ギギネブラがモンスター達のオナホというオリジナル設定があります。
「たっ食べないでください〜〜!」
そう叫ぶ白いモンスターはプニプニして柔らかそうだ。
自分はこいつがどうなったって構わないと思っている、
はずだった。
「…………かわいい」
思わず生まれたこの感情に驚いていたのは、誰でもない自分だった。
ギギネブラは基本的に洞窟に棲むモンスターで、目はほとんど退化しており、日の光を浴びないからか体の色も白く、外殻も持たずプニプニとした肌で洞窟内の壁や天井を這い回っている。
そして卵を産むための器官は管状に伸びており、一見尻尾のように見えるような形状をしている。
それゆえに、他のモンスターからは性欲を発散するための道具……俗に言うオナニーホールとして扱われることが少なくなかった。
基本的に狭い洞窟に挟んでいるので大型のモンスターからは襲われることもなければ、同じ洞窟内に棲むモンスターも大抵は自分より小型なので何かあっても反撃すれば問題は無かった。
だが一度洞窟から抜け出せば………身の保証は無い。
外に出るギギネブラは雪に擬態するなど身を隠しながら外敵……自分の命や身体を弄ぼうとする者に襲われないように気をつけねばならないのだった。
一方ナルガクルガは森林などに棲み、主に夜に活動するからか黒い体色で暗闇に紛れながら狩をするモンスターだ。
鱗や翼も鋭く尖っており、ハンター達の武具に欠かせない素材となっている。
端的に言えば強いモンスターである。
なので獲物を捕まえたり、こうしてギギネブラを拘束するのは容易にできるのだ。
この比較的若いナルガクルガも他のモンスターと同様に、ギギネブラを自身の性欲の発散のために捕まえた。
他の者がそうしているなら、自分がそうしたって構わないだろうと思ったのだ。
だが、想定外のことが起きた。
この若いナルガクルガは、比較的最近に性的に成熟したばかりであり、ギギネブラを利用しようとするのは初めてだったのだ。
だからか、ギギネブラのことを自身がどう感じるかなんて考えもしなかった。いや、ギギネブラでなくとも、自分が他者に関心を持つなど………可愛いと感じることがあるなど、思いもよらなかった。
雪原から少し離れた岩肌の多い土地で、ナルガクルガはギギネブラに覆い被さったまま硬直している。
なんだこの気持ちは、なんだこの、どうしようもない気持ちは。
自身の心の変化についていけないナルガクルガ……以下ナルガは、ギギネブラを拘束したはいいものの、どうしたらいいかわからなくなっていた。
「は、離してください……」
ギギネブラはか細い力を振り絞って抵抗をするが、ナルガの強い腕の力には到底及ばず、客観的に見ると何もしていないのと同じだった。
俺はこいつを犯そうとしたはずだ。いや、犯すんだ。なのに、なぜ動けないでいる。
「はぁ、はぁ」とナルガから漏れる吐息に、ギギネブラはこの世の終わりのような気持ちになった。
ああ、私は今からこの柔い肌を引き裂かれ、血だらけになり、むごい形でこの世を去るんだろう。それとも、身体を弄ばれるのか。どちらにしろ、如何様に乱暴をされるのか。どうして私がこんな目に遭わなければならないの………と後悔と怒りと哀しみと絶望とで心が包まれていた。
だが、一向に何をするでも無く見つめるナルガに疑問を感じはじめた。
「……?な、何をする気なの……?」
ギギネブラにそう問われ、ナルガ自身もハッとした。
そうだ、何を止まっているんだ。こいつを犯すんだ。こいつの身体を舐め回したり噛みついたり、性器を擦り付けたり、精液まみれにしたり、こいつの生殖器だか産卵管だかに俺の性器を挿入して、腰を動かしまくってイキまくって弄んでやるんだ。硬直している場合じゃない。いざ!
と意気込んで相手の口内に舌を入れようと顔を近づけたそのときである。
「おお、ナルガよ、何をしておるのだ?」
「じっ……ジン?!」
ギギネブラを犯そうとしているナルガに話しかけたのは、彼の友人であるジンオウガであった。
ジンオウガもナルガクルガと同じく森林などに棲む大型モンスターで、雷属性の攻撃を得意とし、角や爪、鱗が硬く強靭な力を誇っている。
その強さが人間たちに畏怖の念を抱かせるのか、恐怖の怪物というよりは一目置かれる存在のように認識する集落もあるようだ。
そのジンオウガに思わずギギネブラを利用した自慰の瞬間……まだ何もしていないのでギギネブラを捉えただけにしか見られなかったのだが……を見られ、ナルガは思わず顔が赤くなった。
「なっなんでお前がここに………」
「お前こそ、なんでここに……」と尋ねるより先にジンオウガは彼の下にいるのがギギネブラということに気づき、ははあんとニヤけ顔になった。
「そうか、お前もそういうことをしに来たのか」
ニヤニヤ笑いながらジンオウガはナルガに近づいた。
「丁度いい。ワシもそのつもりでここへ来たのだ。どれ、終わったらワシにもヤラせてくれ。」
なっいいだろ!とジンオウガがナルガの肩に手を置こうとすると、
「ふざっけんな!」と勢いよく手を振り解いて、臨戦態勢に入った。
「お前にはこいつに指一本触れさせねえ!」
自分でもなぜこんなに怒っているのかわからないがナルガは勢いのままジンオウガに襲いかかる。
「わーっ!何をそんなに怒っておる?やっやめろ!やめんか!」
ジンオウガが応戦しているその隙に、ギギネブラは立ち上がりその場を去った。
「あーっギギネブラが逃げておるぞ!おい!いいのか?!」
ジンオウガが忠告するもナルガは「うるさい!うるさい!」とじゃれあった。自分がなんでギギネブラに手を出せなかったのか、ジンオウガがあいつに近づいた途端に沸いた嫌悪感は一体なんだったのか……そんなことが頭の中で渦巻き、落ち着くまでジンオウガとケンカを続けるのだった。
一方、うまく窮地を脱したギギネブラは無事雪山の洞窟に戻ることができた。
ここなら誰にも襲われないで済む、と心を落ち着け、先程の出来事を思い返してみる。
何故あのナルガクルガは私を襲っておいて何もしなかったのだろう……。
ジンオウガが近づいた途端に私を庇うように攻撃を始めたのも不思議でならない……。
「もしかして、襲われたんじゃなくて……」
私を守ってくれたの?
ギギネブラの推理はこうだ。
まずジンオウガが近くに来ていることに気づいたナルガクルガは、か弱いギギネブラを守ろうと咄嗟に覆い被さった。その動作が自分は襲われたと勘違いしていただけで、本当は自分を守ろうとしてくれた優しいモンスターだったのでないか?と………
「いけない私ったらなんて勘違いを!いつかお礼しなきゃ……」
思い返せばちょっとイケメンだったような、と思い出を美化させながらギギネブラは寝床に伏せた。