※この作品はR-18です。

遊戯王のパズルの悪い使い方   作:菓子ラムネ大好き

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第26話

 

 童実野埠頭から発ったいまだ海上を進むとある客船。イリュージョン社が所有するこの客船でデュエリストキングダムの予選が行われていた。

 

 

「ワタシは怒れる類人猿(攻撃力:2000)を召喚。プレイヤーの壁モンスターを攻撃」

 

「ぐっ、上級モンスターも出してきたか。それなら、俺は暗黒騎士ガイアを召喚。類人猿を撃破!」

 

 

 そして、その船のVIP室にて、AI搭載型デュエルマシーンを相手に遊偽がデュエルを繰り広げていた。

 

 

「ワタシは地割れを発動。これによりガイアを消滅させます。そして、ジャイアント・オーク(攻撃力:2200)を召喚。更に装備カードで攻撃力アップ」

 

 

「へぇ……ただのAIにしては嫌な手を使ってくるわね」

 

 

 デュエルの様子を横から眺めていた孔雀舞はAIの手腕に感嘆する。相手の上級モンスターを魔法カードで破壊しつつ上級モンスターを強化して相手の場を破壊する戦術をAIは行っていた。

 

 

「なら、俺はこのカード、ブラックマジシャン!そして、秘術の書を使い攻撃力アップ。オークを撃破!」

 

 

 遊偽が引き当てたカードを使いAIのエースを撃破する。手札リソースを使い過ぎたAIは召喚するモンスターを引き当てられず敗北した。

 

 

「中々手強かったよ。まあ、舞と比べるとヒヤリともしなかったけどね」

 

「あらら、私と比べるなんて結構な誉め言葉ね。でもそうよね♪私との方がこんな無機質な機械よりずっと燃えられるものね♡」

 

 

 勝った遊偽にチュッっと投げキッスを送ると舞もまた自分と戦う意志を見せるデュエルマシーンとデュエルを始める。遊偽とのデュエルで使ったデッキとは異なるデッキを使って来たが、それでも舞は難なくAIを倒した。

 

 

「オメデトウゴザイマス。これが島の立ち入り許可証デス」

 

 

 二人とのデュエルを終えると、AI搭載型デュエルマシーンはモニターの下から二枚のカードを出す。

 

 

 それを受け取る遊偽と舞。カードには港とそのすぐ先に山岳、そして山岳の中でデュエルボックスが描かれていた。

 

 

「この絵柄通りなら、私たちが最初に降り立つ場所は山地ってことね。港の平地から続く河川がそのまま山に繋がってるみたい。フィールドも山岳が多そうだから鳥獣族のハーピィが主力の私には有利な地形ってわけか」

 

 

 どうやら舞にとっては有利な場所であったようだ。一方で、山の効果種族であるドラゴン、鳥獣族、雷族の中で恩恵をあずかる主力がカースオブドラゴン程度の遊偽にとっては中々厳しいフィールドである。

 

 

「……この船にいる参加者がランダムに集められたのなら条件は同じ。どこがフィールドだろうとやることは変わらない」

 

 

 受け取ったカードを懐にしまう遊偽。その後も暫く待機していた二人だが、何も起こりそうにないのを確認した後、寝間着に着替えなおしてベッドで眠ることにした。舞が抱き枕替わりに遊偽を抱き寄せながら添い寝をしてきたが遊偽は押しのける気もなく舞の温もりを感じながら一夜を過ごしたようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌朝、心地よい朝日を浴びながら感じる暖かさと重い瞼に一度覚醒したが二度寝に移ろうかとぼんやりと頭の中で考える遊偽。しかし、下半身が妙にもぞもぞし、睡眠を妨害する刺激的な快感に違和感を感じた遊偽はふと目を開けると露出した自分の肉棒を舐める舞がそこにいた。

 

 

「んっ、んんっ!?まっ、舞!何をしてるんだ!?」

 

「起きた?チュッ…ペロッ、ふふっ、このオチンチン、昨日あれだけやったのに、朝になるとすっごく元気で♡暴れたそうにズボンを押し上げてたから、遊偽が起きる前にすっきりさせてこうかなって♡」

 

 

 にぎにぎ、っと親指で遊偽の亀頭を擦る舞。舞の唾液で滑りの良くなってる敏感な亀頭を刺激され遊偽の肉棒はたちまち膨張する。

 

 

「うっ、寝起きの朝からだなんて、舞は本当にエッチが大好きなんだな」

 

「やーね♡その気にさせる遊偽とこの暴れん棒のせいよ♡どうする?しちゃう?今後の景気づけにこの船での最後の一発♡」

 

 

 艶めかしい表情で獣欲を駆り立てる舞の表情に遊偽は耐えきれず陥落する。

 

 

「今度は上になってあげる♡昨日たっぷり楽しませてくれたご褒美に、ね♡」

 

 

 小悪魔な表情で遊偽に迫る舞。遊偽もまた舞の好きにさせて舞の動きを堪能していた。寝間着の下だけ脱いだフェチをそそる姿の舞。

 

 

「あはん♡そう、カチカチで♡おっきくて♡太い♡遊偽のおチンポちゃん、はぁ、あん♡」

 

 

 舞が自分の中に埋めた遊偽の肉棒を使って自分の弱い所を必死に突く。喘ぎ声を出しながら弱点を遊偽に教えてくる舞に遊偽も意地悪く腰を動かして舞の弱点を突くと途端に舞が身震いした。

 

 

「やん♡何するのよ!私が、遊偽にしてあげてるんだから、勝手に動かないで!」

 

「舞のオナニーを見ているのは悪くなかったけど、ちゃんと奉仕もしてもらいたくてね。折角だし一緒に楽しもうよ」

 

 

 上半身を起こして対面座位の体位になる遊偽。勝気な素が出た舞にキスをしながら完全に勃起したチンポで舞の子宮を小突く。「あん♡」と舞が熱く声を漏らしながら遊偽のキスに応じて舌を絡ませる。

 

 

「ちゅっ、遊偽♡もっと、小突いて♡」

 

 

 熱く火照った体と汗ばんだ寝間着から伺える胸元をわざと広げながら遊偽におねだりをする舞。服の下から胸を揉みしだきながら遊偽は舞の子宮孔とその下の性感帯を何度も小突く。

 

 

「ああん♡そこっ、痛くて、気持ちよくて、変になっちゃう~♡」

 

 

 遊偽に小突かれる度に腰をふりふりと揺らして手足でぎゅっと遊偽の背中を押さえつけて遊偽を逃がすまいとする。キスを交わし合いながら唾液と吐息の熱を交わし合い、下の生殖器で接合する二人。舞の柔らかくも粒々の膣壁に敏感な快楽器官を刺激され昂った遊偽は舞と一緒に高みに達する為に出入速度を上げていく。

 

 

「やぁ♡激しく、なって♡あん、遊偽のオチンチン、ゴシゴシって中扱かれるの、いいのぉ♡」

 

「ああ、俺も舞の中が気持ちよくて我慢ならないんだ。一緒にイクぞ、舞!」

 

 

 汚液をまき散らしながら間断なく突く遊偽のペニス。遊偽もまた舞の膣に追い詰められ余裕がなくなっていた。

 

 

「ああっ、イクッ、イクーっ♡」

 

 

 舞の絶叫とともに遊偽もまた欲望を吐き出す。舞の膣を汚しながら遊偽の肉棒は舞の膣壁に扱かれて満足気に震えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ユニットバスで体を洗い終わった後、到着の合図がなされ島を出る準備を行う二人。シャワー室で一緒に洗いあったが時間がないのもあってそのままセックスには移らずに済んだ。

 

 

「私の中、気持ちいいでしょ?よく男たちからは名器って褒められるのよ♡」

 

「ああっ、それは感じるよ。俺も舞とセックスすると余裕なくなるし。でもそれ以上に舞が本音を曝け出して素直に感じてくれてるのが一番興奮する。もっと俺を軽く捻ってイカせようとしてくるかと思ってたから猶更ね」

 

「そうやって手玉に取るのも慣れてるけど、遊偽の前だとついつい素を出しちゃうのよね。あっ、でも遊偽が求めるなら最後まで演じてあげてもいいわよ♡Sっぽく攻めてあげましょうか?それとも優しく射精まで導いて貰いたい?」

 

「いや、いいよ。今のままの舞の方が好きだからさ」

 

 

 準備をしつつ甘い言葉を囁き合う二人。昨日が初対面とは思えないほどの打ち解け具合であった。

 

 

 そんなイチャついてる二人の間に割って入るかのようにモニターの電源が入る。モニターには角刈りが特徴的なサングラスをかけた黒服の男が映っていた。

 

 

「諸君、昨夜の試験ご苦労であった。集計したところ、昨夜のデュエルマシーン相手に負けた者、また不正を行おうとして失格となった者、3つの船合わせて53人。以下の者は島への立ち入りを認めず船にて強制送還とする。無事島のカードを手に入れた者は引き続き王国での予選に勤しんでもらいたい。皆の検討を祈る」

 

「53人…そんなに…」

 

 

 船で落ちた参加者の多さに落胆する遊偽。海馬はともかくミホちゃんや城之内君は大丈夫だろうか、などと別の船にいた仲間らの心配をしつつ遊偽は舞とともに部屋を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど、絵柄の通りの場所ね」

 

 

 船を出た遊偽と舞はデュエリストキングダム会場、ペガサスが所有する島へと足を踏み入れる。目の前には山々が広がっており、この奥にペガサスが居座る本選会場の城があるのだろう。

 

 

「接岸した波止場には他の船はなかった。やはり別の所に着いたんだろうな……」

 

「あら、他の船のことが気になるの?」

 

「ああ、実は、仲間が別の船に乗っててさ」

 

 

 遊偽が掻い摘んで一緒に参加した仲間たちのことを舞に説明する。舞は興味なさげに聞いていたが、海馬が参加していると聞くと険しい表情になった。

 

 

「へーっ、あの海馬がね。ってことは、優勝するには遊偽だけじゃなくて海馬も倒さなきゃいけないってわけか。厳しい戦いになりそうね」

 

 

 腕組をしながら考え込む舞。そんな舞と一緒に参加者の集団らに後続する遊偽であったがそれから間もなく、麓にあるデュエルボックスにたどり着く。

 

 

「予想通り、山が多めのフィールドね。私には都合がいいわ。さて、デュエルといきましょ。あっ、遊偽とは勿論本選までお預けね♡」

 

 

 舞が適当な参加者に声をかけてデュエルを申し込んでいく。遊偽もまたデュエルをしようと参加者に声をかけるがU17優勝者の実力者だと知られている遊偽が誘っても誰も乗ってくれなかった。

 

 

「いやっ、流石にあの武藤遊偽とはちょっと……」

 

「悪いけど、他の人と頼むわ」

 

「えっ、ええっ!?待てよ、それじゃ俺は誰とやればいいんだよ!?」

 

 

 次から次へと断られていく遊偽。その頃、舞は順調にデュエル相手を見つけていたが遊偽と戦ってくれる相手はついぞ見つからず途方にくれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、遊偽とは別の船に乗っていた海馬は遊偽と同じくペガサスの計らいでVIP室に案内されていた。そしてその部屋には花咲もいた。参加証の持っていなかった花咲は当初の予定ではこっそり船に忍び込むつもりであったが、「どんくさいお前では黒服に摘まみだされるのが関の山だ」と海馬は船の側にいたイリュージョン社の男に堂々と御付きの者を連れていくことを言い出し認めさせた。その有無を言わせぬ態度に花咲も唖然としたくらいである。

 

 

「凄いね、海馬君……」

 

「ふんっ、どうせ奴らにとって俺の従者が一人増えようと二人増えようと些細な事だ。俺を参加させ叩きのめす以外のことはな。お前とて貨物室の中で一夜を過ごすよりはマシだろう?」

 

 

 悟ったような表情で海馬は寛いでいる。モクバの安否に気が気ではない海馬であったが一応は自分とモクバの為に行動している遊偽の仲間の花咲を海馬なりに気にかけているようであった。

 

 

「うっ、うん……。ありがとう、海馬君」

 

 

 花咲の礼とともに暫くの間、無言の時間が続く。海馬は瞑想しており全く気にしていないようであったが居心地の悪さを感じた花咲はバルコニーにでも移ろうかと決めあぐねていた所、唐突にモニターが光る。

 

 

「参加者の諸君、これより試験を開始する。予選は既に始まっているのだ」

 

 

 遊偽が見た映像と同じ映像が海馬と花咲のいるVIP室に流れた。驚く花咲とある程度予想がついてたとばかりに動きだす海馬。部屋の扉からAI搭載型デュエルマシーンが現れる。

 

 

「ふっ、悪くない余興だ。無駄に多い参加者をふるいに落とす意味でもな」

 

 

 結果は当然ながら海馬の圧勝で終わった。マシーンから出て来たカードを海馬は取り上げる。

 

 

「フィールドは森、か。外れだな。いや、俺が不利な場所に誘い込んでるわけか」

 

 

 軽く舌打ちをする海馬。花咲もまた、海馬の持ったカードを横から見てそれを白紙の手帳にメモっていた。

 

 

「散策の度に地図を書いてきます。それと、荷物もなるべく僕が……」

 

「荷物はいい。他人に自分の私物を触らせるつもりはない」

 

 

 花咲を近寄らせぬように荷物を取り上げる海馬。邪魔にならないように気を付けながら花咲はベッドの端でその日を過ごした。

 

 

 そして、翌日。船を降りて島に立った二人を黒服の男が迎えた。

 

 

「ようこそ、海馬セト。ペガサス様がお前の参加を喜んでおられた。おっと、俺とは初めましてではなかったな、ハハハ」

 

「お前は……猿渡!」

 

 

 サングラスをした角刈りの黒服の男は元KC社員でありイリュージョン社のスパイとなっていた猿渡。その男を見た瞬間、海馬の表情が怒りに歪む。目の前の男がKC社員に裏切るよう率先して働きかけていたことを海馬は知っていたのだ。

 

 

「貴様が俺の前に現れるとはな。どの面を下げて俺の前に立った。まさか、貴様が俺の最初の刺客か?」

 

「ふっ、そう先走るな。俺はデュエルなどしないさ。お前とデュエルする相手は既に用意してある」

 

 

 猿渡がいい終えると、参加者の集団を掻き分けて現れる参加者の一人。それは海馬も花咲も見たことのある、遊偽とU17の優勝を争ったインセクター羽蛾であった。

 

 

「くくくっ、海馬を倒せば賞金とこいつのカードを貰えて遊偽と戦わせてくれるんだろう?まさかイリュージョン社からの全面的な支援のもとで遊偽を予選落ちにさせる機会を貰えるなんて、嬉しいなあ。あの日から毎夜見る悪夢、あいつには相応の報いを受けさせてやりたかったんだ、ひょひょ」

 

 

 目に隈を作った丸眼鏡の少年、インセクター羽蛾は歪んだ笑みを浮かべて猿渡と海馬を交互に見つめる。その手にはデッキが握られていた。

 

 

「ああっ、この男を見事倒したら我が社が全面的にお前の復讐を支援してやろう。勿論、お前が得意なやり口でな」

 

 

 にやりと笑いながら海馬を羽蛾の得意な森フィールドへと案内する猿渡。それに対し、海馬は嘲笑うかのような態度を見せる。

 

 

「ふんっ、勿体ぶって紹介するからどんな奴が現れるかと思ったら、まさか遊偽に敗れた虫野郎とはな。随分と舐められたものだ」

 

「なっ、なんだとぉ!?強化された俺の昆虫族デッキの力、お前に見せてやる!」

 

 

 デュエルボックスの前で憤る羽蛾。海馬は毅然とした態度でデッキを片手にデュエルボックスへと入った。

 

 

「星は2個賭け。負けた方がこの島を去る。いいな!?」

 

「当然だ。何のプライドもなくペガサスに尻尾を振るデュエリストの誇りの欠片もない貴様を早々に退場させてやろう」

 

 

 そして、海馬の島での初試合となる海馬と羽蛾のデュエルが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 また、遊偽や海馬とは別の最後の船では、城之内とミホ、そして船に忍び込んだ本田が乗船していた。

 

 

「ううっ、なんて狭さだ。それに暗え……。だけど、黒服に見つかるよりはマシだよな!?頑張るぜ、ミホちゃん!城之内!」

 

「うんっ!本田君も見つからないように頑張って!」

 

「一日限りの辛抱だ。すまねえけど何とか耐えるんだぞ本田」

 

 

 船の貨物室で一夜を過ごすこととなった本田が一人寂しく暗闇の中で音をたてぬように隠れていた。城之内もミホもそんな本田を気遣いながら、黒服がいないことを確認して部屋へと戻る。

 

 

 城之内とミホ、二人の部屋はVIP待遇であった遊偽や海馬とは異なり、他の参加者と同じく5人1組のタコ部屋であった。二人が戻ってきたのを確認すると、同室のデュエリストたちが笑顔で迎えてくれた。

 

 

「おおっ、やっと戻ったんかいな。随分遅かったのう。まあええわ。それよか、お前の友人の遊偽の話聞かせてくれ城之内」

 

 

「そうじゃ。俺もまたあいつと再戦してえ。今度こそ、遊偽を倒すからな」

 

 

 同室となった男たち、ダイナソー竜崎と梶木漁太は全国大会に出場した猛者で遊偽とも対戦したという城之内達とも縁浅からぬ人物である。梶木は持ち前の明るさからすぐに打ち解け、竜崎もまた真っすぐな性格からか城之内と気が合った。タコ部屋は人数調整の結果として城之内とミホを含めたこの4人の部屋となっていた。

 

 

「おう!だが、遊偽と戦う前にこの城之内克也様もいるってこと忘れんなよ!島では経歴より結果だからな」

 

「はんっ、抜かしよるわ。城之内、お前には負けへんからな」

 

「俺は海が戦場じゃから来るならいつでも相手してやるぞ城之内」

 

 

 楽し気に会話を弾ませる城之内らにぶーっと不貞腐れるミホ。そんなミホを目聡くみた竜崎はご機嫌取りに出る。

 

 

「ああっ、ミホちゃんも本選出場まで頑張ろうや。何ならワイもスターチップ集め協力するで、へへっ」

 

「ぶーっ、いいもん。ミホは自分の実力で集めるの。おべっかなんて嫌い!それで本選でマイダーリンの遊偽君と一緒になるんだ、えへへ」

 

「なっ、なんやと!?こんな可愛い子とあいつは付き合っとるんかいな!?くそっ、武藤遊偽!絶対許さへんからな!!」

 

 

 可愛いミホに骨抜きにされてた竜崎が遊偽を思うミホの姿を見てメラメラと遊偽に対して敵愾心を募らせる。そんな竜崎を見てやれやれと城之内と梶木は呆れていた。

 

 

 その後は時間を持て余した4人は交流も兼ねてお互いの身の上話が始まる。

 

 

「へへっ、そういうわけでワイは関西エリア予選のトーナメントを優勝したわけや。この恐竜族の圧倒的な強さに惹かれてな。あん?レッドアイズは恐竜やなくてドラゴン?じゃっかしいわ!翼竜って恐竜みたいなもんやろ!?」

 

 

 竜崎は恐竜マニアらしく自然と恐竜族でデッキを統一していったようだ。ドラゴンは格好いいのと恐竜に似たロマンを感じるから入れてるらしい。

 

「俺は、今回の大会の賞金で船を買いたいんじゃ。海に飲み込まれて生き別れた親父に代わって漁師として一から独立する為にな」

 

 

 梶木の身の上話となると快活な性格からは想像がつかないほど重い話となり一瞬無言に包まれる。「だから負けられんのじゃ」と梶木の言葉は決意の固さを感じさせた。

 

 

「俺は……あんまり、楽しい話でもねえがよ……」

 

 

 城之内もまた妹のことを話す。妹の眼の手術にお金が必要なこと。そのために自分がここにいることを話すと梶木も竜崎も真剣な表情でそれを聞いていた。

 

 

「そうか、お前にも負けられん理由があるんじゃな。それじゃ、俺らはライバルじゃ。船を降りたらお互いデュエリストとして会うだけじゃ」

 

「はんっ、思ったよりもお前らが重すぎて困ったわ。でも、デュエリストとしてワイも勝ちを譲るつもりはないさかい、やるなら本気でやるで」

 

 

 梶木と竜崎も城之内の身の上話に同情はしたがデュエリストとして手を抜くつもりはないと言い放つ。城之内もまた予選を前にしたこの二人の態度に好印象を抱いた。

 

 

 そして、遊偽、海馬と同じく船での予選が始まる。

 

 

「俺は、レッドアイズを召喚!バトル!よっしゃーっ!どうだ!!」

 

 

 翔吾から借りたレッドアイズを使って何とかAIを下した城之内。梶木、竜崎、ミホは既に倒しており、城之内も倒したことでタコ部屋の全員が船での予選を通過した。

 

 

「ほーっ、お前もワイと同じくレッドアイズ使いなんか。地区予選で敗れたっつーから大したカード持っとらんと思っとったけど意外とやるやないか」

 

 

 AIを倒した城之内を素直に称賛する竜崎。同じレッドアイズを持ってるということから親近感が沸いたようであった。

 

 

「へーっ、これが俺たちが降りる場所か。荒野っぽいな」

 

「その奥には海のフィールドがありそうじゃ。へへっ、俺はそっちに行くわ」

 

 

 カードを受け取った城之内達は最初に降りる場所を把握する。

 

 

 翌日、島に降りた城之内とミホは竜崎、梶木と別れた後、船からこっそりと本田を出して島を散策した。

 

 

「ふーっ、あんな固い床で寝たせいで全身カチカチだわ」

 

「お疲れ、本田君……頑張ったね♡」

 

「おう!あーっ、ミホちゃんの笑顔で疲れも吹き飛んだわ~」

 

「現金な奴だな……」

 

 

 本田を加えて島の散策に出る3人。最初のデュエルボックスに着いた頃には既にデュエルが始まっており、フィールド効果で強化された恐竜族で参加者に勝利したダイナソー竜崎が待ち構えていた。

 

 

「おうっ!城之内!遅かったやないか。ワイは既に1回デュエルに勝ってスターチップ3個やぞ。出遅れてるんやないか?あっ、ミホちゃん、元気そうでよかったわ」

 

 

 城之内には挑発的に、ミホには優しく声をかける竜崎。本田がムッとミホを庇うように動くが、ミホは気にせず挨拶を返した。

 

 

「城之内、どうや?ワイと勝負せんか?同じレッドアイズ使い同士、どっちが強いか白黒つけようや。どうせ本選では全員が敵になるんや、今やっても変わらん。お前には譲られない想いがあるんやろ?優勝するつもりでいるならここでワイに勝ってみせい!」

 

 

 竜崎が城之内にデュエルを持ち掛ける。その目はカモを目にした侮りなどなく、城之内を一人のデュエリストとして認めた上で勝負を持ち掛ける目であった。

 

 

「……ああっ、いいぜ。勝負だ、竜崎!」

 

 

 相手は全国大会出場者。更にはここは竜崎にとって都合のいいフィールド。不利な条件であるのは否めないが、ここで勝負を避けていたら優勝は勿論本選出場すら夢のまた夢である。

 

 

 船に降りた最初のデュエルボックス、荒野のフィールドで城之内と竜崎のデュエルが始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

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