カノンの部屋から自分の家まで戻った僕は、今度の予定について考える。
主に、卒業までの行動だ。
僕が通う総合魔法戦闘科の授業システムであるが、一年生の間はみっちりと座学がおこなわれる。理由は、知識がないとダンジョン内で探索者がすぐに死ぬからだ。
そして二年生に進級すると、今度は自主訓練のみとなる。
極端な放任主義だけど、これが一番合理的であると、魔法学園では判断されていた。
個々の才能もスキルも違う魔法世界では、本人が得意とする能力を伸ばしていく方法が、ダンジョン内での生存確率を上げる。
大人数で同じ内容の授業を受けるよりも、本人が学びたいところだけを重点的に学んだほうが実力がつくと、二千年前に学園が創設されてからずっと、私立マルマル魔法学園は理念を掲げている。
一見、行き過ぎた放任主義に見えるが、生徒が申請をすれば、いくらでも教員から個人授業が受けられるし、豊富なノウハウや資料も手に入れることができる。むしろ、大人数で同じ内容の授業を受けて、決められた内容しか教えてくれない他の学校よりも手厚いくらいだ。
そして、二年生のうちにレベル一のダンジョンを攻略することで、生徒は三年生への進級資格を得る。
ダンジョンには攻略難易度のレベルが設定されていて、攻略難易度が上がると数値も上がる。レベル一は、初心者でも注意すれば攻略できる難易度のダンジョンである。
外の世界でわかりやすく例えるなら、難易度の高い登山を想像してもらえばいいだろう。
進級のために攻略するダンジョンは、レベル一のダンジョンならどこでもいい。
しかし、魔法学園都市内にもダンジョンが多数存在しているため、そこを攻略するのが手っ取り早い。
ダンジョンの攻略は申請をすれば、強力な武力を持つ先生や、高いサポート能力を持つ先生がいつでも同伴してくれる。自分が訓練したい内容に合わせて、申請内容を変えればいい。これも、私立マルマル魔法学園に入学する強みだ。
子守付きでダンジョン攻略などと言って、先生同伴でダンジョンに潜ることを馬鹿にする者はいない。そんな奴、ダンジョンですぐに死ぬ。
先生同伴なら簡単にダンジョンを攻略できると楽をして進級して、卒業しても、そいつは卒業後にダンジョン内ですぐに死ぬ。だから、自主訓練がどうしても欠かせない。
まあ、楽に高校卒業資格を手に入れて、卒業後は違う進路に進むつもりの者にとっては、別であるが。そういう生徒にも、先生は手厚い保護をしてくれる。別に、ダンジョン探索だけが人生ではない。
暴力の化身である魔物が徘徊するダンジョン内では、やりすぎなくらいに安全確保をするのがこの世界の普通だ。他人の安全対策を軽く見て鼻で笑ったり、見下して馬鹿にする者は、警戒心が足りないと判断されて誰からもパーティーを組んでもらえなくなる。
自主訓練を怠る者も、こいつとパーティーを組むのは危険だと判断されて、周囲に避けられる。ダンジョン探索は、厳しい世界なのだ。
ダンジョンを最深部まで攻略したことの証明方法であるが、自分のステータスを周囲に見せるか、ダンジョン探索者協会カードを使うかの方法がある。
ここで、ダンジョンを攻略したとは、ダンジョンの最深部にある転移石に触れて、ダンジョンの入り口に戻ることを指す。そうすることで、自分のステータス表の功績一覧に、該当ダンジョンの攻略者称号が追加されるのだ。
ダンジョン探索者協会カードとは、ダンジョン探索者協会が発行するカードで、ステータス表にあるダンジョン攻略情報のみを抜き出して、表示することができる便利なカードだ。
ダンジョンの攻略証明をするために、自分のステータスを見せるという方法を取ると、自分の所持スキルやレベルまでを周囲に見せる必要があるため、基本的に、攻略証明にはダンジョン探索者協会カードを使うことが慣例となっている。
ダンジョン探索者協会カードは、協会に登録すれば誰でも簡単に手に入れることができるので、ダンジョン探索者は、基本的に全員が探索者協会に所属している。
ダンジョン探索者協会に登録していないのは、後ろ暗い理由がある者くらいだ。
総合魔法戦闘科の生徒は、二年生進級時に自動で探索者協会に登録されており、僕もすでに、探索者カードを所持している。
ちなみに、ダンジョンレベルの設定も、ダンジョン探索者協会がおこなっている。
ダンジョン探索者協会に登録していると、緊急時に探索者カードを使って救難信号を発することで、ダンジョン探索者協会に所属するパーティーに救援依頼を出すことができるようになる。
そのため、私立マルマル魔法学園の生徒には、探索者協会への登録が義務付けられていた。
また、ダンジョンに潜る前に、探索者協会にダンジョン探索届けを提出していると、申請した探索予定期間を過ぎても帰還しないパーティーの捜索をしてもらえる。
ダンジョン内の魔物に捕獲されてしまい、拘束状態に陥り救難信号を出せない場合もあるので、ダンジョン探索前に、探索届けを提出するのは必須である。
ダンジョン探索届けを出さずにダンジョンに潜り、魔物に捕獲されて、一生をモンスターの苗床として過ごすなどということが、ダンジョン内では当たり前に起こりうる。
魔物に法律は存在しない。
そのときに、ダンジョン探索届を提出していないと、外の世界では消息不明だけで処理されて、誰にも助けてもらえない。個人個人がどこで何をしているのかなど、誰にも把握しようがないのだ。
その他に、ダンジョン探索者協会員同士での相互補助があったり、ダンジョン内で探索者が手に入れた資源を、探索者協会が公正な値段で買取してくれる場所もある。
ダンジョン探索者協会は相場を公開して、ダンジョン内資源を常に一般的な価格で買取してくれるので、ボッタクリや買い叩きの被害を避けたり、いちいち値段の交渉事はめんどくさいと考える者にとっても、協会への登録は必須だった。
「……ふぅ。これくらいでいいか」
夜も遅くなってきたため、僕が所属する総合魔法戦闘科と、ダンジョン探索者協会についての確認はこれくらいにしておく。
今度の僕の予定はシンプルだ。
自分の能力を上げることと、ダンジョンの攻略。
ダンジョンを攻略して財を築くのが、僕の夢である。
自分の能力を上げるためには、マジカルチンポを使って女の子とセックスをしまくればいい。
そうすれば、女の子とセックスをするごとに、僕のレベルが上がり、使える魔法とスキルが増えていく。
僕は不思議な女の子からもらった三つの魔法を使うことで、自分の欲望が全て満たせる状況に幸運を覚えた。
「さて、次は誰とセックスをしようかな……」
自分の能力を上げるため、ダンジョンを攻略する能力を手に入れるために、僕は次にセックスをする女の子を探す。