商人と冒険者と娼婦 作:にやまな
料金が高いという言葉に男たちはそれはそうだろうと納得した、四人の女性の内、三人は娼婦神の聖印を持っており残りの一人も麗しくエルフという種族であることから希少価値があるのだ。
もしどこかの都市にある娼婦神の神殿で相手をしてもらおうと思えば、基本的には長い予約期間が必要となる、最高級娼婦というのは会おうと思っても簡単には会えない存在なのだ、当然ながら料金も高い。
だがこうして旅の最中に偶然出会い、娼婦として働いている訳ではないのにこちらの要求を聞いてくれる彼女たちは、とても寛容なのだろうと男たちは思った。
「だ、団長!! ここは英断を!!」
相手の反応がそこまで悪くないとわかった男たちはまさかの展開にわかりやすく興奮しているようだ、誰もが縋るようにキャラバンの財布を握る団長へと詰め寄っていく。
「言っておくが運営資金には手を付けんぞ、彼女たちに相手をしてもらいたいのならば、自分の財布から出すことだ……後、決して乱暴はしないようにしろ、後々、神殿に睨まれたくないのならな」
上司からの許可を受け取った団員たちは大急ぎで自分たちの荷物が保管されている車両へと走っていった、凄まじい速度である。
「いや申し訳ない、ウチの団員たちが不躾なことを言ってしまった」
「ふふ、お気になされる必要はありませんよ、私たちは不快に思っていませんから……それに、キャラバンとして始動したばかりで資金面も少し物足りなかったので、チップを頂けるのなら嫌とは言えません」
「感謝を、エミリー殿」
失礼な要求であったことは間違いないので、四人の少女が許しを得られたことにキャラバンの団長はその場で頭を下げる。
ありがたいことに、こうして娼婦神の眷属に相手をして貰えることになったのだ、それは間違いなく得難い幸運であるのは間違いない。
エミリー、シャルル、キャロル、ミューリアンと自己紹介の時に名乗った彼女たちは頭を下げる男に穏やかな笑みを返すのだった。
「じゃあやることは決まったし、ワタシらも準備するか」
「ん……」
「準備? 一体何をするのだ?」
「そういえばミューはまだ娼婦として働いたことはないんだっけか?」
「あぁ、別に不満がある訳ではないのだが、経験が薄いと足を引っ張ってしまうかもしれない」
「まぁ大丈夫だろ、房中術を使えるんだし」
「ん……難しく考える必要はない」
「そ、そういうものなのか……ううむ、細かな作法などはないのか」
「ミューさん、普通に楽しめばよいのですよ」
そんな会話をしながら彼女たちは近くを流れる川へと近づき、そこで肌を露わにして体を清め始めた。
石鹸を使って隅から隅まで洗い流しそこに香油などを加えて更に磨きをかけていく、最後に水気をしっかりと拭き取り僅かな化粧も施して香水も使用する。
どれも聖都を出る前に娼婦神の神殿で購入したものであり、身に着ける下着なども同様であった。
四人が身に纏うのは娼婦らしい艶やかな衣装である、下着同然の布面積しかなく本当に大事な場所だけを隠すだけの装いでしかない。
この二年の間に胸や臀部がしっかりと成長したシャルルとエミリーはそんなネグリジェ姿がよく似合っている、少女らしい可愛らしさの中にしっかりと大人の艶やかさが内包されており男には堪らない肉付きとなっているだろう。
ミューリアンはそこまで胸も臀部も出てはいないのだが、細身でありながらも女らしい膨らみもちゃんとあり健康的な美しさが存在している、大きすぎない胸や臀部も人によってはその方が良いと思う者もいるはずだ。
そんな彼女たちを冷めた目で見るのはキャロルである、彼女は二年の間に身長も胸や臀部もあまり成長はしなかった、どこまでも少女らしい慎ましさのある体つきである。
そんな彼女の倒錯的な魅力を下着類を用意したエミリーも理解しているのだろう、フリルやリボンを強調した装いである。
「大丈夫です、キャロル殿、貴女はとても魅力的ですよ」
「……慰めはいらない」
自分の胸に手を当てて深く考え込んでいたキャロルにミューはそんなことを言うのだが、少女の憂鬱は晴れることはなく、ミューの谷間をどこか恨めしそうに睨むだけである。
因みにミューは慰めている訳でも同情している訳でもない、彼女は嘘偽りなくキャロルのことを魅力的であると考えており、成長しなくても良いと確信しているようだ。
ミューがキャロルへ向けるのは忠誠と信仰である、キャロルがどんな姿であっても良しとするのかもしれない。
「さぁ、準備も整いましたしあちらに向かいましょうか」
悩んでいるとエミリーがキャロルの肩を背後から押してその場から動かす、体も清め終わり着替えも終わったのでここから先は仕事の時間である。
既に遠くから水浴びを覗かれており、彼女たちが川から篝火付近へと帰って来るとざわめきは大きな歓声となっていく。
よほど楽しみにしていたのか涙ぐんでいる者もおり、都市から都市、国から国へと移ろうキャラバンの団員たちにとっては大きな好機であり娯楽なのだろう。
男だけの空間で荷馬車で移動する彼らはやはり我慢を強いられてしまうのだ、都市に付かなければまともに羽も伸ばせない環境であった、専属の娼婦をキャラバン内で雇うことすら検討されるほどの禁欲生活である。
今回も次の都市に辿り着くまでは同様であった筈なのだが、こうして降ってわいた幸運に鼻の下を伸ばすのも仕方がないのかもしれない。
「皆さま、お待たせいたしました、今夜は我々が娼婦神の娘となりご奉仕いたします。どうか心の赴くままにお楽しみください」
艶やかな衣装を身に纏ってかしずく四人娘に、男たちは喉を鳴らして鼻息を荒くした。
そんな彼らに四人はそれぞれ近づいていく、篝火を中心に幾つかのグループに分かれてそれぞれが女性陣を囲む形となった。
男性陣の数は十人、単純に一人当たり二人か三人を相手にしなければならないので、どうしても彼女たちは一対一の交わりにはならないのだろう。
ただそんな状況に緊張しているのはまだ娼婦としての経験が浅いミューくらいのものである、他の三人は寧ろ男たちに囲まれる状況に興奮しているようだ。
「あんッ……もう、そんな乱暴に、んんッ」
「たく、どんだけ溜まってたんだよ、ガッつき過ぎだろ……うぁッ」
エミリーが後ろから抱き着いてきた男の愛撫に甘い声を上げたかと思えば、少しだけ離れた位置でもシャルルが艶やかな声を上げている、どちらも複数の男に囲まれている状況であった。
「ん……はぁ、熱い、凄く興奮してる、ちゅ」
「こ、これは、一体どうすれば……キャ、キャロル殿」
そして別の場所でもキャロルとミューは男に囲まれている、跪いた状態で屹立した肉棒にキスをして両手では別の男の股間をしごくキャロルにはまだ余裕があるが、同じように男の興奮した股間を前にしているミューは困惑した様子である、やはり慣れていないのだろう。
助けを求めるようにキャロルへと視線を送ってみると、彼女は後輩に手本を示すかのように男の股間へと貪りつく。
少女のような唇は膨れ上がった亀頭に吸い付き、そのまま啄むようなキスを繰り返し、最後には舐めとるように肉棒を咥えこむ。
そのまま上下に頭を動かして丁寧に舐めしゃぶってそれを見せつける、こうするんだと説明するかのようである。
そんなキャロルの淫乱な痴態を見せつけられた僅かな興奮と嫉妬に苛まれながらも、ミューもまた男たちの股間へと奉仕を開始するのだった。
彼女の目の前には三人の男がいる、エルフと言う珍しさと彼女が持つ美貌を見てぜひ相手をして欲しいと近づいてきた者たちであり、既に興奮で股間を膨らましている。
ミューの右手はキャロルを真似るように肉棒を握り、左手もまた別の男の肉棒へと触れ、そして彼女の口は目の前にある亀頭へと啄むように触れていく。
「んッ……んむ……んんんッ」
口での奉仕は初めてではない、大樹海でキャロルと暮らしていた頃、房中術を覚えてからはそういう行為もしていた、キャロルが相手ならば積極的に舐りまわせたのだが見知らぬ会ったばかりの相手の肉棒を舐めまわすには、少しだけ娼婦としての経験が足りないらしい。
少しぎこちないのだ、少なくとも他の三人に比べれば拙さが目立つ。
嫌悪がある訳ではなく、納得しての奉仕である、キャラバンの一員として働くことを決めているので不満もない、足りないのは経験と興奮である。
それと集中だろうか、キャロルを真似ようと参考にしようとするあまり、何度もチラチラとそちらへ視線を送っておりその度に奉仕が止まってしまう。
そんな彼女の拙さにキャロルも気が付いていたのだろう、巧みな舌使いで既に男から精液を搾り取っていた彼女は、舌でそれを転がしながらミューへと近づいていく。
「ん……ミュー、舌出して」
「キャロル殿? ん、んむッ!?」
唇の端を精液で汚しながら近づいてきたキャロルがミューの頬へと手を伸ばして、そのまま引き寄せると唇を交わした、そのまま飲み込まずに舌で弄んでいた精液を口移しで送り込んでくる。
離れようにもガッチリと拘束されてしまっているので動けない、ミューは弄ばれるようにそのキスを受け入れるしかなかった。
二人の間では赤い舌が何度も重なり合い、それに掻き混ぜられるように精液も行きかう、あまりにも艶めかしい光景に周囲を取り囲む男たちは堪らないとばかりに声を上げている。
「は、はむ、ちゅ、ちゅる……キャロル殿」
「ん、ミュー、難しく考えないで良い……上手くやろうとしないで楽しもう、それが一番」
またキャロルの舌が伸びる、ミューの唇に残っていた男の精液をぺろりと舐めとると、彼女はそのままミューの体を抱きしめてその場にゆっくりと倒れこむ。
「ほら……皆待ってる、楽しもう」
「は、はい」
キャロルにキスされた際に送り込まれた精液の味と熱を感じ取った瞬間に、房中術に慣れた体はしっかりと興奮へと変換されていた。
緊張と集中がほぐれて、興奮と快楽に素直になったということだ、それを証明するかのように彼女の秘所には愛液が流れている。
「ん……きてぇ」
「どうぞ……我々を好きに愛でてくれ」
篝火を囲むように敷かれたシートの上で二人は股を開く、秘所には愛液が流れておりそこはもう蜜壺となっていた。
誘うかのように指先で開かれたそこを見せつけられて男たちは息を呑む、そのまま火に誘われる蛾のようにフラフラと近づいていき、一斉に彼女たちへと乗りかかるのだった。
正気は既になく、上質な酒に溺れるかのような酩酊感に支配されており、並んで股を開く二人に誘われるまま腰を振るだけである。
「んんぁあああッ!?」
「うぁ、奥に届いて……んんんんッ!!」
男たちは酩酊感に溺れながらただ腰を振るだけだ、一見するとキャロルとミューを押し倒して大勢で嬲っているように見えるのだが、実態は二人が男たちを支配して貪っていると言った方が正しいだろう。
彼らは二人に触れた時点で虜になってしまったのだ、ならば後は腰を振るだけである、房中術にどっぷりと浸かってしまった男たちは働き蟻のように上位者へと奉仕するのだ。
「んッ……んんッ……んぁッ……うッ……ほら、こっちも」
キャロルが口を開けて舌を伸ばせばその意を汲んで男が跪き興奮で固くなった肉棒を押し付けて来る、頬をひっかくように亀頭が引っ付き、キャロルはそれを舐めしゃぶっていく。
挿入している男も動きが激しくなり、キャロルの華奢な体へと更に体重をかけていった。
「うぁッ、あぁッ、あッ、くッ……やッ、そんなに激しくされては……くぅううッ」
キャロルのすぐ隣ではミューも激しいセックスに溺れていた、痛みは無くどろどろに溢れた愛液が糸を引いて挿入を助けており、最奥を突かれる度に細身の体が震えていく。
そんな彼女の頬にも別の男の屹立した性器が押し付けられており、ミューはキャロルを真似てそこに舌を伸ばす。
最初の拙さはどこにもない、頭の中で色々と考えながらの行為ではなく、本能と興奮から舌を伸ばしているからだろう。
「んッ、はぁ、うッ……んむ、んんんんッ」
「はぁ、はぁ、あああぁ……キャロル殿ぉ、私、変です……こんな……あんッ」
「ふふッ……でも、気持ちいいでしょ、男の人とするの……あッ……これが、すぐに、癖になるからぁ……んッ、んッ」
複数の男たちに群がられながらも二人は手を繋ぎ合って快楽を交換しあう、房中術で繋がり合い互いの感触や熱を共有しているようだ。
「わ、私は……うッ……キャロル殿とする方が……んんんんッ!?」
「そんな、こと言っても……あッ……凄く感じてる……あぁッ、んッ」
グチャグチャと男たちが腰を振る度に二人の股間からは音が響く、大量の愛液と男たちの先走りが混ざり合い、白く泡立って粘度を増しているからだろう。
最奥から膣口まで引き抜けば離さないとばかりに白い糸が引き、再び最奥まで亀頭を押し込まれれば、迎え入れるように滑りを良くする。
何度も何度もそんなことを繰り返した結果、ベチャベチャといやらしい音がこれでもかと響き星が目立つ夜に溶けていった。
群がる男の隙間からエミリーとシャルルの喘ぎ声も聞こえて来るのだが、それがセックスに酔いしれるキャロルとミューに届くことはなく、彼女たち自身の艶やかな声で消されてしまう。
「やぁ、あッ、あんッ、ああッ……うッ、くッ……うううッ!! イク、はぁ、もうイク、イクッ」
「キャロル殿ッ……私も、限界でッ……うああぁぁッ!!」
二人の絶頂は同時であった、房中術で繋がっていたので片方の絶頂にもう片方が引っ張られた形である。
子宮に押し込まれる熱はそのままゾクゾクとした震えとなって背筋を走り、脳天にまで届いた瞬間に甘美な爆発となって全身へと広がった。
「~~~~~~ッッ!!?」
体中に広がった甘い痺れに二人は声を押し殺す、言葉にならないくぐもった喘ぎ声と共に何度も何度も体を痙攣させてしまう。
甘美な熱である、大きな快楽の爆発も、その後に来る余韻も、全てが愛おしい。
周囲にいる男たちも一斉に射精しており精液が降り注いで二人の体を汚していく。
「はぁ、はぁ……熱い……ん……ちゅ」
キャロルは自分の体に降り注いだ精液の一部を指先で掬い取り、それを口に運んで舌で弄ぶ。
その瞬間に男の欲望は彼女の魔力と活力へと変換されてキャロルの力となる、彼女にとってはどんな苦い薬よりも効果のある存在なのだろう。
もっと欲しいと、そう思う、極上の美酒のように高貴な甘さを感じるそれを丁寧に救い上げて舐めとる彼女の視線は、未だに股間を固くしている男たちへと向けられる。
つい先ほどまでキャロルの膣内を蹂躙していた男は離れ、今度は別の男が彼女の華奢な肢体へと体重を預けて強引に股を開かせた。
隣を見るとミューも似たような状況であり、新しい男を迎え入れていた。
男性たちの隙間から少し離れた位置を覗いてみると、そこではこちらと同じようにシャルルとエミリーが客の男性たちに囲まれているのがわかる。
数も多く若い者もいる、これならばまだまだ楽しめるだろうとキャロルは思い、次の客の興奮をその小さな体で受け入れていく。
ふと空を見上げると、美しい夜空がどこまでも広がっていた。
その場にいた全ての者の声は、夜空に紛れて消えていくのだった。