えを見る。なにやら怪しげなものが多いんだけど……。一体何がプレゼントになるの……。次第に僕は明石にジト目を向け始めた。
「そそそそんな目を向けるんじゃないにゃ! こ、これを見るにゃ!」
明石がカウンターの裏にから何か取り出した。いや商品として並べてるものではないのね!? 危ない。何か掴まされるところだったかもしれない。
「これは……可愛らしい髪飾りだね?」
「そうにゃ。ほんとにただの髪飾りだにゃ。お花があしらわれてるにゃ。白状すると…、
「全く自画自賛できないよ……? でも、これ可愛いねぇ」
「お、気に入ったかにゃ? 柔らかなデザインだから天城にも似合うと思うんだにゃ。さっきので気を悪くしちゃったかもしれないから、これはタダであげるにゃ」
「いや、これはきちんと買うよ。僕が天城へプレゼントするんだからね。それになんだかんだ明石はしっかり仕事してくれるし、いい子だから。気を悪くなんてしてないよ。いつもありがとう」
「うにゃにゃにゃ、明石の事を口説くつもりかにゃ。やめるにゃ」
「あはは」
僕は明石から渡して貰った髪飾りを見る。確かに天城にぴったりだ。それに髪飾りとしても良いものなんだけど、部屋に小物として置くのもまたいいんじゃないかな。
「にゃにゃにゃ、ならここに同じデザインの色違いがあるにゃ~。女の子ものだけどペンダントみたいにもできそうにゃ。こっちは少し手を加えといてあげるにゃ」
「後出し!? ぐぬぬ、でもひとつでいいかな……お金は無駄に使わないようにしてるし」
「…………はぁ。指揮官、にぶちんだにゃ」
「え、な、何? なんの事!?」
「天城も指揮官とお揃いの方が絶対喜ぶにゃ。天城は指揮官の事をとても大事に想ってるにゃ。そんなつれないこと言うもんじゃないにゃ~。代金はひとつ分でいいにゃ。これこそ指揮官にプレゼントにゃ?」
「そっか、そういうことならありがたく受け取るよ、ありがとう!」
「毎度ありにゃ! これからも明石のお店をよろしくお願いしますにゃ!」
お金を払い、小さな紙袋を受け取って店を後にするのだった。
分量は全く安定しません。R-18にしておきながら未だえっちな事になってません。頑張ります。