「・・・ほな、また来週7時50分に来てください。委員さんよろしく」
「きりーつ」ガタガタッ
「れーい」
『ありがとうございました』
「はーい、週末よう休みやぁ」
土曜日の昼過ぎ、授業が終わって引き続き教室で自習する奴や部活に行って活動に精を出す奴もいるが、俺はさっさと用意を済ませてゴーマイホームしようとしていた。
すると・・・
「「「ダーリン☆(あなた)」」」
リサ、友希那、紗夜の三人が俺を呼び止めた。
「ありゃ、どないしたん?」
「ダーリン、この後って暇?」
「え?ああ・・・暇やけど」
第一、もう帰るからな。
「そう・・・なら私達とデートをしましょう?リサも紗夜も予定はないみたいだし」///
何と友希那が自分からデートに誘ってきた。彼女はあんまり自分からデートに誘うような性格やなかったんやけど、『ダーリン』と呼ぶようになった最近は、俺に対しては随分積極的になっていた。
「おう、ええで」
別に予定も無いし、断る理由も特になかったので、OKと返事して4人で学校を後にする。そこから地下鉄に乗ってやってきたのは、大阪ミナミの繁華街、難波。
「「「おお〜っ!」」」
「そういや、難波に連れてきたんは初めてやったな。どうや?」
「東京にいた時もテレビで見てましたけど、実際に見るとすごいですね」
「テレビか・・・」
「ダーリン、どうしたの?」
「いや、何もない何もない」
「そう?それじゃあさ、アタシ行きたいところあるんだ。一緒に行こ?」
言ってリサが俺の手を引いて連れて行ったのは・・・
「大阪と言えばここは外せないよね☆」
中央部が大きく膨らんだ橋に、遠くには縦長のドンキの観覧車、そして言わずもがなのグリコの大看板。もう分かるやろ?リサが行きたかった場所は戎橋やった。
「皆で写真撮ろうよ!」
「今井さん、撮るのは良いですが誰が撮るんですか?」
「大丈夫大丈夫、自撮り棒持ってるから」
言ってリサは鞄の中から自撮り棒を取り出し、友希那と紗夜は俺を取り囲むように位置につく。
「それじゃあいくよ。ハイ、チーズ!」
カシャッ
「上手く撮れたかな・・・おっ、いいじゃん」
「今井さん、後で私のスマホに送ってくれませんか?待ち受けにします」
「私もお願い」
「ほな俺も」
「オッケー☆」
写真を撮り終わった俺達は次の場所に向かおうと戎橋を後にするのだが・・・
「な、なぁ皆。こんなにべったりくっつかれたら逆に歩きにくうなんねんけど・・・」
道頓堀のど真ん中で紗夜とリサが俺の手を恋人繋ぎをした上で腕に抱きつき、友希那が前を歩いているのでめちゃくちゃ注目を集めてる。あ、あいつ『クソッ、ハーレム野郎め!』とか思ってる目ェしとるわ。
結局、彼女達は離れなかったのでそのままの状態で次にやってきたのはあの飛び出す龍のオブジェが特徴的なラーメン屋。既に昼の2時ぐらいになっているので腹越しらえをする。店内も特徴的で何と椅子の代わりに畳が敷かれていて、三人も興味津々な様子で見ていた。
「へぇ、畳が敷かれてるんですね」
「そうそう、このラーメン屋、近くにもう1店舗、本店があるけどそっちは立ち食いスタイルやからまた違うねんで」
「成程・・・」
「そっちにも行ってみたいな♪ダーリン、また今度本店にも連れて行ってよ」
「ん」
そして、それぞれラーメンを選んで全員で食べ始める。
ズルズルッ
「意外とあっさりしてるんですね」
「アタシは結構好きだけど」
「うん、元々夜に飲みまくった人達にも食べやすいように作ってるからな。物足りひんかったら、あそこに付け合わせがあるからそれを足したらええで」
「それじゃあ、行ってきます」
言って紗夜は中座して付け合わせを取りに行った。一方、リサと友希那はあっさりが気に入ってるみたいでそのまま食べ進めていった。あれ、紗夜?その手に持ってるのはポテトちゃうんか?付け合わせにポテトなんてなかったで!しかもなんか泣きそうになってるし。
「うぅ・・・Lサイズポテトがありませんでした・・・」
おいおい、タイムリーなイベント挟みよったで。後、ポテトはないはずなんやけど・・・考えるだけ無駄か。
「「「ごちそうさま(でした)(ごっそさん)」」」
その後、ラーメンは完食したがLサイズポテトの販売休止がよっぽどショックやったのか、紗夜の表情は目にわかるほどしゅんとしていた。
「うぅ・・・」
「まあまあ、今度俺が紗夜の為にポテト作ったるから、な?」
「いいんですか?」
「ええよええよ、一緒に作ろう」
「はい!ありがとうございます、あ・な・た♡」チュッ
俺の提案で紗夜は一気に表情が和らいで、俺の頬にキスをした。それを見た二人は口々に『ずるい!』と言い、周囲の目線も何やら温かくなっていた。しかし、この提案が後々とんでもない事になるとは俺達は知る由もなかった・・・
「次はここやな」
「おっ、ゲーセンだね☆」
次にやってきたのは道頓堀に程近いゲームセンター。ここでクレーンゲームとかで遊んでいると、ふとあるゲームを見つけた。
「ねぇ、これは何かしら」
そこには電車の運転台みたいな筐体に運転室から見た前面展望が映し出されているディスプレイが置かれていた。
「あぁ、鉄道シュミレーターやな」
「鉄道シュミレーター?『電車でG◯!』みたいなのですか?」
「御名答。でもこれは『電車で◯o!』やなくて『Real Railway』ってやつやな。俺も何回かやってるけど実際の電車を運転してるみたいでめっちゃリアルやねん」
その説明を聞いていた3人は・・・
「ふぅん、ちょっと面白そう。せっかく鉄道部に籍を置いたんだし、やらないって言う選択肢はないよね♪」
「そうですね。物は試しとも言いますし」
「おし、ほな皆でやるか!」
こうして皆で(ゲームの)電車を運転することになった。早速、100円玉を3枚投入してゲームを開始する。
「まずは私がやるわ」
トップバッターは友希那がやるんやけど・・・大丈夫か?友希那って音楽にステータス全振りして他が全くのポンコツやからな。一応、一番簡単なコースを選んだし、大丈夫やと信じたいが・・・
そんな事を考えていると、ディスプレイに乗務員の制服を着た少女が映し出される。
『Real Railwayへようこそ!私の名前は六麓にいなと申します』
この少女・・・にいなはこのシュミレーターのナビゲーターを務めていて、初めてプレイするときは必ず彼女の運転講習を受ける。時間がかなりかかる代わりに非常にわかりやすくレクチャーしてくれるので、俺が始めたばっかりの時も彼女のおかげですぐに上達出来ました!(某インタビュー)
その後、十数分のレクチャーが終わり、いよいよゲームが本格的に始まる。コースは超初級者用のJR関西本線、加美→平野。ほぼ直線区間な上に、一駅なので速度制限さえ気にしてれば初心者でも簡単にクリア出来る区間なんやけど・・・何せ相手はポンコツ歌姫、湊友希那。なんかやらかしそうで気になって仕方がない。
「友希那、時間通りに運転するんやで。ミスったら減点やからな」
「分かってるわ」
『それでは、出発進行!』
にいなの声とともに友希那が左手でマスコンを引くと、電車が動き出す。しかし・・・
「湊さん!速度を出し過ぎです!」
はい、案の定友希那はマスコンを最初から最大に引いたので制限速度をすぐに超えました。思った通りです。
「友希那!ブレーキブレーキ!」
「えっ、ど、どうすれば、良いのかしら」
「右手や!右手でブレーキハンドルを引くんや!」
「こ、これかしら」
みんなに言われて友希那はブレーキを引くが、そのブレーキも力一杯押し込んだせいで、常用ブレーキではなく、非常ブレーキが作動。結局、平野駅まで400m残っている状態でゲームオーバーになってしまった。
「む、難しいわ」
「いやいや、チュートリアルの時はぎこちないけど出来てたじゃん(汗)」
「実際にやってみたら力んでしまったわ」
「ハァ、湊さん、『練習は本番のように、本番は練習のように』ですよ」
出た!紗夜の名言!こんなとこで出すん?
「次は私がやります」
言って今度は紗夜が乗務。区間はJR北海道の室蘭本線から白老→錦岡間。途中、社代という駅に停まるので友希那よりは難易度は高いんやけど、こちらもカーブはないので簡単な部類に入る。肝心の紗夜の運転はと言うと、さっきまで友希那のチュートリアルを見ていたためか、ちょっとはマシになっていて、にいなのチュートリアルで得た運転テクニックを忠実に守って細かいミスはあったものの、それを除けば上手く運転出来ていた。
「すごいじゃん!」
「ふふっ、ありがとうございます。ただ、細かいミスが多かったのでそこを直していかないと・・・」
「よっし、次はアタシの番か・・・あっ、このランダムモードってのやってみたいな」
リサはセレクト画面にある『ランダムモード』に興味を持つ。このモードはその名の通りランダムな難易度の区間を乗務するモードなんやけど、8割方高難易度のモードしか出ないから通称『玄人モード』とも言われている。ただ、俺みたいな熟練がこれで2割の簡単モードに当たったら最悪やで。300円ドブに捨てるようなもんや。
「あんまりオススメできひんで」
「難しいのはどんなのか気になるんだよ」
リサがランダムモードを選択すると、自動でルーレットが回って区間が提示される・・・えっ、加美→平野?超初級者用のコースやん。まあ、丁度ええか。
こうしてリサも友希那と同じ区間を運転するのだが、しばらく運転していると・・・
プーップーップーッ
『防護無線発報、防護無線発報!』
突如流れるアナウンスとともに『防護無線発報中』の文字が画面に現れる。こいつを受信すると発報した場所から1km圏内の電車は絶対に停まらないといけない。
「えええっ!何これ!」
「今井さん!早く止めないと!」
「ええ、ひ、非常ブレーキだね」ガチャンッ
リサがノッチを最大にして非常ブレーキをかけるとまた友希那と同じ様に急激に速度を落として停車。ちなみに、この停車は減点されへんで。
その後、またにいなが登場して事故対応の仕方がレクチャーされた。リサはそれをこなして輸送指令から防護無線が流れている間は15km制限で走るようにの指示をもらう。
「要はゆっくり走れば良いんだね」
そして電車は10分遅れで平野駅に到着。事故対応もきちんと行ったので得点はかなり高く、紗夜を僅かに上回った。
「やった☆」
「今井さんに負けてしまいました・・・」
「まあまあ、次頑張ったらええ」
「ねぇ、ダーリンもやってみてよ」
ということで俺もコースを選択する。コースはJR西日本の京都→新大阪間を新快速として走るもの。距離が長い上、途中駅もいっぱいあるので、かなり難しい部類に入る。
「「「・・・」」」ジッ
なんか三人にめっちゃ見つめられてるんですけど。緊張するなぁ。
『出発進行!』
そしてゲームがスタート・・・あれ?なんか3分遅れって出てるな・・・まさか遅れを取り戻せちゅうことか?
「やったろうやないの・・・!」
ちなみに遅れを取り戻すのは結構難しい。ただ単に速度を上げりゃあ良いって訳ではなく、信号はもちろん、線区における最高運転速度、車両ごとの最高運転速度、速度制限のあるカーブやら、ポイントやら、急勾配でも制限はある。更に、臨時の徐行も考慮しないといけない。その中で、実際の運転士はその線区の地形や運転条件を全て把握した上で回復運転をおこなっていかないといけないのだ。
実際、このゲームを何回もやっていわゆる熟練と言われるようになっても回復運転は難しく、あんまり成功していない。
『制限130!』
ここで俺は一気にノッチを全開にして130kmで運転。1kmでも超過したら減点をくらうのでめちゃくちゃ神経を使う。
そのおかげか、遅れはどんどん回復していき、新大阪の前の駅を通過したあたりでギリギリ定刻通りになってそのまま新大阪に到着。
得点はミスがあったものの、回復運転ボーナスで帳消しになったので100点満点中97点という高得点をたたき出した。
「すごいじゃん!ってめちゃくちゃ汗びっしょり!」
「まあな・・・めちゃくちゃ神経使うし、頭使うから」
「私達もこれぐらいを目指さないといけませんね」
「必ず頂点に立って見せるわ・・・!」
俺の運転を後ろで見ていた嫁達も口々に話す。うん、その情熱は音楽に使った方がええんちゃう?
こうしてなんやかんやで初めてのデートは終わったのだった・・・
そういえばマクド◯ルドがまたLとMのポテトの販売をやめたみたいですね。Twitter見てたらまた紗夜さん関係のツイートが増えてましたし。
ちなみに『Real Railway』は架空のゲームで、機能は博物館にある運転シュミレーターと同じくらい本格的なモードが楽しめる仕様で隆太はちょくちょくこれで遊んでたりします。『電車でG◯!』とは何の関係もないよ。
後、もうすぐUAが20000突破しそうなんでまた何か企画やろうと思います。楽しみに待っててくれたら嬉しいです。
それでは次回、またお会いしましょう。
一番良いと思う鬼ごっこのミッションを選んでください(ちなみにどれ選んでもR18になるよ)
-
6時間で海抜1000m以上の場所に行け
-
6時間でキハ40形の写真を撮れ
-
6時間で潮岬へ行け