「ああクソッ、ひどい目に遭った……」
腹の中に溜まった大量の汚液を排泄し、なんとか正気に戻った私は立ち上がりながら吐き捨てる。現状私の体は中も外も白濁まみれであり、たちこめる悪臭と口内で暴れまわる不味が自己主張してやまない。
特にタオルのようなものは持ち合わせがないので、ヌルヌルの体の上から服を着る羽目になった。まあ元からヒルの粘液で大惨事だったし、そこに精液が追加されたくらいで気にすることは──いや気にするわ。なんだ精液が追加されたくらいでって。ヒルの粘液の方がよっぽどましだっての。
脱がされ、その辺に放り投げられた服を拾い集める。こっちもまんべんなく白く染め上げられていて、今からこれを着るのかととても憂鬱な気分になった。しかしまあ背に腹は代えられない、近くに服飾店も見当たらないしこの服を着ていくしかないだろう。あの銃砲店まで戻って迷彩服を用意するのもアリだとは思うが、このスタイルだとサイズが合わなさそうだしこの惨事をあのおっさんに見られたくはない。
……うわ、ブラぶっ壊れてんじゃん。ホックが吹っ飛んでおられる。直すための道具も技術もないので、諦めてその辺に放り捨て、素肌に直でカーディガンを着ることにした。
「んっ……」
相変わらず突起したままの乳首が布地にこすれ、甘い快感を放つ。これどうすればいいんだ、心なしか胸が張ってるような気もしないでもないし。まさか搾れと?
そんなことを思いながらも一通り服を着なおす。さっきまでと比べて随分白く汚れてしまったが、ひとまず最低限人前に出られるような服装にはなった。ただ、散々ほじくられたせいでお尻の違和感がすごい。指先で触ってみると、その穴は普通の状態よりも明らかにぷっくりと膨れ上がっている。
指先に力を込めると、圧力に屈した菊門はあっさりと異物の侵入を許し、腸内にするりと細い指が入り込む。そして何を思ったのか、私はそのままクチュクチュと自分の尻穴を弄り始めた。
「んあっ、あっ、おほっ……」
指を動かすたびにじんわりとした快楽が私の頭を苛み、甘い声が漏れる。
散々ゾンビのペニスで弄ばれたアナルはヒルの媚毒のせいもあってすっかり開発され、腸壁を指でいじくるだけでも敏感に反応してしまう。その事実に私は恐怖を抱いたが……その奥底に潜んでいた小さな期待に気づくことはなかった。
しばらく腸内を愛でてから、ぬぽん、と指を引き抜く。
そのまま手を目の前に持っていくと、指先にドロリとした液体が見て取れた。あらかた吐き出したといっても完全ではなかったのか、腸液と精液がミックスされた半透明の粘液がまとわりついている。
ふーっ♡ふーっ♡と甘く荒い息を吐きながら、私は半眼で呟いた。
「ほんっと、考えうる限り最悪の世界だよ畜生」
ずれたパンツを履きなおし、回収したジャケットのポケットとサイドパックを漁る。どうやら装備の類を持っていかれたりはしていないようだ。ナイフもホルスターとセットで見つかったので付け直し、HK45とバールを持てば、全身が白く汚れていることと乳首がくっきりと浮いていること以外は元通りになった。
さて、これからどう動くか……とりあえず今が2か4かはさておいても主人公組とはなんとか合流しておきたいところでして。
ただ、そうなると問題は移動手段。もともと学生の身な私は当然車もバイクも免許なんて持ってないし、かと言って歩きだけでどうにかできるほどHoDの世界観と総移動距離は甘くない。
精臭の立ち込める路地裏から大通りに出てみるが、思っていたよりもゾンビの数は少ない。さっきまで散々人のことを弄んで満足したのだろうか……下を履いている奴とマッパの奴が混在しているので油断はできないが。
まずはそう、倒す敵に優先順位を付けよう。弾薬には限りがある、いちいち無駄遣いしてたら到底持たないだろうし。
ひとまず、下を履いてるヤツが最優先だ……下を脱ぐだけの知能があるのに履くだけの知能がないっていうのもおかしな話だが、とにかく下をきちんと履いているゾンビは高確率で私を襲ってた奴らではないってことになる。ということは、油断すると捕まってまた犯される羽目になるという事だ。
──両手でHK45を構える。すっかり腐りはてたとはいえ人間に銃を向ける行為に忌避感と嫌悪感を覚えるが、さっきまで散々私の事を犯してくれやがった連中の仲間と考えると、怯えよりも怒りが勝った。それによくよく考えたらさっきも一発撃ってたし、いちいち気にしてらんねぇ。
「……くたばれクソ野郎」
発砲。両腕に強い衝撃が伝わり、反動を逃がすように照準が上に跳ね上がった。
すぐさま照準を修正し、もう一発。よほど正確に撃ったのでもない限りこいつらがヘッドショット一発くらいじゃ倒れないっていうのはすでに知っている。
ドンッドンッ、と重厚な音が2回続けて響く。放たれた弾丸は吸い込まれるようにゾンビの頭に飛んでいき、1発目で頭蓋骨に風穴を開け、続く2発目で完全に頭を吹き飛ばした。
一瞬で頭部を失ったゾンビがその場に崩れ落ち、赤いシミに変化していく。
銃声を聞きつけてか、残ったゾンビが緩慢な動作でこちらの方を見た。そして、私が女であると認識するや否や、例によってチンポをおったててこちらへ迫ってくる。
ただ想定外だったのは、さっきまで私でお楽しみだった連中までフル勃起でこちらに向かってきたことだった。
「クソッ! 精豪しかいないのかこの街!?」
こうなるともう弾の節約とか言ってる場合ではなく、近い順に片っ端から45口径をたたき込んでいく。ざっと5体くらい地面のシミにしたところでカキン!と甲高い音がして弾が出なくなる。何事かと見てみると、スライドが後退しきっている。なるほどこれが弾切れか──じゃなくて。
慌てて空のマガジンを抜き取り、ポケットから予備のマガジンを取り出して叩き込む。昔持ってたエアガンと操作方法が大体一緒でよかった、ある程度動作が直感的にわかる。
バサッ、と羽音が聞こえたのはその時だった。
「──誰!?」
HK45を構えなおして空を見る。
そこで、全体的に赤黒い配色をした悪魔のような何かが滞空飛行をしていた。嗜虐的な笑みを浮かべてこちらを見ている。
その姿を見て否応なしに理解した。──どうやら今は2の時系列の真っ只中なようだ。主人公組と合流できる可能性が跳ね上がったことを喜ぶべきか、こうしてまんまと一人でいるときにボスに見つかってしまったことを嘆くべきか。
記憶にある通りの甲高い声で、その悪魔モドキ──HoD2のボス、"審判"の片割れがこちらに話しかけてくる。
『しもべ達が妙な場所で動き回っていると報告を受けてきてみれば、まだ堕ちていない女がいたか』
うわなんか聞きたくないけど聞き逃せない単語飛び出してきた。
「……堕ちてないってどういう事さ」
『ケッケッケ……じきにお前もわかるだろう、女。どうせ、次はお前の番だからな』
それだけ言って、そいつは気味の悪い笑い声とともにバサバサと翼をはばたかせて飛び去って行った。……最後に、『行け、しもべ達よ!』という嫌な予感しかしない言葉を残して。
案の定というか、どこからともなく大量のゾンビが姿を現し始める。ドアを開けて出てきたり窓を破って落下してきたり、果てはマンホールを押し上げて下水道からコンニチハしてきたり。なんなんだお前ら。
流石にこの数をしのぎ切れる自信も弾薬もないので、バールを拾ってそのまま走り出す。
……そういえばこのあたりの立地、どことなく見覚えがある。渡伊経験はないし、既視感のある場所ってことはもしかして……。
辺りを見回す。既視感の原因はすぐに分かった。
「ああ、やっぱり」
──図書館だ。2のストーリーはこのすぐ近くから始まり、"審判"にやられて傷を負ったエージェント・Gがここで主人公たちと出会っていた。っていうか直前も直前、この建物の目の前でさっきの悪魔モドキが主人公に対して『Gはすでに始末した』とか自信満々に言ってたのに、直後に生きてる状態で見つかったものだからどういうこっちゃねんと当時は首をかしげたものだ。今考えてみれば、図書館の裏から出れる道に血痕があったので別の場所でやられたところをあそこまで逃げてきたのだろう。普通に取り逃がしてるのに始末したと言いきっちゃうあたり、判定がガバいのか成果を過大報告しがちなのか。
迫りくるゾンビ共を殴り、蹴とばし、押しのけ、時折撃ちながらも図書館へと向かっていく。そのまま両開きの大扉を開け、図書館の中へと滑り込んだ。
「うわお……」
とたんに立ち込める、嗅ぎなれた臭い。精臭と腐臭。後ろ手に扉を閉じ、鍵をかける。時代錯誤と言いたくなるような閂止めだったが、それでも多少は持ってくれるだろう。へし折れた閂と思しきものが床に落ちているのが不安だったが、予備があるようでよかった。
図書館の中もすっかり荒れ果てていて、あちこちに死体や血痕が残っている。目の前にも青年の死体が転がっており、やられてからそこまで時間がたっていないのか、倒れ伏した体に深々と刻まれた傷跡からはどくどくと鮮血があふれ出ていた。
で、問題はこっち。
──ウ゛ゥッ……!
「ひぐぃっ! おっ、おっ、んむおおぉおっ!!」
「そこいいっ、深い、もっと突いてぇええっ!」
「Oh……」
私の目の前で乱交に励むゾンビ共と生き残りと思しき女性が2人。やっぱりというかなんというか、ここは全体的に男に厳しい世界観のようだ。冗談じゃない。
女性の方は例外なく服を剥かれ、ゾンビに犯されていた。全身揃って精液まみれだし、どれだけ出されたのか腹がポッコリと膨らんでいる。なんだかとても見覚えのある光景だ。
なんということだろう、明日は我が身どころか今日は我が身もだった。目が死んでいくのを感じる。
足音を殺しながらゆっくりと近づいていく。どいつもこいつもセックスに夢中のようで、ゾンビも女性も私に気付く様子はなかった。
「あー、お取り込み中でございましたね……こりゃ失礼……」
──なんて言うと思ったかこのボケェ!!
ゾンビの真後ろまで来た辺りで、ホルスターからナイフを抜いて逆手に持ち、全力で振り上げる。そのまま腐れ野郎の脳天めがけて微塵も躊躇なく振り下ろした。
スコンッ、という小気味いい音とともに、先程まで熱心に腰を振っていたゾンビの動きがピタリと止まる。そのまま横に倒れ、倒れるときに抜け落ちたチンポの先からビュルッと精液の残滓を吐き出しながら地面に還っていった。うへぇ嫌なもん見たと思わず顔をしかめてしまう。
流石に同胞が死んで異変に気付いたのか、残りのゾンビも各々使っていた口や膣穴からチンポを引き抜きながら立ち上がった。散々犯されて開きっぱなしの膣口からゴポリと精液を溢れさせ、だらしない顔を浮かべて名前も知らない女性の体が震える。
愛液と精液に塗れながらも未だギンギンの逸物を見せつけながら近寄ってきた腐れ野郎──その半開きにされた口にHK45の銃口を突っ込む。さんざん人の口にきったねぇもん入れやがって、今度は私が入れる番だ。
「くたばれ腐れ強姦魔ッ!」
そのまま発砲。ややくぐもった音を響かせながらゾンビの後頭部が吹っ飛び、そのまま体ごと後ろに倒れる。死体がドロドロと赤いシミに変化していくのを見ながら振り返ると同時、残っていた最後の一匹に掴みかかられた。
胸をもまれながら唇を奪われる。
「んぐっ!?」
コリコリと指先で乳首を弄られる快感と、口の中を腐りかけの舌で舐めまわされる不快感がないまぜになって私を襲う。
しかし散々尻ばっか犯された私がこの程度で動じてたまるかとそのまま頭突きを敢行。口のより奥深くに舌が入り込む感覚に堪えながら頭を振るとゴツッと視界に星が飛び、ゾンビがよろけて後ろに下がる。
すかさず首元を掴んで引き寄せ、コイツが張本人の一人ではないと思うが路地裏の恨みも込めて渾身の膝を股間に叩き込んだ。八つ当たりなんてとんでもない、これは正当な怒りだ、多分。ゴールドマンのクソ野郎め、もし会ったら絶対脳天に鉛玉ぶち込んでやる。
それはさておいて、膝蹴りの衝撃でゾンビの体がわずかに浮き、股間を抑えて崩れ落ちる。その頭にバールの先端をぶち込めば、なんとか図書館の制圧に成功だ。どういう訳かはわからないが、館内のゾンビの数が妙に少なかったのが幸いした。
周囲を警戒しながら、散々犯され倒していた女性の方に声を掛ける。もしもーし、聞こえますかー。助けに来ましたよー、私も散々やられた後ですけど。
「んほっ、あへぇ……」
「えへ、えへへ……もっと、ズボズボもっとぉ……」
「うーんダメみたいですね」
とりあえず正常な応対には期待できなさそうだ。二人とも犯されすぎて正気を失っているようで、股から精液をびゅるびゅる排出しながらビクビクと痙攣している。
とりあえず近くの椅子を引っ張り出し、そこに座る。胸を揉まれた時か肛門自慰に興じていたときかはわからないがどこかのタイミングで愛液が染み出ていたようで、股間にわずかに湿った感覚が伝わってきた。自分が着々とこの体ごと堕とされてるような気がして、嫌な気分になってくる。
陰鬱な気持ちを誤魔化すようにテーブルの上に積まれた本を押しのけ、そこにポシェットの中身を並べた。さっき使い切ったHK45の空マガジンが一つと使いかけの弾薬紙箱が1つ。HK45の方に収まっているマガジンも引っ張り出してカウントすると、どうやら残弾は35発。
頭さえ狙えば確定二発とはいえ、あまりにも心もとない。全員2発で仕留めたとしても17匹しか倒せない計算だ。ゼロ距離で脳天ぶち抜けば一発で倒せることはさっき分かったが、あんな芸当をそう何回もできるとは到底思えない。
さてどうしたものかと頭を悩ませながら、紙箱から弾丸を取り出してマガジンに詰めていく。
一通り弾丸を詰め終わり、片方を弾薬箱と一緒にポシェットに収納してもう片方をHK45に叩き込もうとしたその時だった。
──ピギュイィッ!
「んほぉっ!?」
甲高い鳴き声とともに、ずりゅっ!と尻穴を押し広げて何かが私に潜り込んでいく感覚。突然私の尻に突き刺さったそれはビチビチと暴れながら奥へ奥へと潜り込もうとしてくる。
「ひぎっ! あっ、やめっ、入ってくりゅっ!?」
体が震える。いくら気丈に振舞おうとも体は正直なもので、あっという間に快楽を受け入れる準備を整え始めてしまった。クリトリスと乳首はより固くそそり立ち、セックス三昧で開発された菊門と腸がうねり、膣穴から愛液があふれ出る。
今度は何にやられたと暴れる体を必死に押さえつけながら尻の方に視線を向ける。
めくれ上がったスカート、ずらされたパンツ。尻穴から生えた生白い体、そいつの体表を覆う粘液。そのどれもに見覚えがあった──銃砲店で散々私の体を弄んでくれやがった、あのヒルゾンビだ。あの群れがすべてではないというのは知っていたが、このタイミングで出てくるのは聞いていないし見たことがない。
「またお前らかくそっ、ひぐぅっ!」
いつの間にか好き放題に床を履い回っていた大群が椅子やテーブルの足を伝って私に近寄り、さらには見かけによらず俊敏な動きでとびかかってくる。あっという間に私の体は精液をさらに上書きする形でヒルの粘液に覆われた。精液塗れになったり粘液塗れになったり忙しい。
あの時は気付かなかったが、厄介なことにこの粘液にも媚毒作用があるらしい。さっきから素肌の上を這われるだけでどんどんと体が熱くなっていく。
さらに、私の体内がお気に召したのか次から次へとケツ穴を押し広げて腸内へとヒルが入り込んでいく。そのせいで腹が妊婦のように膨れ上がり、さらに腸内でヒルが蠢くせいで腹全体が不気味に波打っている。
そして当然、それらの快楽を一身に受けている私がタダで済むわけもなく。
「おーっ♡おーっ♡やめっ♡やめろっ♡腹の中でっ♡暴れるなっ♡ひぎゅぅうっ♡♡♡」
私は椅子に座ったまま、膨らんだ腹を両腕で抱えて必死の思いで快楽に耐えていた。
その時、未だアナルに入り込んでいなかった一匹のヒルが、偶然にも私の勃起乳首の近くを這い進んでいた。そいつはそそり立つ突起に触れると、それにすり寄って体の粘液を塗りたくり──
──そして、勢い良く私の乳首に嚙みついた。
「────────ッッッ!!!???♡♡♡♡」
嚙みつかれた乳首から、前にも味わった何か冷たいものを注入されるような感覚。がくん! と体がのけぞり、ぷしゃあっと股間から何かが勢いよく噴き出す。思春期男子学生の頭脳がそれが潮吹きであると理解するよりも早く、異変が訪れた。
「なにっ♡なにこれぇっ♡おっぱい熱いぃいっ♡♡」
注入された何かのせいだろうか、胸の中でとびきりの熱が渦巻いている。その上、気のせいか気の迷いでなければ胸元もキツくなりはじめ……なんというか、胸そのものが膨らんでいるように見えた。
そしてそれを見た別のヒルが私のもう片方の胸に這い進み、同じように乳首へと嚙みつく。
再びの潮吹き。ビチャビチャと板張りの床をイキ潮で汚しながら、私の体はガクガクと痙攣し、視界がパチパチと不定期にホワイトアウトする。
みるみるうちにカーディガンがパツパツになっていく。快楽で明滅する視界の中で、膨らんだ胸と両乳首に嚙みついたヒルがくっきりと浮かんでいた。
そして、
「あっ♡あっ♡出るっ♡おっぱいからなんか出ちゃうぅううっ!!♡♡♡」
条件反射でそう叫んだ直後、胸に溜まりに溜まった熱の塊が一斉に解き放たれた。乳首に嚙みついていたヒルがポロリと外れる。粘液で濡れそぼっていたカーディガンは内側から白く染まり始め、ついにはボタボタと白い液体を溢れさせ始める。
ホカホカとした湯気と甘い匂いを漂わせるそれを見て、私は泣き笑いのような表情を浮かべながら、ただ諦めたように呟くことしかできなかった。
「あは、あはは……わたし、おっぱい出しちゃった……」
……ここまでされてこれから先、堕ちずにいられるのだろうか。
私の将来に快楽という名の暗雲が立ち込めた。