「おまえ気に入ったぜ!」 酒場で意気投合した冒険者からアーティファクト(付け耳)を貰ったので獣人の村へ行こうと思う 作:Rオウ
深夜までかかった<発情の儀>を終えて、一晩たった翌日の朝。
村長宅で用意された朝食をモリモリ食べるボク。
最初のイメージだとウサ耳族って菜食ばっかりなのかなと思っていたけど、別に葉っぱや野菜だけ食べてるわけじゃなかった。
人族と基本同じ雑食だけど菜食寄りという感じか。
普段は根菜と豆、麦等の穀物も摂るけど昼食と夕食は葉物が多いと聞いた。
そして肉類を食事として摂るのは精を付ける時らしい。
例を挙げるなら、<発情の儀>に参加する女性や豊饒祭で子供を孕んだ女性、もしくは病気等で峠を超えて回復期にある病人。
そして、<発情の儀>や豊饒祭に参加する男性の食事にも特別に調理された肉が出されるということだ。
具体的には今ボクが食べている食事だね。
人族の基準でもむちゃくちゃ美味しいんだけど。
何の肉かわからないけど、これだけ美味しいなら肉の種類と調理法を聞いておきたいくらいだ。
特にこの丸い肉が美味しい。
ぎゅって最高のエキスが濃縮されたような濃厚な味が凄い。
食事を終えて一杯の飲みものが出された。
黄緑色をしているけど香りは良い。
何かの果物を搾った果汁だろうか?
あ、美味しい。
「そうだ。ところで豊饒祭に参加する他の男性にお会いしたいんですけど? 少しお願いしたい事がありまして」
周りをキョロキョロと見渡す。
できれば同じ食事の席で食べながら親睦を深めたかったんだけど。
きっと別のところでボクと同じように食事しているんだろう。
もしかしたら集会場かな?
「いないぞ」
うん、キョロキョロしてごめんなさい。
村長宅にいないのは見れば分かりますもんね。
「じゃあどこにいるんですか?」
村長がゆっくりと右手を上げてボクを指さした。
隣りにいた奥さんのミサさんも同じく右手を上げてボクを指さした。
振り返って後ろを見ると、ボクの後ろに座り顔を赤くしていた術師のミカさんが右手を上げてボクを指さしていた。
目をパチパチと瞬きしてもう一度全員の指さしている方角を確認する。
「あれ?」
◇◇◇◇◇◇
ボクは村長宅の客人用の寝台に横たわり吐き気に耐えていた。
いない。
いなかった。
ボク以外の男性がいなかった。
うぉぉおおおおお!?
寝台の上でゴロンゴロンと転げまわった。
うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁああああああああああああああああああああっ!!!!
なんてことだっ!?
なんてことどぁああああああっ!!
いないって嘘だろ!
冒険者ギルドで募集かけたって言ってたじゃないかぁああああ!?
ダメ元で期待はしてなかったって今更言うなよぉぉおおおおおおお!
ボクが来たから期待以上だったああああああああああって嬉しそうに言ううなぁあああああああ!!
はぁはぁ…………
ああ頭が痛い。
頭痛が痛い。
痛みが痛い。
……おかしい。
頭だけじゃなくなんだか金玉がチクチクと痛いぞ?
だけど急に睡魔が…眠……
ぐう………。
◇◇◇◇◇◇
「落ち着かれましたか?」
寝台で寝ていたボクの額に濡れた
……冷たくて気持ちがいい。
窓から見える外の明るさからするともう午後もかなり遅い時間なのか。
「あの……ボクは」
「痛みはもうありませんか?」
痛み?
そう言えば頭が痛くて……なぜか金玉も痛くて……今は痛くないな?
「……どこも痛くない、ですね?」
「では腰のあたりに違和感はありませんか?」
「腰に違和感? ……いや無いですね」
「そう、体質に合って良かったわ。術式もそうですけど、火精料理なんて作るのは私も初めてだったから、賢兎会の方たちに手伝って頂いたの」
そう言ってにっこり微笑む術師のミカさんを横になったまま寝台から見上げる。
下から見上げるおっぱいは最高ですね。
違う、そうじゃない。
「かせい料理?」
「燃え滾る火の精力と書いて火精料理って言うんです。人族の間で育ったトロンペさんは知らないでしょうけど、ウサ耳族に伝わる薬膳料理の一種なんですよ」
「……もえたぎるひのせいりょく?」
「そうです。昨日の<発情の儀>でのトロンペさんの覚悟を見て私も是非お手伝いしたくなって賢兎会の長老を説き伏せたんです」
ミカさんの尻尾がぷるんぷるんと嬉しそうに振られている。
「……説き伏せた、と」
「今ではもう滅多に手に入らない材料をふんだんに使う必要があったんですけど、トロンぺさんが種付けをする豊饒祭の機会を逃せばもうこの村に未来はないって言ったら理解してくれました」
「そう、ですか……。ちなみにですけど体質に合わなかったらどうなったんです?」
「金玉が火精による強化に耐えられない場合は破裂するくらいで済むので死にはしませんよ?」
「……ほう」
下からミカさんを見上げた。
うん、おっぱいが大きいですね。
おっぱいの向こうで満面の笑みを浮かべているミカさん。
「ちょっと横になっていいですか?」
ボクは寝台に横になったままミカさんに申し出た。
「もう横になってますよね?」
「ええ、ちょっと精神的な意味でね?」
「あら、お疲れなんですね? おっぱい要ります?」
「ええ、是非」
ボクの即答を受けて、ミカさんがよいしょっと上着をはだけるとポロンとたわわなおっぱいがまろび出た。
そしてボクの横たわる寝台の隣で膝立ちになって、ボクの顔の横に大きなおっぱいをぽよよんと置いてくれた。
水蜜桃のように瑞々しくて男の夢がぷるんぷるんに詰まってる素晴らしいおっぱいだ。
元気が出てきた。
主にボクの股間の。
「ありがとうございます……冗談かと思ってたんですが」
「ふふふ♥ 冗談ではありませんよ? いつも熱心に見てますけど、妻のおっぱいは夫のものなんですから触ったり揉んだり吸っても良いんですよ?」
「夫?」
「<発情の儀>で甘露を授かった女は豊穣祭が終わるまで全員トロンペ様の妻なんですよ?」
「ボクの……奥さん?」
ボクの目の前に突き出されたおっぱいに指を這わせる。
しっとりと湿ったおっぱいの根本から先っぽに向けてツツツっと指を滑らせていく。
少し力を入れるだけで簡単に指先がおっぱいにめり込んでしまう。
「そうですよ? 全員あなたのための孕み妻なんですよ?」
先っぽの丸く固く膨らんだ乳頭を指で摘む。
摘んだままくいっと横にひねると何とも言えない弾力が手に伝わってくる。
初めて味わうぷるんぷるんの乳房の感触と
「ふぉぉぉ、おおおぉぉおおお?」
ミカさんの両手がボクの顔に伸びてきてボクの顔を掴むと、ミカさんの顔の方へ向けさせられた。
視界の中心がおっぱいからミカさんの顔に変わる。
「今大事なことを喋ってるのでおっぱいじゃなくて私を見てくださいね?」
「……はい」
自分からおっぱい出したくせに。
「トロンペ様が私たち全員を選んでくれてどれだけ嬉しかったか分かりますか?」
「……」
「男性がそんなに射精できないのはみんな知ってるので、私も全力を尽くしたかったんです」
「……」
「どうか出来ないなんて言わないでください」
ボクが黙っているとミカさんがボクの元気になっていたおちんちんをゆっくりと擦り始めた。
「みんなトロンペ様のおちんちんに期待しているんです。孕み妻は今夜から全員熟成を始めます。多分みんな今までにないくらい念入りに熟成してトロンペ様のために頑張るんです。もちろん私も頑張りますよ?」
「あの……熟成って何ですか?」
「ふふふ。秘密です♥」
ミカさんは立ち上がるとおっぱいを服にしまいこんでしまった。
「私を孕ませてくださいね? ふふっ♥」
そう言ってミカさんは扉を開けて出ていってしまった。
しばらく寝台で横になっていたけど、飽きてきたので村長さんに許可を貰って村の中を散歩することにした。
村の中央の大きな井戸のところまでのんびり歩いてきたけど、周りには誰もいない。
たしか村の周辺に川もなかったし飲水は井戸頼りか。
そのまま村の中央を抜けて端の方まで歩いていくと、麦畑と豆畑が広がっていた。
灌漑じゃなくて天水農業か。
畑以外の場所はオオバコの草や牧草が特に管理せず生えるに任せるような感じになっている。
木材は北の方に見える森から調達してるっぽいな。
自分の住んでいた村とは色々違う所も多いけど、ここに住むのも悪くないかもなぁなんてちょっとだけ思ってしまった。
自分の村にいたら嫁が見つからないのと食い扶持が稼げないから外に出るしかなかったわけだし。
別に都会に行きたいわけじゃないんだよな。
ボクは居場所が欲しいだけなんだ。
振り返って、ウサ耳族の村を眺める。
ああ、だめか。
よく考えたらボクは獣人じゃなくて付け耳を装着した人族なんだよな。
獣人族に生まれたかったかも。
「あいたたたっ」
くだらないことを考えたせいか頭痛がぶり返してきた。
耳の部分が凄く痛む。
はぁ……村長の家に戻るかな。
あれ?
遠くに見えるローブを被った人は賢兎会の長老さんの一人かな?
もしかしてボクを見張ってたりして……ははは、まさかね。
日が陰る中、ボクは来た道を通って村長さんの家に帰った。
◇◇◇◇◇◇
「夕食が用意してありますからどうぞ?」
玄関の扉を開けて家の中に入ると、奥さんのミサさんが出迎えてくれた。
「……あり、がとうございます」
つい朝食の火精料理のことを思い出して、御礼の言葉が喉につっかえて一瞬どもってしまった。
客間に置かれてるテーブルの上に美味しそうな匂いのする料理が置かれている。
……美味しそうではある。
ただそれを言えば朝の火精料理も素晴らしく美味しかったのだ。
味は危険の判断基準にはならない。
テーブルの横に置かれている敷物に座り料理を眺める。
手はつけない。
「……これも薬膳料理ですか?」
「あら、よくご存知ですね」
「ええ、ミカさんが朝の料理が火精料理という薬膳だと教えてくれました」
「あらあら。朝の火精料理は血行を良くして精力を高める効果があるんですが、こちらは陰泉料理と言って火精料理で高ぶった気を鎮める働きがあるんですのよ?」
「へー……ちなみに……副作用は?」
「副作用?」
ミサさんがきょとんという顔をする。
目を大きく開いて眉毛が下がって年の割に可愛らしい顔になる。
耳も尻尾も不自然な動きはない。
「いやですわ、薬膳料理に副作用なんかある訳ありませんよ、ほほほ」
「いや、ミカさんが……」
「ああ、あの子少し勘違いをしてるのかしら。もしくは
「
ガタンっ
いきなり村長が立ち上がった。
「す、すまんな。客人の前で。急に腹の調子が悪くなったので
村長さんの耳が後ろにペタっと伏せて、お尻の尻尾も下に垂れてぶるぶると震えている。
あー、分かる。
年を取ると胃腸が弱くなるんだよなぁ。
自分のいた村でもお年寄り良くお腹を壊していた。
村長さんはボクに軽く頭を下げるとまるで逃げ出すように部屋から出ていってしまった。
「うちの人が無作法ですいませんね。さ、早く召し上がってください。せっかくの料理が冷めるともったいないですわ」
「あ、あぁ……そうですね。では頂きます」
あ、美味しい。
この細長い棒のような肉がこれまた美味しいな。
「食べ終えられたら、今日はすぐにお休みくださいね?」
「え? まあ、することありませんし」
「明日の朝、湯浴みの準備をしておきますので今日はゆっくりとお休みください」
「豊饒祭はいつぐらいに始まるんですか?」
「朝、刻二つから集会場で始まりますのでそれまでくつろいでいてくださいね」
ミサさんの見守る中、ボクは陰泉料理をひとりで平らげた。
村長さんは厠から結局帰ってこなかった。
◇◇◇◇◇◇
「212人……」
ボクが豊饒祭で孕まさなきゃいけない女性の人数だ。
考えないようにして平静を保ってたけど、寝台で横になって改めて現実が突きつけられている。
普通に考えれば無理な数だ。
昨晩の<発情の儀>でボクから甘露を受け取って嬉しそうに倒れた伏した女性を思い出す。
選ばれた女性たちの期待に満ちた目がボクの記憶に焼きつけられている。
ミカさんの言葉もボクの脳内で何度も繰り返された。
彼女もボクにすごい期待を寄せてくれている。
でもすごいおっぱいだった。
思い出すだけでおちんちんが元気になってきた。
そういえば夕食の陰泉料理もどんな作用があるかは具体的には教えてくれなかったな。
でもこれら全て豊穣祭のためにやってることなんだよな。
最早できるできないの問題ではないんだな。
寝台に横になったままぐるぐると考えがまとまらない。
……なんだか体が冷えてきたような気がする。
火精料理を食べた後は全身がポカポカしていたのに、今は手の先、足の先から熱が逃げていっているような感じがする。
これが気を鎮める料理の効果なんだろうか?
みんな豊穣祭を成功させるために頑張ってるんだよな。
性交だけにね?
ははは。
……寝るとするか。
思考がまとまらないまま明日の豊穣祭に向けてボクは目を閉じた。