※この作品はR-18です。

マジカルチンポ vs JK   作:第三世界(うたかたとわ)

8 / 12
魔法学園の会議室にて

 

 かつて、世界に混沌を招いた悪魔がいた。

 

 その悪魔は人の魂に巣食い、宿主に思うがままの、三つの魔法を与えるという。

 

 金色の髪に赤い瞳をした、年若い美女の姿をしている混沌の悪魔に与えられるという三つの魔法を求めて、かつての世界は戦火に見舞われた。

 

 欲望のままに三つの魔法を求めれば、世界が崩壊する。

 

 絶対に、混沌の悪魔の封印を解いてはいけない。

 

 彼女に魔法を求めてもいけない。

 

 そう神話で言い伝えられている悪魔の封印が解けて、あろうことか学園都市に迷い込んだ。

 

 その緊急事態が世界に発信されたのは、四月の初め。

 

 新学期が始まってすぐの私立マルマル魔法学園にも、その一方が届くことになる。

 

 魔法学園都市の人口の大多数である、百万人の生徒数を誇る魔法学園だ。生徒の中に、悪魔に取り憑かれてしまった者がいる可能性が高い。そのために、学園に情報が伝えられたのは、合理的な判断であった。

 

 しかし、事が事でもある。

 

 自分が思うがままの魔法を三つも与えられるとわかれば、欲望のままに混沌の悪魔を求める者同士で大規模な戦争が起きる。いや、すでに、裏の社会では戦争が起きていた。

 

 これ以上、戦火を広げないためにも、各国の政府は情報を封鎖して秘密裏に、混沌の悪魔の捜査にあたることになる。

 

「先生、話とは何でしょうか?」

 

 新学期の始まりに緊急の呼び出しがあり、魔法学園にある各学科内の自治組織の代表が、会議室内に一堂に会していた。

 

 百万人規模を誇る魔法学園の全生徒を素早く調査するために、各学科にある自治組織の協力が不可欠であると判断されたのだ。

 

 私立マルマル魔法学園にある緊急会議室は、複雑な魔法陣を用いた防音の結界が幾重にもはられており、盗聴の心配が絶対にない。

 

 そんな会議室に、全自治組織の代表が突然の呼び出しをされていた。各代表は、よほどの緊急事態であること感じ、いつもより硬い空気を身にまとっている。

 

 そして各代表に、混沌の悪魔が魔法学園都市内に逃げ込んだことが説明された。

 

 各代表に説明されたのは以下の通り。

 

 混沌の悪魔は、金色の髪に赤い瞳をした若い女性の姿をしていること。

 

 混沌の悪魔は、男性のみに取り付き、女性には取り憑かないことが言い伝えられていること。

 

 そのため、混沌の悪魔の捜索には自分と信頼できる女性の部下のみに協力を依頼し、男子生徒には、絶対にこの情報を伝えないこと。

 

 それらのことが、ルールの厳命とともに各代表に伝えられた。

 

 少数精鋭による捜査。

 

 なるべく早く学園内の全生徒を捜査をしたいが、そのために、混沌の悪魔に関する情報を広めるわけにはいかないというジレンマを抱えた学園が出した結論がこれだった。

 

 つまり、今回、会議室に緊急で集められた各自治組織の代表は、全てが女子生徒である。

 

 男子生徒が自治会の代表を務めている場合は、それに準ずる女子生徒を臨時代表として呼び出していた。

 

 混沌の悪魔の捜索は、文字通り時間の勝負である。

 

 いつどこで、誰が彼女と接触してしまうかわからない。

 

 いつ誰が、欲望に流されてしまうかわからない。

 

 将来、武力に携わる仕事に就くつもりの者たちが集まる私立マルマル魔法学園には、反骨心のある生徒が大勢集まる。

 

 スキルと才能がものを言う魔法世界では、十代ですでに大人よりも強い若者たちが大勢存在するのが普通だ。女子生徒だと舐めてかかって、粗暴な態度を取る男子生徒も多い。

 

 そんな生徒たちを武力で制圧する自治組織のトップや、それに準ずる地位にまで上り詰めた女子生徒たちは、当然、凄腕揃いであった。

 

 また、過去の実績を含めて、各代表は誠実な心を持つ者であると信頼もされている。

 

「とりあえず、ちゃっちゃと悪魔に取り憑かれた奴を探しだして、ぶっ飛ばせばいいってわけか?」

 

 金髪の髪を伸ばし、淡い桃色の瞳をした粗暴であるが自信に満ちあふれた女子生徒が、会議室内で手を上げて質問をしている。彼女が着ているカーディガンの下のワイシャツのボタンが少しはだけた格好に、少々粗野な印象があった。

 

「対人戦闘のことばかり考えている総合魔法闘争科は、やはり粗暴ですこと」

 

「――あぁ?」

 

 その言葉に食って掛かるようにして、黒色の髪を三つ編みにした女子生徒が不満を漏らす。特殊な魔眼を持つ彼女の瞳は、妖しい紫色に光り輝いている。

 

「……いらぬ諍いはいい。さっさと捜査を始めようか」

 

 二人のにらみ合いを見て、刀を帯刀した制服姿の女子生徒が呆れたようにつぶやく。

 

 各自治組織が、各々の能力に絶対の自信を持っているため、各学科ごとの連携が拙いのがたまにキズであった。

 

 しかし、それぞれの組織に学園と同じ二千年の歴史があり、それにふさわしい実力を備えている。

 

 学園都市全体の自治を任されている、最強の戦力を持つ序列上位の生徒組織。

 

 サポート能力に特化する総合魔法生存科。

 

 純粋な魔法の威力のみを求めることを美とする純粋魔法理論化学科。

 

 対魔物ではなく、対人戦闘に特化し、他国からの侵略や暴徒の鎮圧に備える、総合魔法闘争科。

 

 その他にも、実力も人望もある各学科の代表女子生徒が、魔法学園内で混沌の悪魔の捜索を開始する。

 

「……諸君! 健闘を祈る! 解散!」

 

「――はいっ!」

 

 混沌の悪魔 vs 女子高生

 

 本日、世界の運命を賭けた勝負が、学園都市内で秘密裏に開始された。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。