であるならば、「明日のX時、私は~をしている」と思いだす。
そうすると、あなたは明日のX時、~をしている。
カオティック・ハードコア 8
長門
「さっきの振動はなんだっ!? 地震かっ!?」
大淀
「ちょっと待ってくださいっ…いえ、地震ではないようです!
地震速報などは出ていません!」
陸奥
「私ちょっと鎮守府の様子を見てくるわ!」
◇
長「――夕張と明石が!?(驚愕)
駆逐艦に協力してもらって!?(嫉妬)」
陸「え、ええ……」
大「高雄さんからの報告によると、
何か巨大なロボットが第三工廠の辺りから
飛び立っていったそうです……」
長「~~っ!! バッカモーン!!
駆逐艦に手伝わせて、
いったい何をやってるんだあいつらはっ!?」
陸「私たちに言われても……」
大「……大変申し訳ありませんが、
五十鈴さんたちで様子を見てきてもらえませんか?
こちらも今は持ち場を離れるわけにはいかなくて……」
テ「……」
五「わ、わかったわ……。それにしても第三、か……」
ビ「……遠いの?」
五「わりとね……」
ビ「んえ……」
ロ「本当に楽しいところだねここww
ていうかロボットかぁ……!」
~ 四人、第三工廠に到着後(様子は動画で補完) ~
ロゼ「――So great...」
ビチリ「う、うぅ……い、胃の中が……」
五十鈴「なるほどね……ほとんど閉鎖区画扱いみたいになってるのをいいことに、
ここでコソコソやってた、ってわけね……。
五十鈴も普段来ることなんてないし……」
ロゼ「誰もいないね?」
五十鈴「そうね……。協力者の駆逐艦がいたって話だったけど、
もう移動してるみたいね……」
テロス「…………」
ビチリ「……」
五十鈴「仕方ないわね。引き上げましょう。とりあえず、現状だけ報告しに――」
テロス「……フ、フフフフッ…………この力だ……。
この力さえあれば、私は奴にもっ……!」
ロゼ「……」
ビチリ「……?」
五十鈴「……テラ?」
突如、テロスが再び飛び立ち、そのまま鎮守府を去って行った。
「「――!!」」
今度は一人で、だった。
「「…………」」
ビチリ「……エロちゃん……?」
― 五十鈴の独白 ―
その発言の真意を理解することは出来なかったけど、どこか不穏に感じられる言葉を残し、テラは外海の方へと行ってしまった。
引き留める間もなかった。
テラも私たちのことは意にも留めていない様子だった。
そうして飛び去っていってしまったのだ。
一度も私たちを振り返ることもなく……。
大急ぎで五十鈴たちは作戦部に戻り、先の状況の報告を済ませ、また新たに発生した問題についても当然報告した。
結論として、捜索隊の編成には時間がかかる、とのことだった。
現在、当該の例の作戦のために、各々諸用で出払っている者の多いこと。
そして、先の悪魔の侵入を許した一件のこともあって、鎮守府の防備強化体制が敷かれており、そのために割かれている人員も非常に多い。
さらに、これは本当にごく最近のこととなるが、陸地、つまり日本内部に新敵性体の侵入・潜伏を危惧した大本営の判断により、各鎮守府にまったく新しい辞令が下された。
特定の艦娘たちに変装と潜入の訓練を急きょ受けさせ、極々秘密裏に、鎮守府だけでなく、近隣の民間居住区域にも防衛・事件対策を目的とした派遣活動を実施せよ、というものである。この人数も決して少ないわけではない。
諸々のことがあって、また新たに別途目的の部隊の編成を行うには相応の熟慮を要する。
これは単純に、人員の不足も問題として含まれるが、もう一つ、大きな問題としては、五十鈴たちの鎮守府近海においては、最近の"特殊すぎる戦況変化"に対して、"半端な戦力"の編成部隊では、いくら捜索が目的といえど、可能性として、丸々その部隊を失うという事態になることも考えられないことではなかったからだ。
仲間の……一般の人命がかかってるかもしれないっていうのにっ……。
とにかく、いくら大本営に内容の打診をしても、それ以上の返答が返ってくることはなかった。
いつからだったか、あの人が大本営に出頭させられて以降、大本営の意向、とくに五十鈴たちの鎮守府への扱いに、五十鈴はどこか疑問を覚え始めている……。
…………いえ、今はそれよりも……。
五十鈴たち三人は、作戦部でその説明を受けていた。
関係者である五十鈴としては、まだ状況は理解できなくはない……。
ロゼもいつも浮かべている不敵な表情とは違っていたけど、それでも静かに話を聞いてくれているようだった。
でもアカリは……――
今まで見たこともないような顔をしていた……。
いつ、どんなときでも強くて明るかったアカリが……。
私は居ても立ってもいられなくなった。
――私は軍規を破った。