何度かのゲームを終えて、当然のようにころねが最下位の敗者となってしまった。
「くすん……。こんなの、ありえんてぃーの……」
「ころさんが居たチーム、全部負けてたね……もしかして、苦手なゲームだったの?」
「そ、そんなワケねーだろ!? こぉねが昔からやってたゲームだし、自信あったし……こんな、負けまくるなんて……」
「……そんなに自信たっぷりなゲームでボロボロに負けるなんて……これは、言い訳もできないよねぇ……?」
デルタはニコニコ顔をニヤリと黒ずませてほくそ笑んだ。
「しかし、総当たり戦にしておいてよかったよ。『ころさんと組んだせいで』最下位になるころねすきーが出てくる可能性もあったワケだし」
「う、あぅ…………ごめん……ごめんね……? こぉねが……こぉねが、ヘタクソすぎるから……ごめんねぇ……?」
「か……かわいい……! いいんだよ、ころねちゃん……僕らが普通に悪かっ――もごぉっ!?」
弱気ころねがツボに刺さり、暴走を始めたブラボーの口をエコーが封じた。
「そ、それはいいとして! ころさん、罰ゲームのこと覚えてるよね?」
「あ? そんな話したか?」
申し訳なさそうな態度から一転、ころねはけろりとして小首を傾げた。
「したよ! 『負けたらなんでも言うこと聞く』って!」
「それは絶対に話してねぇだろ!? なんだその雑な罰ゲーム!?」
「え? したよな」
「うん、したした」
「したね」
「ころさんも納得してたじゃん」
1対5。それは、ゲームの中で終わる話ではなかった。
「な……へぇ……? あの……こぉね、そのルール……知らないよ……?」
「ころさん、忘れちゃったんじゃない? ゲームに熱中してたし」
「ええ? 記憶力の良いころねちゃんが……そんなことあるか?」
「いーや、ありえんてぃ。きっと、罰ゲームが嫌でしらばっくれてるだけだべ」
「なんだぁ、ウソかぁ。負けず嫌いなころさんらしいね」
「そういうことだでな」
「ヒトの口調取ってんじゃねーよ!? っていうか……あ、あれぇ……? もしかして……こぉねがヘンなこと言ってるんか……!?」
ころねすきーたちの純朴で妙に熱い視線に突き刺され、ころねは珍しくも狼狽えていた。
ころねすきーたちは好機を見出した。『あと一押しでヤれる……!』。そう思った。
「……まあでも、ころさんが嫌がるならやめようか? 弱い者いじめなんて、俺たちがやるワケにはいかないし」
『押してダメなら揉んでみろ』。有名なリーダーが残した、世界で最も真理に近付いている名言だった。
「よ、弱い者いじめだぁ……!? ちょっとリスナーさん、誰が弱い者――」
「そうだね。ころねちゃんが約束を守らないのは解釈不一致だけど……さすがに無理強いはしたくないよね」
「――えっ……」
「残念だけど……ころさんと遊べて楽しかったし、まあいいか。この充実感は……罰ゲームあるって話で、本気でやれたおかげかな?」
「ちょ、ちょっと待ってよ……? こぉねは……そんな……」
「はぁ~……ころねちゃんがそんなに罰ゲーム嫌いだなんて知らなかったもんな。最初から言ってくれればよかったのにさぁ」
「ち、違うって……そんなんじゃない……リスナーさん、話を聞いてよ……! こぉねは……こぉねは……!!」
「おいバカやめろ。ころさんは俺たちのために黙っててくれたんだ。『罰ゲームなんて、こぉね怖くてできな~い♪』って言って、場をシラけさせないためにね」
「……………………あぁ?」
アルファ、ブラボー、チャーリー、デルタが連携して責任感を呼び覚まし……最後のエコーの煽りが効いたのか、ころねの額で青筋がブチィッ!と激しい音を立てて切れた。
「おうおうおうおう! こっちがしおらしくしてりゃあ、やいのやいのと好き勝手言ってくれてるじゃねえか!!」
「え? だって、ころさんが約束を守ろうとしないなんて、卑怯な真似をしたからじゃないか!」
「あんだとぉ!? じゃあいーよ、やってやんよ!」
「「……え? 何を?」」
ブラボー、デルタはにっこり顔でころねのブチギレ顔を堪能していた。ころねのレア顔は、明日を元気に生きるためのパワーを与えてくれるのだ。
「こぉねがよぉ、てめーらの言うこと、なんでも聞いてやるっつーんだ!! こぉねをあんまり舐めんじゃねえぞ!?」
健康的に膨らんだ胸をぷるんっ♡と揺らしながら張り、ころねは特大の罠に飛び込んだ。
ころねすきーたちは、いつもと同じ表情を浮かべ続けた……その顔の裏で、イヒイヒと溢れる黒い笑声を堪えながら。
今日はここまでが限界です。