オリ主 太(ふとし)
こころの婚約者。先日こころからデート後にホテルに誘われ初体験を済ませたばかり。
いつ見ても心が落ち着かないような絢爛豪華な調度品に満たされた応接間の椅子に腰掛ける。既に僕の心臓の高鳴りは、緊張のキャパシティーがオーバーしていた。今日僕がこころちゃんの家にいるのは、なんでも「僕に会わせたい人がいるから」とのことで呼び出されて今に至るというわけである。話を聞く限りでは、こころちゃんがボーカルを務めるバンドグループのメンバーを集めて特訓する……ということらしい。話を聞けば聞くほど僕がわざわざ呼び出された理由は謎である。
なんて考えていると、向こうの焦茶色のドアがゆっくりと開いた。
「さぁ! みんな入っていいわよ!」
「おっじゃましまーーーす!!」
こころちゃんの元気な声が聞こえたかと思うと、それを上回るほどの元気な声が聞こえてきて、ぞろぞろと静かだった応接間に人がやってくる。オレンジにパープル、水色とあまりに珍しい髪色の少女ばかりで、思わず目を疑うが、続いてやってきた子はなんと黒髪だった。……いや、むしろこっちの方が稀なのか?
「待たせたわね太! あたしたちが世界に笑顔を届ける、ハロー、ハッピーワールド! よ!」
「ふぇ、ふぇぇ……」
「あ、あはは……」
通称、ハロハピ。そんな初対面のハロハピのメンバーの紹介への反応はまちまちで、ノリノリでポーズを決めるもの、それを一歩引いた目で苦笑いを浮かべるもの。……ちなみに僕はどう反応すればいいかもわからなくて苦笑いをしている方の人間であった。
「みんな紹介するわ! あたしの許嫁の太よ!」
そんなこころちゃんが僕のことを『許嫁』と紹介した瞬間、みんなの目は驚きのものへと変わる。そしてすぐにオレンジ色の髪をした少女がこちらに大きく身を乗り出してきた。
「えっ?! 許嫁ってことはこころんのお婿さんってこと?!」
「ちょちょ、はぐみだめだって、どうもすみません」
「あ、い、いえ、ど、どうも」
あまりの威勢の良さにたじろぎながらもなんとか返事を返す僕。その後簡単な自己紹介をしたのだが、この元気な少女がはぐみちゃん、背の高い美男子の雰囲気を纏わせたのは薫さん、あわあわとしている少女が花音ちゃん、そして、周囲の暴走を止めようとしている黒髪の少女が美咲ちゃんというらしい。そんな明るいメンバーたちとは、自己紹介が済んでから、あっという間に打ち解けた。元はバンドの特訓の意味合いを込めて合宿する、という話だと聞いていたのだが、練習はそっちのけで質問責め。
あまりの長さに僕がヘロヘロになった頃にようやくみんなの質問が止んだのだが、こころちゃんをはじめはぐみちゃんたちは特訓を叫んでダッシュでスタジオへと向かって行ってしまった。
「……はぁ、疲れた……」
「あの……本当にすみません」
「あ、いえいえ、大丈夫です、えっと美咲ちゃん……だっけ?」
こころちゃんを追って駆け抜けていってしまった4人に取り残される形で僕とこの美咲ちゃんが廊下に置いてけぼりになり、2人でゆっくりとスタジオへの長い廊下を歩く。
「その……みなさん元気いっぱいですね」
「あはは……、まぁちょっと疲れちゃうほどですけどね。太さんもこころと一緒にいて疲れたりしないですか?」
そんな風に問われ少しだけ思案する。こころちゃんには振り回されることも多いけど、それはそれで日常が豊かになっているという自覚もあった。
「たしかに苦労する時もあるけど」
「けど?」
「こころちゃんだから、一緒にいて楽しいかな」
「……なるほどです」
そうして準備があると一旦別れてスタジオに向かうと何故かそこには熊がいた。
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夜中、変な感じがして目が覚めてしまった。虫の知らせというやつだろうか。でもそんな悪いことが起きそうな予感なんてのは全くなかった。
「はぁ、喉渇いたな」
こんな夜更けに喉が渇いても飲み水は荷物で持ってきていなかったので、諦めて部屋を出て食堂の方へと向かう。赤いカーペットの敷かれた廊下は先が見えないほどに長く、最低限の灯りだけが灯されて暗い。
「早く飲んで部屋戻ろ……」
それにしても広い屋敷で食堂はそもそもこっちで合っているのか、だなんて考える。そんなに来たことがあるわけでもないし、こうも廊下が暗いと余計にわからなかった。
「あれ?」
何故か深夜だというのに、僅かにドアが空いている隙間から明かりの漏れている部屋があった。こんな時間まで起きているということは黒服さんたちの詰所か使用人室か何かだろうか。
「丁度いいし場所でも聞こうかな」
しかし、そんな予想は裏切られることになる。近づいてドアを開けようとノブに手にかけようとした瞬間だった。
「んああっ! いぃ……ふとしぃ……!」
「……ぇ」
不意に聞こえたこころの声。けれど普段のこころの元気のあふれる声ではなくて、それはまるで獣の嬌声。
「こころちゃん、動くからね?」
「えぇっ、きてぇっ、あっ、んああっ!」
「う、うそ」
意図せず目撃してしまった親友の情事。いやそもそもドア閉まってることぐらい確認しなよ、とかいろいろなことが頭を駆け巡るが、あたしは当初の喉を潤すという目的を忘れ、気がつけばその2人の情事に見入ってしまっていた。
「あっ、あっ、ああんっ、もっと奥っ、突いてぇっ!」
たった数メートルしか離れていないこころの顔は快楽に蕩けていて、一年ほど同じ学校に通っているあたしも見たことのないような女の顔をしていた。廊下に漏れ出る婀娜な声は不思議と色気が混じっていて、こころの声なのにこころの声じゃないような、そんな違和感を感じた。
「こころちゃん、後ろ向いて?」
「あっ……こうかしら?」
そのうちベッドの上で及んでいた2人が体を起こして向きを変える。けれど、行為が終わるなんてことはなくて、むしろさらに激しい喘ぎが響き渡る。
「あっ、んあっ、ふとしぃっ、すきぃっ!」
「こ、こころちゃん! 僕もっ!」
親友の見たこともない姿を目撃してあたしは完全に惚けてしまっていた。
「え、え……」
惚けるのみならず、なぜかあたしの手は自らの股へと伸びていて、指先で触れた下着はすでにひどく濡れていた。それをあたしはさらに撫で回す。こころと同じ快楽を得るために。
「あっ、んんっ、んんん!!」
「はぁっ、はぁっ」
こころの顔はまさに快楽に堕ちたメスそのもので、あたしもまさに自らの手で同じ快楽を得ようとしていた。恥ずかしい話だが、ここが廊下だってことを忘れるほど、親友の情事に耽る姿を目撃して、興奮してしまっていた。次第に高まる快感にあたしの足はガクガクと震えはじめた。
「はぁっ、あっ……あっ」
突如、ギギという音が立つ。体の奥底から湧き上がる不明確な興奮に気を取られて、足だけで自分の体を支えられなくてドアに寄りかかってしまったのだ。僅かにドアが開くとともに、大きな音は部屋にまで響いてしまった。やばい、と思った時にはもう遅かった。ゆっくりとドアが開く。
「あら……美咲だったのね!」
「え、……あ」
とても人様の前に現れるような格好をしていないこころがドアを開けて現れる。けれど、こころと太さんのまぐわいを見て1人慰めに耽っていたことはバレてしまって。焦ったあたしは謝ってすぐさま逃げようとした、しかし。
「そうだ! 美咲も一緒にやりましょう! みんなでやればきっと楽しいわ!」
「え? ええ?!」
そんな暴論を掲げたこころに腕を掴まれ部屋に連れ込まれる。ドアは今度こそバタンと閉められ、あたしは足に力が入らず抵抗できないままにベッドまで連れられる。当然太さんとも目が合うのだが、裸でこころと交わっていた太さんはデリケートな部分を隠して、明らかに困惑しながら、罰が悪そうに目を逸らした。
「いやいや! い、いいから! あたしもう帰るって!」
「こころちゃん? 僕も、返してあげた方がいいんじゃないかなって……」
さりげなく太さんも加勢して止めてくれるが、そんなことで止まるこころではなかった。
「大丈夫、怖くないわ! とっても気持ちいいもの!」
「そういうことじゃないから?!」
さりげなくこころはあたしの服を脱がそうとしてくる。抵抗しようとするが、先程廊下で快楽を得ていたせいか上手く力も入らず、何故か力の強いこころによって上の寝巻きが剥ぎ取られる。
「ちょ、こ、こころ、ダメだって……!」
「あら、……でも美咲だって下のここは濡れているわよ!」
「ひうっ」
あっという間にズボンまで脱がされてしまって、こころの無邪気で卑猥な指先があたしの濡れに濡れた下着を撫でる。それを指摘されてしまうと、親友の行為を見ながら自慰に耽っていたあたしは閉口せざるを得ないのであった。
「ここを触ればいいのね?」
「えっ、何してぇ、んあっ……」
下着から滑り込むように侵入してきたこころの指があたしの膣へと突き進む。こころは知ってか知らずか、掌の端であたしの敏感になったクリトリスを刺激してくる。
「あっ、こころぉ……だ、だめぇっ、んっ」
「とっても気持ちよさそうね! 美咲!」
「そ、そういうことじゃあっ、んんっ?!」
こころの手は一気に激しくなって、溢れ出しそうな膣の蜜が音を立ててこぼれる。こころの生み出す刺激が強くなれば強くなるほどあたしはその快感に抗えなくって、ついに。
「あっ、こころだめっ、ほん、とにだめっ!」
「可愛いわ! 美咲っ!」
「あっ、んあっ、ああぁっっ?!」
強い快感の波があたしを襲う。頭が急に真っ白になって何も考えられなくなる。
気がつけば、ベッドの上に力なく倒れ込んでいたあたしの目の前で、こころが太さんの大きな竿を咥えていた。こころの小さな口ではあまりに大きく見える棒であったが、こころは丁寧にそれを恍惚とした表情で舐めながら扱いている。その姿はさっきあたしが覗き見た女の姿そのもので、それを至近距離で目にしたあたしの心臓は大きく飛び跳ねた。
「んれろっ、んっ、……んはっ! ……あら! 美咲起きたのね!」
「んへ……こ、こころぉ……」
「もう太も準備万端よね! ……ほら、これ、美咲も欲しいでしょう?」
こころが咥えていた太すぎるおちんちん。けど、それはこころの許嫁のものであって、あたしの辛うじて生き残っていた倫理観がそれはダメだと叫んでいた。
「だめ……だって、太さんは……こころの許嫁でしょ?」
太さんもこころにあわあわとしながら、どうすれば良いのかと思案しているようだった。
「それに……あたし、しょ、処女だし、ハジメテだし怖いから……」
こころ、思いとどまって、そんな想いを込めつつ呟いた。それを聞き入れたのか、倒れ込んだあたしのすぐ隣へとこころが倒れ込んできた。そして、あたしに耳打ちした。
「大丈夫よ美咲……すぐに気持ち良くなって、もっともっと笑顔になれるわ……」
「ぇ……」
そんな風に甘い言葉で囁いたこころの顔はこの上なく妖艶であった。そんな言葉と表情がぐるぐると回ったあたしの頭に先程の光景がありありと甦る。
ベッドの上で太さんに抱きついて、人に聞かせられないような声を上げつつも愛を囁いて快楽に堕ち切った顔を晒け出すこころ。まるで自分の心の内の全てを快楽に委ねているようで、あたしの体はあの時の快感を思い出して身震いする。あの時感じた気持ちよさより、まだ気持ちいいことがあるのか。
考えるより先に、ゆっくりと、ゆっくりと、自分の両脚を開いて、指を割れ目へとあてがう。そして、2本の指で湿った隙間を開いて見せた。
「挿れて……ください……」
すでに視界は霞んでいて、きっとあたしの顔は体液まみれのひどい顔をしているのだろう。醜い顔を晒しながら、親友の恋人の肉棒を求めるとはなんて不埒なんだろう。そんな自嘲をしたけど、そもそもそれはこころのせい、だなんて言い訳をして、あたしは太さんを見つめる。
「……美咲ちゃん」
ゆっくりと覆い被さるように、太さんはあたしのおまんこに竿をあてがった。ずぶり、ずぶりと体が裂かれるような感覚がして、沈んでいく。不思議なことに、初体験のはずなのにそこまで痛みはなくて、それどころか心がすくような気持ちよさが途端に襲ってきた。
「えっ、あっ……ああっ、んんっ」
自然とあたしの腰も動いていて、口からは止めようと思っても嬌声が漏れてしまっていた。
「ひあっ、あっ、んああっ!」
部屋に響く声はまるで自分が出した声だとは思えないほど淫らだった。
「美咲……可愛いわ」
「あっ、こ、こころぉっ、あたしっ、あんっ」
こころの手があたしの頭をそっと撫でた。
「こころちゃん……もっ!」
「え? んあっ、ああっ?! い、んああっ!」
途端に喘ぎだしたこころの方を見れば太さんの手が激しくこころのおまんこを責めていて、まるでずっとお預けされていた快楽に苦しむように大きく喘いでいた。
「あっ、んあっ! あっあっああっ!」
もう声を抑える余裕なんてなかった。
「ひっ、だ、だめぇっ! い、イッ、んああぁぁ♡」
そして絶頂を迎えた。どくん、どくんと、あたしの膣内に温かい何かが注がれるような気がした。こころが大きく跳ね上がってあたしに思いっきりしがみついていた。痙攣を続ける体は力も入らず、ただただ寝転がっていた。
「本当に……ごめんなさい……」
先程まで力を使い果たしたように3人で倒れ込んでいたのだが、よろよろと太さんが起き上がって、うわごとのように呟いた。
「い、いや……太さんは悪くない……ですから」
いや、誰が悪いとか、そういうことがあるのだろうか。でも強いて文句を言えるなら、隣で寝転がるこころにこそ僅かな不安と愚痴は言いたくもなってしまった。
「というか……ほんと妊娠したらどうすんのさ、こころ……」
太さんにも刺さる言葉かもしれないが、太さんの精液は確実にあたしの膣の奥にまでどっぷりと出されていて、あたしが妊娠したかもしれない、という不安は当然のものだった。けど、こころは屈託もない笑顔でこちらに振り返る。
「あら……その時は美咲も太のお嫁さんになればいいのよ! 2人でなればきっと幸せだわ!」
「は、はぁ?」
相も変わらずぶっ飛んだ理論をぶつけてくるこころ。けれど、本心からそれを言っているのであろうことはわかるし、こんな文句をぶつける先はもはやない。ため息が出るばかりである。
……まぁ、雰囲気にあてられて、行為に及んでしまったあたしもあたしか……。なんて、そんな途方もない後悔をしながら、疲れ果てた体は眠りへと落ちていった。