「お、お邪魔します」
友希那は香澄を部屋に招き入れると、お茶を取ってくると短く言い残して部屋を後にする。友希那はキッチンで冷蔵庫を開けながら数日前のことを思い返した。
その日、とあるライブハウスで新曲のためにボイストレーニングを1人行っていた友希那は、酷使しすぎた喉を休ませるために少し休憩しようと、併設されていたラウンジを目指して部屋を出た。
『……ラウンジはどっちかしら?』
あまり来たことのないライブハウスで友希那が迷い込んだのは恐らくスタッフ向けのスペース。流石にこちらにラウンジはないと考え踵を返そうとした。その時であった。
『んあっ、あっ……友希那先輩っ』
『……?』
ここに来たのはあくまで個人の練習であったはずなのに、どこからか自分の名前を呼ぶ声が聞こえたことに気がついた友希那は少し裏手のスペースへ回り込んだ。そこには。
『あっ、あっ、ああ、キラキラ、してぇっ』
あられもない姿で手には何やら写真を持ちながら自慰に耽る香澄の姿があった。見知った2人が顔を合わせた瞬間、その場の空気はカチンと凍りついた。
『わ、ち、ち、違うんです友希那先輩!』
『えっと、何をしていたのかしら』
思いもよらぬ光景に聞き返してしまう友希那。その時、友希那の目には香澄が手に待つ写真に自分が映り込んでいるのを見つけ、ほんの僅かな笑みを浮かべた。
『……ふふ、今度私の家に来るかしら?」
友希那は後に起こる展開に期待して思わず現れる笑みを努めて隠して部屋へと戻る。香澄はなんだか落ち着かないような様子で座っていた。
「はい」
「ありがとうございます!」
少しだけ無言の時間が続き、香澄が口を開いた。
「この間のRoseliaのライブ、凄かったです!」
「あら、来てくれたのね」
「はいっ! どうやったら友希那さんみたいに歌って上手くなれますか?!」
「……努力するしかないでしょう」
香澄は必死に友希那に話題を持ちかけるのだが、友希那はそれに返答しているうちに、ようやく先日の事を問いただそうとした。
「……そういえば、この間の
その瞬間、またもや部屋の空気は凍りついた。だが、友希那にとって先程の疑問を解決する一番の手段は間違いなくこれだったのだった。友希那とて、先日の香澄がしていたことが何なのか分からない、なんてほどの初心というわけではなかったが、それでも聞かざるを得なかったのだ。
「……あ、あれは」
話を振られた香澄は意を決したように一つ息をついた。
「……友希那先輩!」
「……何かしら?」
「私っ、友希那先輩のことが、ずっと前から好きでしたっ!!」
きっと言おうと葛藤されながらもずっと封印されていたその言葉。その好きは、ファンとしての好きではないのだろう。友希那は、聡かった。
「そう……」
「だ、ダメですか……?」
「いえ」
気を落とす香澄にジリジリと詰め寄って、息もかかるほどの近くに座る友希那。そして。
「えっきゃっ」
短い悲鳴が部屋に響く。友希那のしっかりとした片腕が香澄を支えながら、2人が折り重なって床へと倒れ込む。……そのまま。
「ん?! んっ……ん」
強引に香澄を押し倒した友希那の唇は香澄の唇をも奪っていた。想いを告げていたはずの口は刹那の間に塞がれて息を紡ぐことすら出来なくなっていた。やがて、とても長い口づけが終わり、糸引く2人の口がとてもゆっくりと離れる。惚けた香澄の目線は全て友希那の艶なリップに吸い込まれていた。
「公共の場で盛るいけないにゃーんちゃんには、お仕置きよ」
「え……あっ、ん……」
またもや優しく唇が奪われた、かと思うと、途端に友希那は香澄の上の服を脱がせにかかる。香澄は抵抗すら許されないままにブラを友希那の前に晒し、友希那は香澄の背中に腕を回しながらホックを外した。
「……ふふ、戸山さん、いえ、にゃーんちゃん。とても可愛いわ」
「へっ?!」
そんな甘い言葉にポッと顔を赤らませる香澄。そんなことはお構いなしにホックの外れて隙間のできた香澄の胸の谷間に指を滑らせ、擦るように撫で回した。そして不意に乳首を弾く。
「んはっ、あっ」
こそばゆいだけだったはずの感覚がいつのまにか気持ちよさを感じるようになって、香澄の口からは酸素を求める激しい息遣いが漏れる。だが、そんな息の音を聞くと、友希那はその口を塞ぐ。それどころか。
「んっ?! んっんん! んっんはっ! んん?!?!」
酸素が足りずに悶える香澄を押さえつけながら、涎すら溢れてしまう香澄の口の中に舌を滑り込ませた。香澄は僅かに開いた隙間から酸素を求めて激しい喘ぎを上げる。香澄の抵抗が落ち着いた瞬間に友希那は口を離し、香澄は大きく息を吸い込む。それを慈しむように、友希那は両腕を香澄の跳ね上がった背中へと回した。
「にゃーんちゃん、ふふ……」
「ゆ、ゆきにゃ先輩……」
「あら、まともに喋れてないわよ?」
「へ……?」
抵抗の意思を失った香澄のズボンを脱がせ、どこからか取り出したプラスチックのような楕円形の何かを香澄の下着の上にあてがった。
「な、何して……」
「ふふっ」
そしてカチッ、とスイッチの音がした。
「んひぃっ、んあっ、あっあっ?!」
クリトリスに与えられた刺激で香澄の体は面白いように跳ねる。そんな姿を見て友希那はサディスティックな精神はさらに強く喚び起された。
「んはっ、はっ、んああっ!」
細かな痙攣を繰り返す香澄をよそに友希那は更なる快楽を香澄に与えようと、自身も下着を脱いで、あろうことか相当太そうなペニスバンドを装着し始めた。それを見た香澄は大きく目を見張る。
「え、な」
「ふふっ、にゃーんちゃんへのお仕置きよ」
みるみるうちに香澄の下着まで脱がせた友希那は、快楽への期待で洪水を起こす膣へと、太い棒を挿入してゆく。
「んあぅっ、うぁ、あっ、ひ……」
香澄はまともに声を上げることもできずに、その挿入を受け入れることしかできなかった。
「これで全部入ったわ。……さて、にゃーんちゃん」
「は、はひ……」
「覚悟は出来たかしら?」
「かく……んひあっ、んああぁっ?!」
友希那が腰を引いて水音がしたかと思うと、再度思い切り腰を打ちつけた。あまりに大きなストロークは香澄の膣奥を的確に責め立て、香澄から漏れる声はさらに喘ぎが混じっていた。
「……速くするわよ」
「んへぇっ、あっ、あっ! んひぁぁっ!」
まるで部屋の外まで聞こえてしまうのではないかと思うほどの大きな喘ぎ声は、友希那のピストンの度にさらに大きくなった。そして。
「あっ、あぁっ! も、おダメっ、ですぅっ!」
香澄の体が一瞬硬直する。
「んああぁぁっ?!?!」
一際大きな声で、絶頂を迎えた。突かれる度に僅かに上げられていた足もガクガクと痙攣するうちにだらしなく床へと落ちた。
そんな快楽の虜になった香澄の背中に友希那は腕を通して、香澄を抱っこした。抱えられた香澄はなすすべもなくベッドの上へと寝かされて、経験したこともないような快楽に打ち震えている。
「……ふふっ、イッた姿も可愛いわね」
ぼふん、と香澄の隣へと友希那が寝転がり、隣で呼吸の落ち着かない香澄の頭を何度も撫でる。先程までの雰囲気とは違い、優しい色を放ちながら友希那は口を開いた。
「ごめんなさいね、急に襲ってしまって。貴女が可愛すぎて我慢できなかったの」
「はいっ……はあっ……、私こそ……急にっ、ごめんなさい……」
「謝る必要なんてないわ。それで、どうだったかしら? 私の告白への返答は」
「とっても……キラキラドキドキして……最高でしたっ」
「……ふふ、ありがとう。嬉しいわ」
友希那は再度香澄の頭を撫でると、徐に天井を見上げ、語り始める。
「あの時、ライブハウスの隅で自慰をする貴女を見て、とても驚いたわ」
「そ、そうですよね……」
「……ええ、だって、私も貴女と同じだったから」
「え……?」
言葉の意味がわからないと、香澄の視線が友希那の方へと向けられる。
「貴女は私の写真を見ながら一人でしていたけれど、私は逆に貴女の写真でしていたから」
「え、え?」
「だから、招いて真意を聞こうとしたのだけれど、呼んで正解だったわね。我慢できなくて襲うつもりまではしていなかったけれど」
「そ、それじゃあ」
香澄の目がはっきりと期待に満ちて友希那を見つめた。
「貴女の気持ち、とても嬉しいわ。私も貴女のこと、好きよ」
香澄もそれまで殆ど見たことのないような清々しい友希那の笑顔。それを見て安心したのか香澄は思い切り隣で寝転がる友希那へと抱きつく。
「友希那せんぱぁい……」
「……ふふ」
温かく包み込むように香澄を抱きしめる友希那。そして、香澄の耳元にそっと口を近づけた。
「だから、私のことも、キラキラドキドキさせてくれるかしら?」
「は、はい!」
元気を取り戻した香澄。友希那はそれを見てゆっくりと着ている服を脱ぎ捨て、産まれたままの姿を晒す。攻守交代したように友希那の上に馬乗りになると、香澄は友希那の唇を奪う。
「んっ、……ふっ、とても上手よ、戸山さん」
「まだまだです……友希那先輩」
香澄は、控えめな胸を晒す友希那のピンと立った乳首を恐る恐る摘む。それだけで友希那はピクリと反応する。
「ここ、弱いんですかっ」
「な、何とも」
一瞬だけ見せた友希那の蕩けた表情を見逃さなかった香澄は弾くように友希那の乳房を擦る。それでも我慢の表情を見せた香澄は獲物を追い詰めた獣の如く笑みを浮かべた。
「ふっふっ、にゃ、にゃーーーん」
「ん?!」
驚いた顔を見せた友希那。その隙を逃さないと、香澄は倒れ込む友希那に迫って激しく舌を口へと滑り込ませた。
「ん、んんっ?! んっ!」
腰をくねらせる友希那だったが、快感に抗う内にずれたペニスバンドが友希那の腰から外れてしまう。長いキスを終えた香澄が視線を外した先には、そんな先程まで香澄の中に沈められた竿があったのだった。
「友希那先輩……これ、どうでしたか?」
「え、な、何を!」
友希那がさっき付けた時と同じように腰にバンドを装着する。そして友希那を向き直り、香澄は艶美な笑みを浮かべた。
「今度は私が、気持ちよくさせてあげますね♡」
「えっ、あっ、ひぅっ!」
竿の先が友希那の膣へと触れる。既に襲われた期待で興奮が絶頂に達しかけていた友希那の膣からは愛液がダラダラと溢れていた。
「挿れますね?」
「えっ、まっ、ひゃぁあああ?!?!」
大きな喘ぎ声。しかし、痛みへの苦悶の声ではなかった。
「……ふぅっよいしょ!」
「んひぃっあっあっ、ああっ!!」
香澄の天性のセンスなのか、腰を振りつつも、友希那の勃起した乳首を口に含んで吸い続ける。上からも下からも与えられる快感に、友希那が達するのはすぐのことだった。
「んあっ、んあああっ!」
「友希那、先輩っ!」
「んあっあっあっ、い、ぐぅぅっ?!」
電流が流れたように、友希那の体は引き攣って脱力する。だが、すぐに生気を取り戻したかのように見えると、友希那を絶頂させて満足していた香澄を抱きしめ、すぐさま入れ替わるように押し倒した。
「え、ええ?!」
「ふふ、……これで勝ったつもりかしら?」
そう呟いた友希那がごそごそとベッドの横から取り出したのは、30センチほどはありそうなダブルヘッダーのディルドだった。友希那は震えながらもその片方を自分の膣へと押し入れ、挿し込んだまま香澄へ迫る。
「これ、知ってる?」
「い、いえ」
「そう、良かったわ」
その先を無防備に晒された香澄の膣口へ据えて、友希那はいっきに腰を落とした。
「えっ、あっはぁっ、んああっ!」
「くぅっ、んあっ」
双頭ディルドは挿入の勢いでお互いの膣に思い切り沈み込む。棒のそれぞれの先端についた突起が、二人のGスポットを擦り上げていた。
「う、動くわ……」
「え、あ、あ」
二人の膣がディルドを締め付けているのを無理やり友希那が腰を打ちつけて突き上げる。その度に香澄の口から、そして友希那からも甘い吐息が漏れ続ける。
「んあっ、ああっ?!」
「と、戸山さんんっ、くぅっ、あっ、んんっ!」
友希那から漏れた喘ぎに応じるように香澄は両腕を友希那の背中へと回ししがみつく。そして声にならない声を上げた。
「香澄ってぇ、んああっ! 呼んでぇっ!!」
「ふっ、んあっ、ふふっ、か、香澄……んああっ?!」
香澄は名前が呼ばれた瞬間に友希那の乳首へと思い切り吸い付く。友希那の口からは特大の喘ぎ声が漏れ始めた。
「だ、だめぇっ、かす、みぃっ?!?!」
だが、声が大きくなるのに呼応して、打ちつける友希那の腰のスピードは早くなる。
「えあっんんっ?! ゆ、ゆきにゃっ、しぇんぱっ、んああっ!」
ピストンの度に愛液を飛び散らせる香澄に友希那は思い切り抱きつき、その唇に吸い付いた。
「私のこともっ、友希那って、呼びなさ、んひっあっ、いぃっ!」
「ゆ、友希那っ、んああっ?!」
さらに激しくなる攻めに、香澄は遂に限界を迎えた。
「ゆき、友希那っ?! だめっ、んああっ?!」
「香澄っ、私も、んあっあっ、ああぁぁっ!!」
そして香澄に倒れ込むように友希那が腰を打ちつけて倒れ込む。香澄は溢れ出る快感に耐えるように友希那に思い切り抱きつき、漏れ出る声を抑えて友希那の唇に吸い付いた。そして二人は、激しくも静かに絶頂を迎えた。
「かす……み」
穏やかな時間が流れて、友希那が隣で倒れ込む香澄を呼ぶ。すると香澄は口をだらしなく開けつつも友希那の方へと振り返る。
「ゆ、きな……」
そんな香澄を見て、小さく微笑んだ友希那は改めて香澄の顔を見つめた。
「……好きよ」
「私も……大好きですっ」
そしてまた想いを確かめ合うように、舌を絡める熱いキスを交わす。
「けれど、二人の時だけよ、私を『友希那』だなんて呼ぶのは」
「はいっ、勿論です……。恥ずかしいんですか?」
「ち、ちがっ」
「……えへへ。『香澄』って呼ぶのも……二人きりの時だけで」
「……えぇ」
香澄はしてやったりという顔で微笑みかける。そんな香澄を愛おしく思ったか、友希那は思い切り香澄を抱き寄せて愛を囁いた。言葉でも、態度でも、熱い愛を誓っていた。
数日後、蔵練中の香澄がいつもの如く有咲に抱きついている時だった。香澄の姿に違和感を覚えた不思議そうに沙綾が口を開く。
「あれ、香澄。今日は星だけじゃなくて薔薇の髪留めもつけてるんだね」
またある時、CiRCLEでRoseliaの各々が一休みしている時だった。珍しく友希那が普段から髪飾りをつけているのを見た紗夜が問いかけた。
「湊さん。星の髪飾りなんて付けていましたか?」
音楽活動を共にする仲間たちから、普段の違う姿の理由を問われ、上機嫌だった二人の答えは、揃って。
「秘密♪」
だったという。