カルデアは正月休みに閻魔亭に2交代で慰安旅行に行くことになったが、オルガマリーが欠席を表明したので「招待状」は光己が持って行っていた。ついでにレムレムの時に来られなかったアルトリアたちも、万が一の用心を兼ねて一緒に来ている。
なお所員の引率は第1班はロマニとダ・ヴィンチが、次回の第2班はエルメロイⅡ世が行うので、光己が担当するのはサーヴァント勢だけである。光己は身分的には新入りの学生のアルバイトだから当然なのだが。
「おお、これがJAPANのホテルか! すげえ、部屋中に神秘っていうか神的なオーラが漂ってるぞ。ガチで神霊が住んでそうな感じだ。
それでいて、神秘が濃すぎて常人には有害ってわけでもない。その辺はきっちり調整してあるんだな。大したもんだ」
「ほう、これが我が夫の故郷の伝統的な宿泊施設か。なかなかの風格だな」
「この気配、ご飯も相当な上物と見ました!」
所員たちもサーヴァント勢も、第一印象は良好のようだ。チェックインと部屋の割り振りを済ませると、さっそく思い思いに亭内の散策に向かった。最初にレムレムで来た時と比べて施設が大幅に増えており、遊べる場所も多いのである。
光己はルーラーアルトリアと2人きりで適当に歩いていた。ただ今回はいつもの水着ではなくバニースーツを着ている。
「そういえばこちらはまだお見せしていませんでしたから」
マスターに対するサービスのようだ。頭に白いうさ耳ヘアバンドを付け、白地に金色の縁取りが入ったボディスーツを着て網入りの青いストッキングを穿いている。
典型的なバニーガールの衣装だが、本人の貴婦人的な雰囲気のためかさほどエロスな感じはしない。
「うん、綺麗だよ。でも俺はストッキングより網タイツの方がいいかな。ルーラーが穿いてるそれ透過度ゼロだし!」
バニースーツは男の浪漫の1つだからルーラーの気持ちは嬉しいが、せっかく美脚なのだから見せてくれればいいのに。王は人の心が分からない……!
「フフッ。そこはそれ、素肌はマスター専用ということで」
「なるほど、そういう解釈もあるのか!
このロイヤルなバニーさんを独り占め。まさに大奥王に相応しい特権だな!」
ルーラーの騎士王はベガス最強ディーラーだけあって、パンピーの少年を言いくるめるくらい朝飯前のようだった……。
「それにしても本当にいろんな施設がありますね。そのせいで迷路みたいですが……」
「そこかしこに案内図が貼ってあるけど、そうでなかったらすぐ迷いそうだな」
そこをあえて案内図に頼らずに歩いていると、エステルームというドアプレートが貼られた部屋に行き当たった。
「ああ、そういえばこんな部屋もあったんだっけ。中は見てないけど」
閻魔亭は老舗の和風旅館であるはずだが、イベントホールの件といい、女将は現代の文化を取り入れることに熱心なようである。それが良いことか悪いことかは社会人経験がない光己には分からないが、閻魔亭全体として商売繁盛しているなら問題はあるまい。
「せっかくですから入ってみますか?」
「うん、俺たちだったら多少の冷やかしは大目に見てもらえるだろ」
もちろんルーラーが興味を抱いたなら、実際にやってもらってもいい。そのくらいの軽い気持ちで入ってみると、そこは何故か南国の海辺だった。
「アイエエエ!? 海!? 海ナンデ!?」
光己はびっくりしてリアリティショックを起こしかけてしまったが、よく見ると海と空はカキワリで、本物は砂と細い丸太でつくった屋根とチェアー、あとその脇の棚だけであった……。
棚には美容液の類やタオルなどが置かれている。どうやら本当にエステのようだが、店員はいなかった。
「ほむ、留守なのかな?」
「そうみたいですね」
美容や
しかしいったん外に出てドアをよく見てみると、プレートに「営業時間は9時から11時、13時から16時」と書いてあった。今は17時過ぎだから、人手不足ではなく営業時間外だったということか。いや営業時間がだいぶ短めだから、人手不足自体は事実なのだろうけれど。
どちらにせよカギのかけ忘れだからフロントに報せに行こうとした時、ルーラーの脳裏に閃くものがあった。
「そうだ、マスターはここで待っていて下さい。
連絡くらいは私1人で十分ですから」
「そう? じゃあお願い」
光己が何の気なしにそう言うと、ルーラーは妙に早足で階段を降りて行って、やがてぱぱーっと勢い良く戻ってきた。
「お待たせしました。カギを預かってきましたので、中に入りましょう」
「中に入る? カギかけて他の所に行くんじゃないの?」
海が本物ならともかく、カキワリの部屋で遊んでも仕方ないと思うが。そう思った光己が軽く首をかしげると、ルーラーはふっと普段はあまり見せない妖艶な笑みを浮かべた。
「この部屋の貸し切りと、中にあるローション類を使ってもいいという許可をいただいてきました。
オケアノスでした約束を覚えていますか?」
「おお! そういえばまたサンオイル塗りっこするって約束してたな。さすがは
一瞬で答えに到達した光己が歓喜の声を上げる。
そしてルーラーが1人で行ったのもそのためだとようやく気づいた。2人で行ったら部屋の中で何をするか丸分かりなので、あえて1人で行ったのだ。
「はい、あなたのルーラーです。
いえ今は2人きりですから、アルトリアと呼んで下さいますか?」
「!?」
さらには年上の超美人に何かいじらしいことを言われて、光己は思春期のリビドーが大爆発してルーラー、いやアルトリアを押し倒しそうになってしまった。しかし王として紳士として、ぎりぎりで踏みとどまることに成功する。
「さすが俺、鋼のごとき自制心の持ち主だな」
「ふふっ、そうですね」
アルトリアはまたクスッと嬉しそうに微笑んだ。
オケアノスの時も感じたが、彼は確かにメンタルは一般人で王でも騎士でも英雄でもないけれど、だからこそ気楽に接することができる。
「でもバニースーツのままだと塗れないんじゃない?」
「はい、もちろん着替えますよ。でもその前に、ちゃんとカギをかけておきましょう」
アルトリアは内鍵をかけると、そばにあった何かの台の上にカギを置いて戻ってきた。そしてバニースーツからいつもの白い水着にチェンジする。
デフォルトだとあまり水着っぽくないが、はおっている薄布のコートとパレオを脱ぐと普通にワンピースの水着に見える。胸の間のカットがわりと深いので大きなバストの谷間がすごい迫力だったり、背中はかなり露出が多くて綺麗な素肌が眩しかったり、臀部に至ってはビキニのパンツになっているのだ。それも角度が結構鋭い。
この豊満なおっぱいとお尻を両手で思い切り揉みしだきたいと思うのは健康な男子ならごく自然なことだと思うが、今はまだ早いので自重した。
「ではこちらにどうぞ」
アルトリアが砂浜に備品のシーツを敷いて、光己を招待してくれた。
光己が秒で服を脱いでしゅたっと腰を下ろすと、アルトリアは前回と同じようにサンオイル(という設定の液体)を手から順に塗り始める。
最近は複数の女の子に毎日似たようなことをしてもらっていたが、やっぱり嬉しいしドキドキする。
「マスターが喜んで下さってるようで嬉しいです」
「そりゃもう、アルトリアにこんなことしてもらってるんだから当然だよ。
お礼はきっちりするから」
「そ、そういうことを口に出されると恥ずかしいです」
年上の貴婦人がぽっと頬を染めて視線をそらすさまは本当に男心にドッキュン来る。もしかしてわざとやっているのか!?
その後の胸や腹や背中はおっぱい塗りではなく手のままだったが、まあこれはこれで純粋な好意を感じられてグッドである。真正面にいると胸の谷間を間近で見られてすっごいし。
ついで脚を塗り終わったら、前回は飛ばされてしまったパンツの下だが……。
「そ、そちらはまた別の機会にということで……」
どうやらまだ羞恥心が勝っているようだ。残念だがやむを得ない。
そしていよいよ、光己が塗る番である。思春期のリビドーは今や暴発寸前だ! というか抑え切れずに、魔力という形でだいぶ体外に放出してしまった。
「マ、マスター!? す、すごい魔力ですね」
その大魔力を1人に集中して注がれたアルトリアがびっくりした様子で身をすくませる。しかも普通の魔力ではなくエロスパワー重点なので、アルトリアは身体が火照って、気分も何だかぼうっとしてきてしまった。
なお本人は気づいていないが、頬がほんのり赤く染まって汗ばんで、目元も潤んでとろーんとした感じでやたら色っぽく見える。
(こ、これはヤバい!)
いや色っぽいこと自体はいいのだが、2人きりなので理性を維持するのが大変なのだ。
とにかく心の奥に住まいし
「んんぅっ……!」
するといきなりHな吐息をつかれてびっくりした。
アルトリアは何かもうくたっと脱力して桃色のオーラが出てて、これはもういってしまっていいのではないかと思わないでもないのだが、手順とか段取りというのは大事だ。
「あ……ん……はぁ……。
マスターの手、熱いですね……」
「う、うん。アルトリアの肌、きれいだよ……」
その上誘ってるとしか思えないようなことまで言ってくるが、何とか相槌を打つことに成功した。
せっかくなので立派なおっぱいも間近で鑑賞させてもらいつつ、どうにか両腕を塗り終える。
「次は脚だな。うつ伏せになってくれる?」
「はい……」
と答えつつもアルトリアがぽやーっとして動かないのは、こちらの手で寝かせてくれということか。絶対誘ってると確信しながらも、無言でのおねだりに応えてそーっと寝かせてあげた。
その拍子におっぱいを軽く撫でてしまったが、これは不慮の事故だから仕方がない。アルトリアも「きゃっ……」と小さな声を上げただけで何も言わなかったし!
それでつい彼女の体を起こして股の間に座らせて、後ろからおっぱいを両手で揉みしだいてしまったとしても、後ろめたいことは何もないのだ!!
(おおぉ、でかいだけあって重い……やーらかいのに張りがあってすごいな)
揉んでいる指がXLサイズのバストに埋まって、むにむにと形を変えているさまがエロすぎて声も出ない。
「あっ、あぁッ、ふぁぁぁ……!」
アルトリアが小さく顎をそらせて、男の理性を熱したバターのように蕩かしそうな甘ったるい声をあげる。光己の胸板にもたれて、彼のなすがままに任せていた。
最初に会った時よりいくぶん筋肉がついて逞しくなった彼の身体に、頼りがいのようなものを感じる。
「はぁ、んっ……あぁ……マ、マスター……。
き、気持ち、いい、です……」
揉まれている胸が熱くて痺れて蕩けるみたいで、頭がぼうっとして何も考えられなくなってくる。
ただ彼が自分にすごく強い気持ちを向けてくれていることだけは分かっていて、それがとても嬉しかった。
(胸……揉まれてる……だけなのに……頭……真っ白……。
でも……マスターも……そんな……感じ……)
というかこの感じだと、気分や感情だけでなく身体の感覚まで通じ合ってるような気がする。つまり光己もこの胸を揉まれてる感触を味わっているということに……?
(は、恥ずかしいですけど、マスターでしたら……)
胸だけでこんなに気持ち良くなってることがバレてしまうのはいささか気恥ずかしいが、これも2人の絆の深さの証と思って受け入れることにする。
そこに彼が言葉で声をかけてきた。
「アルトリア、脱がすね……」
「はい……」
もう2人の気持ちは1つのようなもので、アルトリアは自然に首を縦に振っていた。
彼の手が襟の後ろの留め金を外すと、水着が脱がされて胸や腹が外気と―――彼の視線にさらされたのを感じる。
「あっ……」
「アルトリア……」
彼がまた自分の名前を呼びつつ、素肌をじかに揉み始める。
すっかりかたく尖った胸の先端をやさしく摘まれて、アルトリアはびくんと上体を跳ねさせた。
「あぁぁっ! マスター、そこは……!」
「うん、俺も気持ちいいよ……」
光己はアルトリアの胸を揉んだり乳首をこねたりするたびに自分もそうされてるような感じがして、それがもう変な声が出そうなほど気持ち良かった。この年上の超美人が自分の手でこんなに感じてくれてるのだと思うと、それだけで果ててしまいそうなほど興奮してしまう。
「あっ、ん、は、ぁあ! マ、マスター、私、もう……」
「うん、俺も……!」
胸だけで絶頂してしまうのはちょっと情けないような気もするが、2人分なのだから仕方ない、いやむしろ愛の証! そんな理論武装を済ませて気を抜いた直後、胸の奥から何かすごく気持ちいいのと嬉しいのが爆発するのを感じた。
「「~~~~~~~!!」」
そして2人仲良く、頭の中まで真っ白にスパークしてぐったり脱力したのだった。
次回は本編になります。