※この作品はR-18です。

バンド少女は咲き乱れる   作:敷き布団

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ゾグ様からのリクエストです。リクエストをしていただきありがとうございました。


看病の末に【香澄×明日香】

ピピッピピッピピッ、と無機質な機械音が3回鳴り響く。戸山家の香澄の部屋でそんな単調な音と共に聞こえてきたのは、熱にうなされた姉の情けない声だった。

 

「うう……あっちゃん……」

 

「はいはい、病人は寝ててねー」

 

体温計の暗い液晶に表示されたのは『38・5℃』という、しっかりと発熱していることを示す数字。そもそも体温計を見るまでもなく、その表情を見ただけで普段の溌剌とした姿とのギャップから体調が悪いことは明らかであった。うんうんと唸り続ける姉を尻目に妹ははぁと大きなため息を吐いている。

 

「あっちゃん……CiRCLEに行きたい……」

 

「ダメに決まってるじゃん。こんだけ熱出てるんだから早く寝なよ……」

 

「だってぇ……」

 

文句を言い続ける姉の姿にこれ以上言い合いをしても無駄だと思い直した明日香はしゃがんでいた腰をゆっくりと上げた。

 

「それじゃあちゃんと寝てなよ」

 

「……うぅ」

 

呆れながらもスタスタと部屋を出て行く明日香。そして廊下と繋がる扉がバタンと閉められた。

 

 

 

時計は12時の少し手前ぐらいを指している。戸山家のキッチンでは珍しく体調不良で静かになった姉を想う妹が健気にも姉を労ろうとお粥を作っていた。今日が休日で良かった、なんて思いながら火を止めた明日香はスプーンで僅かに掬って味見をする。

 

「まぁ塩っけはこれぐらいでもいいかな?」

 

ずっと布団の中で寝ていれば少しぐらい汗もかくであろうから塩分は多少多くても構わないと思った明日香は、熱々の米粥をお玉で皿へと移す。皿から立ち上る湯気で部屋は僅かに燻っていた。

そんな湯気の立ち上る粥を手に明日香は香澄の部屋のドアを開けた。ドアからは木の軋む音がしたが、ベッドの上にできた山は動く気配はおろか反応するそぶりすらなかった。

 

「……ちゃんと寝てたんだ」

 

普段は気丈でうざったいぐらいまでに絡んでくる香澄も、こうやって病床に伏す時ぐらいは流石に静かになってしまうのだと実感して、一抹の寂しさを感じる明日香だったが、それを態々口に出して認めてしまえるほどには素直でもなかった。

ベッドサイドの勉強机の上にコトリと置かれた皿の音がようやく聞こえたのか、そんな盛り上がった布団の中から唸る声が聞こえた。少しびっくりした明日香が布団の方を振り返ると、大人しく寝ていた姉の額には大粒の汗が光っていた。

 

「ってうわ、汗めちゃくちゃかいてるじゃん」

 

すぐに拭かなきゃ、なんて考えるが、一瞬だけ普段姉に対して素直になれずツンケンしている自分の姿が頭をよぎって考え込んだ。

 

「……いやいや、関係ないし、お姉ちゃんだし」

 

側から見れば全く訳の分からない論理で自分を納得させている明日香。普段は素直になれず冷たく扱うことの多い姉だが、それでも大切で、かけがえのない姉であることには間違い無くて、そんな大好きな姉に素直になれない自分に対して少しの嫌悪感を覚えつつ、ちょっとだけ布団を捲る。香澄がハァハァと、暑苦しそうに吐息を漏らしていた。

 

「ちょっと脱がせるからね」

 

香澄が着込むパジャマを少しだけ脱がせて持ってきたタオルで汗を拭こうとするが、寝転がっている香澄の服の間にタオルを入れるのはどうにも難しく、汗をしっかり拭こうと思えば服を全て脱がせるしかなさそうだった。

 

「……よし」

 

意を決して香澄の着ていた上の服を全て脱がせる。たまに風呂上がりにリビングを歩き回る時の香澄の姿のように、下着だけの状態だったが、その姿はまるでお風呂の熱にあてられた時のような上気のようではなく、また別の色気を含んだ息の荒さが明日香に強烈な印象を与えた。

 

「足も結構汗かいてるよね……」

 

背中をさっとだけ拭くと、ズボンもゆっくりと下ろしてパンツだけの姿にさせる。案の定汗の滴っている内腿などを拭く。先程まで相当の熱を帯びていたであろう動脈の近くに冷たいタオルが当たるだけで香澄の顔は少しだけ穏やかに見えた。

 

「……上も失礼するね」

 

さっきは背中しか拭かなかったが、前も汗をかいている以上拭かないわけにもいかず、わずかに恥ずかしさを感じつつも姉のために汗を拭き取る明日香。肌に触れるたびに近くで見るときめ細やかな肌が汗でジトリと湿っていて、それが香澄から定期的に漏れる熱の帯びた吐息と混ざって、尋常ではないほどの色を醸し出していた。そして拭き終わってもう一度パジャマを着せるためにタオルを置くと、恥ずかしさに耐えきれなかったあまり、急いで香澄の服をもう一度着せた。

 

「……お粥、作ったけど今食べる?」

 

「うーん……」

 

「……まぁ後でもいっか」

 

一応わずかに応答を見せる香澄にそう呟くと、拭き終わったタオルを持って部屋を出ようとする。しかし、タオルを持ち上げた瞬間漂ってきたのは、熱にうなされる香澄の残した官能的な臭いだった。まるで普段の香澄からは想像もつかないような大人の匂いを放つタオルに、明日香はピクリと反応してしまう。だが、そんなそんな明日香の頭には、先程まで熱に浮かされて苦しみ喘ぐ姉の姿がよぎった。

 

「……流石にダメだよね」

 

とても人には言えないようなことを考えてしまった明日香は反省して、誘惑を断ち切るように香澄へと背を向けた。

 

「んん……あつ……」

 

そんな最中、聞こえてきた姉の色っぽい声に、明日香の理性の緒は切れてしまった。さらには振り返った瞬間に立ち込める、タオルの放つ女の匂い。

 

「うぅ……」

 

腰をベッドの横の床に下ろして、ちょっとだけ、ちょっとだけ、なんて思いながら明日香はタオルに鼻を近づける。先程まではそこまで直接的に届いたわけではない匂いは息を吸い込んだ刹那、一気に明日香の鼻腔の奥にまで浸透した。ムワッとした匂いがするだけで、明日香の息まで荒くなり始めた。

 

「ん……はぁ」

 

明日香本人が意識しないうちに、明日香の履いていたズボンは下されていて、まだ細い腕がそのさらに奥へと伸びている。反対の手ではさっき姉の汗を拭き取ったばかりのタオルを握りしめて、顔の鼻のあたりに近づけている。そこから漂うのはまさに劣情を煽る毒だった。

 

「はぁっ……あっ、お姉ちゃん……」

 

想いが抑えられなかった明日香は、熱に浮かされた姉の汗を拭いたタオルに興奮していた。本人にもしも知られたら幻滅されるかもしれない、なんて危機感がむしろ明日香の背徳感を押し上げていた。そんな興奮によって、明日香が快楽を得る手はさらに激しくなっていて、部屋の中には水音が響くようにすらなっていた。

 

「あっ……はぁっ、はぁっ」

 

次第に激しくなる息。明日香の快感が高まるにつれて増す呼吸。部屋に響くのは発情した明日香の乱れる音だけだった。

 

「あっ、……あっ、んい、いく……っ!」

 

絶頂の瞬間はすぐに訪れて、思わず明日香も声をあげてしまう。まだあどけないように見えた明日香だったが、大好きな姉の弱った姿に興奮し、可愛らしく絶頂に達した。なんとか声を抑えようと、手に持ったタオルで口を押さえるが、むしろ姉の匂いの染み付いたタオルが明日香の嗅覚に直接触れてきた。普段は薄らと感じる程度だった匂いも今日ばかりはとても濃厚な匂いが染み付いていて、それを嗅いだ明日香は余計に大きく、びくりと跳ね上がった。

 

「はぁっ、はぁっ……」

 

ガクガクと震える足を床に放り出して、ベッドの横へと凭れかかる。エクスタシーを感じた明日香は大きく呼吸して酸素を求めた。深く、ゆっくりと呼吸をしているうちに、なんとか興奮も落ち着いてきて、それどころか今自分が何をしたのか、薄々と理解し始めた。

 

「……え、あ、今私……」

 

風邪で苦しむ姉を看病したはいいものの、その看病をしてタオルに興奮して、そんな病人である姉のすぐ隣で自慰に耽っていた。本来ならばそんなのいけないことのはずなのに、むしろすすんでそうしてしまった。

 

「……最悪だ、私」

 

大好きな姉だったからこそ、興奮もしたし、こうやって罪悪感にも囚われていた。本当ならもっと懸命に看病をして、という方がむしろ姉を想う妹としてあるべき姿なんじゃなかろうか、だなんて答えのなさそうな問題を延々と悩んだ明日香。そんな明日香の思考を止めたのは、他でもない姉の声だった。

 

「うぅ……あっちゃん……」

 

「え、お姉ちゃん?」

 

まさか、さっきの自分の行いで起こしてしまったのだろうか。そんな風に焦った明日香は香澄の顔を確認する。しかし、そこには何も変わらぬ姿で寝転がる姉の姿があった。しかし、声をかけると多少反応したあたり、ちょうど寝起きかまだ寝ぼけているか、の境目ぐらいらしかった。覗き込んでみるとどうやら今のは寝言らしい。

 

「はぁ……良かった」

 

一応熱は少し引いてきたのか、穏やかそうな顔をしていた。香澄の表情を確認した明日香は安堵の息を漏らす。

 

「お粥、作ったけど食べる?」

 

「うーん……」

 

香澄がもぞもぞと動く。どうやら起きあがろうとしているらしい。ならばと起こそうとする明日香。しかし。

 

「え? う、うわっ」

 

急に伸びてきた香澄の腕は、何故か力強く明日香の腕を握り、それどころか思い切り引いてきた。香澄を支えようとしたぐらいしか力を入れていなかった明日香は容易に引っ張られ、その勢いのままに布団へ飛び込む。

 

「お姉ちゃ……何して、んっ……んん?!」

 

気がつくと、香澄に押し倒されていた明日香の唇は姉によって奪われていた。まるで状況の掴めない明日香は混乱していたのだが、そんなことはお構いなしとばかりに香澄は妹の口へと舌をねじ込んでいた。

 

「んっ……んぁ……、お姉ちゃん……?」

 

あまりに急なことに完全に力が抜けてしまった明日香はようやく長いキスから解放されると、キョトンとした目で姉を見つめる。そんな妹の問いかけにも香澄はわずかに答えるだけで、またもや激しく唇を奪った。

 

「うーん、あっちゃん……」

 

「え、お姉ちゃ、んっんんっ……」

 

舌をねじ込むだけでは飽き足らず、明日香へと倒れ込んだ香澄はその手を明日香の秘所へと伸ばす。一瞬だけ触れた瞬間、大きく跳ね上がる明日香。

 

「んへへぇ……あっちゃん……」

 

「んあっ……お姉ちゃん……なんで」

 

「今なら……好きにしてもいいよねぇ」

 

「えっ、あっ……んんっ」

 

少しばかりの抵抗を見せる明日香にも容赦なく責め立てる香澄。そんな香澄の譫言を聞いた明日香は着前の自分の行動を激しく後悔した。きっと、姉は先程起きていて、妹である自分の犯した痴態を知っていたのだと。それはまさに、バチが当たったのだと。だからだろうか、明日香は徐々に抵抗をやめた。それどころか、姉のくれる快感を受け入れ始めていた。

 

「んあっ……あっ、お姉ちゃっ、んんっ」

 

「あっちゃん……あっちゃん……」

 

明日香は香澄に弄ばれて、完全にその快楽の虜になっていた。すでに自ら下着を下ろした明日香は姉の手遊びにされるがままになっている。香澄の中指はすでに明日香の小さな膣の中を弄っているが、そこから全身に広がる快感に打ち負けてしまっていた。

 

「あっ、お姉ちゃんっ、そろ、そろぉっ」

 

「えへ、あっちゃんー、可愛いねぇ……」

 

「あ、お姉っ、ちゃ、ん、あっ、あっ!」

 

「あっちゃん……好きぃ……」

 

「あ、わ、私も好きっ、あっ、イ、クッ♡」

 

明日香は香澄に責め立てられ、先ほどよりももっと深い快感に襲われた。そして、力なく布団へと倒れ込み、足をわずかに痙攣させていた。香澄も満足したのか、明日香の隣に倒れ込んだ。

 

「あ……お姉ちゃ……好き……」

 

普段口には出さないような想いが吐露される。そして震えながらも隣だ倒れ込む姉に抱きついて、目を閉じていた。

少しして、隣から寝息が聞こえてきて、明日香も目を開く。抱きついていた姉はいつのまにか心地良さそうな寝息を立てて眠っていた。そういえば風邪でダウンしてたのに、なんて思いながらも邪魔をしないようにのそのそとベッドから降りる明日香。起き上がった瞬間にふわりと漂ったのは大好きな姉の匂いだった。

 

「……うぅ、恥ずかしいけど、てか服乱れちゃってるし」

 

よろよろと起き上がり、乱れた服を直して振り返る。

 

「……おやすみ、お姉ちゃん」

 

そして、部屋を後にした。

 

 

 

翌朝、戸山家のリビングでは元気な声がこだましていた。

 

「あっちゃん!! 昨日のお粥美味しかったよ、また作って!」

 

「えぇ、別に寝込んでないじゃん……」

 

悪態をつきながらもソファに腰掛けながら、リビングへと降りてきた香澄の様子を見て、風邪が治ったことに安堵する明日香。しかし、それを決して面に出すことはなかった。その瞬間。

 

「えへへ、看病してくれてありがと〜!」

 

「えちょ、うわ」

 

ソファで寛いでいた明日香に思い切り飛びついてきたのは香澄であった。これまでも幾度となく抱きつかれてきた明日香だったが、今日は昨日のこともあってか訳が違う。恥ずかしさもありながら、それを出さないために辟易としている風を装おうとしている。しかし、その表情を見れば、そうやって抱きつかれることも満更ではないことは明らかだった。

 

「そういえば昨日ね、夢を見たんだけどー!」

 

「夢……?」

 

寝ている間にどんな夢を見ていたのだろうかと、語りかける香澄の話に耳を澄ませる明日香。

 

「私の部屋にあっちゃんが居て、目の前で着替え始めたから思わずハグしちゃって、それでそれで気がついたらあっちゃんが無防備になってたんだよー!」

 

「え、な、な、な……」

 

「えへへ、可愛かったからあっちゃんのあんなところやこんなところまでいっぱい触っちゃった〜!」

 

「も、もう! お姉ちゃんのばか!」

 

顔を真っ赤に染めた明日香は思い切りソファから立ち上がって、大股で歩き出す。

 

「えぇ? あれぇ?」

 

キョトンとした香澄を尻目にリビングから出ると、扉をバタンと閉めた。

 

「……もう、本当にお姉ちゃんのばかぁ……」

 

昨日のあの時なら素直に言えたはずなのに。そんな素直になれない自分もばか、と後悔をする明日香。言いたい、けれど恥ずかしいし伝えられない、なんて悶々とした想いを抱えたまま自分の部屋に戻る明日香なのであった。

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