試験投稿 崩壊ハイスクール―――破滅のその先へ 作:実験作者
「……
そう肩を揺らされて、俺こと
隣を見ると、一見すると可憐な美少女だが今生の俺より一歳年上のお目付け役兼、同僚の
……夢を見ていたな。それも、自虐的に自分の過去に対して説明する夢。
自意識過剰な夢だったが、まあそれはそれとしてだ。
俺は軽く息を吸って吐くと、ちらりと窓の外を見る。
旅客機の窓からははるか下に市街地が映っている。どうやらすでに日本についているようだ。
「OKだ。顔洗って気合を引き締めればいいんだな?」
「わかっているなら何よりです。
そう言いながら席をたって俺が通れるようにする相方に頭を下げると、俺はトイレに向かいつつ冷静に今の状況を考える。
……正直に言って、状況はいろいろとあれだろう。
何があれって、今の時点でこの世界、
俺は今、教会に属する悪魔祓いとして活動している。その一環としてかなりあれな任務に参加することになっていた。
確か漫画版五巻でやっていた、コカビエルによるエクスカリバー強奪事件だったかそんな感じだ。
そして、今この場の状況だけでも俺が覚えている範囲で乖離点がいくつもある。
一つ。本来派遣される人数が倍になっている。
二つ。奪われたエクスカリバーは五本。
三つ。紫藤イリナはエクスカリバー使いじゃない。
あとたぶん四つ目。記憶違いかもしれないけど、担当の悪魔の名前が違っている。確かリア
……まあ、それを言ったらそれまでのいろいろなところに問題があるんだけど。
ソード・オブ・ロゴスとか地球連邦軍とか、ちょっと待とうかと俺は本気で思っている。
仮面ライダーとガンダムが出てくるとか、どういうことだよ。リアルタイムでそういうのを見にくい俺でも知ってる有名どころじゃねえか。
……まあ、俺がこんな形で生まれ変わっているんだから、俺以外にもいてもおかしくないだろう。
それに俺が知っているのは、漫画版五巻までだ。つまりこの後は知りようがない。
だからまあ、俺は此処から自分なりに一生懸命頑張るだけだ。頑張って誰かのためになることをして、稼いだ金をし送るだけだ。
俺はそう考えなおすと、顔を洗った自分の顔を鏡で見る。
……客野識名。それがこの世界での俺の名前だ。
教会が属する悪魔祓いの若手エースであり、聖剣因子と神滅具を併せ持つ才能の塊。
……確かにせっかくだから人としてすごい才能は求めたし、別個で強力な神器も要望した。
だけど聖剣因子と神滅具とか想定外だ。もっとこう、絶対音感とかちょっと強力な神器程度で済むと思っていた。
甘かった。聖剣因子こそ俺が過去のやらかしをつらつらと語ったことで避けられているけど、神滅具とか反則だろ。
おかげで俺は毎度毎度命がけの任務だ。悪魔祓いである以上は命がけは当然だが、それにしたって毎度毎度難易度が高すぎる。
……だけどまあ、そこはもういいだろう。
俺は盛大にやらかした。そしてその特殊性から、法による裁きを与えるのも困難だ。
そんな自己嫌悪を抱えながら、こうして阿呆を何とかして生きよう。
それぐらいはしないと、あいつに……前の妹に悪いからな。
俺はそう割り切ると、相方のところに戻ることにした。
同時に、相方にすら伝えることを止められている封書が胸ポケットに入っていることを確認する。
相手方から指摘されたらそれを出すようにと、なぜか俺に直接枢機卿の猊下が告げていた。
……聖剣士たる紫藤イリナでもなく、デュランダルの担い手であるゼノヴィアでもなく、何より立場的には俺のお目付け役である雪香でもない。ある意味立ち位置的に一番微妙な、俺に対して渡した封書。不安になるそれを見ることも禁じられている。
なんで俺に渡したのか、察することができる理由は一つだけだ。
……要はタカ派には渡せないってことだろう。
ゼノヴィアとイリナは、俺が知っている限りは聖書の教えに属している自分達が正義だからと、問題行動をしていたと思える。雪香も基本的にタカ派であり、悪魔として活動することそのものが罪として、問答無用で虐殺こそしないが祈りを捧げて奉仕活動をするべきだと悪魔相手に堂々とのたまえる奴だ。
……いや、悪魔相手のタカ派っぷりさえなければいい奴なんだが。一応悪魔相手でも礼節はわきまえるし。たしか「聖書の教えという正しい存在に属する以上、私たちは常に正しくあらねばなりません」が説教の基本だった。あと「聖書の教えに属している自分は
だけどまあ、だからこそ悪魔は基本的に悪徳側というスタンスは崩していないし、堕天使も基本的に裏切者というスタンスで活動している。
……まさかと思うが、もしかして上層部は悪魔と仲良くしたいのか?
俺はそんな感じに首をひねるが、まあ現場の俺が考えるべきことでもないだろう。
余計なことをしている暇はない。俺は無能な働き者にだけはならないように、職務外かつ指示外の行動は可能な限り控えないとな。
そう考えなおし、俺は席へと戻っていく。
……それが、俺の運命の始まりだった。
夢を見て、そして目を覚ました。
起きればそこは自分の部屋。いつもの夢を見るとどうしても違和感を覚える、十畳以上は余裕である豪華な部屋だ。
貧乏暮らしだったころの夢を見た後だから、どうしても違和感を覚えてしまう。それぐらい、グレモリー本家の娘というのは豪勢な暮らしができる立場だった。
……私はこれでも慈善活動家として知られている。
冥界の子供たちが勉強を受けられるようにしたいと思っているし、苦しい思いがしている人たちに恩恵を与えたいと思っている。これは貧乏暮らしだったこともあるけど、この世界での家族たちが宿してくれたグレモリーの血もあるんだろう。
そう思いながら、私は軽く深呼吸をする。
つい先日、球技大会が終わった。そして
そして教会から人員が派遣される可能性は高い。……というより、明日にでも接触してくるだろう。
……来てくれるといいけど、多分来たら来たでひと悶着あるんだろうなぁ。
ちょっとため息をつきたくなるけど、我慢我慢。
……私が壊した原作は、私が壊す前から壊れている。
ソード・オブ・ロゴスに地球連邦軍。仮面ライダー聖刃に初代ガンダム。ライダーとガンダムの私でも知ってる有名どころとか、もう嫌な予感しか感じない。
これ絶対、他にも余計なことをしてる転生者がいるよね。絶対いるよね。
……コカビエルも強化されてるかもしれないし、他にもいろいろとヤバいことが起きそうだからなおさら気を付けないと。
私は覚悟を決めて、頬を叩いて気合を入れなおす。
……この世界にいるかもしれないお兄ちゃんと会えるかはわからないし、たぶん無理だとも思う。
だけど、お兄ちゃんに恥ずかしくない妹でい続けたい。
だから私は、気合を入れる。
私はリアナ・グレモリー
グレモリー本家の三子であり次女。そして便宜上だけどグレモリー家の次期当主。
その責務はきちんと果たす。その決意を新たに入れなおして、私は着替えると身だしなみを整えるために洗面所に向かった。
……それが、私の運命の始まりだった。
「やはり、世界の歪みはどんどん大きくなっていくばかりか」
そう呟いた男は、悔し気に空を見上げる。
「俺もその一人ではあるんだろうが、わかってしまっているのならできることをやるべきだろう」
その決意を込めて、彼はまっすぐに山の上からその街を見下ろした。
悪魔が裏の統括者である、日本の地方都市。
「……できるだけのことをしなければ。それが、この剣となってしまった俺がしなければならない責任だろう」
そう呟き、男は街へと足を進めていった。
今、この街で運命が始まる。
教会の神滅具保有者である客野識名と、駒王町の管轄者リアナ・グレモリー。
崩壊したハイスクールの物語はどう続きどう終わるのか。
それを知る者は、いまだ誰一人として存在しない
とりあえず序章はこんな感じですね。
アンケートの結果や感想を見てから続けるかどうかを決めますので、できればアンケートだけでなく感想もあると嬉しいです。
……いやほんと、五千を超えるUA数で一件も感想が来てないとか実はショックですので、ぜひ感想ください。お願いプリーズ<(₋₋)>
あとエロシーンはメインではないですが、ちまちまと入れたいと思っております。
原作キャラのエロシーンも入れていきたいとは思っております。さすがにないのは別の意味で期待に応えられないでしょうし。
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