---ルパン3世----
アーサーに接触をした。
「なぁ、アイツを止められないか?」
「無理だな。私は暗殺者だよ、弟に手を掛けたくない」
止めるイコール殺すの暗殺者アーサー。
「話し合いは出来ないのか?」
「オジさんも知っているでしょ?アイツは何度も、私の罪を擦り付けられ、投獄されたことを」
アーサーは証拠を残さない暗殺者である。そもそも、顔が割れていない。指紋も採取されていない。捜査機関のデータベースに残っている顔、指紋、DNAは総て、アーサーの弟の物である。一卵双生児故、DNAは同じだろうけど。
工藤優作の犯した罪は許されない。完全な人違いであり、彼は何もしていなかった。工藤優作があの書籍を発刊するまで…今では、障害罪が付くだろうが。
「アルは今、彼女と一緒にいたいだけなんだよ。なのに…」
目立ちたくないアルの彼女は有名アイドルである沖野ヨーコである。一緒にいる写真を撮られたら、彼女に迷惑がかかるだろう。アルは国際指名手配犯であるのだから。実際に手を下したのは目の前にいるアーサーなのに、理不尽である。
「で、どうしたいんだ?」
「雲隠れしている工藤優作を誘き出し、復讐したいんだろうな。アイツらを処分したいなら、私は手を貸すつもりだよ」
拷問の上での殺害…罪はアーサーで無く、アル持ちになりそうだ。
「アイツの書いた本は、正しく無い内容に基づいて書かれているし」
「訂正に応じ無い、アイツが悪いんだな」
アルは、事実に反するとして、工藤優作に訂正を求めたが、無視された。アルの存在は認めず、その結果、アルとアーサーは同一人物として描かれていた。
そもそもなんだが、アルもアーサーも本名では無い。本名はアルセーヌ・L・モリアーティとアルセイン・H・モリアーティである。モリアーティ卿の日記にはそこまで書かれていなかった上、工藤優作の手に入れた日記も本物では無い。本物は未だにモリアーティ家本邸の金庫に眠っているのだ。
「問題は、あの日記の出所だよ。オジさん、探してくれないかな」
「俺は探偵では無いからな。そもそも、その日記を見ていない。手がかりが無さ過ぎる。唯一の証人である工藤優作は雲隠れだろ?どこにしまってあるのかも分からない」
「まずは工藤優作を探すことだね」
---工藤新一---
父さんと母さんが日本にいないので、結納は執り行わず、結婚式と披露宴を行うことが決まった。式場はベルツリー婚礼城、鈴木財閥の経営する冠婚葬祭場であった。
「なんか王女様になった気分」
蘭が嬉しそうだ。今日はウエディングドレスの試着と式場の見学である。
「当日は警視庁の佐藤刑事と高木刑事が、工藤夫妻の護衛につきます」
と目暮警部。父さんから護衛の依頼を受けたそうだ。父さんは国際指名手配犯に狙われているそうだ。何をして狙われたんだ?
蘭のドレスはお腹の膨らみを感じさせないデザインで…その姿は美しかった。
「相手の手口はICPOからの情報では、拉致してからの殺害で、死体無き殺人に分類されるそうだ」
死体が無いのに、指名手配されているのか?ソイツは、予告殺人でもしていたのか?
◇
俺の両親が帰国した。高木刑事と佐藤刑事のコンビが父さんと母さんにつきそっていた。宿泊する部屋にまで一緒にいるようだ。父さんには高木刑事が、母さんには佐藤刑事がついている上、部屋のドアの前には、白鳥刑事と千葉刑事が立ち番をしている。身辺警護として、万全な体制と言えるだろう。両親の泊まるフロアは貸し切りで、監視の目が移動経路をくまなく見ている。もし、襲ってくるとしたら、式の時だろうか。
---???---
俺達に侵入出来ない場所は無い。目的の物は手に入った。さて、この二人を躾けるかな。目的の物は姉経由でオジさんに渡し、ウソを並べたヤツを始末してもらおう。