「こいつは惜しい、だと!?」
パズルの囁きに難色を示す遊偽。慕っていた祖父の双六への暴行、そしてそれも双六の大切にしていたカード欲しさに行った海馬が遊偽には我慢ならなかった。これまでの悪人らとは異なり服従ではなく廃人にしても構わないと思っていた遊偽はパズルからの制止に苛立つ。
(この者から奇妙な縁を感じる。生かしておけば必ずお前にとって都合がいいはずだ)
パズルの言葉に眉を顰めながらも海馬にかけた力を弱める遊偽。廃人手前まで追い詰められ呻いていた海馬はそこで正気に戻った。
「ハァ、ハァ……ぐっ、遊偽ぃ!」
いまだに反抗的な目で遊偽を睨む海馬。そんな海馬に遊偽も心中穏やかではなかったがパズルの囁きに耳を傾けていた。
(それで、こいつを生かせば俺にとって都合がいいとのことだがどういうことだ?)
(……この男、海馬コーポレーションの総帥なのであろう?童実野町でこの男に逆らえる者はそうはいない。事実、往来でリムジンが路駐していても警察は咎めぬし高校を無断欠席していても教師は咎めぬ。更には町の暴力団もこの男の意のままだ。この男を味方につければお前にとって大いなる力となろう)
怪訝そうな面持ちで尋ねる遊偽に淡々とメリットを説くパズル。
(だが、それでもこいつを許すわけには……)
(一時の感情を抑えてこそ大いなる力は得られる。遊偽よ、お前はパズルに選ばれたことで闇の力を得たがその力に引き合うかのように災厄がお前に降りかかる。お前は理不尽を打ち破る力が欲しくてパズルを組み合わせたのだろう?)
パズルの人格、アクナディンの説明は遊偽にとっても一理あると思わせるものであった。
(それに、この者はまだ負けを認めていない。試合には勝ったが心を折ることは最後まで出来なかったようだ。このような男を使いこなせずしてパズルの力を使いこなせるものか)
(……分かった)
遊偽はパズルの声に応じ力を解く。隔絶されていた空間は元へと戻った。
「遊偽!お前は、いったい……」
「取引だ、海馬。お前の罪は不問にしてやる。だから俺の力になれ海馬!」
遊偽の言葉に海馬は憎悪の入り混じった視線を向けながら立ち上がる。
「ふざけるな、と言いたいところだが。その不思議な力の前に反抗するのは些か分が悪いようだな。いいだろう。ただし、交換条件だ。お前の力を我が海馬コーポレーションと俺に貸せ!その力を海馬ランドの参考にさせろ!それを約束するなら我が社と俺が全力を持ってお前に力を貸してやる」
海馬の言葉にパズルを翳しながら頷く遊偽。遊偽にとっては断腸の思いであったが、二人の間には新たな契約が交わされた。
(海馬を屈服させるほどに俺は強くなる。今はこれが一番賢い選択で、海馬への復讐なんだ。喉から手が出るほど欲しいこのカードを手に入れられず俺に協力させられることは海馬にとっても悔しいことのはずだ)
無理やり自分を納得させる遊偽。握りしめた拳からは爪により裂けた皮膚から血が滴れ落ちている。
海馬の心に打ち勝てなかった遊偽は痛み分けのような形で海馬と協力関係を結んだ。
遊偽が去った後、海馬は倒れている使用人らを後目に静寂の中、一人椅子に座り熟考していた。
(あの力の謎を解かない限りは敵にまわるべきではない。味方に引き込むべきだ。だが……)
遊偽に勝ちたい。自分がもっとも自信を持っていたデュエルモンスターズで敗れた海馬の胸に燻る想いは遊偽への勝利の渇望だった。その前では遊偽により与えられた精神的な拷問への怒りも勝った。
(ブルーアイズ。あの龍を手に入れるためにも遊偽とは何れ決着をつける必要がある)
遊偽と対戦したことにより実体化したブルーアイズ。幼い頃からモクバと夢見た白龍の姿を初めてその目で目にした時、海馬は心を奪われた。あの力を自分のものとしたい欲望と経営者としての海馬の理性的な部分が鬩ぎ合う。遊偽との協力関係はその妥協点として相応しかった。
海馬は頭の中で遊偽と協力することで得られるメリットを計算していく。半ば衝動的に結んだ協力関係を自分の中で納得できる形に纏めているのだ。そうしてこの選択は間違っていなかったと改めて思いなおしたところで、不意に頭の中に声が囁いた。
(セト、お前は賢い男だ。今回の遊偽との対峙でももっとも合理的な選択をお前は取ることが出来た)
「なっ、だっ、誰だ!?」
辺りを見回すも誰もいない。声は頭の中から直接響いているように思える。
(我はアクナディン。遊偽のパズルに眠っていた一つの人格だ。闇のゲームの間にお前の心に残留思念として潜り込んでだ。だが、その思念が留まっていられるのも今夜限りまで。残り少ない僅かな時間でお前に予言を与える)
声に動揺を隠せない海馬。元々オカルトは信じておらず科学で物事は全て解明できると考えていたのが海馬である。自分の身に降りかかる未知なる出来事に冷静にはいられなかった。
(セト、お前と遊偽、そしてカードの精霊とは3000年もの時を超えた縁で結ばれている。お前は知っているはずだ。白き龍の力を……)
「白い、龍の力……?ブルーアイズか!?」
声が伝える言葉の意味は分からない。だが、白き龍の力と聞き、先ほどのブルーアイズが戦う姿を咄嗟に思い浮かべる海馬。そしてその姿から更に古い記憶が自分の中から引き出される。モクバと昔描いたブルーアイズの落書き、これにより義父である海馬剛三郎との主導権争いに勝ったこと。そしてそれよりも更に前、会ったこともない白髪の白い肌の女性が自分に微笑みかける姿、ブルーアイズが暗黒の巨人と戦う姿、そしてブルーアイズを周りに侍らせ、遥か高みから群衆を統べる光景がほんの僅かな時間に海馬の脳内にフラッシュバックする。
「これは……なんだ!?俺は、こんな記憶覚えていない。だが、実際に体験したかのようなこの記憶はいったい……!」
(それが、お前の背負った宿命だ。セト、お前は王になるくべして生まれた存在。遊偽との戦いもお前が遥か高みへと昇るための契機に過ぎん。お前の野心は白き龍と闇の力を得ることで叶うだろう。立ち止まるでないぞ、セト)
脳内に纏わり付いていた残留思念が消える。最後にかけられた優しげな言葉に海馬は懐かしさを感じた。
「……父、上。っ!?いや、何を言っているんだ俺は!俺に父などはいない。物心ついた時から孤児院にいた。俺の家族は、モクバだけだ!」
海馬は感じた温もりを振り払うかのように否定する。海馬にとって大事なものはたった一人の弟のモクバだけであった。
海馬とのデュエルの翌日、遊偽は学校を休んで祖父の入院している病院へと足を運んだ。遊偽が病室を訪れると双六は明るく遊偽を出迎えた。
「全く、年寄りになるといかんな。昔はこの程度の傷くらい喧嘩でしょっちゅうじゃったのに」
ヤクザの組員から殴られた傷跡は痛々しい痣となって残っているものの、存外元気な双六に遊偽はほっと溜息をついた。
「これは、ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン!?遊偽、どうやってこれを……」
「警察が一昨日の泥棒から奪い返してくれたみたいでね。傷もすぐ完治するって話だし本当によかったよ祖父ちゃん」
納得いかなげの様子で受け取る双六だったが何を言おうか迷っている間に病室のテレビから速報が流れる。その内容は、先日武藤ゲームショップに強盗した暴力団組員が警察に捕まり、組事務所にも捜査の手が伸びているとのことだった。その報に双六も納得した様子で、
「そうか……やはり悪事はバレるもんじゃのう。よかったわい」
などと満足気に頷いている。そんな折、遊偽の友達と称して海馬が双六の見舞いに病室を訪れた。
「お爺さん、元気そうで何よりだ」
驚く遊偽を無視して海馬は双六が重傷にならずに済んだことをお祝いし手にしていた花束を渡す。そして、内ポケットから金額が書かれてない小切手を取り出すと深く頭を下げて双六へと手渡した。
「爺さんの店に強盗に入ったのは我が社が支援している暴力団だ。先日に爺さんに見せていただいたブルーアイズのことを部下に漏らしたことを発端としてこの事件が起きた。原因を作ったことを深く謝罪したい。この小切手に好きな金額を書いてくれ。実現可能な限り、見舞金として爺さんに贈ることを約束する」
双六は海馬の謝罪に面食らうもおもむろに顔をあげるように言った。
「それなら、入院費用と店の修繕費でも請求しようかのう。海馬君の誠意に免じてな。大切なカードは戻ってきたし、失ったものなど微々たるものじゃ。謝ることなどありはせんって」
そんな双六の言葉に再び礼をした海馬は病室から出ていく。廊下に出た所で遊偽はそんな海馬を止めた。
「どういうつもりだ、海馬。お前にしてはえらく殊勝な態度だが……」
「勘違いするなよ、遊偽。俺は勝負ごとでの取り決めを違えるつもりはない。お前に負けたことは事実で、負けたら今回の件の贖罪を行うことに俺は了承した。これは俺なりのやり方でケジメをつけただけだ。お金も実行犯のリークもな。今回のやり方が間違っていたと思ったわけでも、道義などに目覚めたわけでもない。そこをはき違えるな」
海馬は白い外套をはためかせて立ち去った。
(なるほど、勝負ごとに関しては嘘をつかない奴なのか)
海馬は自分の信条に沿って海馬なりのやり方で責任を取ったのだと遊偽は納得した。
翌日、見舞いをしてから登校した遊偽は当然ながら遅刻となった。事情を蝶野に説明していたが事情を知らない教師からは怒られることも覚悟していた。
「おうっ!遊偽!社長出勤とは結構なことだな。職員室で長めの指導と行くか、ん?」
校門に張り付いていた刈り上げ頭が特徴的な体育教師の刈田がいつも通り高圧的に声をかけてくる。内心で嫌な奴に会ったなと思いながら黙って付いていった遊偽だったが途中で同じ教師の鶴岡がその様子を見るとぎょっとしたような顔で刈田に近づく。
「刈田、先生。そいつ、1年B組の遊偽ですか?そいつ、今朝海馬から目をかけるようにと連絡が来てますよ。早めに解放した方がいいんじゃないですか?」
「何!?こいつが、海馬の!?そっ、それは不味いな……」
狼狽し始める刈田。事情がいまいちわからない遊偽を余所に教師間では話し合いが行われ、納得した様子の刈田が一言、不問にすると言い放ち遊偽は解放された。
「いったい、何だったんだ?」
疑問に思いながらも三階の教室へ向かうため階段を昇っていると遊偽は蝶野とすれ違う。蝶野は鶴岡と同じくぎょっとした顔で周りをすぐさま確認すると遊偽をすぐさま空いた教室へと連れ込んだ。
「ちょっと、遊偽君!あなた、海馬君に何をしたの!?」
「えっ、えっ!?」
「朝の会議で武藤遊偽を海馬君に準ずる扱いにするようにって指示が下ってるのよ。校長が海馬君に指示を受けたって言ってるけど、遊偽君は心当たりある?」
「あっ、あーっ、まあ、海馬とは契約でビジネスライクな友人関係というか……」
遊偽の言葉に複雑そうな顔で溜息をつく蝶野。
「海馬君の会社はこの町を実質的に牛耳ってるとこなのよ。市議会や警察も海馬コーポレーションの影響力を無下に出来ないとされているわ。そんなところとガッツリ関わるだなんて、遊偽君ったら怖いものなしなのね」
呆れるかのような蝶野の態度に遊偽も気まずげに誤魔化す。だが、そんな蝶野も遊偽を見ていると諦めもついたようで次第にいつもの調子へと戻った。
「まあいいわ。遊偽君に言っても遊偽君はしたいことをしちゃうだけだもんね。肯定的に考えることにするわ。海馬君が遊偽君に目をかけてるってことは、ここで何をしても咎められることはないってことですものね♪」
好色そうな顔つきに変わり遊偽の股間をズボン越しから細い指先で擦る蝶野。舌でペロリと唇を舐める様子に遊偽はその意図が分かった。
「まさか海馬に勝って最初に振りかざす特権が学校での黙認セックスだなんてね……」
「いいじゃない。皆が授業している間にセックスだなんて、凄く燃えるシチュだわ♪」
上着のボタンを外し始める蝶野。遊偽もゆっくりと上着を脱ぎ始めた。
「あっ、ああん♡凄ぉい!遊偽君のオチンチン、奥まで来てるぅ♡」
遊偽に腰を両手で掴まれ強くペニスを打ち付けられて善がる蝶野。いつも以上に穴からは愛液が溢れ出ており、乱れまくる姿からも授業中のセックスという非日常的な性行為に大いに興奮していることが分かる。
「全く、とんだ淫乱教師だなリン!生徒は校則で縛る癖に自分はいつも化粧品携帯して香水振りまいてるのも男子生徒を誘惑したいからだろ!はしたない!」
「やぁん♡私で股間膨らませてくる男子に悪い気はしないけどぉ、今は遊偽君だけよぉ♡」
後ろから激しく打ち込み肉厚のお尻を鳴らす遊偽。子宮孔とその周りの窪んだ性感帯を刺激される度に蝶野は震える。遊偽からの言葉責めに被虐による性的な興奮も得ているようであった。
「遊偽君の、太くて硬いおチンポ♡セックスでガツガツお腹突かれるの気持ちいいの♡もう一人用の玩具じゃ満足出来ないの。これからはもっと私とセックスしてぇ♡」
「それじゃあ、次はいつも使ってる玩具で授業の時間にオナニーをしてよ。それでムラッとさせることが出来たらまたセックスするから」
「じゅっ、授業中にオナニーだなんて!いやぁん♡考えただけでゾクゾクしちゃう♡」
蝶野は嬉しそうに遊偽の提案に頷くと出入するペニスの感触に震えて嬌声をあげる。杏子やミホの締まりには劣るが蝶野の膣は非常に感じやすく愛液もしとどに流れペニスの出入がしやすい。また、遊偽の責めをしっかりと受け止め、突かれる度に「あん♡」と淫らな声をあげて遊偽の性欲を高めてくれる。
遊偽もいつになく強気で腰を打ち込んでいた。
「こうやって、強く突かれるのが好きなんだろう!?リン!」
「ああん♡好き、好きなの!遊偽君の若くてバキバキなチンポ、もっと強引にねじ込んでぇ♡♡」
「お望み通りに突いてあげるよ!この淫乱教師!このっ!このっ!」
遊偽の腰が強く打ち出され激しいセックスが続く。幾たびかの出入で、不意に蝶野の膣が蠕動を始める。
「やっ、やああああん♡来る、来るのぉ♡」
「イキそうならイケっ!くっ、俺も!」
蝶野の絶頂とともにぎゅっと搾り取るかのように収縮する膣の刺激に耐えきれず精を吐き出す遊偽。ペニスを抜き出すと股間周りが愛液でべとべとになっていた。
「まったく、先生の液体で汚れちゃったじゃないか。綺麗にしてよ」
「もう、遊偽君も散々楽しんだくせに。仕方ないわね♪」
ぐったりとしながらペロペロと舌で肉棒の汚れをとる蝶野。すっかり満足気な蝶野は時計を見てまだ時間があるのを確かめると二回戦のおねだりをしてきた。
「ねえ、次は私が上になって責めてあげるから……しよっ♡」
「ハァ、しょうがないなぁ……」
遊偽はやれやれと仰向けになる。MからSに切り替わった蝶野の責めが捗り、遊偽と蝶野は結局二限目の授業も遅れて昼近くまでセックスすることとなった。
久しぶりの蝶野先生とのSMプレイ風味セックス
海馬を完全に屈服できなかったため誘導されるがままに一時休戦の共闘関係に