※この作品はR-18です。

商人と冒険者と娼婦   作:にやまな

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聖火の輝きを灯す人
プロローグ エミリーの二年


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 良いですか、よく聞きなさい……炎は恐怖であり、そして希望です。

 

 

 

 それを決して忘れることなく、貴女の弟子たちに伝えなさい。

 

 

 

 私が貴女に、そうしたように。

 

 

 

 

 

 

 

 炎の魔術基礎編一巻、第一節よりこれを抜粋、汝、炎の魔術を学びたくばこの文章を忘れるべからず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここ最近、娼婦の仕事は忙しい。

 

 

 

 理由としては傭兵の需要が高まっているからだろう、彼らの仕事が増えた結果、その金が娼婦たちへ回っているからだ。

 

 

 

 傭兵たちの仕事や需要が増えるということは治安が悪くなっていることであり、物騒な世の中になってしまったと思わなくもないが、安全な宿場町で働く娼婦にとっては戦いとはどこか遠い世界の出来事なのかもしれない。

 

 

 

 せいぜい、客としてやって来た傭兵の自慢話を寝床の上で聞かされるくらいだ、か弱い彼女たちには戦争も傭兵も無縁でありそうあるべきだと思っているのだろう。

 

 

 

 重要なのは傭兵の仕事内容や社会の情勢ではない、客として訪れた傭兵たちが如何に羽振りがいいか、娼婦にとって重要なのはそこであった。

 

 

 

 一人の少女がとある宿場町にある娼館で客引きを行っていた、客引きと言っても大通りで艶やかな姿で男を誘うようなものではなく、大きなガラス窓の向こうで他の娼婦たちと一緒に下着姿で並ぶ形である。

 

 

 

 娼館としてはよくある宣伝方法であり宿場町の大通りを歩く男たちは好みの相手がいないか熱のある視線を向けていた、やはり最近の情勢もあってか傭兵らしき男たちが多い。

 

 

 

 そんな彼らに対して大きなガラス窓の向こうにいる艶やかな娼婦たちは微笑みやウインクを贈っており、そんな彼女たちの魅了された男たちはだらしない笑顔を浮かべながら娼館の中へと吸い込まれていく。

 

 

 

 娼館がある町ならばとてもありふれた、それこそどこにでもある光景だろう。

 

 

 

 その娼館で働く少女にとっても既に見慣れた光景であり、先輩娼婦や同僚が次々と指名を受けて部屋へと向かう姿を見送って、そろそろ自分にも指名が入るとぼんやりとだが考えていると、彼女の瞳にとある人物が映し出された。

 

 

 

 大通りを進むのは多くの物資が乗せられた荷馬車である、二頭の馬がそれを引いており手綱を握るのは一人の女性である、都市と都市の間にある宿場町では行商人など特に珍しいものでもないのだが、少女の目を引いたのは荷馬車を操る少女の姿なのだろう。

 

 

 

 皺一つない清潔な法衣を身に纏い、よく手入れされた艶のある髪が緩やかな風に揺れている、荷馬車の上で手綱を握って大通りを進んでいく光景を、ガラス窓の内側から少女は眺めていた。

 

 

 

 どうしてその女性に注目したかはわからない、敢えて言葉にするのならば何となくが最も適した言葉だろう。

 

 

 

 僅かに見えた横顔だけで美しい女だと娼婦は思った、見た目も服装も雰囲気も洗練されており、どこか高嶺の花といった印象を与えている、ああいった女性が娼館で客引きを行えば一瞬で男が食いつくと彼女は考えた。

 

 

 

 見た目といい、雰囲気といい、もしかしたら高貴な出身なのかもしれない、しかしそんな身分の女性が荷馬車の手綱を握る訳もないとも考えて、娼婦の少女は通り過ぎていった法衣の女性に対する思考を頭の隅へと追いやっていく。

 

 

 

 なんとなく注目しただけで大きな興味がある訳でもないのだ、ああいった存在が今後も自分に関わることもないだろうと結論を出して、ガラス窓の向こうにいる男たちへ愛想を振りまいていく。

 

 

 

 早めに指名を受けて本日の稼ぎを懐に入れたいのだろう、先輩娼婦を見習って投げキッスなどをしてみるが、あまり食いつきはよくないようだ。

 

 

 

 まぁこんな日もあると若干の諦めが伺える、羽振りのよさそうな相手は先輩娼婦たちが持って行ってしまったので、残っているのは懐の冴えない相手ばかりである、妥協してそこから今夜の相手を見繕うしかないだろう。

 

 

 

 さて誰に狙いを定めるべきか、ここ最近の需要増加から傭兵は羽振りが良いので狙いどころではあるのだがそれらしい相手は見つからない、残っているのはまだ稼ぎの少ない若者か妻に財布を握られている小太りの中年くらいのものである。

 

 

 

 娼婦としてはあまり歓迎できる客たちではないが、文句も言ってられないと妥協しようとした瞬間に、そんな彼らの間を割って入るように体を滑り込ませてきた相手がいた。

 

 

 

「良かった、まだ残っていましたね」

 

 

 

 清潔感のある法衣に艶のある手入れされた髪、ガラス窓の向こうで娼婦の少女を見つめる相手は、先ほど大通りを荷馬車を操りながら進んでいた美しい少女であった。

 

 

 

 近くで見るとより美しさが際立って見える、年齢は娼婦の少女よりも少し上だろうか、しかし少女という蕾からしっかりと花開いておりその体は美しい曲線を描いている。

 

 

 

 法衣を押し上げる胸の大きさも男の視線を集めるだろう、容姿の美しさも合わさってやはり高値の花のように思えた。

 

 

 

 美しく、可憐で、清純、清潔感のある法衣を身に纏っていることから神殿に仕えているのか、信仰深い可能性が高く、だからこそ周囲から浮いて見えるのだろう。

 

 

 

 もし娼婦であったのならば極上の相手である、少女でさえそう思うのだから周囲の男はより一層そう考える筈だ。

 

 

 

 ただ、見た目の清潔で高貴な雰囲気とは異なり、大きなガラス窓の向こうでこちらを見つめる女は、鼻息を荒くしながら食い入るようにこちらを見つめている。

 

 

 

 そして何を思ったのかそのまま店の中へと入っていくと、すぐに少女に指名が入るのだった。

 

 

 

 どうやら自分を指名したのはあの法衣の女性であったらしい、彼女がそれに気が付くのは部屋で顔を合わせた時である。

 

 

 

 女が娼婦を指名するという状況そのものは無くはない、少女はこれまで経験がなかったのだが、先輩娼婦曰くそういう客も偶にいるとのこと。

 

 

 

 つまりこの法衣の女性は同性愛を嗜む相手ということである、見た目のイメージは完全に吹き飛んでしまうのだった。

 

 

 

「あぁやっぱり!! とても可愛らしいと思っていたけど、間違いなかったわね」

 

 

 

 客を接待する娼婦の部屋で待ち構えていた女性は、少女が入室すると同時に興奮したようにそう言った。

 

 

 

「えっと、ご指名ありがとうございます……その、お客様?」

 

 

 

「はい、私が貴女を指名しました、突然で驚きましたよね……あぁ、でも私はお客様と呼ばれるよりもお姉様と言われたいんですが」

 

 

 

「お、お姉様? は、はい、わかりました……お姉様」

 

 

 

 娼婦の少女が戸惑いながらそう言うと、客の女性は両手で自分の体を抱きしめると快感に震えるかのように身震いをした。

 

 

 

 これは面倒な客を引き当てたかもしれない、彼女がそう思ってしまうのも仕方がないだろう。

 

 

 

 同性に買われることが初めての経験なので勝手がわからず慣れてもいない、これがいつものように男の客であったのならばこの部屋の寝床で酌をしながらチップを受け取って行為に及ぶのだが、目の前で顔を赤くしながらお姉様という響きに身震いする相手には、その決まった流れが通じないように思えた。

 

 

 

 やり難い、もしかしたら彼女はそんな風に考えているのかもしれない。

 

 

 

「さあさあ、こちらに……あッ、髪を梳いても構いませんか?」

 

 

 

「あ、はい……どうぞお好きに」

 

 

 

「あぁ、そうだ、その前にチップを渡さなければなりませんね……ええっと、これくらいで構いませんか?」

 

 

 

 そう言って法衣の女性が懐の財布から取り出したのは金貨である、小ぶりな物ではあるが間違いなく黄金の輝きを宿していた。

 

 

 

 娼婦に払うチップとしては破格と言えるだろう、大銀貨であっても貰いすぎなくらいである。

 

 

 

「え、えぇッ!? そんなに頂けるんですか?」

 

 

 

「はい、勿論です、私も娼婦として働くことがありますが、やはりチップは多く貰えるほうが嬉しいですから、こうして娼館で羽を伸ばす時は大目に払うようにしているんですよ」

 

 

 

 穏やかに微笑みながら小ぶりな金貨を手渡してくる、そこで少女は相手の評価を面倒な客から羽振りの良い客へと上昇させてやる気を漲らせるのだった。

 

 

 

 面倒でもチップを惜しまない客は神様みたいなものである、同性相手であることなどここまでくれば些末な問題なのだろう。

 

 

 

 二人はお互いの良い取引をしたと満足そうな顔をして、生活なシーツが引かれた大きなベッドに腰を下ろす。

 

 

 

「お姉様は……えっと、お名前は?」

 

 

 

「私ですか? エミリーと申します、家名や称号はなくてただのエミリーです」

 

 

 

「そうだったんですか、てっきり高貴なお方だとばかり」

 

 

 

「ふふ、そんなことありませんよ、本当にただの庶民ですから」

 

 

 

 ただの庶民は法衣を身に纏って聖印を首からぶら下げたりはしない、そんな言葉を飲み込んで少女はエミリーに手を引かれるままベッドの上で体を預けるのだった。

 

 

 

 どこからか櫛を取り出して少女の背後に回り、髪を梳き始めるエミリーはご満悦だ、上機嫌で鼻歌を奏でており、まるで人形遊びに興じる子供のようである。

 

 

 

「とても可愛らしいです、幼い見た目が少しキャロルに似ているかしら……」

 

 

 

 髪を櫛で撫でながらそんなことを呟くエミリーは、髪を弄るのに満足したのかそのまま背後から抱きしめるように両手を伸ばし、少女と共に寝床へ倒れこんだ。

 

 

 

 少しだけ懐かしむような、そして寂しそうな顔を見せるのだが、それもすぐに消し去って少女を抱きしめる力を少しだけ緩めた。

 

 

 

「あの、エミリーお姉様?」

 

 

 

「はい、なんですか?」

 

 

 

「あの、私はあまり女の人との経験がなくてですね……上手くできないかとおもうんですが」

 

 

 

「私に身を委ねてください……大丈夫、優しくしますから」

 

 

 

「あッ……ひゃんッ!?」

 

 

 

 エミリーの唇が抱きしめている少女のうなじへと吸い付いて、そこから啄むようなキスを繰り返す。

 

 

 

 肌を撫でる柔らかな感触も、くすぐったい吐息の感覚も、娼婦をしていれば慣れた感触である筈なのだが、エミリーの愛撫はどこか普通の客とは異なるように思えた。

 

 

 

 とても深く、そして濃い、娼婦の少女にはそれが房中術をかけられていると自覚がないので、大袈裟とも思えるような反応を返すのだろう。

 

 

 

「うぁ、ひッ、んッ……んんッ」

 

 

 

「ちゅ、はぁ、可愛い反応ですね……ふふふ、こっちはどうかしら」

 

 

 

 エミリーの両手が背後から少女の股と慎ましい胸へと伸びる、女性らしい繊細な指先がそれぞれの突起へ到達した瞬間に、より強く深い快感が全身に走り抜けていく。

 

 

 

 それは娼婦の彼女であっても、経験したことのない甘い痺れであった。

 

 

 

 右の指先が乳首を、左の指先が股間の肉芽を摘みあげて柔らかく愛撫する。

 

 

 

「んんんッ……んやぁああッ!?」

 

 

 

「あぁ、可愛い声……ふふッ」

 

 

 

「ちょ、待って、ください……これおかしい、なんか私の体、変になって……ひぁッ!?」

 

 

 

「だ~め、ちゃんとお客様を楽しませるんですよ」

 

 

 

 ビクッ、ビクッ、と体を反応させる少女に気分を良くしたのか、エミリーはうなじへのキスを強めて幾つかの鬱血痕を残す。

 

 

 

 そうすると独占欲が刺激されたのか、エミリーはより笑みを深めて少女への愛撫を続けていく。

 

 

 

 娼婦に嵌って楽しむ男性の気持ちが、今の彼女にはよくわかるのだろう。

 

 

 

「ちゅ、ちゅる……ん、んむ……はぁ、柔らかくて甘いわ」

 

 

 

 少女の柔肌を堪能したエミリーはぐったりとしている彼女の体をベッドの上でくるりとひっくり返して仰向けの状態にすると、そのまま覆いかぶさって両方の手首を掴むと寝床に押し付けた。

 

 

 

 柔らかなベッドがギシッと音を立てながら二人の体重を支えている、激しい運動をしても壊れることなく受け入れる寝床を見れば娼館の環境もよくわかるだろう。

 

 

 

 覆いかぶさる形で少女を見下ろすエミリーは、未知の快感に涙目になっている少女の頬へとキスをした。

 

 

 

 そのまま何度かキスを繰り返し、最後に強引に唇を奪う。

 

 

 

「はッ、ん……んむ、んッ」

 

 

 

「ふぁ、ちゅ、んんん……んんんッ」

 

 

 

 やはり少女とのキスは格別だ、少しだけぎこちない舌使いが特に評価が高い、何より幼い表情がキャロルを思い出せるので特に甘く感じる。

 

 

 

 今日は少女を相手にしているが、日によっては凛々しい女性を選ぶことがあるので、その時はシャルルをよく思い出す。

 

 

 

 この娼館巡りは寂しさを埋める為のものなのだと彼女も自覚している、だからこそ止められないのだろう。

 

 

 

 キャロルやシャルルの面影を感じる相手ばかりを選んでいるのは、趣向と寂しさが合わさった結果でもある。

 

 

 

 ただ彼女の場合、極めて個人的な趣味であることも否定はできないのだが。

 

 

 

「はぁ、はぁ、お姉、様……うぁ、私、もう」

 

 

 

 房中術を駆使した指先での愛撫で少女の体は既に蕩けきっている、潤んだ瞳で覆いかぶさるエミリーを見上げては、熱のこもった吐息を零して太ももを擦り合わせていた。

 

 

 

 愛らしく、そして幼い姿にエミリーは鼻息を荒くして、鎖骨にむしゃぶりつきながら房中術を深めていく。

 

 

 

 作り出すのは男の象徴だ、房中術をある程度の領域まで習得すれば作り出すことができ、最早エミリーには慣れ親しんだ感覚でもあった。

 

 

 

 それはそうだろう、娼館漁りは今日が初めてという訳でもないのだから。

 

 

 

「え、えぇ!? な、なんで、生えてる?」

 

 

 

「怖がらないでください。ふふ、魔術の一種ですよ」

 

 

 

 エミリーはそのまま相手に体重を押し付けて自らの欲望を押し込んでいく、相手に痛みを与えないように大きさを調整しながら最奥を目指して押し上げていく。

 

 

 

「あ、あぁ……はぁ、凄く良い具合、痛いくらいに締め付けてきて……うッ……ふッ、はぁ」

 

 

 

「うあぁあッ!? 熱ッ、なにこれ……なにこれぇ!?」

 

 

 

「凄いですよね? 房中術を使った交わりって……あッ……あッ」

 

 

 

「ふあぁ!? 待って、お姉様……そんなに動かないで……あぁああッ!?」

 

 

 

「無理ですよ、んッ、そんなに、可愛らしい声を出されたら……おッ、おッ」

 

 

 

 濃厚な愛撫のかいあってか少女の体は蕩けきっている、随分と女の体を弄ることに慣れているようで、男の腰使いもとても様になっているようだ。

 

 

 

 少女はただ翻弄されるだけであり、なされるがまま与えられる快楽に溺れるだけである。

 

 

 

「うぁッ、あぅッ……はッ、はッ、はッ……激し、あん、あああッ」

 

 

 

「はぁ、はぁ、ふふッ……いい、いいですよ、とても可愛らしいです、ほら、お姉様って呼んでくださいッ」

 

 

 

「お姉様ッ、あッ、お姉様ッ……うッ、あッ、あぁッ、んあああッ!!」

 

 

 

 エミリーの背筋を震わすのは少女を犯す快楽だけではないだろう、奇妙な背徳感や倒錯的な熱も加わっているのかもしれない。

 

 

 

 やはり年下の少女はそう呼ばせるに限る、これが年上ならば逆の立場で楽しむのだが、どちらもそれぞれの楽しみ方があってエミリーは満足しているようだ。

 

 

 

 ぐちゃぐちゃと粘度の高い液体を掻き混ぜる音が部屋に響き、シーツは大量の愛液で汚れていき、既に浅い絶頂を何度も繰り返している少女を更に責め立てるように激しい交わりとなっていく。

 

 

 

 少女を抱き蕩けさす快感に酔いしれるかのように彼女の腰使いは激しくなっていき、それが最高潮まで昂ると、彼女は自らの欲望を少女の最奥で解き放つ。

 

 

 

 何度経験しようとも、この瞬間だけは堪らなく心地よく飽きることのない甘美な痺れである。

 

 

 

「ひゃあぁあああッ!? あッ、ああッ!?」

 

 

 

 子宮で感じる大量の熱に少女はこれまで達したことのない強烈な絶頂へと導かれたようだ、酸素を求めてパクパクと口を動かして体を捩るのだが、エミリーに房中術によって支配されてしまっているので上手く動かせないらしい。

 

 

 

 だから、彼女はただ震えることしかできないでいた。

 

 

 

 そんな少女に対してエミリーは愛でるように髪や頬を撫でている、そして房中術で生やした男の欲望を再び固くする。

 

 

 

「は、ひゃ……ふぇ?」

 

 

 

 自らの中で大きくなっていくエミリーの欲望に、少女は戦慄したかのように驚く。

 

 

 

 そしてエミリーはそんな彼女を愛おしそうに見下ろして笑みを深める。

 

 

 

「ごめんなさい、私は明日には聖都に帰らないとダメなの。ふふ、だから、もっと楽しませてくださいね」

 

 

 

 仕事で赴いた先で好みの相手と戯れる、どうやら彼女はこの二年の間にそんなことを繰り返していたらしい。

 

 

 

 大樹海を彷徨っているキャロルがエミリーの現状を聞いたら、呆れた後に羨ましいと憤慨するのかもしれない。

 

 

 

 ただ、彼女の二年は遊んでばかりという訳でもないのだ、仕事と研究の合間の息抜きであると本人は言い訳するのだろう。

 

 

 

 エミリーの首には、娼婦神と生命神の眷属であると証明する、二つの聖印がぶら下がっていた。

 

 

 

 それが彼女の二年の成果であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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