「うし、ほなここは『ロッテルダムホクリク』出しますか」
「ロッテルダムねぇ……あれ早口が多くて大変なんやけど」
とある放課後、俺ら鉄道部五人は一つ机を囲んで会議を重ねていた。目の前にあるホワイトボードには今度のMarsのライブで演奏するセトリの候補曲が書かれている。一応ここにも書いとくわ。
『がむしゃら行進曲』
『ロッテルダムホクリク』
『タビザル★ライダー』
『final phase』
『帰曽路を駆ける』
『るんっ♪てぃてぃー!』
……自分で書いててあれやけどカオスすぎやしねぇか?元々は途中下車シリーズ専門で始めたはずやったけど、調子に乗ってレパートリー増やしてたらいつの間にかどんなジャンルでも対応出来るようになるという、良いのか悪いのかよく分からない状態に。
ちなみに一番下の『るんっ♪てぃてぃー!』、原曲キーです(誰得情報)
「しかもまだ楽譜作りかけじゃありませんでした?今から作っても間に合うかな……」
腕組みをしながら作曲担当の一人でもあるしおみんが答える。ろくに楽譜のない音madからオリジナルの楽譜やアレンジを作り出す、我がバンドに欠かせないブレーンである。
「やって。どうするリーダー」
「うぅむ、そうか……ほな、ロッテルダムと……がむしゃらは次に回すか。尺の都合もあるし」
そう言うと和樹はペンを持って立ち、二曲のタイトルに横線を重ねる。
「これで一通り決まりましたね!」
「やな……んーっ、もう夕方か」
俺は荷物をまとめて部室を出る準備を始める……が。
チョンチョン
「ん?」
背後から肩を叩かれる。
「ほいっ」
叩いたのは和樹。振り向くと何やら封筒のようなものを頬に押し付けられる。え?なんすかこれ?
「まあ開けてみい」
何度聞いてもそれしか言わないから取り敢えず中を見てみる。えっと……え!?これって……
「そ、JRの株主優待券。隆太は今日が誕生日やろ?」
「あれ、そやった!?」
慌てて壁にかかった日めくりカレンダーを見ると『1月17日』とある。確かに俺の誕生日……
「自分の誕生日覚えてなかったんかい……(汗)」
「僕達四人でお金を出し合って金券屋で買ったんですよ!」
「高かったで〜大事に使うてや」
封筒の中身は管内の乗車券や特急券が半額になるJR西日本の株主優待券が5枚。1枚でも結構値が張る品物のはずやけど……いやぁ、これで電車賃浮くわ。
「いやぁ、ありがとうな。またなんかの形で返すよ」
プレゼントを受け取った俺は大事に鞄の中に滑り込ませ、今度こそ部室を出る。なんに使おっかな〜、283系のグリーン車で梅田貨物線の前面展望を見るのもええし、新幹線でどっかに行くのもええなぁ……
そんな事を考えているとあっという間に家に着いてしまった。明かりもついてるし、みんな待ってくれてるのかな。そんな期待をちょっとだけ胸に抱きながらノブを回す。
「ただいま〜」
「ん、おかえり」
出迎えたのは蘭だった。ただ、俺の方には顔を向けず、その視線を一冊のノートに向け続けている。多分作詞かなんかやろ。
「……」
「……」
「……何?」
「えっ!?い、いや何も」
あれ、てっきり『誕生日おめでとう』かなんか言ってくれる思たんやけど……
「そうですか……ちょっと集中したいんで、あっち行っててもらえますか?」
と蘭が有無を言わさぬオーラを発しながら呟く。こうなるとなんぼ言うても機嫌悪なるだけやし大人しく引っ込むという選択肢しか残されていなかった。
「おっかしいにゃあ……」
普段から大好きオーラを発している嫁達。旦那の誕生日とあらば我先に祝いに来ると思ってたんだけど、俺なんかしたかな?
ドタドタ……
ん?なんか外うるさいなあ……何しとるんや。
「おーい、お前ら何やっと」
パンッパァンッ!
『隆太さん(あなた)(ダーリン)!』
『誕生日おめでとう!(ございます!)』
「……ふぇ?」
ドアを開けるといきなり破裂音が鳴り響く。しばらく呆気に取られていたが、数秒経って目の前にいた香澄、沙綾、つぐみ、蘭、千聖の五人が誕生日を祝ってくれたという事を認識した。
「よ、良かった〜」ヘナッ
嫌われたんじゃないかって心配してたから安心したわ〜
「隆太さん!?なんかへにゃへにゃになってますよ!?」
「蘭ちゃん、貴方がダーリンに塩対応したから……」
「あああごめんなさい!アレ全部演技です!サプライズでした!」
さっきまでのツンツンが嘘のように慌てた様子で土下座を始める。変わり身はえぇなオイ。
その後、半泣きになった蘭をなだめたところでみんなに手を引かれ、大広間に連れ出された。中では他のメンバーも一同に集まっていて、それぞれがお祝いの言葉をかけてくれた。
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
「ありがとう……っておい」
どっかで見た事あるシーンやなぁ?笑えば良いと思うよ。
「まあ、本気はここまでにして」
「本気!?」
紗夜はそんな小ボケかます子やないやろ!?
「誕生日おめでとうございます。これ、Roseliaからのプレゼントです」
と紗夜が包みを一つ渡してきた。中には青と銀色を基調にしたネクタイが入っていた。
「アタシ達のバンドのカラーとダーリンのメンバーカラーを組み合わせたんだっ☆」
「わ、私が作った特注品です……大事に使ってくださいね」
へぇ。燐子が作ってくれたんや!そらありがたいな。
「隆太さん、私達もプレゼント持ってきました!」
「あ、あたし達も」
「みんな早すぎるわ!あたしも隆太にあげたいのに!」
「ちょっ、お前ら落ち着け!順番や順番!」
ヒートアップする6バンドをなんとか抑えて順番をくじで決めてその順にもらっていく。まずは前半。ポピパからはジーンズ、アフロからは黒のトレンチコート、パスパレからはロングブーツをそれぞれ貰った。いずれもブランド物で彼女達曰く奮発したらしい。大事に使わへんとな(使命感)
「4バンドで隆太さんが一番カッコよく見えるコーデを選びました!」
「さっ、あなた。早速着てみて下さい」
みんなそんなに俺の服見たいん?見たけりゃ見せてやるよ!という事でプレゼントされた服に着替えてみる。
「フヘヘ、すごくカッコいいですよ!」
「素敵よ、ダーリン……♡」
ゆ、友希那の目がハートになってる……
「じゃあ、次はあたし達ね!」
「どうぞ」
美咲が持ってきた箱の中には少し古そうな懐中時計が入っていた。懐中時計……?
「昔国鉄で使ってたらしいんですって」
見ると裏蓋には『昭36 2033 国鉄』と刻まれていた。えっ、実際に使ってたやつ?
「はい、きっちりオーバーホールしてるから今でも使えますよ」
「おぉ……」
「ぐぬぬ……」
「奥沢さん、ダーリンの心をカッチリ掴んで来たわね」
「Hey隆太!次は私達からのpresentよ!受け取りなさい!」
今度はRASの番。ちゆが……ん?なんでそんな大荷物持ってんの?
「まあ開けてみなさい」
と言うので開けてみると、中には重厚感のある平らな板っぽい機械が入っていた。その機械には見覚えがある……ていうか俺の担当パートの楽器。
もうお分かりやろう、答えは新しいDJセット。今まで使ってたやつよりも高性能なやつを持ってきてくれたのだ。
「私達が選んだんだから品質は一級品よ!」
「隆太さん、これ使っていっぱい演奏して下さいね」
「あ、ありがとう」
これで6バンドがプレゼントを渡し終え、最後はモニカ。何をくれるんやろ……?
「さ、ささやかですけどどうぞ!」
つくしが渡した包みの中にはヘッドホンが入っていた。しかも安心の日本製。やったね、これで壊れない!(by中国製のヘッドホンを20日で壊した男)
「アレは完全にダーリンの使い方だと思うけど」
「だねぇ〜、ライブパフォーマンスでヘッドホンぶん回してたらそりゃあ壊れますよ〜」
な、七深、正論を言わないでくれクレメンス……
「よし、それじゃあご飯にしましょうか」
「やったー!ケーキだー!」
「香澄、お前の誕生日じゃねえからな!」
その後は全員でご飯を食べることに。抹茶を基調にした誕生日ケーキも用意されていて、俺はそれをリサや紗夜、つぐみなどに口移しで食べさせてもらった。
「ふふっ、まだ終わりじゃないわよ?」
「?」
「私たちの格好をよく見なさい」
千聖のいう通りみんなの格好を見てみる。あれ?さっきまで普段着やったのにみんないつの間にステージ衣装に着替えてんの?
「小説だからこそ為せる技よ!」
「言うたらあかん!それは言うたらあかん!」
「まあそれは置いといて……ダーリン♡」
すると千聖の雰囲気が一瞬にして変わり、男を誘う雌の表情になる。
「最後のプレゼントは……私達の身体よ♡」
「!!」
「今夜は宴ね♡」
「い〜っぱいエッチなことしましょうね♡」
「あなた、今夜は寝かせないわよ♡」
そう言って紗夜がキスをしてきた。既にみんなヤる気満々みたいやな……
「……んじゃ」
せっかくの誕生日プレゼント、しっかり味わうとしますか。
俺は手始めに側にいた香澄に向かって食指を伸ばしていった。
一番良いと思う鬼ごっこのミッションを選んでください(ちなみにどれ選んでもR18になるよ)
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6時間で海抜1000m以上の場所に行け
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6時間でキハ40形の写真を撮れ
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6時間で潮岬へ行け