冬の辺境でやることもなく引きこもった三輪百合はただれた生活を送っているかもしれないのだった。
白百合と愛の卵ちゃん
「こっちにもあるんだ……」
「ん? どれですか?」
「うん、まあ……それ」
ウルウが指さしたのは、私が《
咄嗟に投擲できるような武器や、換金性の高い宝石、背負い鞄をやむなく捨てるようなことがあってもなんとかなるような生存に役立つ道具……が入ってるのとは別ですね。
あんまり堂々と鞄に入れておくのもはばかられる、その、なんです。
あー、お楽しみ道具をですね、整理してたんですね。
そういう道具を真昼間から広げていたせいか、ウルウの目もなんだか冷たいです。
さすがにそういう目で見られると気持ちよじゃなかったいたたまれない気分になるのでやめて欲しいんですけれど、まあそれはそうなりますよねという納得もあるので仕方ありません。
でも仕方がないんです。
私たちってなんだかんだ一緒に行動することが多いですし、実家に帰ってきてからは辺境に不慣れなウルウを一人にするわけにもいかず、整理する暇がなかったんですよ。
それで、今日は雪がひどいので部屋でのんびりしましょうよとなりまして。ウルウとトルンペートが
なので悪いのは私を放って熱中している二人が悪いんですと言えればよかったんですけれど、まあ整理しながらどうやって使うかをニヤニヤ考えてたので仕方ないですね。はい。
「えーっと、これですね。これはですね、あの、あれです」
「あれ?」
「按摩器です」
「…………へえ」
違うんです。そんな目で見ないでください癖になりますじゃなかった。
私はこれ以上心証が悪くならないよう、慎重にそれを取り上げました。
その、えー、按摩器、按摩器はですね、小鳥の卵くらいの大きさの按摩部と、小さな箱型の操作部、そしてその間をつなぐ線で構成された道具ですね。
操作部のつまみをひねると、それに応じて段階的に按摩部が震えるようにできています。
これを筋肉の強張ったところや、疲れたところ、神経の高ぶった部分に当てて震えさせることで、緊張をほぐしたりする効果がね、あるんですよ、はい。
「トルンペート」
「ああそれ? 女中仲間でも持ってる子いるわね。夜使う奴」
「あああああああああ!」
「アモーラ・オヴァーニョ……愛の卵ちゃんってとこか」
「仲いい子同士なんかでも使ったりするらしいわよ」
あっさりトルンペートにばらされました。
いやでもですね、按摩器っていうのも嘘じゃないんですよ。
もともとは女性特有の身体症状や精神の落ち込みなどを緩和する目的で作られたものなんですね。
買ったのも薬局ですしね。けしてやましいものではないんですよね。
「按摩器に『防水』の表示は要らないんじゃないの」
「説明書読んでらっしゃる!」
うぐへぁ。
そうでした。ウルウは街を歩いていても文字を見かけると必ずそれを読んでしまうし、本屋で本を山と買うような文字中毒なのでした。説明書なんてついてれば絶対に読むのでした。
あ、でもそれはそれとして、手に取ってまじまじとブツを眺めるウルウはそれはそれで。
「……別に、怒ってないよ」
「へ?」
「ただ、まあ、その…………」
「その?」
とてもながい「その」のあと、ウルウのほっそりと長い指が、按摩器を私の方に押しやりました。
「使うのかな、って」
「えっ」
「……だから、使いたい、の、かな、って」
「えっいいんですか」
逃げ出したウルウを捕まえるのに小半時かかりました。
照れ隠しでこんなに汗だくになるとは思いませんでしたけれど、ある意味ウルウらしいというかなんというか。
まあ避けないで捕まってくれたということは、いい加減頭も冷えて落ち着いてくれたということなんでしょうけれど、追いかけた私たちは冬なのにすっかり汗だくでくたくたでした。
なので日も高い内からお風呂を使って、さっぱりと汗を流して、そしてウルウが心変わりしないうちに寝台にもつれ込んだのでした。
「……やっぱ止めない?」
「ここまできてそれ言うのあんた」
「だってさあ……」
「なによ」
「増えてるじゃん」
増やしました。
というかまあ、素材の違うものがあったので複数買ってたんですよね、卵ちゃん。
木製のもの、磁器製のもの、金属製のものの三種類で、どれもちゃんと防水仕様です。
使用感が違うそうなので気になって買っちゃいました。
「まだ日も高いし、お風呂入っちゃったし、爪、は切ったけどでも、」
「ほらほらやらない理由探ししないの」
「怖くないですよ、楽しみましょうよ」
「君らが積極的過ぎるんだよ」
「するの嫌なの?」
返事は「ばか」でした。
ウルウはしばしば語彙力が乏しくなることがあって非常にかわいいですね。
可愛らしい寝間着姿でもじもじするウルウはとてもかわいいんですけれど、でもこのままでは流れてしまいかねません。ウルウはあんまりムラッと来ないというか、来ても押さえ込んじゃうみたいで、したいなって素直に言えないのです。なので私たちがじっくりじわじわ場をあたためてあげなければなりません。
「じゃあ先に私たちが使ってみますので」
「えっ」
「あたし今日どっちかっていうとしてほしい日だわ」
「じゃあ私がトルンペートに使って、その後ウルウに使いましょうか」
「えっ」
「それはそれで。順番こにしましょうよ」
「じゃあ私がトルンペートに、トルンペートがウルウに、ウルウが私に?」
「えっ」
「それで」
「お気に召すまま」
「えっ」
ウルウから意見は出てこなかったので流すことにします。
寝台の上で寝そべったトルンペートが、手触りの良い絹の寝間着の前をゆっくりと開きます。
私なんかはもう、気づいたらはだけててどっか行ってるか、最初にがばっと脱いじゃうんですけど、トルンペートはそのあたり情緒があるといいますか、大人の余裕みたいのがあって少し悔しいですね。なんだか花に誘われる蝶のような気分です。
普段きつめにまとめている髪も、ほどいてしまうとふわりと波打つようで、その飴色の髪にそっと口付けると、そんなわけがないのに甘いような気さえします。香り立つ、と言いますか。
仰向けで、ほんの少し胸をそらすようにして上体を起こしたトルンペートの体は、とてもきれいなものでした。その肌には細かな傷がいくつも見られ、指先には
薄明かりに照らされて弓なりに反るお腹は、うっすらと下から筋肉が浮かび上がり、繊細な彫刻のような荘厳ささえ感じます。しなやかな筋肉に張り付けられたような、小振りな胸は、やんわりとした中身をぴんと張りのある形にまとめていました。
トルンペートはあまり自分の体に自信を持っていないようでしたが、私はこの身体が自分に捧げられたものなのだと思うだけで高ぶりさえ覚えました。人の手で作り上げられた、美しい肉の人形。ありとあらゆる努力と細工でもって形作られた、私だけの彫像。
その胸に顔をうずめ、はだえのにおいを鼻に深く呼吸し、舌でねぶり、しなやかな肢体に指先を滑らせるこの楽しさを、何にかえられるでしょうか。
「ん、っふ……ちょっと、使うんでしょ?」
「ちょっと盛り上げてからの方がいいでしょう?」
割と盛り上がりやすいトルンペートですけれど、それでもいきなり使ってもあまり気持ちよくないでしょう。いやまあ、痛かったら痛かったで喜んだりする時もあるんですけれど、それはそれとして。
私ははだえにたっぷりと唇を落とし、薄い皮肉越しに筋肉をくすぐるように、時間をかけてトルンペートをほぐしてあげました。そうしてついにトルンペートが音を上げたのは、私が長い長い口づけをしてやっていた時でした。窒息しそうなくらい長いのが好きみたいです。
「あっ、はっ、ほら、もういいでしょ……っ」
「えー、せっかくかわいくなってきたんですけれど」
「いっつもかわいいわよ。じゃなくって」
「待ち切れません?」
「観客もね」
おっと。
トルンペートに構い過ぎて、ウルウを放置してしまっていました。
ちらと振り向いてみれば、なぜかウルウは膝を揃えて畳んだ、セイザなる座り方で私たちを見ていました。かちんこちんに固まっていますね。でも顔は真っ赤です。耳まで。
そう言えばいつもは、まず真っ先にウルウをとろかしてしまって、楽しむ場をととのえていたのでした。素面で情事を見るのは、ウルウも初めてかもしれませんね。
私はウルウにも見えるように少し体をどけてから、早速卵ちゃんを使っていくことにしました。
「どれがいいですか?」
「どれでも、いい……からっ」
「んふふ、余裕がないトルンペートもいいですね」
急かされて、私はとりあえず磁器製のものを手に取りました。細やかな百合の模様が青く染めつけられたもので、実は一番お高かったものですね。でもお値段にふさわしく上品な見栄えで、洒落てさえいます。
つまみを回して軽く振動させたそれを、お腹に当てながらするすると胸元まで撫で上げていくと、トルンペートがくすぐったがって身をよじらせました。鼻にかかったような声は熱っぽく、くすぐったいだけではないようですけれど。
胸を下から持ち上げるようにして卵ちゃんを押し当ててあげると、甘える猫のような声が漏れ出ます。小振りな胸が、ふるふると小刻みに揺れるのは、なんだかおもしろいと同時に誘われるようでもあります。
「あっ、やあっ……脇の、ほうも……!」
「はぁい、トルンペートはここ、好きですもんね」
「んやぁ、あっ、んんんっ……!」
トルンペートはおっぱい大好きさんです。
ウルウのおっぱいも大好きですけれど、そういうことだけでなく、胸がよく感じる様でした。
脇の方から押し込むようにしてあげると特に気持ちがよいようで、撫でさするように揉み込んであげるといじらしく身をよじって喜んでくれるのが嬉しくてたまりません。
自分で慰めるとき、よく胸もいじっていたそうです。私もいじったら大きくなるのでしょうか。でもあんまり気持ちよくないんですよね。トルンペートによれば慣れらしいので、トルンペートはたくさんいじったんですねいやらしいですねって言ったら殴られましたけど。
とろりとした香油を胸の頂から垂らしてあげて、待ちわびたようにぷっくりと膨らんだ乳首を指でつまんであげます。
それだけでトルンペートは湿り気を増すほどです。反対側の乳首をあむりと口に含んで強く吸い上げてやると、背筋が大きく反り返りました。勿論お乳なんて出ませんし、それにどちらかというと、吸うというより、小振りなお胸をあむあむとのみ込もうとするように甘噛みしてやるのです。
時々うっかり噛んじゃったりしますけれど、それで喜んでくれるか殴られるかは時の運です。
「んっんんっ、ふっ、ねえっ、乳首ぃ、乳首、もぉ……っ」
「じゃあ、いきますよぉ」
「んあっ、ああっ、なにこれ、あくぅうう……っ!」
おねだりに応じて、こりこりにかたくなった乳首に卵ちゃんを押し当ててやると、指先にも響く細かな振動が、トルンペートに突き刺さったようでした。
もがくように暴れる身体を抱きしめてあげて、大きく口を開いて反対のお胸をはぷはぷしてあげます。はぷはぷ。あむあむ。がぶがぶ。あ。歯型のこっちゃうかも。気をつけないとです。
奥歯の付け根がうずうずしてきます。気をそらすために指を伸ばしてみると、トルンペートの
トルンペートはここも綺麗で、もしかしてここもいじられたのかなって思うと少し面白くありません。武装女中を美しく整えるのは辺境の伝統工芸ですし、私のために作られたのだというのも悪くありませんけれど、それでもこれは私のなのにっていう子供っぽい独占欲と言いますか。
指を滑らせて差し込めば、香油も要らないくらい濡れそぼったそこは私の指を素直に受け入れてくれます。そしてただ受け入れてくれるだけでなく、少しきついくらいにきゅうきゅうと締め付けて、まるで奥へ奥へと飲み込んで導くようです。
以前、一応夜伽の訓練もあるのよ、とトルンペートはあだっぽく笑って実演して見てくれましたが、瓜を圧し折るのはなんか違うと思います。ちょっとひゅんときました。
せっかくなのでこちらも、と私は金属製の卵ちゃんを手に取って、トルンペートの中に沈めてみました。
「うひゃうっ!?」
「えあ、痛かったですか?」
「んんっ、なん、か、冷たかったから、びっくりしちゃって、んっ……変な感じ……」
「すぐぬるまりますよ。えい」
「あっ、ばか、んんっ、ふぅうん……っ!」
つまみをひねってやると、トルンペートの
「ね、どうですか? きもちいですか?」
「あっ、ああっ、ちょっ、きつ……!」
「強すぎます?」
「やだだめ、あっ、止めないでっ、んんんっ、ふぅん……!」
刺激が強いのもありますけれど、ぶるぶる震える未知の感覚に、戸惑っているようでもありました。
でも確かに快感を拾えているようで、鼻にかかった声が耳元で私をあおります。あんまりそういうかわいい声を出されると私も我慢できないので困ります。
「ほら、気持ちいいですね、もっと気持ちよくなりましょうね」
「あくぅぅううっ、あっ、やっ、つよっ、つよすぎ、るぅう……っ!」
「大好きですよ、トルンペート」
「あっ、にゃぁあああああああっ!」
お豆さんの裏側に強く押し当ててあげると、私の指がぎゅうぎゅうと痛い位に締め付けられました。腕の中でトルンペートの体が弓なりに反りかえり、そしてくったりと脱力していきます。
荒く息をつくその口元に垂れたよだれを舐めとってやりながら、柔らかな肉ひだから指を引き抜くと、震え続ける卵ちゃんが白く泡立って濁ったお汁と一緒にこぼれ落ちて、その刺激でまた軽くいったのか、びくりびくりと背筋が震えたようでした。
かわいいですね。トルンペートが卵を産んだみたいです。
私はトルンペートが吐き出した卵ちゃんを取り上げて、口に含んでみました。とても濃い女の子の匂いと、味。その奥に金属味。震えるそれを飴玉のように口の中で舐っていると、ぶるぶる震えてなんだか不思議な感じです。
ふと視線を感じたので振り向いてみると、ウルウが顔を真っ赤にしたまま、やはり固まっていました。
れえ、と卵ちゃんを舌にのせて出して、お汁をきれいに舐めとったそれを見せてあげます。
「
「ひゃあ……」
ウルウ、顔を隠せてませんよそれじゃ。