---メアリー世良---
目の前には務武さんがいた。赤井務武、私の夫であり、真純の父親である。
「本物?」
「あぁ、だが疑うのは悪く無い判断だ」
「今まで、どうしていたの?」
「今の雇い主に助けられて、調査の手伝いやガードをしていた」
「雇い主?」
「そうだ。解毒剤で元に戻れたようだな」
なんで、それを知っているんだ?身構える私。
「身構えるなよ。俺の雇い主が手を回してくれたんだよ」
雇い主?私をペットにしているアイツがか?
「世の中には、逆らっちゃいけない相手っているんだぜ」
確かに,逆らえない。何も出来なかった。どうやって、私の自由を奪ったんだ、アイツは…
「スイスなんだが、総てが終わったら、俺と住まないか?家を貰った。牧場付きのな」
買収されたのか?それとも報酬か?油断をしないように、警戒は解いていない。
「親子三人で暮らさないか?まだ逢っていない娘と一緒に」
次の瞬間、私は知らない倉庫にいた。いつ、意識を狩られたんだ?コンクリートの冷たさが背筋を襲っている。全裸にされ、大の字に鎖で拘束されていた。
「旦那との久しぶりの逢瀬はいかがだったかな?あれあれ、濡れているのか?卑猥な身体だな」
目の間にアイツがいた。見られるだけで、ゾクゾクする。こんな身体では無いはずなのに。
「お前が…務武さんの雇い主か?」
太ももを私お身体から湧き出た体液が伝わり落ちてていく。
「私ではない。弟の助手だよ、彼はねぇ」
弟?
「弟はえん罪被害に悩まされているから…ガードが必要なんだ」
身動き出来ない私を堪能するアイツ。
「弟には全うに生きて欲しいんだ。愛する女性と幸せにね」
---工藤新一---
マズい。色々とマズい。なんで、こんな目に遭っているんだ?
世良、園子にからかわれる毎日。
「溜まっている物をぶちまけた?この根性無しがっ!」
「園子、新一の愛を感じたわ。誰でも無く、私の為に溜め抜いたのよ」
蘭の思考がおかしい。或る意味、正しいことなんだが、俺としては納得出来ない。
「工藤君、出来ちゃった結婚、秒読みの気分はどうかな?」
俺はいつ、解毒剤を飲まされたんだ?なんで、蘭を寝ていたんだ?それもよりによって危険日になんか…
あの日の前日のことが、思い出せない。どうしてだ?江戸川コナンは俺の両親の工作により、転校したことになっているが…最近灰原を見かけない。博士によると、あの日の翌日に消えたと言う。誰が暗躍しているんだ?
「工藤君、放課後、面をかしてくれないか」
世良が小声で俺に呟いた。何かを掴んだのか?俺は声を出さずに頷いた。
◇
放課後、蘭と園子の目を盗んで、世良の元へ向かった。
「君はどうやって、解毒剤を手に入れたんだ?」
会うやいなや、世良が言った。
「解毒剤?何の?」
「小さくなる薬のだよ。私の母さんも手に入れたんだ」
それは領域外の妹では無く母親に戻ってことか?
「世良の母親は、どこで手に入れたんだ?」
「訊いても教えてくれないんだよ。なんかヤバいルートかもしれない。君はどうなんだい?」
灰原に作って貰ったとは話せない。
「まぁ、そんな感じだけど、俺の手に入れていたのは一時的な物で、完全に解毒はしない。今回は知らない間に、誰かに飲ませられたようだ」
「母さんが妙な事を言うんだよ。将来、父さんと三人でスイスに住まないかって」
世良の父親は殺されたとされていたが…
「世良の父親は生きていたのか?」
「わからない。確証を教えてくれないだ」
そうなると、世良の父親はスイスで生きているのか?
◇
屋外に居たはずなのだが、気づくと室内にいた。目の前には、世良の背中が見え、世良の泣きむせぶ声が聞こえる。状況が分からないが、俺の身体のパーツの一部が、世良の体内に入っている気がする。
「痛いよ~、工藤君、もう無理だよ、裂けちゃうぅぅぅぅぅ」
世良の後ろの穴に挿入しているようだ。俺の手足の自由は無いが、アレがムクムクしているのが体感で分かった。マズい、本当に裂けちゃうぞ。しかし、俺の声は出せないようだ。口を拘束されているのか?
「子供の躾は親の義務だぞ」
変声機を通した声が聞こえた。
「申し訳無い。今回は見逃して下さい」
女性の声…世良の母親か?
「敵と手を組んで探ろうとは…裏切り行為だぞ、メアリー世良!」
俺の下から世良の絶叫が聞こえ、俺の意識が遠のいていく。