昨夜の事が思い出され涼音は身を固くしていた。
私ってバカね。・・・自分から義父の布団に入り込んでおきながら。
涼音はそんな自分を卑下していた。
入浴を済ました義父が、さっさと寝間に引っ込んだことを確認してから、涼音は浴室に向かった。
涼音はリビングでまったりとしながら義母が出かけていった集会を思い出していた。
お義母も、連れ合いを亡くした男性と今夜は肌を合わせているのだろうか?
本当にお義父を含めた男性は今夜の出来事を知らないのだろうか?
涼音はボンヤリと邦彦の数日前の事を思い出していた。
「ねぇ・・・邦彦・・・」
「毎日仕事で忙しいんだから、少し気を使ってくれよ!」
甘えたがののしるようにして断られてしまったのだ。
気が強くてはっきりものを言う邦彦の性格を知りながら、でも、このときはさすがにへこん涼音だった。
目が冴えた涼音はリビングで映画でも見ることにした。
パソコンを開いていると義父がリビングにやってきた。
「お義父さん、どうしたんですか?」
「ちょっと小腹がすいちゃって・・・なんか食べようかなってね」
「じゃあ、私が何か作りましょうか。まだ9時過ぎですから軽いものなら大丈夫ですよね」
「作ってくれるのか?嬉しいなぁ、ありがとう!」
やっぱり、なにか作るたびに全力で喜んでくれるのはうれしい。
リゾットを作る間に義父に映画を選んでもらい一緒に見ることにしました。
「専業主婦とは言いながらも毎日食事の用意も大変だろう。涼音さんもえらいねぇ、本当に・・・・・・」
義父が涼音に言った言葉の裏には些細な愚痴が含まれていたようだった。
『毎日えらい』
涼音が欲しかったのは、この言葉だった。
専業主婦と言いながらも毎日の掃除洗濯は大変だ。
邦彦や近所の奥さんに愚痴をこぼす。
「専業主婦なら掃除洗濯もちゃんとして当たり前だろう」
と言われてしまう。
「ありがとう」「おいしい」
涼音は、これだけが聞きたかったんだと、このとき気がついた。
「涼音さんがこうして、私の相手をしてくれていることが嬉しい。15日の夜、一晩中一人でいるのは寂しいからねぇ・・・」
せっかくだからと、義父が開けてくれた白ワインがきいたのか?
「寂しい」
と言う義父の口が、涼音はなぜか口づけを誘っているように見えた。
気がつけば涼音のほうから義父の唇を求めていた。
「ごめんなさい。・・・お義父さんがあんまり寂しそうで、つい・・・」
慌てて唇を話した涼音は取り繕うように言った。
それ以上に義父のほうから強引に涼音に迫ることはなかった。
「・・・いいんだよ。ありがとう」
やはり、義母がいない15日は寂しそうだった。
だけど・・・
「男って、自分の母親に似た人を結婚相手に選びがちだって言うよね。
前から邦彦も、おかあさんに似た人を選んだのだって思っていたよ。優しくて物静かで料理が美味しい女性」
目はモニターに向けたまま、潤ませている瞳は寂しそうに、義父はゆっくり話始めました。
「涼音さんが邦彦とうちに帰省してくれると、おかあさんがうちには二人いるみたいで本当に楽しいよ」
涼音は自分の鼓動が速くなっていくのを感じていた。
義父に目をやると、夏用の薄い生地のパジャマ。膨らませている股間のその下が気になってしまうのは健康な女性として当然でしょう。
涼音は自分の頭が何を考えているのか、わからなくなってきた。
そして、吐息がかかるくらいに顔を近づけた義父が涼音に言った。
「あと一度だけ・・・今日一回だけ、お願いできないか?」
「でも、お義父さん、涼音は・・・」
「わかってるの・・・。だから、一度だけ・・・。」
その言葉に押し切られた涼音は、リビングのソファーで一つになった。
義父の寂しそうな眼で見詰められると拒絶の意思を鈍らせる。
そして、義母が今夜一晩中参加している集会へのジェラシー。
口に手をあてて必死に声を押さえる涼音が、たまらなく義父は可愛くみるのだろう。
絶え間なく動く義父の腰。
義父は、涼音の心に足りなかったものを一気に埋めてくれた。
涼音が好きなのはまちがいなく邦彦なのに、義父は邦彦がいないときの涼音の心を満たしてくれたのです。
翌日。
涼音は義父と何食わぬ顔で、用事があると言って夕方になり出て行く義母を送り出し、一度だけのはずが何度も求めあいました。
「あ~。・・・・・・お義父さん。・・・・・・涼音・・・イキマス」
激しく涼音の腰を突きまくれば、義父の腰に脚を絡めている彼女は新婚3か月の新妻。
夫の邦彦に対してはどうにも頭が上がらなかった涼音も、義父を満足させている間だけは男性に対して優位に立っている気がしていた。
予定を一日伸ばした涼音は自宅に戻った。
「先に夕食は済ませたから」
と言い邦彦はテレビを観ている。
涼音は猛烈に邦彦が欲しくなり、そのまま押し倒しました。
最初は戸惑っていた邦彦も涼音に気圧されたのか、次第に受け入れていった。
そして、次からの帰省の時は、涼音が長男の嫁として台所を任されるようになった。
涼音は理解し、愛してくれた義父には感謝しつつも、次の盆における帰省の際は義母と共に集会に参加することを望んでいる。
ただ、もし人生の二回目があるとしたら、涼音は頼られる年上の男性と結婚するかもしれません。
そう、優しくて暖かい、義父のような人と。
完