スルーズが女湯組に湯浴み着を配り終わると、光己たちは連れ立って男湯に入った。
今日も着替えは見せてもらえなかったが、女の子は適度な慎みや羞恥心がある方が安心とか引きつけられるといった面はある。それに光己はサービスしてもらう側なので、あえて注文はつけず女性陣のしたいようにさせていた。
(というかこんなサービスしてもらえるようになるなんて、カルデアに来た頃は想像もしてなかったよな。みんな大切にしないと)
そして魔術王とやらをシバき倒した後は、大奥国で末永く幸せに暮らすのだ!
……それはそれとして湯浴み着姿の彼女たちは何度見ても魅惑的で、特に大人カーマの魔王様ボディは絶品である。しかもワルキューレズは昨日の泡々プレイでぐっと仲良くなったので、左右から腕を抱きかかえつつ背中にも胸をすりつけてくれるサービスぶりだ。若々しく弾力豊かなおっぱいの感触と一緒に、甘酸っぱいような好意がいっぱい伝わってくる。気を抜いたら衝動的に押し倒してしまいそうなヤバさだ!
するとそれが伝わったのか、3姉妹はさらに押してきた。
「マスター……誰かと好き合えるというのはこんな幸せなことだったんですね」
「わ、私も好きです……お礼というか、愛情表現を」
普段クールなスルーズやおとなしいオルトリンデに上目遣いではにかみながらこんなことを言われると理性が決壊しそうになってしまう。まさか更衣室で決めに来たのか!?と光己があわあわしていると、2人はついっと背伸びして左右から彼の頬に口づけしてきた。
「!?」
しかもすぐ離れず、唇を頬につけたままでいる。光己は五体が硬直して思考も停止してしまったが、2人は1分ほども経ってからようやく離れた。
その上おかわりで、いつの間にかヒルドが正面にいてじっと目を見つめてくる。
「マスター……しちゃう?」
人差し指を唇に当てて小悪魔っぽく微笑みながらウインクされて、光己は反射的に即答してしまった。
「そりゃもう! あ、でも両手は空けてほしいな」
「……はい」
するとスルーズとオルトリンデはちょっと名残惜しそうにしつつも手を離してくれたので、光己はヒルドの背中を軽く抱きしめた。ヒルドも光己の腰と頭の後ろに手を回す。
「…………んっ」
2人同時に目をとじて、そっと唇を重ねる。付き合いが長いからか、それとも昨日心を通じ合わせたからか、動作がぴったりシンクロしていた。抱き合う手に力を入れて身体を密着させると、快感と幸福感が湧きあがってくる。
もっともシンクロしていたのはそこまでで、ヒルドはそのまま動かずにいたのに光己はさりげなく手を下ろして彼女のお尻を撫でていたが……。
「……………………はふぅ」
やがてどちらからともなく唇と身体を離すと、ヒルドはふうっと熱っぽい吐息をついた。
「初キッスなのにあんな情熱的にお尻撫で回すなんて、マスターってばHなんだからー」
「あー、ごめんごめん。ヒルドがあまりにも小悪魔チックで可愛かったから手が勝手に」
「それは意図的にやるよりタチ悪いんじゃないかなあ」
とか言っているが、もちろん怒ってなんかいなくてじゃれ合っているだけである。
「あ、スルーズとオルトリンデにはまた後でしてあげてね。続けてだと何か軽いような感じだから」
「ああ、それもそうか」
光己は続けてするつもりだったが、言われてみれば気分は分かる。ヒルドの言う通り、また後ですることにした。
そこでふと清姫たちが羨ましそうにこちらを見ているのに気がついたが、4人は今は干渉するつもりはないようだ。ひそひそ小声で話しているのは、どんなプレイをするか相談しているのだろうか?
「その辺りはお湯に浸かりながらでもいいんじゃない?」
「そ、そうですね」
何を話していたか気づかれてちょっと頬を赤くした清姫がこくこく頷く。
だいぶ時間を食ったがとりあえず更衣室を出たところで、光己がふと呟いた。
「このお風呂って確かに風情はあるけど、更衣室から浴場まで露天なのに結構距離あるよな。春夏秋はいいとして、冬は寒くないのかな?」
「カルデア、というか表世界は今1月1日の真冬ですから、それでこの暖かさなら問題ないのでは?」
「ああ、それもそうか。あったかい地域なんだな」
そんなことを話しながら歩いて岩風呂のそばまで来た時、光己は不意にヒロインXXに手を引っ張られた。
「ん?」
理由は分からないがとりあえず足を止める光己と、それに気づいても先に進んでいく女性陣。2人だけ残されたことで、光己はXXに何か特別な用事があるのだと悟った。
いや彼女の緊張した様子を見れば、用事の内容はすぐ分かる。
ただどう口火を切るかで悩んでいるようなので、助け舟を出すことにした。
「落ち着いてXX。お互い気持ちは分かってるんだから、焦ることないよ」
「そ、そうですね。ではまず場所を変えましょう!」
「え?」
これは予想外だった。しかしXXは光己の返事を待たず、彼を抱きかかえて宙に浮かんだ。
そのまま上昇して、なんと山の頂上まで行ってようやく着地した。
「うん、ここなら完璧に2人っきりですしムードも悪くないですね!」
「まあ確かに。星も綺麗だし」
「はい! フォーリナーである私にとって、より空の星に近い所こそ恋の告白をするに相応しいですからね」
即興の企画を想い人が褒めてくれたので嬉しくなって、つい先に言ってはならぬ用件を言ってしまったXX。3秒後に気づくと、九の字になってうなだれた。
「ま、まあ私って恋愛スキルほぼゼロですから……そもそもマスターくんのことは確かに大好きですけど、これが恋なのか友情なのか家族愛的なものかの区別もあんまりついてないですし……」
コミュ力は人並み程度を自認する光己だが、これはフォローするしかない。XXの前に片膝をついて、肩に手を置いて元気づけてみる。
「そ、そっか。でも大丈夫だよ。俺はXXと恋愛的な仲になりたいし、XXがそれを嫌だと思わないならOKだから」
正直さほど上手な言葉選びだとは思えなかったが、気持ちと意図は伝わったのかXXは嬉しそうに顔を上げてくれた。
「―――はい! やっぱりマスターくんはやさしくてお話しやすくていいですね!
それじゃえーと、今日からは恋人……いえ大奥に入るということはお嫁さんになるってことですから、
「フィ、フィアンセ!?」
何かいろいろ段階をすっ飛ばされてびっくりしたが、言われてみればその通りである。横文字にすると「大奥」のイメージから離れてしまうような感じはしたが、XXは「
「うん、それじゃこれからはそうしよう。
せっかく2人きりになったことだし、ここで婚前交渉していく?」
「そ、そそそそれはちゃんと式を挙げてからということでぇぇぇ!
あ、あんまり長く席外してるとみなさん心配するでしょうし。でも2人きりというという点には同意ですので、キスはしたいです」
XXは婚前交渉についてはぐるぐる目になって顔の前で両手をぶんぶん振りながら辞退してきたが、台詞の最後の方は呂律がちゃんと回っていたので事前にシナリオを作ってあったと思われた。
「やっぱりキスにはこだわりあるの?」
「それはもう、恋愛スキルゼロでも乙女ですから! さっきヒルドさんに見せつけられたばかりですし」
「分かった、それじゃ目つぶって」
「……はい」
XXはいよいよとなると一瞬ためらったが、自分から言い出したことなのですぐ覚悟を決めると、ついっと1歩前に出て光己の胸板に両手をそえた。
軽くおとがいを上げ、言われた通り目をとじる。
光己もXXの背中と後頭部に手を回してそっと抱きしめた。
「……XX、好きだよ」
「はい、マスターくん。私も好きです……」
2人の唇がゆっくりとくっついた。
光己とXXがいったん元の場所に戻ってから浴場に入ると、清姫たちはすでに湯舟に入っていた。
2人が何をしていたかは当然分かっているのだが、それを訊ねたりちゃかしたりはしない。「お仲間」なのだから。まあXXがうっきうきで光己の腕を抱きかかえて幸せいっぱいな様子を見れば、聞くまでもないことなのだけれど。
―――その後光己とXXがしばらく湯に浸かってからいったん出ると、清姫と景虎とカーマがどどーん!と太鼓のような効果音が響きそうな雰囲気で真正面に仁王立ちしてきた。
「旦那さま! すでにお気づきとは思いますが、今日はわたくしたちが4人でご奉仕致しますので!」
「あ、ありがと。でも4人とも妙に気合い入り過ぎてない?」
清姫たちの気持ちはとても嬉しいが、4人はお風呂でらぶらぶ洗いっこというより何か重大な勝負に臨んでいるかのような雰囲気だ。ホワイ?
「それはもう、愛の勝負で負けるわけにはいきませんから!
とりあえず今回は、マスターを自分たちの国に招きたい組対どこにでもついていく組の対決ということで」
「そ、そっか」
その疑問には景虎が答えてくれたが、この辺りは義将といっても戦国人であった……。
これはもう流れに任せるしかなさそうである。
「あ、でもマスターの方からするのは手加減して下さいね。やっぱり初めては2人きりがいいですから!」
「うん、分かった。それじゃ今日は4人のご奉仕をたっぷり堪能させてもらおうかな」
「はい!」
すると4人はすでに打ち合わせを終えていたようで、カーマが光己の前、XXが後ろ、清姫が左、景虎が右についた。まずは人数で1歩リードしようということか。
「フフッ、これで2点目ですよ」
そう言いつつ、なんとカーマは光己に目隠しさせずに湯浴み着を脱ぎ始めた! もちろん炎やマントはなしの、脱いだらハダカの状態でである。
昨日ヒルドが「これで見せちゃったらさすがに段階飛ばしすぎかなーと思って」と言ったが、こちらは4人とも愛を確かめ合ったから大丈夫なのだ。
カーマが湯浴み着の裾をたくし上げて腕を持ち上げた拍子に、LLサイズの乳房がぶるんと揺れる。その先端の桜色の突起がはっきり見えた。これは確かに2点目だ!
ついで腰に巻いたタオルも脱いでくれたが、こちらは角度の関係で見えなかった。
ただその直後にカーマは光己の頬を両手ではさんで正面を向かせて、しかも顔をすぐ前に寄せてきたのでせっかくのオールヌードは拝めなくなってしまった。
「ひどい! 見せておいてすぐ隠すなんて虐待だ!」
「フッフフー。そんな戯言、すぐに言えなくしてあげますよ」
カーマはニヤリ笑ってそう言うと、自分の唇で光己の唇をふさいだ。どうやら物理的な意味で「言えなくする」という意味だったようだ。
だがカーマは愛の神にして魔王様である。その先はちゃんと用意してあった。
元の世界で「はいはい私は体位の種類とかを経典にしてる神ですよー」と言ったことがあるが、当然その内容は、いやそれ以上のことも熟知しているのだ!
「んんっ!?」
光己が驚いたことに、カーマは10秒くらい経ったところで口の中に舌をねじ込んできた。そのまま舌と舌とねちっこく絡め合わせてくる。
(ん、ん、んんっ……!?)
こんな感覚初めてだ、何か異様に気持ちいい!? まるで口の中を、いや意識丸ごとかき回されているようだ。
カーマは次は光己の手を取って、自分の背中に回させた。その上で光己の後頭部をかき抱いて、上半身をしっかり密着させてかたく抱き合う。
情熱的に口の中を貪られながら胸板に濡れた魔王様おっぱいをむにゅむにゅ擦りつけられて、光己はもう頭真っ白で何も考えられなくなってしまった。
カーマのこの行為は清姫たちが身体に泡をまぶしている間彼に退屈させないためという意味もあったのだが、そんなことに気づく余裕などまったくない。
「んっ……ちゅ……ん、んむぅ」
(マスター、マスター、マスター……ずっと、いっしょに、好き、私を、はなさ、ないで……)
カーマがうわ言を呟いているように聞こえるのは、彼女の心の声だろうか。
身体がむちゃくちゃ気持ちいいところに、ハートにまでアタックされてはたまらない。光己は腰の辺りの力が抜けてへたり込んでしまったのだった。
魔王カーマちゃんは紙防御なのは周知の事実ですが、攻撃に回れば強いのです!
次回はいったん本編に戻ります。