なお今回は「ふたなり」の要素が含まれますので、苦手な方はご注意ください。
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少し見上げた程度では全く天井まで見えないような高さの大聖堂。荘厳で秀麗な彫刻の施された壁面に、婚姻の祝典の徴たる荘重な旋律が反響して、その特異感を演出していた。床に敷かれた緋色のカーペットは主役の登場を今か今かと待ち侘びていた。
そのカーペットの続く先、聖堂の1番後ろの黒樫の扉が開かれる。そうして現れたのは綾羅錦繍のひまりの姿であった。ひまりの手は情景の人、薫に引かれて、一歩一歩、ゆっくりと絨毯を踏みしめる。
「あぁ……儚いね、こうしてまだ弱々しいと思い込んでいた雛は巣立っていくんだね……、あぁ、儚い」
「薫先輩……、私、幸せになります……」
そうして待ち人の前へと連れられたひまりは想い人と相対する。ずっと待ち続けていたその人は花嫁を迎えに参上するためのタキシードを召していた。そして、想いが叶ったことを表すかのように最上の微笑みを返したのだった。
「汝、病める時も健やかなる時も、貧しい時も富める時も、永久にこの者に純一の愛を捧げ、節操を守ることを誓いますか?」
「……はい」
花嫁が悠久の愛を誓う。
「汝、悲しい時も喜ばしい時も、災いなる時も幸福なる時も、互いに支え合い、生涯この者を愛することを誓いますか?」
「……はいっ!」
その花嫁の気持ちに応えるように、花婿は凛々しい声を上げる。
「神の前で2人の愛の誓いをたてるため、誓いの口づけを」
神父の声に羞恥と歓喜に頬を染めたひまりは隣に並び立って同じく至上の愛に朱を差したあこと向かい合う。
「……ん」
互いの唇と唇を重ね合わせるだけのシンプルなキス。それでいてこのキスは2人の愛の誓いを互いに封じ込める儀式なのだ。
2人の唇がゆっくりと離れる。大聖堂は喝采に包まれる。
「くっ……あこっ幸せになぁっっ! ひまりっ!! あこを泣かせたら承知しないからな!!」
「あこちゃん……幸せにね……」
観衆はみな手を叩き、熱い涙を零し、2人の門出を口々に寿ぐ。それは2人が多くの人から愛されていることの証であり、そして、2人が共に深い愛を捧げあっていることの信頼の証でもあったのだ。
ガチャリと扉の閉まる音がする。式も終わりを告げて、結婚式のあったホテルの一室へと2人は帰ってきたのだ。
「……ひーちゃんが、あこのお嫁さん、なんだよね」
「うんっ、……えへへ、私の王子様は、あこちゃんだったんだよね……」
まだまだ冷めやらぬ余韻を確かめるように2人は見つめ合い、またも接吻を交わしている。ひまりに被せられた純白のベールが2人の愛の誓いを隠すように、2人を別世界へと閉じ込めた。
「……ねぇひーちゃん」
「あこちゃん? ん……」
ベッドの上に腰掛けていた2人。それを破ったのは、あこだった。ウェディングドレスに身を包んだひまりは神秘的な美しさを醸しつつも、あこに欲情を催させるには十分なほどに扇情的でもあったのだ。
「……ひーちゃん、あこ、今すぐしたいな」
「……うん、いいよ?」
「えっへへ、ひーちゃんが欲しいんだ……」
タキシード姿のあこはひまりを押し倒してなおも、ひまりの艶のある唇を何度も何度も啄み続ける。
「ひーちゃん……綺麗だね、んっ……」
「……なんか、嬉しいけど、恥ずかしいよ……」
ひまりの純白のドレスは押し倒されたことで乱れてしまい、結婚式という特別な雰囲気で高揚したあこにさらなる興奮をもたらしていた。それの証拠に止むことのない接吻で2人の口元からは互いの唾液の混ざり合った愛の結晶がこぼれ落ちていた。
「私……あこちゃんとこんな風に夫婦になれるなんて……夢みたい」
「……えっへへ、あこもだよ?」
「んっ……はぁっ……触り方、上手になったよね?」
薄らと艶を含んだ声が漏れ始めたひまりの肌を愛撫するあこの手つきはまさに花嫁を祝福するような慈しみに満ち溢れて、そんな慈愛を受けてひまりの体はさらに愛する相手を求めて情を高めていった。
「これは、ひーちゃんのおかげだよ? ひーちゃんがこんな可愛い反応ばっかりしてくれるから」
「ひゃんっ、ひ……あこちゃん……」
それまで二の腕だとか、比較的敏感でない部分の肌を撫で回していたのに、突如としてひまりの豊かな双乳に手を伸ばしたあこはその柔らかな乳房が形を変えるほどに強く揉みしだいた。体の奥底から立ち上ってくる快感を堪えるようにひまりはくねくねと腰を揺らしている。その動きのせいか、ベッドのシーツはさらにシワを生んで、劣情の高まりを暗に示していた。
「こっちも欲しいよね?」
「あっ、んっ……、よく、分かったね……? そこぉっ……」
細くて、それでいてしっかりとした指が白いショーツへと伸びていき、シミができ始めている股の奥地を侵し始める。あこの手がその部分に触れるたびにひまりの体はピクリと、先程の乳房への刺激と比べると段違いなほどに反応して、気持ちの高まりをあこに伝えていた。
「もうこんなに濡らしちゃって……」
「ん……だってぇ……んひっ、あぁん……」
「直接がいいの?」
腰だけでこの快感に争うことは難しく、ひまりはもう脚すら暴れるようになってしまっている。痙攣を続ける脚はひまりの意思とは関係なしに快感の渦へと飲み込まれて、溺れないように必死に争っているのだ。
「んあ、そこ……いぃっ、のぉっ!」
もはや下着としての効能を失ったショーツは脱がされて、洪水のように蜜の溢れ出す筋を何度も何度もあこの手が行き来している。そうして喉の奥から搾り出される快感に喘ぐひまりの声に、我慢ができなくなっていたのはあこの方だった。
「……ひーちゃん、あこね、ひーちゃんのことを見てたら我慢できなくなっちゃった」
「あこちゃん……? へ、えっ、ど、どうしたのそれ?!」
ひまりは快感だとか全てを忘れるほどに大きく驚く。それもそうだろう。なんとあこの股の間には女の子であれば、付いていないはずの男性を象徴するそれが備わっていたのだから。ひまりは当然そんな男根など目にしたこともなく、その男根は部屋の甘い空気とひまりの醸し出すいやらしい吐息に当てられて、欲望に忠実に従っていた。
「これぇ? おちんちんって言うんだよ?」
「し、知ってるよぉ?! な、なんでそれが、んっ……んはぁっ」
驚いていたひまりを快楽の世界にもう一度呼び戻すようにあこの指がひまりの膣口をなぞる。たったそれだけなのにひまりの体は少し前まで忘れていた快楽を味を思い出して、反応してしまうのだった。
「あこね? ひーちゃんと一緒に……もっともっと、深いところで一緒になりたいから……」
「あこちゃん……んっ、はぁっ……」
「結婚したから、ひーちゃんはもちろんあこのものだけど、ひーちゃんの全部が欲しくて、あこ、頑張ったんだよ?」
「んっ……あこちゃん、嬉しい……けどぉっ、擦り付けられたらぁ……」
感動の余韻に浸る時間すら与えないほどに興奮に打ち震えるペニスはひまりに欲望への扉を開かせようとせがんでくる。先程までひまりの膣口はあこの指がなぞられていて、それの快感に確かに湿っていたのだ。けれど、あこがそれを押し当てた瞬間、ひまりの中に眠る本能がその覚悟と欲望を受け止めようと、そしてその凄まじい快楽の世界に足を踏み入れようとひまりを誘っているのだ。
「えへへ……やっとひとつになれるね……」
「あっ、そこぉ……そんな太いの入らないよぉ……んんっ」
「大丈夫……、ひーちゃんならきっと……ね」
「んひっ……んっ……はぁっ」
挿入を拒むような物言いをしつつも腰の振りは確かにそのイチモツを受け入れようとしていた。ひまりの秘部の入り口には、すでに大きく反り返ったペニスの先端が入りかけていた。
「……だから、ひーちゃん、愛してるよ……」
「あっ、あこちゃん私もぉっ、んひあぁっっ?!」
大きく広げられた股の最奥、ベールに包まれ隠された秘所へとあこの男根が捧げられていく。これまで感じたことのない快感の波と感覚にひまりは大きく声を上げて、その男根に応えようとしていた。
「んっ、ひぁ……あこ、ちゃ……」
ひまりの両腕は何かを求めるように覆い被さるあこの背中へと回されていく。あこの体重はさらに深く結合部へとかかり、やがて、まるで最初からそこにあったかのように深くひまりの膣奥までペニスが挿入された。
「ひー、ちゃん……、やっと、ひとつになれたね」
「あこちゃん……、そっか……本当に、私たちぃ……」
両目から涙をこぼしながら、その事実の意味を深く噛み締めるひまり。きっとその涙な色は明るく、これからの未来を灯すようなものであった。
「ひとつに、一緒になれたんだよね……!」
ひまりの抱擁は力強くあこを包む。もうその頭の中にはあこに備わった男根の奇怪さなど抜け落ちていた。ただただ、2人がこれでようやく一つになれたのだという感嘆と喜びだけが満ち満ちていた。
「……えへへ、じゃあ、そんなひーちゃんのために、もっと頑張るね?」
「もっと……? んひぃっ?! んあっ……あこちゃっ、んんっ?!」
突然そんな喜びだとかを大きく突き動かすように快感がひまりの頭の中を駆け巡った。その快感はこれまでとは全然違う、体の奥底から這い上がってくるような深い深い快感。あこの男根がひまりの蜜壺を掻き回し、ピストンの度に溢れ出してくる快楽であった。
「んはぁっ、あこっ、めぇっ?! これぇ変になるっ!」
「ひーちゃんっ、かわいすぎっ、もっと頑張るねぇっ!!」
「えっ、んひぃっ、んはぁっあっあっ、んあぁっん!」
静かだったホテルの一室に、淫らに堕ちた花嫁と花婿の喘ぎが響く。神の前で純真な愛を誓い合った2人が、まさにそれを忠実に実践しているのだ。
「ひーちゃんっ、膣内すごいよっ、これぇっ!」
「んへぇっ、んあっ、あこちゃっ、んんっ?!」
「んっ、じゅぷっ、んんっ、ぷはっ、あっはぁっ!」
卑猥に響く水音は上からも下からも、ひまりの身体中に響き渡って、愛の結晶を形作っていた。
「もぉっ、でちゃいそぉっ」
「だし、ちゃって、いいよぉっ! んひぎぃっ、あこちゃん!!」
「うんっ、で、るぅっ!!」
「んあっ、ふくら、んひぃっ、んああぁぁっっ♡」
ひまりの頭の中を塗り替えていくように、白く塗りつぶされていくひまりの愛巣。そこを満たすのはあこの愛と努力の結晶であった。すっかり蕩けさせられたひまりの頭には、目の前でまともに焦点すら合わずに快楽に打ち震えたあこの姿だけが捉えられていた。
「あこ……ちゃん……」
「ひーちゃん? んっ……んんっ……」
力が抜けて倒れ込んでしたあこの唇に吸い付くのみならず、ひまりの舌はまるで抽送のお返しのようにあこの口内をねぶりつくした。深い深い口づけは2人の意識を刈り取るほどに長く、続いた。ひまりの視界は次第に白く塗りつぶされて、眠るように意識は薄れていった。
すっかり外は冷え込んで、屋内すらも外気にあてられてか空気が冷たく、暖房器具がないと寒さに耐え難い日々が続いていた。部屋の中央に据えられた茶色い板の張った炬燵には、蜜柑が盛られた笊がど真ん中に鎮座して、冬の光景を描いていた。
「……ぐぅ……すぅ」
そんな炬燵に下半身を突っ込んだまま、聞いているだけで眠気を誘われるような寝息を立てているのは、そんなまだ見ぬ結婚式に、決してあり得ないような男根を備えたあことの結婚初夜の光景がさも現実のことであると勘違いしながら居眠りしているひまりであった。当然あこがどう努力したところでそんな竿ついているはずがなく、真っ白なウェディングドレスも、花婿のタキシードを羽織るのも、まだまだずっと先のことであるというのに、そんなことを夢見て、ひまりはぬくぬくとした炬燵の世界で眠りに落ちているのだ。
「ひーちゃ……、あれ、寝てるのー?」
「ぐぅ……、ぐぅ……」
「顔、すっごくニヤけてる……」
ひまりが口の端からだらしなく垂らす涎がついに炬燵の天板で水溜りをなすようになったころ、部屋へと帰ってきたあこは不思議そうにひまりの顔を覗き込む。ひまりがそんな欲望に塗れた夢を見ているところだなんてつゆ知らず、あこはひまりが一体どんな光景を夢見ているのだろうか、なんて想像している。ひまりの口元をよく見ると、相当に口角が上がっていた。こんな顔をしているということは、どうやら相当いい夢を見ているらしい。
「……えへへ、ひーちゃんかわいいなぁ……」
あこの呟きにも、全く反応を示さないひまり。あこは起こすことを諦めたようにふんわりと暖かな空気を包んだひまりの頭をそっと一撫でした。あこの幼い手は薄い桃色の髪へと沈み込んでいく。部屋は暖かな空気を包むようになっていた。