※この作品はR-18です。

遊戯王のパズルの悪い使い方   作:菓子ラムネ大好き

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第13話

 11月も中旬に入った頃、童実野高校では教室も廊下も普段以上に騒々しい雰囲気に包まれていた。

 

 

「おい、遊偽!お前今日は海馬とは予定ないんだろ?文化祭も近いんだし手伝えよ」

 

「城之内君それって何?」

 

「へへっ、自作の黒ひげ危機一髪だ!面白そうだろ?」

 

 

 自慢げにトンカチと釘で作った等身大の仕掛け樽を見せる城之内。クラスでは年に一度の文化祭に向けて皆和気藹々とした様子で出し物を用意している。お金をがっつり稼げる飲食系は3年、2年の上級生が抑えているため遊偽の所属する1年B組はミニゲームを並べた遊戯場を企画し、学外の客を楽しませることにした。

 

 

「それなら俺はデュエルモンスターズのフィールドマップとデッキを用意するよ。当日はカードに触れたことのない人たちにも教えたり、学外のプレイヤーと対戦出来るような場にしたら面白いんじゃないかな?」

 

 

 単なる思い付きだったがそんな遊偽の提案はクラスの皆にも意外と好評だったようでそのまま採用された。当日は遊偽とその友人らがデュエルを担当することとなった。

 

 

「僕はゾンパイアの衣装を持ってきたよ。日本では発売されてない輸入品で舞台セットも一緒に作って子供たちもスーツを着て遊べるようにするつもりなんだ」

 

 

 花咲は自分の好きなアメコミヒーロー、ゾンパイアの衣装と舞台の本格セットを作ろうと意気込んでいる。手の空いた遊偽は城之内と花咲の舞台作りを手伝うこととなった。

 

 

「おい!知ってるか?今年からミスコンが開催されることになったんだぜ。クラスで2人選出することになっててな。優勝者には人気のミュージカルのチケットだとよ」

 

 

 本田が楽しそうに遊偽たちに話しかける。城之内はそんな浮かれた本田に呆れ顔だ。

 

 

「やけに楽しそうじゃねえか。まあお前の推しの野坂ミホがクラス代表の一人なのは確実だろうが……」

 

「優勝した子はエスコート役の男子と一緒に挨拶するんだ。更に、チケットはペア。ミホちゃんに俺をエスコート役に選んでくれるように今頑張って頼んでる最中なんだよ。上手くいけば一緒にミュージカルも……むふふふっ♪」

 

 

 にへら顔で妄想に浸っている本田に城之内は肩をすくめる。「お前を選ぶくらいなら遊偽を選ぶだろあいつは」などと冷たく言い放つ城之内に遊偽も気まずげに曖昧な相槌を打った。

 

 

「そういえば、あと一人は誰が出るんだろ。出来れば、杏子が出て欲しいけど」

 

 

 クラスでの人気をミホと二分する杏子が当然選ばれるだろうなどと思いながら遊偽は話題に出す。3人とも杏子が出ることを疑っていない様子で頷いていたが、その時偶々通りかかった杏子がいそいそと遊偽を手招きした。

 

 

「どうしたの?杏子」

 

「ねっ、ねえ!遊偽は、私に出て欲しい?」

 

 

 顔を真っ赤にしながら尋ねてくる杏子に遊偽はいまいち意図が掴めず、

 

 

「杏子が童実野高校で一番かわいいって皆に認められたら嬉しいし、優勝して欲しいよ」

 

 

 と気軽に返した。その言葉に杏子は更に顔を真っ赤にさせてもじもじと身体を揺らし始める。

 

 

「それなら、出ようかな……。それと、優勝したらエスコート役は遊偽がやってよね!私をその気にさせたんだから絶対よ!」

 

 

 などと言い放ち杏子はそそくさと立ち去っていった。

 

 

「あんまり出たくなかったのかな?エスコート役くらいわけないし焚きつけた感じになって悪かったかも……」

 

 

 遊偽がそんな風に申し訳なさげに呟いているとコッソリ聞いていたらしき花咲がポンッと遊偽の肩に手を置く。

 

 

「遊偽君、それはないよ。僕が言うのもおかしいけどちょっと鈍感過ぎるよ……」

 

 

 花咲のそんな言葉にも思い当たることがなく頭を傾ける遊偽。

 

 

「遊偽君♪ミホ、ミスコンに出るからエスコート役になってぇ♪」

 

 

 そんな中、会話に割り込んで遊偽に抱き着くミホ。遊偽は咄嗟に振りほどこうとするも更に力を強め離されまいとするミホ、そしてそれを目撃した本田とひと悶着が起こる。「今度は修羅場かぁ……」とその様子を見て花咲は頭を悩ませていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方で、遊偽と別れた杏子は廊下で鼻歌を鳴らしながら機嫌よく歩いていた。

 

 

(ふふっ、一番かわいいって認められて欲しい、優勝して欲しい、かぁ♪)

 

 

 遊偽の言葉が嬉しくて顔のにやけが止まらない杏子。お前がこの学校で一番可愛い、などと遊偽が間接的に言ってくれたようなものだと杏子は思っていた。

 

 

「他の人相手に衣装着てアピールするのってあんまり気が乗らなかったんだけど……、でも遊偽がそこまで言ってくれるなら頑張らないとね。絶対、優勝してやるんだから!」

 

 

 杏子が自分を奮い立たせながらそう宣言すると不意に後ろから声をかけられる。

 

 

「あなた、ミスコンで優勝するつもりなのかしら?1年生なのに随分と強気ね」

 

 

 声をかけたのは化粧をした釣り目が特徴的な女生徒。ひとめ見ただけでその際立った美貌に強気な態度も相まって杏子は気圧された。

 

 

「えっと、確か、姫小路先輩?」

 

「流石に名前くらいは憶えていたのね。そう、私は3年の姫小路薫子。あなたも中々可愛らしい顔をしてるけどミス童実野高校の座を渡すつもりはないから」

 

 

 真向から威嚇してくる薫子に杏子は後退る。色気を感じさせるのにどことなく近寄りがたい雰囲気は蝶野をどことなく連想させた。

 

 

「本当、1年ごときが分不相応よねえ姫小路先輩♪」

 

「2年と3年は薫子さんを選ぶに決まってますよ!」

 

 

 彼女の追っかけと思しき後輩たちが薫子を持て囃す。それに気をよくしながら薫子は杏子を鼻で笑うと去っていった。

 

 

(何よ、身の程知らずとも言いたげで感じ悪いわね。いいわ!絶対私が勝つんだから!)

 

 

 杏子はそんな薫子と取り巻きの態度に闘志を燃やし優勝を誓った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

文化祭当日

 

 

 

 この日、童実野高校の文化祭を見に他校の学生や町の人が老若男女問わず押し寄せ、校内は活気に溢れていた。

 

 

 正門から校舎への道には上級生が建てた飲食店が立ち並び一般の来客を匂いで釣っている。

 

 

「へいっ!らっしゃい!我が校伝統の焼きそばにお好み焼きじゃ!美味しいから寄ってや!」

 

 

 文化祭実行委員長の猪頭吾郎率いる3年D組は集客に特に力を入れており飲食店を纏めながら学外の客を多く集めた。他にも音楽系の部活動の生徒はライブを開催しており飲食店に釣られた客を相手に盛り上がっている。野外の催し物は概ね成功といっていい成果を上げていた。

 

 

 一方で、屋内の1年生が中心の催し物はお化け屋敷、プラネタリウム、遊戯場と多岐にわたり、これまた校内を見回りに来た客の興味を引いている。特に1年B組が主催するデュエルモンスターズでの交流は流行りのゲームということもあり中々の盛り上がりを見せた。

 

 

「遊偽君、つよぉい!これで5連勝だね♪」

 

 

 遊偽は腕に自信がある他校の生徒や大人たちを相手にデュエルを引き受けている。大会には出場しておらず無名な遊偽を相手に勝って周りにいい所を見せようとする対戦希望者を遊偽は悉く打ち破った。ミホはそんな遊偽を見て嬉しそうに囃し立てる。

 

 

「こうやって、魔法カードを使えば弱いモンスターも強化出来て強いモンスターに勝てるの♪分かった?」

 

「はっ、はい///分かりました///」

 

 

 遊偽が決闘者を相手にしているテーブルとは別のテーブルでは杏子がデュエルモンスターズに触れたことのない来客に優しくルールと戦術を教えている。一通り習った子供たちは楽しくデュエルをしているが一部の男たちは杏子目当てで教わっているようで杏子の大きな胸に目線をやりながらデレデレの様子だ。

 

 

 

「おっしゃー!外れだー!!残念でしたぁー!!」

 

 

 テーブルから離れた場所では城之内の自作の黒ひげ危機一髪が置かれており中のスイッチに玩具の剣を差し込んだ客を相手に城之内は飛び上がって驚かせている。客よりも城之内の方が楽しんでいるように見えたが学園祭を誰よりも楽しんでる様子なので皆もやれやれと微笑ましく見ていた。

 

 

 

「この武藤遊偽君に挑戦する方は他にいませんか?見事勝利出来たらパックを進呈いたしますよ!」

 

 

 花咲は遠目で覗いている客に声をかけていく。そんな客の中に一人、デッキを片手に持ちながら遊偽のデュエルをじっと見つめている女がいた。

 

 

「あれ……君、確か……」

 

 

 数回ほど見かけたことがあるが思い出せないその顔に花咲は記憶を辿りながら声をかける。

 

 

「ああっ!思い出した!遊偽君に手紙を出した影山リサちゃ……むぐっ!?」

 

 

 花咲がその名前を口にした瞬間、黒薔薇女学園の制服を着たミディアムボブの美少女、影山リサはその口を手で塞いだ。

 

 

「ちっ、違うから!私はリサじゃなくて……そう!妹のミサ!リサじゃないから!!それと、いい?私はあいつのデュエルになんか興味ないから!勘違いしてあいつに言わないでよね!」

 

 

 顔を真っ赤にしながら捲し立てると「チクるなよ!」と花咲に釘を刺してその場を立ち去った。

 

 

「なっ、何だったんだ、あの子……また遊偽君、足元に地雷を敷いたのかな……」

 

 

 呆気にとられながら花咲は汚れた眼鏡を拭いて溜息をついた。結局、遊偽は午後の部に入り休憩を取るまで町の実力者を相手に負けなしだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 屋内の催し物も屋外と同じく盛り上がった状態で午後の部に入り、文化祭で一番の目玉であるミスコンが開催された。

 

 

「遊偽!優勝したらエスコートお願いね!」

 

「あーっ!ズルい!優勝するのはミホだもん!それで遊偽君にエスコートしてもらうんだぁ♡えへへ♡」

 

 

 控室で遊偽を前に杏子とミホが意気込んでいる。二人ともアピールや衣装にも自信がある様子でお互いに火花を散らし合っていた。

 

 

「あらら、嫌ねぇ。勘違いした子たちが粋がっちゃって。もう優勝後の話をしてるなんて微笑ましいわぁ」

 

 

 衣装部屋から出てきた薫子が取り巻きを連れながらそんな二人を見て意地の悪い笑みを浮かべて声をかけてくる。二人は薫子の嫌味にムッとしたが相手にしないように視線を逸らした。そんな二人の態度にカチンと来たのか薫子は二人の傍にいた遊偽に注意を向けた。

 

 

「あらぁ?こんなところに可愛い坊やが……っと、あらいけない♪うちの制服を着てるし高校生よね♪中学生かと間違えちゃったわ。こんな僕ちゃんにエスコート役を頼むなんて、誰もいなくて恥を忍んで弟にでも頼んだのかと勘違いしちゃったじゃない♪あっ、もしかして二人ってお子様が趣味だったのかしら♪」

 

 

 薫子の煽りに取り巻きたちもドッと笑う。遊偽は薫子の美貌に頬を赤らめていたがその口から飛び出した毒舌具合に唖然とした。杏子とミホも自分のせいで遊偽を貶した薫子に憤慨した様子で、

 

 

「本当に自信があるなら私たちなんて無視すればいいじゃない!ああっ。相当恐れてるんですね、私たちのこと。そうやって嫌味を言わないと自分を保てないくらいに……」

 

「遊偽君のこと見た目でしか判断出来ないなんて可哀そう~。恋愛もいつも外見でしか判断出来てなくて取りこぼしたいい男の人が沢山いそうだもん。あっ、でもこんな化粧つけまくって周りを威嚇する人にいい男は寄り付かないかぁ、ミホうっかり♪」

 

 

 薫子ばりに二人も毒舌を披露する。薫子の表情がみるみる憎悪に染まっていった。

 

 

「っ!ふんっ!結果は嘘をつかないわ。童実野高校のマドンナが誰なのか、結果を見て慄きなさい」

 

 

(小娘が~~~!!ふざけるんじゃないわよ!!)

 

 

 奥歯を噛み締め眉毛をひくつかせながら薫子が取り巻きを連れて立ち去っていく。「効いたね杏子ちゃん♪」「強い言葉を使う女ほど内心恐れてるのよ♪」などと二人が盛り上がっている中、遊偽は凍り付いた表情で震えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 文化祭も大詰めになりミスコンの時間となると会場にいた童実野高校の生徒のみならず来客も待ちに待ったとばかりに一斉に騒ぎ立てる。参加者が発表される度に下心満載の男子らは口笛を鳴らしながら囃し立てた。ミスコンの参加者が次々と発表される中、姫小路薫子、真崎杏子、野坂ミホがそれぞれ顔見世をして自己紹介を始めた際にはその反響はすさまじいものだった。

 

 

(ふんっ!何も知らない一般の客はともかく2年と3年の男子は私の美しさをよく知っている。私に投票するのは間違いないわ)

 

 

 アピールタイムでは自分の色気を最大限に利用した花魁姿での演舞を披露する薫子。男子たちは興奮気味に喰いついており女子たちも舞踊に心を奪われている。日本舞踊を嗜んでいた薫子にとって人を魅了する事にかけては絶対の自信を持っており薫子は勝利を確信していた。

 

 

 しかし、杏子のアピールタイムとなると薫子の時と同様に空気が変わる。軽快な音楽とともに得意のヒップホップを披露した杏子は周囲の観客を魅了していった。男子は杏子の容姿とスタイルの良さ、そしてそれらを引き立たせるへそ出しのタンクトップ、ホットパンツといった煽情的な衣装と動きに目を奪われ、女子はダンスの上手さに驚嘆する。

 

 

 一方で、ミホも白いワンピースを着て歌を披露し、その清純そうな見た目と可愛らしい声で男性たちを魅了する。特技においては二人に大きく劣るものの庇護欲を誘うアピールの上手さで多くの男子生徒の心を掴んでいった。

 

 

 投票が開始されると杏子、ミホ、薫子の三人が票を独占する形となり、次の最終審査で童実野高校のミスを決めることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ、どっ、どうなってるのよ!?どうして私の圧倒的な勝利で終わらないの!!」

 

 

 候補者の個室で怒り狂う薫子。宥める取り巻き立ちを余所に薫子は荒ぶっていた。

 

 

「姫小路を支持する2年、3年は多かったのですが、その多くが途中であの二人に鞍替えした模様です。明るく社交的な真崎杏子は元々1年女子からの人望がありましたが今回のダンスで男女問わず多くの支持を得たようで……。野坂ミホも1年男子から圧倒的な支持があり、2年3年の男も一部票を入れたようです」

 

 

「ぐっ……あんな小娘どもにぃ!!」

 

 

 取り巻きの説明に薫子は苛立ちを隠せない。内心あの二人を脅威に思っていたがその不安が現実となってしまったのだ。

 

 

「童実野高校のマドンナは私よ!1年の時も2年の時もそうだった。それが3年になって覆されることは許されないことよ!」

 

 

 薫子の不穏な表情に取り巻き立ちも冷や汗をかく。

 

 

「あの二人には不運な事故にあってもらいましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最終審査へと持ち込んだ杏子とミホは控室にて最後に披露するドレスを広げ状態を確認していた。そんな折、審査員の一人から二人は呼び出される。少し長めの話をされた後、控室へと戻った時、二人はドレスが引き裂かれているのに気付いた。

 

 

「嘘っ、何……これ……」

 

「酷い!誰が、こんなことを……」

 

 

 ズタズタに引き裂かれたドレスに杏子もミホも真っ青になる。最終審査にはドレス着用が必須でこのためだけに高めの自分に合ったドレスをレンタルしていたのだ。

 

 

 そんな二人の様子を遠くから隠れて覗いていた薫子はほくそ笑み個室へと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

「うふふっ、アッハッハッハ!愉快だわ!私を差し置いて童実野高校のミスを目指そうとするからこうなるのよ!この高校で羨望の眼差しで見られるのは私だけでいいの!私がこの学校のマドンナよ!!」

 

 

 個室に戻った薫子は高笑いをする。取り巻きを使って二人を引き付けつつ杏子とミホのドレスを自ら引き裂いた薫子はその顔を醜く歪ませていた。嫉妬とプライドが肥大化した薫子は遂に一線を越えたが、越えてみれば清々しい気持ちだと笑いが止まらない。

 

 

 そんな薫子の個室に事情を察した遊偽が押し入った。

 

 

「まさか、嫉妬のあまりそこまでするとはな……。見下げ果てたよ姫小路先輩」

 

「なっ、誰!?あなたは、あの二人のエスコート役の……」

 

「遊偽だ。自己紹介がまだだったね。まあ、そんなことはどうでもいいけど」

 

 

 遊偽は片手に持った機器で録音した薫子の声を流す。薫子はそれを見て真っ青になった。

 

 

「それは!?わっ、渡しなさい!」

 

「どうしても欲しかったら俺と約束しろ。杏子とミホに罪を告白しそのドレスを渡すと。そしてミスコンを辞退するなら俺はこれを渡してあんたの悪事は誰にも話さない。どうだ?」

 

「……いいわ。だからそれを渡しなさい」

 

 

 暫く悩んだ末に薫子は遊偽の提案を受け入れ取引に応じる。遊偽が記録機器を渡したところで薫子はにやりと笑うとそれを地面にたたきつけた。

 

 

「馬鹿じゃないの!そんな口約束守るわけないでしょ!そろそろ私の取り巻きが戻ってくるわ。あんたの弱みを握って口を封じてあげるから覚悟しなさい!」

 

 

 証拠を破壊した薫子が歪んだ表情で強気に迫る。しかし、そんな様子に遊偽は呆れた様子でパズルを翳した。

 

 

「やっぱり、約束を守ることは出来なかったか。残念だ。あんたの全てを奪ってやる!罰ゲーム!!」

 

 

 パズルが光り輝くと空間は隔絶され闇の霧に辺りは覆われる。

 

 

「何!?何よ、これは!」

 

「もう助けは来ないぞ。美しさに囚われて男からの羨望を集めたいあんたに相応しい罰を与えてやる!」

 

 

 遊偽は逃げ場の失った薫子に襲い掛かる。杏子とミホの気持ちを引き裂いた行いに対する怒りを胸に薫子のドレスを引き裂いた。

 

 

「きっ、キャーっ!何をするのよ!?このドレスを破いたら私の優勝が……!いえ、それよりも私にこんなことをしていいと思ってるの!?」

 

「人にやられて嫌なら他人にするなよ。まあ、俺もそんなあんただからあんたに何を思われようと構わないけどね!」

 

 

 ドレスを引き裂くと現れたそれなりに育った胸元を強引に揉む。ブラ越しでも構わず握りしめるかのように揉み上げる手に薫子は悲鳴をあげた。

 

 

「痛い!胸が取れちゃう!!やめなさいよ!痣が出来ちゃうわよ」

 

 

 ゴムを無理やり捏ねるかのように揉みしだく遊偽に薫子は苦痛に顔を歪ませる。そんな顔に興奮し黒い衝動に突き動かされるかのように遊偽はブラを引き裂いて直におっぱいを掴んだ。強く捏ねたことでおっぱいに赤い痣が出来る。

 

 

「この、下手くそ!どうせあんたなんて女の胸も触ったことのない童貞野郎なんでしょ!!揉まれても痛いだけだし自分のことしか考えられない根暗チビらしいわ」

 

 

 不満をぶつけるかのように毒を吐く薫子だが遊偽はそんな言葉にも口角を吊り上げて笑う。

 

 

「ああ、ごめん。でも相手は薫子だからね。気持ちよくしたら罰にはならないだろう?」

 

 

 綺麗なピンク色の小さめの乳首を摘まみ強引に引っ張ると薫子の悲鳴がいっそう強まる。目元は薄っすらと涙ぐんでいた。

 

 

「あっ、これは痛そうだな。やっぱり痛々しくて見てられないや」

 

 

 押しつぶすかのように乳首を抓りながら遊偽は眉を顰める。悪人とはいえ涙を見せると途端に遊偽の手が弱まった。

 

 

「そうやって、自分勝手に言うんだから。それなら最初からやらなきゃいいのよ!痛めつけてから罪悪感だなんて白々しいわ!」

 

「そうだね。だからなるべく気持ちを押し殺して行うことにするよ。ああ、でも、こっちの気持ちは抑えられそうにないけど」

 

 

 遊偽は膨らんだペニスをズボンから取り出す。直に現れたペニスに薫子は驚いて仰け反った。

 

 

「ひっ、汚らわしい。そんな汚いものを私に見せないで!」

 

 

 後退る薫子を強引に引き寄せると薫子は抵抗を強める。パズルを翳して動きが弱まった後も必死に逃げようとした。

 

 

「嫌、嫌なの!そんな凶悪なものを近づけないで!」

 

「これからセックスをするんだからそれは無理だよ。足を開くね」

 

 

 薫子の足を無理やり掴んで開くと白色のショーツが無残に引き去れたドレスの後から現れた。ショーツを下げるとぷっくりと膨らんだ恥丘から閉じた花びらが顔をのぞかせる。

 

 

「全然濡れてないや。でも、おしおきだからいいかな」

 

「やっ、やめて……私、セックスだなんて、怖い……」

 

「処女じゃあるまいし覚悟を決めなよ。今更そんなことを言ってもやめないから」

 

 

 閉じられた花弁に無理やりチンポをこすり付ける遊偽。指で強引に開くとそこにある小さな穴にカチカチになった亀頭をねじ込んだ。

 

 

「ひっ、ひぎゃぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 愛液があまり流れておらず抵抗の激しい膣に亀頭をねじ込んだ遊偽は薫子の絶叫を聞きながら痛いほどの摩擦を感じる。ぐりぐりと無理やりに掘り進めるといっそう強い抵抗に遊偽はこじ開けるかのように腰を突き上げる。ぷつんっと瓜が弾けたような感触とともに最奥まで一気に押し込んだ。

 

 

「痛い!痛い!痛い!」

 

「耳に響く!もうちょっと声を抑えて……っと、もしかして初めてだった?」

 

 

 涙を流しながら酷い顔で泣き叫ぶ薫子に困惑して繋がった箇所を見ると結合部からは血が流れ痛々しく腫れてる女性器が見える。遊偽は気まずそうに腰の動きを止めた。

 

 

「ひっくっ、だって、私、こういうことしたことなくて。それどころか男の人と付き合ったことも、全然、ないの……」

 

「おいおい……後輩を侍らせて男子に色気を振る巻いてたじゃないか。男の扱いだって慣れてる感じだったのに処女で恋愛経験もないとか流石におかしいじゃないか……?」

 

 

 困り果てる遊偽に薫子は動きが止まって声をかけられたことに落ち着いたのか少しずつ話す。

 

 

「だって、美しい私に、男は勝手に寄ってくるもの。鼻の下を伸ばして遊んであげたら喜ぶし、周りも持て囃すからそう振る舞ってただけで……」

 

「周りの求められる女王様に自然となっていたってことか。高嶺の花だから皆が逆に寄り付かないのかもな。うーん……」

 

 

 徹底的に凌辱してやろうと考えていた遊偽の気持ちが萎えていく。ドレスを引き裂いたことはいまだに腹が立つが処女相手に酷い仕打ちをするのも気が引けた遊偽は薫子に条件を持ち掛けた。

 

 

「杏子とミホに謝って今後こんなことをしないと誓うなら優しくセックスしてあげる。嘘はつかない。薫子が約束を守ってくれるならね。どうする?」

 

「……お願い、今度はちゃんと守るから、優しくして。痛くて怖くて耐えられないの」

 

 

 

 取引が交わされると遊偽は先ほどとは打って変わって優しく愛撫をしてあげた。一度肉棒を抜いて腫れあがったおマンコを丁寧に舌でほぐす。パズルの力で性感を高め、痛みの閾値もあげることで薫子も刺激に快感を得るようになった。胸も先ほどとは異なりまるであやすかのように擦る。乳首もゆっくりと弄ることで硬くなってしこりが出始めた。

 

 

「ハァ、ハァ……あっ、んっ」

 

 

 おマンコと胸への奉仕で高められた薫子の性感がゆっくりと開発されていく。身体が小刻みに震え高まりが徐々に限界に近付いていると察知した遊偽は薫子のぴっちりと閉じられたクリトリスを皮越しに擦り上げる。

 

 

「あっ、やっ、ん♡」

 

 

 身体の動きが大きくなる。遊偽は指の動きを強め、刺激に慣れてきた頃合いを見計らって皮を剥き舌で一気に攻めた。

 

 

「あっ、あっ、あぁぁぁぁあぁ!!」

 

 

 薫子が絶叫をあげる。他人の手で初めて絶頂に導かれた薫子は口元に涎を垂らし快感にほろけた。

 

 

 遊偽はそんな薫子の口元の涎をぬぐうようにキスをする。

 

 

「っ!?なっ、何を!」

 

 

 一気に覚醒した顔を赤らめて遊偽を見つめる薫子。どうやらファーストキスもまだだったようだ。

 

 

「そろそろ、準備も整ったし入れるから」

 

 

 遊偽にリードされながらペニスの挿入を受け入れる薫子。強引な挿入とは異なり、ゆっくりと膣に形を馴染ませるかのようなペニスの動きに性感を高められた薫子は初めて中での快感の刺激を味わう。遊偽もまた薫子のきつすぎる処女の締め付けに声を漏らしていた。

 

 

「んっ、くっ、さっきよりも痛くない……不思議な気持ち……」

 

「大丈夫、俺に身体を任せて。ゆっくりと突くから気持ちいいと感じるところに集中して」

 

 

 ペニスをきゅうきゅう締め付ける膣の感触を味わいながらも遊偽は薫子に気持ちよさを教え込むかのように出し入れをする。痛みと肉の触れ合う甘い気持ちよさに薫子は「これが、セックス……」などと独り言を漏らしていた。

 

 

「そろそろ、イキそうだ。薫子、出すよ」

 

 

 腰を掴み、もう片方で頭を抱えもう一度キスをする遊偽。舌と舌が絡み合い頭が熱で浮かれる薫子を見つめながら遊偽は限界に達したペニスから薫子の膣に欲望を吐き出した。

 

 

「んちゅっ……熱い……」

 

 

 注ぎ込まれる精液の温かさに薔薇のように飛び出してた自分の棘をそぎ落とされていくかのような錯覚を感じる薫子。遊偽とのセックスを通じて自分の全てを遊偽に曝け出し受け入れてもらったような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 闇の霧が晴れ薫子とのセックスを終えた遊偽は薫子に上着を与える。薫子は本当に反省したようでその後は杏子とミホに自分のやったことを説明し謝罪した。ミスコンの出場を辞退することも伝えたところで杏子とミホは薫子をとどめた。

 

 

「強敵相手に不戦勝だなんて、それじゃ勝っても嬉しくないわ。姫小路先輩もドレスがないことだし正々堂々と勝負することにしましょうミホ」

 

「うん、正直ミホはまだ許せないけど……遊偽君が許してあげてってことなら許してあげる」

 

 

 薫子はそんな二人に涙を流しながら「ありがとう……本当にごめんなさい」と頭を下げて泣いていた。

 

 

 

 候補者3人がドレスを紛失したという異例の事態を受けて主催者側もミスコンを中止とするわけにもいかず最終審査は制服でのアピールに変更をした。そして今度は生徒だけの投票ではなくミスコンを見ている観客全員による投票となった。

 

 

 杏子とミホは前回と同じように強みを生かしたアピールを行う。薫子も吹っ切れたようで二人への嫉妬はやめて晴れやかな笑顔でアピールを行った。

 

3人の魅力は拮抗しており、僅差で優勝は薫子、2位が杏子で3位がミホといった結果に終わった。

 

 

「私が、優勝……?」

 

「最終審査ではいつもの棘がなくて表情も柔らかかったからな。前のギャップで落とされた人も多かったんだろう。ちゃんと実力でミスになれたな、おめでとう」

 

 

 遊偽の賛辞に驚き頬を染める薫子。杏子とミホに対し卑屈になっていた薫子は先ほどとは違い自分が優勝できるという自信もなくなっていたため結果には驚きを隠せない様子。

 

 

「そっか……。あんなになりたかったはずなのに、今は不思議な気持ちだわ」

 

 

 薫子はしみじみと言う。固執していたのが嘘のようだった。

 

 

「……まあ、仕方ないか。今なら負けてもそんな気がするわ」

 

「ううっ、ミホはそれでも悔しいよ~遊偽君~」

 

 

 納得している杏子と悔しそうにしているミホ。だが、ミホも杏子と同じくミスの座を奪われたが薫子に怒りを覚えてはいなかった。

 

 

「それで、エスコート役を選ぶのよね……。でも、私、気軽に頼める男の人なんて……」

 

 

 ちらっと遊偽を見て恥ずかしそうに頬を染める薫子。

 

 

「ねえ遊偽君。私をエスコートしてくれないかしら?」

 

 

 もじもじと頼み込む薫子に遊偽は驚き反応に困ってるかのようにおろおろする。そんな遊偽と薫子を見て杏子とミホの態度が一変した。

 

 

「ちょっと遊偽!姫小路先輩と何があったのかしら?詳しく教えて欲しいんだけど!」

 

「遊偽君、冗談だよね!?もしかして私たちに黙って浮気したの!?ねえ!遊偽君!!」

 

 

 詰め寄る二人に後退る遊偽。結局、恥ずかしそうにエスコート役として遊偽を紹介した薫子と照れながらエスコートする遊偽が締めてミスコンは終わりを告げた。

 

 

 

 文化祭の最中、遊偽は周りの男子の嫉妬の視線と杏子とミホの殺意の入り混じった視線を浴びながら気まずそうにしていた。

 

 




レイプのはずがいつの間にやらラブコメ時空に
今回は原作の文化祭の回
女の子たちとイチャイチャしつつ高嶺の花の先輩と
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