商人と冒険者と娼婦 作:にやまな
ガレス王国で活動する上で最も必要な物はシャルルの伝手で手に入れることができた、それに加えて帝国で絶大な効果を持つであろう皇族の信用状も揃えるという大戦果にキャラバンの仲間たちは大いに喜んだ。
物資の補給も、大工への依頼もこの国の王からの信頼と言うこれ以上ない名刺があるので話も簡単である、実際に食料品などを購入する際にはこの情勢下であっても無駄に高値を付けられることもなく、大工たちとの契約も問題なく纏められた。
しかし王からの信用や信頼があると言っても別にタダになる訳ではないので、キャラバンの金庫はいよいよ空となってしまう。
自分たちの判断と方針であるとはいえ、軽くなった金庫には心細さを感じてしまうものである。
この投資が将来の豊かさに繋がるのだと自分自身を慰めながら過ごすしかない、どちらにせよ答えが出るのは早くとも数年後なのだから。
今は空になった金庫と荷台を満たすことが最優先であるが、その為に必要な資金がそこまで潤沢でないのが彼女たちの現状である。
せっかく信用状を持ってこれから帝国へ向かうのだ、荷台を空にして進むのはあまりにも勿体ない、せめて何かしらの商品を積んで進みたいものだと言う意見で一致した。
もしかしたら妖精の酒をフィーリンが買ってくれるかもしれないが、妻に頭が上がらない男なので難しいかもしれない、実際にこれまで連絡はなかった。
なので彼女たちは運転資金を稼ぐことにしたようだ、元手が無くても楽に稼げる仕事をすることによって。
つまる所、娼婦業である、体一つあればできる上に娼婦神の聖印を持っているので引く手あまたであった。
そうやってガレス王国に滞在する数日の間、娼婦として働いて資金を貯めるという方針になったのが今朝のこと、そして今は夕暮れである。
「……」
娼婦神の神殿の入口付近の大通りでただ一人、ミューリアンだけが眉間に皺を寄せて佇んでいた。
難しそうな顔を続けること数分、徐々に鋭くなっていく目つきは通りを歩く人々へと向けられており、どうやら彼女はその状態でそれなりの時間を過ごしていたらしい。
娼婦らしい薄着の装いに加えて、神殿の前にいるので客引きの娼婦だということがわかる、その認識に間違いは無くミューは現在進行形で客を探していた。
問題なのは既に一時間近くが過ぎているのに、未だに相手を見つけられていないということである。
他の三人、シャルルとエミリーとキャロルは薄着で神殿の表に出るとものの数分で男を捕まえて仕事部屋へと引っ込んでしまったこともミューがいつまでも佇んでいる理由の一つなのだろう。
彼女はつまり慣れていないのだ、自ら男を誘うという行為に。
娼婦として働いた経験が薄いことに加えて客引きは完全に初見である、以前のたまたま出会ったキャラバンの男たちとの行為のようにあちらからガツガツ求めて来るような形ならばともかく、自ら積極的にというのはまだ難しいのかもしれない。
それを証明するかのように彼女は一人である、何度か通りを歩く男に声をかけようとしたのだが、結果は御覧の通りであった。
ミューは容姿が美しくあまり人の社会で見ることのないエルフと言う種族なので、そういった相手と楽しみたいと考える男は少なくない筈なのだが、不慣れな客引きと一人という心細さから徐々に緊張と不安を大きくさせていった結果、鋭い目つきとなってしまったことで相手を怖がらせてしまったのだろう。
もう少し慣れれば愛想よく笑いかけて部屋に連れ込めるのだろうが、まだ経験の薄い彼女には難しいらしい。
「はぁ……キャロル殿たちは見事な手際であったな」
他の三人は本当にあっという間に客を捕まえて部屋へと消えていった、あれが慣れと言うものなのだろう、少なくとも今の自分にはできない芸当であった。
「はぁ」
何度目かの、表に立ってから数え切れないほどに繰り返した溜息を彼女はまた吐き出す。
そして嘆いてばかりではいられないと自らの頬をぺちぺちと叩き、皺の寄った眉間を揉み解してもう一度通りへと視線を送る。
自分はキャラバンの一員である、足を引っ張ってはいられない、そんな決意と共にもう一度客引きへ挑もうと彼女はぎこちない笑顔を浮かべた。
可憐な、思わず男が興奮をもよおすような艶やかさとは遠い笑顔である、そんな笑顔を向けられれば相手はまず困惑してしまうだろう。
だがそれが今の彼女の限界だ、足りずともそれで挑まなければならなかった。
もう何度も同じ手札で挑んでは撤退を繰り返している、我ながら学習能力が無いとわかっていながらも、そこにしか活路が無いらしい。
「あ、あの……お姉さん」
いざ戦場へ、そんな心構えで踏み出したのだが、やる気を空ぶらせるようにミューへと声がかかる。
声のした方に顔を向けると、そこにはまだ幼さの残る少年が恥ずかしそうに佇んでいた。
「え、えっと……なんていうか」
「……あッ……もしかして、君は客だろうか? その、私を買いたいという」
「は、はいそうです!!」
その返事を聞いてミューは心の底から歓喜する、これでキャラバンの足を引っ張ることはないと安心したようだ。
改めて客候補の男、正確には少年を見つめると、視線が重なった瞬間に頬を赤くして狼狽えて見せた、そもそも娼婦を買うという行為そのものに慣れていない様子である。
幼さの残る容姿やミューの肩ほどしかない体躯を見るに、見た目通りの年齢なのだろう、もしかしたら成人にもなっていないのかもしれない。
「なるほど、私なら予約が無いので相手をすることに何も問題は無い……ただ、少年、君の年齢は? 気を悪くしないで欲しいんだが、あまりにも幼く見えるのだが」
「じゅ、十三です……でも、次の夏ごろには十四です」
「……だとするとまだ成人の儀も終えていないのか」
人間の社会で一人前の大人として認められるのがだいたい十五歳前後である、多少の差はあれどそれが基本でありそれ以下だとまだ子供として扱われるのだ。
極めて曖昧で明確な基準と言う訳でもないのだが、子供相手に娼婦として働くという行為を躊躇する位にミューは常識人であるということだろう。
「いや!! 僕の所は仕事を始めたら成人としてみなされるから、その、大丈夫です!!」
「ふむ、そういうものなのか……うん、まぁ、君の相手をすることが嫌な訳ではない、そこは誤解しないでくれ」
ミューの指先が頭一つ分低い少年の頬へと伸ばされる、少女のように柔らかなそこはしっかりと熱を帯びており興奮の色が見えた。
「では改めて尋ねよう少年……今宵は私と楽しむということで良いんだな?」
「お、お願いしますッ!!」
直接的な問いかけに少年は更に顔を赤くしてコクコクと頭を揺らす、そんな初々しい反応にミューは穏やかな表情を浮かべると、彼の腕をとって神殿へと案内していく。
まだ女慣れしていない様子な為に逆に彼女が落ち着いてしまったようだ、緊張よりも先に年上として導かなくてはならないという使命感が強まったらしい。
神殿内部になる自分の仕事部屋へと少年を案内してゆっくりと扉を閉める、両隣の部屋からはシャルルとキャロルがいて向かい側の部屋にはエミリーが働いていた。
三人ともミューより早く客を捕まえていたので既に行為に及んでおり、神殿の廊下には艶やかな喘ぎ声が漏れ出ている。
自分もセックスに興じる一人になるのだと考えれば僅かにだが羞恥が胸の奥から溢れて来るが、自分以上に緊張した様子の少年を見ると途端に穏やかになった。
まだ幼さの抜けきっていない少年である、ベッドの上に腰かけて緊張した様子でキョロキョロと周囲を眺めている、視線や感情の行き場を持て余しているのだろう。
「僕、こういう所は初めてで……どれくらいの料金を払えば良いんでしょうか?」
「うん? 私は聖印を持っていないのでそこまで高くは要求しないよ、できないと言った方が正しいかな」
ミューはベッドに腰かける少年の隣に腰かけて相手を見つめた、改めて見なくとも幼い顔つきをしており、これからそんな相手と行為に及ぶのだと想像すると随分と倒錯的な光景に思えた。
腕も首も細い、まだ体も成長しきっていないので少女らしさすらも感じてしまう客である。
「一つ聞きたいのだが、君はどうして私に声をかけてくれたのかな?」
「それは、その……最初はそんなつもりはなかったんです。まだ娼館で遊んでられるほどの稼ぎもありませんから、ただ……」
「ただ?」
「お姉さんを見たとき、凄く綺麗だと思って……気が付いたら、貯金を持ってきていました」
おそらくこの少年はこの王都で何らかの仕事についているのだろう、もしかしたら帝国から派遣された大工などの技術者なのかもしれない、年齢から考えてまだ大きな稼ぎはないだろうから貯金と言ってもそこまで大した額ではない筈だ。
それこそ全財産で高級娼婦を変えるか否かといった額だと思われる、娼婦と一晩遊ぶだけで貯金が全て吹き飛ぶと考えればなかなかの冒険である。
だが、そうしてでも彼はミューに相手をしてもらいたかったのだろう、他の客に取られてしまう前に。
そうまでして自分と一晩を共にしたかったと言われると、ミューとしても悪い気分にはならなかった、それだけ彼女に魅了されたということなのだから娼婦としてh素直に嬉しい。
これはまだ拙いながらも精一杯に持て成すべきだろうと覚悟を改めて、ミューは少年の肌へと触れていく。
「それは嬉しいな、ならば私も君を歓迎しよう。大事な貯金を使っても後悔させない一夜にしないとな」
「よ、宜しくお願いしますッ」
微笑みと共にミューは少年の額へと挨拶代わりにキスをした、親が子へとするような慈しみに溢れたそれは自分自身の緊張をとき解す為の物でもあるのだろう。
娼婦としての経験もまだ浅く、行為に及んだ時もどちらかと言えば受け身であったが、今回ばかりは積極的に行かなければならない。
目の前の少年は自分以上に緊張しているからだ、笑わずにしっかりと導くのが娼婦の仕事であった。
おそらくだが娼婦と遊んだ経験どころか女性との交わりすらも初めてであろう少年が相手である、年上として優しく包むように受け入れるべきだろう。
緊張でガチガチになっている少年は額にキスされた瞬間に更に体を強張らせる。
可愛らしい反応だと思いながらミューはそのまま少年へとキスを繰り返す、額から頬へと移り焦らすように唇から遠ざかって鎖骨を撫でていく。
唇が肌に触れて吐息が表面を撫でる度にピクピクと素直な反応を返してくる相手に、ミューは余裕が出て来たのか僅かな笑みを浮かべていた。
「ちゅ……ん……ちゅ、ちゅ……はぁ」
「……ひゃッ」
「ふふ、可愛らしい声を出すじゃないか」
「お姉さん、くすぐったいです」
「くすぐったいじゃないだろう……これは気持ちいいということさ」
幼さの残る容姿が目立つ相手である、そういった相手を押し倒すとやはり思い出すのはキャロルの顔であった。
胸に渦巻くのは幼い相手と肌を重ねている背徳感と、それを無視する興奮である。
もしかしたら自分は幼い容姿と情事に及ぶことを好んでいるのかもしれない、自分に隠された意外な性癖に気が付いてしまったミューであった。
まだ細く華奢な印象を与える体を柔らかなベッドに優しく押し倒し、少年の顔を見下ろす形となった彼女は、月明りに照らされた笑顔で相手を見つめる。
欲望と、好奇心と、僅かな罪悪感が混ぜ合わさり、それらを塗りつぶす大きな興奮を宿した表情でミューを見上げる少年は震えながらも視線を逸らせずにいるらしい。
「さぁ手を伸ばすんだ……震えてばかりじゃ物足りないだろう」
導くようにミューの両手が少年の両手へと伸ばされて、そのまま自分の胸へと誘導していく。
「んッ……はぁ、そうだ、優しく、優しく触れるんだ、君が思っているよりもずっと女の体は脆いからな」
「は、はい……」
向こう側が透けて見えるほどに薄い絹に包まれた体は美しい曲線を描いている、ミューはそこまで胸が大きい訳ではないがそれでも華奢な少年の掌では包み込めない程度には大きい。
指先は柔らかな乳房に触れてぎこちなく動いており、その弾力に奇妙な感動を覚えながらも導かれた通りに愛撫を続けていった。
「んぁッ!!」
「ごめんなさいッ、痛かったですか?」
胸の先端にある突起に指先が引っかかった瞬間に喘ぎ声を聞かせたミューに少年は驚いたようだ、気遣う言葉を発する。
「大丈夫……少し驚いただけだ」
安心させるようにミューはまたもキスをする、今度は額や頬ではなく唇へと。
「んッ……んんッ」
啄むような軽いキスから徐々に深くなり、最後には互いの舌を絡めあっていくほどに激しくなっていく。
そんな貪るようなキスをどれだけ続けただろうか、二人の体に熱と興奮が十分に広がった段階で唇が離れ、唾液の橋が伸びてぷつんと途切れた。
「さぁ……準備は良いかな?」
「は、はいッ」
少年の華奢な体に跨るミューは自分の臀部や股の部分に当てられている熱く固い感触に気が付いていた、大人のそれとは異なり少年らしさの残るそれはしっかりと男の欲望を溜め込んでいる。
するりと軽やかにズボンを脱ぎ去ると固く主張する肉棒を己の秘所へと宛がった。
大きすぎないそれはミュー好みでもある、これくらいのサイズの方がまだ娼婦としての経験が薄い彼女には合うのだろう。
繰り返したキスでミューも興奮を溜め込んでおり秘所には僅かな湿り気があった、少年のそれを何度も擦りつけながら互いの熱を交換するように触れあっていく。
性器を擦りつけ合うこと三十秒ほど、愛液で滑りが良くなった肉棒をいよいよ彼女は受け入れた。
「ぅッ……んぁ」
やはり大きすぎないそれはミューの秘所にぴったりと合わさっている、挿入の際に苦しい程の圧迫感や痛みも感じないのでただただ緩やかな刺激を感じるだけで心地が良い。
包み込み迎え入れた瞬間に甘い声が漏れてしまったのも、彼女の予想以上に体の相性が良いからだろう。
これはとてもやりやすい、そんな評価を与えられた少年は、しかしミュー程の余裕が無いのかギュッと体を強張らして両手はシーツをこれでもかと握りしめている様子である。
嵐に耐えるかのような姿をミューは可愛らしいと思ったのか、跨った状態で少年の両頬に手を伸ばして前のめりになり再びのキスを贈る。
「ふッ……んッ……ちゅ」
「うぁ……んん……ぷはぁッ……お姉さん、僕、もうッ」
「ふふ、構わないよ……大丈夫、私の中に解き放ってくれ」
まだ行為に及んでから数分も経っていないというのに少年は限界を迎えたようだ、必死に耐えていたようだがそもそも経験が薄いので長く耐えられる筈もなく、ミューの最奥へと簡単に解き放ってしまう。
「ふぁ……んんんんッ」
へその下辺りからじんわりと広がって来る熱にミューは体を震わせる、ゾクゾクとした快楽はそのまま腰から背中へと広がっていき最後には指先まで伸びることになる。
絶頂した訳ではないが甘い痺れである、上質な酒に酔ったかのような酩酊感まで生まれるほどであった。
「ご、ごめんなさい」
「構わないと言っただろう……何も問題はないさ、君もよく頑張ったね」
「でも、こんな、情けなくて」
もしかしたら彼の中では上手くミューを導いて主導権を握る理想像があったのかもしれない、しかし結果は何もできずに果ててしまったのだ、自信を無くしてしまったのだろう。
そんな彼を馬鹿にするでもなく、彼女は未だに自分の中にある肉棒を締め付けていた。
「ならこれから頑張れば良い……君は私を買ったんだ、今夜は私を好きにすればいいんだ、娼婦神の眷属として何度も付き合おうじゃないか」
耳元でそんなことを囁くとミューの中で固さを失いつつあった肉棒が再び熱を持つ。
幼くとも男ということだろう、跨られたまま白旗を振ることを許せなかったのかもしれない、彼はまだ頼りない両手をミューの腰へと手を伸ばして起き上がった。
対面座位の形で僅かに拮抗するが、そのまま負けじと体重をかけてミューの体をベッドに押し倒す。
「……良いぞ、そのまま私を抱いてくれ」
押し倒したは良いが、彼はカーテンの隙間から部屋に差し込む月明りに照らされたミューの体に見惚れて動きが止まってしまう。
形の良い乳房が呼吸と共に揺れ動き、滑らかな曲線を描く腰や臀部が艶めかしい、それらが薄暗い中で月明りに照らされて言葉を失ってしまう。
ごくりと喉を鳴らしてしまうことも仕方がない、ただただ美しく幻想的な存在を押し倒して見下ろしているのだ、興奮しない訳がなかった。
接することの多い同年代の少女とは何もかもが異なる存在だ、エルフという種族は美しく幻想的な雰囲気を持っていると知識では知っていても、目の前にすると噂以上だということがわかる。
「うぁッ!?」
ずんッと腹に響くような力を込めて腰を動かすとミューがたまらず声を響かせる。
突然であった為に少し驚いたような、しかし痛みを感じさせない甘い声であった、それを聞かされて気分を良くしたのか少年は拙いながらも腰を振っていく。
技術もなく慣れもない、なんだったら相手への気遣いもない乱暴な交わりであったが、ミューはそれを受け入れる。
先程に出された精液と愛液が攪拌されて滑りが良い、そんな状態で何度も腰を押し付けられていくうちに秘所を汚す粘液は泡立ち白く濁っていった。
「あッ、あッ、ああぁッ!! は、激しッ、こら、そんなに……奥ばかり駄目だぁッ!!」
少年が腰を引くとミューの秘所は離さないとばかりに締め付け、再び押し込まれると蜜壺となって受け入れる、その度に泡立った粘液が糸を引いて淫靡な音を響かせていく。
「うあぁ、あッ、あッ……んんんんんッ」
己の欲望を押し込む度に目の前にいる相手が甘い声を聞かせてくれるからなのか、少年は気分を良くして更に交わりを激しくしていった。
溶け合うように、溺れるように相手を求める姿は、沼に溺れるようにも見えてしまう。
「はぁ、はぁ、またイクのか? 中でピクピク跳ねているぞ……うッ……あッ……もう一度、私の中にッ」
「うぁ、お姉さん……出る、出ちゃうッ」
二度目の射精もそこまで長い時間はかからなかった、しかし今度はミューも共に快楽を爆発させていた。
二人の体が同時に強張る、それと同時に両者の体に甘い痺れが駆け抜けていく。
「んッ……ふッ……んああああああぁぁあッ!!?」
瞼の奥で火花が散ったかと思えば体の最も深い場所から脳天へと快楽の波が広がり、それは体を駆け巡りながら意識を甘く溶かしてしまうものであった。
「はッ……はッ……はぁ、はぁ……うぁ」
最も大きな快楽の波を体を固くして受け止めて、その波が僅かに弱まった瞬間に脱力して二人の体はベッドに沈み込む。
少年の体を受け止めてミューもまた荒い呼吸を繰り返して余韻を楽しんでいる、じんわりと汗が肌に浮かんでおり互いの熱を交換するかのように呼吸を合わせているらしい。
「んッ……あッ、どうだったかな? 私との交わりは君を満足させることができただろうか?」
「は、はい……こんなの、初めてで」
胸の間に顔を埋めて人生最高の射精に震えていた少年が顔を上げてミュート見つめ合う、赤い顔には興奮が今も宿っておりそれはミューの中に押し込まれたままの肉棒の固さへと変わっていく。
「お姉さんも、その、気持ちよかったですか?」
「ああ、とても良かったよ……ふふふ、でも、もっと君を感じさせて欲しいな」
両手が少年のうなじへと伸ばされて引き寄せられると、二人は余韻の中でキスを繰り返しながらまたもや興奮を高めていった。
「夜はまだ長い……何度だって肌を重ねられるさ」
耳元でそう告げると少年は嬉しそうな表情を見せて来る、可愛らしいそんな反応にミューは胸の奥が甘く締め付けられるような感触を思い知ってからキャロルの顔を思い出してしまう。
やはり自分は幼い容姿の相手を好むのだろう、そう自覚してしまえばどうにも言葉にすることが難しい興奮を覚えてしまった。
少年との交わりを好む等と、以前の自分ならば軽蔑していたのかもしれないが、既に諦めがついていたのか今では自分の一面なのだと受け入れることが出来ているらしい。
再び己に精を放とうとする少年を受け入れながら、ミューは甘い声を響かせる。
そこには潔癖症のエルフはどこにもいない、肌と汗と粘液を重ね合わせて愛欲に溺れる一人の娼婦が男を迎え入れているだけであった。