「えー、突然なんやけどさ」
そう言って俺は目の前にいるクリーム色の髪の少女……千聖に向き直る。
「あら?ダーリン、いきなりかしこまってどうしたの?お金の無心?」
俺の姿を見るや否や、笑顔で答える千聖。だが、内容だけ聞けば俺がクズ彼氏に聞こえるようなフレーズである。
「なんでそうなんねん、金ならちゃんと稼いでるから」
「どうやって?貴方バイトしてないじゃない」
「FXやってますから」
「FXねぇ……まあ、ダーリンがお金に困ったら私達に相談してね。いくらでも用意してあげるから」
「そんな事はせぇへんよ……って、話が脱線してもうた。実はな……」
言って千聖に赤いラベルが巻かれたペットボトルを差し出す。
「何よこれ……コーラ?」
そのラベルには世界中どこに行っても売ってる某コーラのロゴがプリントされていた。
「せや、千聖ってコーラの作り方って知ってる?」
「う〜ん……知らないわね。そもそも作り方って最高機密じゃなかったかしら……まさか、コーラを作るの?」
「そのまさかや。一体想像だけでコーラ作ったらどんな味がするんかなって」
「ふぅん……いいわよ。ダーリンの頼みなら協力するわ」
「ええん!?」
てっきり千聖の事やから「くだらないわね、コーラの作り方なんてググれば一発じゃない」って言うかと思ったわ……
「でも、二人だけだと味気ないわね。今から何人か集めて、それぞれコーラを作るっていうのはどうかしら?」
「ええやん、流石芸能人だけあるわ」
「それじゃあ、また後で」
「おけ」
「集まったで」
「こっちもよ」
大体三十分後、俺と千聖は集めてきた数人を引き連れて共用スペースに戻ってきた。
ちなみに俺陣営は香澄、日菜、こころ。千聖陣営は紗夜、リサ、花音。
……やばい、料理チートのリサがあっち側におる。おらへんかったと思ったら……
「いや〜、ごめんね。千聖の方が先だったから」
「安心してください、隆太さん!」
「そうだよ隆君!あたし達がついてるよ!」
「あたしも頑張るわ!」
いや、ごめん。君達やと途方もない不安がでてくるんやけど。特に天才ちゃんと異空間、お前らや。
しかも……
「なぁ、今集まってる中で理系の人、手ェ挙げて」
「「「「はい」」」」
手をあげたのは千聖側の陣営の四人。逆にこっちは誰一人手を挙げていない。つまりこの対決は……
「文系vs理系か……!」
そう、見事に文系チームと理系チームに分かれてしまったのである。まあ、理系の方は常識人多めやけど、問題は文系や。正直、俺もあんまりコーラの作り方知らんけど、香澄・日菜・ここrの三人が直感で動きそう……特に日菜は目分量といったら材料一袋平気で入れるような娘やし……ちゃんとしたコーラ作れるかな?
「隆君、あたしを舐めてもらっちゃ困るなぁ」
「大丈夫なん?」
「うん!るんってするコーラを作るからね!」
出たよ、このシチュで一番怖い言葉。
「それじゃあ、早速材料買いに行くよ〜!」
「「「お〜!!!」」」
と、ハイテンションな香澄を筆頭に俺達は家を出ていく。
「じゃあ、私達も行くわよ」
「「オッケー☆(分かりました)」」
〜side理系(千聖)〜
という訳で、私達理系チームは少し歩いて日本一高いあのビルのお膝元、天王寺に行ったわ。ここにはいっぱい商業施設があるから、コーラに近づけるような材料がすぐに見つかるかもって紗夜ちゃんやリサちゃんが言ってたけど……あっ、着いたわ。
「さ、紗夜ちゃん、ここって……」
「ええ。ここは調味料専門店です。ここならコーラに近づける材料が見つかるかと」
「確かに……それじゃあ、入りましょうか。花音、行くわよ」
「ふぇぇ、待ってよぉ千聖ちゃん」
私達は店内に入って材料を探す……前に作戦会議。みんながどんな情報を持ってるのか確認しないと。
「そもそも、コーラのあの黒色ってどうやって作ってるんだろう」
最初に花音が口を開く。
「うーん……カラメル色素じゃないかな」
「カラメル色素」
「うん。プリンとかにかかってる黒いアレだよ」
「次はあの爽やかさね。何を使ってるのかしら」
「確か、スパイスを何種類か使ってるはずですね。香り付けにシナモンでも入れてみるのはどうですか?」
と紗夜ちゃんが話す。成程、確かに一理あるわね。香辛料にはシンナムアルデヒドやサフラナールといった香り成分がふんだんに入っていて、特にシナモンは独特の甘味や香り、かすかな辛味が特徴で『スパイスの王様』とも言われてるはず……料理番組に出るときにスパイスの知識をかじった甲斐があったわね。
「それじゃあ、後は複雑な甘い味ね」
確か清涼飲料水には加糖ブドウ糖液糖っていう成分が使われているらしいけど、そんな複雑なもの、私達には作れない。となると代替品が必要ね。
「うーん、これは普通の砂糖でも大丈夫じゃない?」
「分かったわ、それと……あっ」
「「「?」」」
「一つ大事なこと忘れてたわ」
「ち、千聖ちゃん?」
「炭酸よ。気のないコーラはただの黒い砂糖水……いかにして炭酸を入れるか。これでも結構変わってくるんじゃない?」
「「「確かに」」」
「という訳で私はソー○ストリーム買ってくるわ」
「え、あれ結構高いんじゃ……」
「ダーリンはある程度使っても大丈夫だって」
「隆太さん、意外にお金持ってたんですね」
「それじゃあ、各々買いにいきましょうか」
その一言で私達は散らばり、必要なものを買い足していくのだった。
〜 side文系バカ(俺)〜
おい作者、文系に『バカ』ってルビ入れんな。しかも、フォントもアホっぽいし。
え?バカがいるやろって……?うん、否定出来ひん。
という訳で俺達四人は家の近くにある飛田本通商店街にやってきた。レトロな書体が躍り、所々シャッターが閉まっている店も見かける上に、近くには飛田新地という『飲食店』が多数立ち並ぶ街区があるだけに、ディープな雰囲気をむんむんと漂わせている。
「さて、何を買おうかな……」
「あ、あそこ良さそうね!」
こころが指差した先には俺御用達のひまわりのマークとどぎついイエローのネオンが眩しいスーパー玉出が見える。そこでいいか。
中に入ると品揃えは一般的なスーパーよりも豊富で、もはや全国区となった(?)1円の値札もそこかしこに貼られている。ちなみに正確に言うと、無条件で1円になるわけではなく、一定金額以上の買い物と個数制限が条件についてくる。みんなも覚えておこう!
閑話休題。
俺達は店内を歩き、調味料コーナーにたどり着く。
「ほな、役割分担しよか」
時間短縮を図って香澄は甘い味、こころは炭酸、日菜と俺は黒色をそれぞれ探しにいくことにする。ちなみに俺と一緒に行く人を巡ってちょっとした小競り合いになったのはまた別の話である。
みんなと別れた後、俺と日菜は黒色の素になるものを陳列棚から探す。
「そっちなんかあった?」
「うーん、ないね。ていうか黒色にする調味料ってあるのかな?」
「イカ墨ソースぐらいしか無い気が……」
「でも、それだったら味がついちゃうじゃん。他のものを……!」
ここまで言ったところで日菜が何かを思い付いたかのような表情を見せる。
「そうだ!」
と言って陳列棚から取り出したのは赤、青、黄色の『食用色素』と書かれたパッケージ。
「しょ、食紅?」
「うん!これでるんっ♪ってする感じに混ぜれば、るんっ♪ってした黒色になるんっ♪と思うんだ」
赤、青、黄色→色の三原色→全部同比率で混ぜたら黒色になる→これ使おう!
これ理解できた人います?いないよね?いな「私は分かりますよ?」そらあんたおねーちゃんやからやろ。
「確かに使えるな。味に影響はなさそうやし」
「でしょ!?じゃあ、これ入れて香澄ちゃんのところに行こう?」
「ん」
そして会計を済ませ、店から出ると外にはすでに香澄とこころが買い物を済ませ、待ち構えていた。
「隆太、遅いわよ!」
「もしかして、日菜先輩とイチャイチャしてたんですか?」
「いやいやしてないって」
「ふふーん、すっごくるんってする事したんだ♪」///
「「隆太(さん)」」ジーッ
日菜が両手に手を当てて顔を赤らめているのを見て、残りの二人は俺にむすーっとした表情を向けてくる。
「ヒィィナァァ」
「じょ、冗談冗談。みんなは何を買ったの?」
「え?家に帰ったら教えるよ」
「大丈夫なんやろな」
「ダイジョーブよ!少しくらい失敗したってなんとかなるわ!」
『ダイジョーブ』がカタカナになってる時点でもう信用できひんで。それって大体六割はアウト(当社調べ)って事やろ。
そんな一抹の不安を抱えながら、我が家へと足を進めるのだった……
いかがでしたでしょうか?
ちょっと前から全年齢版というのを分けて投稿してたんですけど、あまり好評ではなかったようなので今回からまた戻すことにします。
一番良いと思う鬼ごっこのミッションを選んでください(ちなみにどれ選んでもR18になるよ)
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6時間で海抜1000m以上の場所に行け
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6時間でキハ40形の写真を撮れ
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6時間で潮岬へ行け