山神昌三《やまがみしょうぞう》身長175㎝体重70㎏体型はい… 作:漆黒に潜む者
山神昌三《やまがみしょうぞう》
身長175㎝体重70㎏
体型はいたって普通の中肉中背
視力聴力も異常無し。
身体面は全く問題無しだ。
マスクは、いわゆる《フツメン》
学業成績も特に可もなく不可もなく
性格も、ひょうきんというほど明るくはなかったが
かといっておとなしく寡黙ということもない。
そこそこの友人の数がいたし
クラスの全員と無理なく会話が成立する。
ただ、残念ながら彼女はできなかった。
人畜無害、中性洗剤のような少年だった。
1988年、冬───
山神は、両親と進路について衝突するようになった───
「鈴川材木の社長さん、昌三君なら雇っても良いって」
「川崎パンじゃ、ダメなのか?あそこ大企業だろ?」
「ゲーム?おまえもうすぐ高校卒業だろ?」
両親は必死に、山神に自宅通勤を迫った。
だが秋田のド田舎では、就職先なんてのは限定的。
残念ながら、山神の成績では三流大学が精一杯
そして、親父の稼ぎとパートの母親では、高い学費を工面するのは
不可能とは言わないものの、困難であった。
進路に紆余曲折あった───
山神は初めて、両親の意向に逆らった。
そして、極々普通の高校を卒業した山神は
両親の反対を押し退けて上京した。
彼は無類のゲーム&アニメ&映画好き───
アニメーターや漫画家になるほど絵が上手くもなく
(かといって、一般人に比べれば上手い方)
映画関係は、あまりに敷居が高く感じる。
それならば───ゲーム業界───
将来はドラクエやウィザードリィを超える名作を創りたい!
そんな漠然とした目標に向けて
山神はこのド田舎を後にし、一歩踏み込んだのだった。
「ゲーム会社でボーナスがもらえるまで帰ってくるな…
この金が最後だと思え…賃貸の保証人には、なってやるが」
両親からもらった資金は、僅か50万円
東京大都市池袋の隣、大塚駅北口から徒歩15分
六畳一間、風呂無しトイレ共同のボロアパートを借りた。家賃は月3万円。
親の反対を振り払った以上、仕送りなんてものはない。
18歳の山神は、すぐ近所のコンビニでアルバイトを始めた。
夜22:00から翌朝7:00までの9時間勤務。いわゆる夜勤。
深夜帯でも時給950円
令和の現在に比べれば、けして高い時給ではなかったが
山神にとっては天国だった。
深夜ともなれば、お客の数も疎らになる。
それ故、たった一人の勤務──いわゆる《ワンオペ》だったが
品出しや配送されてくる食品や菓子、雑貨を片付ければ
あとはのんびり漫画を読んでいられる。
現在のような小難しいルールも皆無。
売れ残った廃棄弁当も食べ放題。持ち帰り自由───
夜勤は週4回、月火水木が山神の担当
他金曜から日曜は、大学生アルバイトの3人が各々担当した。
山神の勤務中、その大学生たちが遊びに───
というより、廃棄の弁当目当てにちょくちょく訪れる。
そして弁当を食べ、タバコを吸い、他愛もない話題で盛り上がった。