商人と冒険者と娼婦 作:にやまな
結論から言うと彼女たちは自分たちを付け狙う悪漢から見事に逃げおおせることができた、殺すことに手慣れた傭兵や暗殺者の集団ではなくチンピラたちだったのでそこまで難しいことではない。
迷惑料込の代金を旅籠のカウンターに置いてから正面玄関から堂々と外へと出ると、あちらもそんな対応をされることは予想外だったのかポカンとした顔をして四人娘を眺めている。
そんなチンピラたちを見えていないかのように放置して進みだす四人の後ろ姿に、我を取り戻した彼らは慌てて襲い掛かろうとするのだが、どれだけ数を揃えてもゴロツキやチンピラでしかない彼らに埋めることのできる戦力差ではないだろう。
女四人だけと舐めてかかった彼らは、その蛮勇の代価を血で支払うことになった。
まずは我先にと飛びかかった一人はシャルルに殴り飛ばされて鼻の骨を折ることになる、そして次に複数で襲い掛かった男たちはミューが持つ槍の石突で鳩尾を突かれることになってしまう。
痛みに悶絶する彼らはその段階になってようやく相手がただの女でないことに気が付いたのだが、今更どうしようもない。
彼らはただのチンピラである、戦士でも暗殺者でもない、暴力は交渉や脅しの手段でしかなく生きる為の手段ではないのだ。
握った武器と覚悟が釣り合わない彼らは痛みに悶絶する仲間を見て戦意を喪失してしまう、一斉に飛びかかれば何とかなるのかもしれないが、誰だってああはなりたくないので二の足を踏んでしまうのだろう。
そうして彼らは襲い掛かる機会に恵まれないまま、ズルズルと後を付けるだけに留まることになるのだが、それも四人娘が向かった先を見て撤退することになる。
彼女たちが向かったのは帝都の中心街にある一等地である、貴族を中心に一部の大商人などが家を置く地域でありチンピラにはまず縁のない場所であった。
そんな所に何の用があるのだろうと考えるよりも先に、彼らは雇い主の商人からの依頼を投げ捨てて逃走することを選ぶ。
当然だ、この地域を守るのは帝国騎士団の中でも精鋭中の精鋭しか入団を許されない近衛騎士が守る場所である、帝城にも近いことから近衛騎士の武力はここでも振るわれることになるのだ。
それはつまり、帝国最強の騎士であるルールーが暴れまわるということである、どんな愚かなチンピラであってもそれだけは避けなければならないと説明されなくてもわかるだろう。
寧ろそんな彼らだからこそルールーの名前は絶対的な畏怖を併せ持つ、かつて剣闘奴隷であった頃からその戦いぶりを知っているのだから。
そして四人娘がそのルールーが拠点としている屋敷の門を叩いた段階で、彼らはいよいよ逃げ出すのだった。
「上手いこといったな」
悪漢たちの気配が遠ざかっていくことを感じながらシャルルはそう言った、目論見通りことが進んで機嫌が良く見える。
そして彼女の手は今もドンドンと屋敷の扉を世話しなく叩いている、午前中に帝都で見聞きした情報でここがルールーの家だとわかっているので遠慮もない。
そうやって何度も何度も扉を叩いていると、蝶番が擦り合わされる音と共に重厚な門が開く。
「……このような時間にどちら様でしょうか?」
僅かに開いた扉から顔をのぞかせたのはルールーではなく一人の老人であった、皺が良く目立つ顔つきは初老を超えている年齢であることがわかる、そして目立つのは頭の上にある獣人特有の獣のような耳だろうか。
獣人という存在は他の国では避けられがちな、所謂差別的な対象として見られることが多く、彼らは人目を避けるように暮らすことが殆どなのだが、広大な領土と地域を束ねる帝国では獣人も珍しくない。
後は、帝国の法で彼らの権利が認められていることも大手を振って歩ける理由の一つだろう、なので帝国では亜人と呼ばれる存在を見かけることが多いのだ。
この帝都の一等地にある大きな屋敷に獣人がいることもそこまで珍しいことではないのかもしれない。
「あッ、いや、真夜中に訪ねて来たのは本当に悪いと思う、ちょっと面倒事があって……良ければルールーに話を通してくれないかな、シャルルが来たって言えば伝わると思う」
この獣人の老人はルールーの屋敷を守る家令のような立場なのかもしれないと考えたのか、ルールーへの繋ぎをお願いすると、相手は警戒しながらも受け入れて門の向こうへと消えていった。
そうして数分ほど待つと今度は重厚な扉が勢いよく開く、その向こうから姿を現したのは虎のような耳と尻尾を持つルールの姿を見せる。
「おうおうシャルルよ!! 久しいではないか!!」
真夜中の訪問であるというのに面倒そうな顔を見せることもなくルールーは朗らかな笑顔で四人娘を出迎えてくれた。
歌に聴くほどの大戦士であり、シャルルは勿論のこと他の三人もルールーのことは知っている、剣闘奴隷から近衛騎士の団長にまで上り詰めたほどの存在であるので、誰であっても一度や二度はその武勇伝を聞いたことがあるだろう。
それくらいに有名な戦士であるのだが、歌に聴くほど真面目で清廉潔白な戦士という印象はない。
それはルールーがシャルルを見た瞬間に飛びあがって抱き着いてきたからだろう、そのまま頬擦りをする姿は大戦士といった印象をどうしても吹き飛ばしてしまう。
「帝国に来ておったなど聞いていなかったぞ、しかもこんな時間に訪ねて来るとは何用なんじゃ?」
「あぁ、実はちょっと面倒ごとに巻き込まれてさ」
そこからシャルルは自分たちが置かれている状況をルールーへと説明していく、おそらく妖精の酒を狙っているであろう悪漢たちに追われていること、拠点としていた旅籠に迷惑をかけられないので逃げ出したこと、そこでシャルルの縁を使って近衛騎士であるルールーに匿って貰えないかと考えていることを伝える。
四人娘の状況をなんとなくだが掴めたのだろう、彼女はふむふむと頷いて納得してみせると特に疑うこともなく屋敷へと招き入れていく。
「カカッ、それならば手前の家で過ごせばよい、わざわざこの場所で狼藉を働くような者はこの帝都にはおらんだろうからな」
「ありがとう、甘えさせてもらうよ……しかし良い家に住んでるんだな、ここって帝都の一等地じゃん」
「そりゃな、手前はこれでも近衛騎士団の団長であるから結構な稼ぎがある。まぁそれでもこんな大層な屋敷はいらんのだが、しかし卿なんて呼ばれるようになると形は整えねばならんのよ……皇帝陛下曰くだがな」
「それでこんな立派な屋敷を建てたのか」
「いや、手前が建てた訳ではないぞ、元々はどこかの貴族の屋敷でな、内装を変える位しかやっとらん」
四人娘が案内されたのは屋敷の客間である、ルールーの言った通りもとは貴族の屋敷であったからなのか置かれている家具はどこか貴族的な煌びやかさがある。
腰を下ろした椅子なども想像以上の柔らかさに困惑すらしてしまう、場末の酒場には絶対に置いていないような椅子であった。
「さてシャルルよ、他の者も紹介してくれんか?」
「あぁ、こいつらはワタシの仲間で同じキャラバンで行動しているんだ」
シャルルが自分の両隣と後ろにいる仲間を紹介しようとして、それより早くエミリーが前に出て礼儀正しく頭を下げる。
「お初にお目にかかりますルールー卿、私たちは夏風のキャラバン、シャルルの同胞であり私はエミリーと申します」
「ん……キャロル」
「お初に、ミューリアンだ」
それぞれが自己紹介を終えると、ルールーは何が嬉しかったのかウムウムと笑顔で何度も頷いて見せた。
「ルールー卿、それで相談なのですが」
「手前のことならわざわざ敬う必要はないぞ」
「ではルールーさん、我々がこの屋敷に泊まらせていただく上で家賃などの相談をしたいのですが」
エミリーとしては世話になるのだからそこをキッチリとしたいのだろう、家主であるルールーに家賃を支払う契約を結びたいようだ。
「んん? 別にいらんぞ、無駄に広い屋敷なのだから好きに使えば良い」
「それはとてもありがたい提案なのですが、お世話になるのですからケジメはつけたいんです」
「そういうもんかの、まぁお主らがそうしたいのなら受け取るが……ただ手前は金に困っている訳でもないのでなぁ」
そこで言葉を区切って深く考え込むルールーは、四人娘をそれぞれ見比べながら最後にニヤリと笑う。
「どうせなら金ではなく体で払ってくれんか? 手前としてはそちらの方が嬉しいのでな」
好色な笑みを浮かべながらそんな要求をしてくるルールーに四人はそれぞれ視線を重ね合わせる。
「ああいう奴なんだ」
シャルルだけはルールーの要求を予想していたのか納得したような顔をしていた。
「ん……私は別に良い」
「ミューさんはどうでしょうか?」
「資金もそこまで潤沢ではないので、節約できるのならば嫌とは言わないが……エミリー殿はどうだろうか?」
「私も構いませんよ、家主の方針なので可能な限り尊重しましょう」
家賃の代わりに体を売ること自体に反対意見はないらしい、纏まった活動資金が手に入るまで節約したいという考えも尤もであるので自然と受け入れられた。
「おぉ!! では良いのだな!? 今更嫌と言っても聞かんぞ!!」
「おいこら、担ぐなッ、急かさなくてもちゃんと相手するっての」
方針が固まった瞬間にルールーは嬉しそうな飛びついてきて獣人らしい逞しい膂力でシャルルの体を抱き上げて肩に担ぐと、空いたもう片方の腕はついでとばかりに隣にいたキャロルへと伸びて小脇に挟んで持ち上げる、そうやって二人を抱き上げた姿は人攫いのようにも見えなくもない。
「ほれほれ、エミリーとミューであったな? お主らも付いてまいれ、さっそく交わろうぞ」
「えッ、今すぐにですか!?」
「当然じゃろうが、手前も仕事で忙しいのでな、やれる時にやりまくっておかねばな、ほれ付いてこい」
キャロルとシャルルはルールーに担がれて、エミリーとミューはその大勢のまま屋敷の奥へと進んでいく背中を追いかけるように移動していき辿り着いたのは寝室であった。
大きく柔らかなベッドの上に担いでいた二人をポイっと放り投げると、すぐにルールーもそこへと飛び込む。
元々は貴族の屋敷であったことから寝床も極めて上質な物である、三人分の体重であっても難なく柔らかな反発を返してきた。
「カカッ、こうして女子を侍らすのも久しぶりじゃわい!!」
「ん……久しぶり?」
エミリーとミューも招かれるままベッドの上に腰を下ろすと、ルールーを中心に四人娘が侍るような形となった。
「おうとも、手前らの種族は略奪で生きていたのでな、食い物も金も、男も女も奪って己の財産とするのだ……まぁやり過ぎて帝国騎士に追い回されることになってしまったが、あの頃はこのように攫ってきた女子に囲まれてそりゃ楽しかった」
ルールーの右手がキャロルに伸びて華奢な体を引き寄せる、そして左手ではエミリーを引き寄せた、そうやって二人を両脇に置くと彼女はとても満足そうに頷く。
「それは、ランジュ族の習慣ですね」
「おぉ、そうじゃとも、手前の種族のことを知っておったのか」
「文献で読んだことがあります……その、色々と問題を起こしたとも」
「カカッ、そうとも、やりすぎて手前も一時期は剣闘奴隷になっておった、今でこそ近衛騎士なんてやっとるがな」
現在の皇帝が即位する際に恩赦によって奴隷身分から脱したということだ、それまでは闘技場で色々な相手と戦ってきたらしい。
「こうやって色々な女子を囲っておると昔を思い出すぞ、あれはあれで良かったなぁ、そりゃ好き勝手やっておったのでな」
服を雑に脱ぎ散らかしたルールーはどこか昔を思い出すかのように遠い目となる、過日を懐かしんでいるのかもしれない。
しばらくそうしていると、思い出したかのように両脇にいたキャロルとエミリーに視線を向けて、唐突に唇を寄せていく。
「うむッ!? んッ、んッ、んんんんんッ!?」
味見とばかりにまずはエミリーの唇を奪う、やや乱暴に唇を割って舌を絡めると、すぐに離れて今度は右の脇にいたキャロルへとその舌を伸ばす。
様々な甘露を次々と味見するかのような行為だ、彼女からしてみればまさに味見なのだろう。
自分の周囲に侍る四人の少女をこれから味わおうというのだ、舌触りは重要である。
「キャロルと言うたな、そなたも味合わせてくれ」
返答を聞く前に唇を割って舌を差し込まれてしまった、相手の舌先を絡めとるように口内で動きまわっていく激しい接吻だ。
「んッ……~~~~ッッ!!」
貪るようなキスにキャロルはくぐもった声を上げるが、抵抗するそぶりは無くされるがまま舌を絡めあっていた。
「ぷはッ……カカッ、やはり接吻は女子とするに限るな」
キャロルからようやく唇を話すと二人の唇からは唾液の糸が伸びてプツッと途切れて消えると、あまりにも激しい貪りにキャロルはくてっと体の力を抜いて体重を預けて来る。
両脇に置いた二人がキスで興奮を覚えたのか両腕からは熱い体温が伝わってきており、それを感じ取った彼女はやはり満足気に頷いて見せるのだった。
ベッドの上で大きなクッションに背中を預けた姿勢で両脇にはエミリーとキャロルがいる、そして残ったシャルルとミューはルールーへの奉仕に加わっていく。
「そんじゃあワタシらもやるか?」
「あぁ、とはいえどうすべきか……」
「適当に奉仕すれば良いさ」
「うむうむ、こちらは準備万端なのでな」
ルールーの下半身には立派な男性器が聳えている、房中術で一時的に作った訳ではなく種族特有のものである、彼女は雌雄同体の体を持つ種族ということだ。
そんな特徴を持つことから性の対象がかなり広い、男とも女とも交わりその辺は個人の趣味嗜好でしかないらしい、ルールーはどちらかと言えば女性と交わることを好んでいるのだろう。
近衛騎士になる前に部族を率いていた頃は、今のように各地から攫ってきた女性を大勢侍らせていたらしい。
「んんッ……相変わらず大きいな」
シャルルは衣服を脱ぐとルールーの肉棒へと舌を這わせて口での奉仕を行う、それに倣うようにミューもまたベッドの上に体を並べて唇を近づけていく。
エミリーとキャロルは熱を持つ体をルールーに預けながら両脇で侍っていた、二人とも肉棒へ奉仕するシャルルとミューを興味深そうに眺めている、もしかしたら自分が奉仕することを想像しているのかもしれない。
「んむッ……んッ、ちゅ、ちゅ、はぁ……確かに大きいな、それに凄まじい生命力を感じる」
二つの舌先が奉仕する肉棒は大きく固い、咥えこむことに苦労するサイズなので二人の唇や舌は竿や亀頭へと吸い付くことになっていた。
感じ取ることのできる興奮や熱は凄まじい、マグマのような煮えたぎる情欲がそのまま固さとなっており、これを最も深い部分で受け入れることを想像するだけで四人の体は熱を帯びていく。
チロチロと舌を動かして先走りの汁が滲む亀頭へシャルルが奉仕すれば、それを助けるようにミューは根元を舐め上げる、そうやって二人して奉仕を続けていくと頭上から甘い声が響く。
どうやらルールーが両脇に侍らせているエミリーとキャロルへと再び手を出し始めたようだ。
「カカッ、ほれほれここが良いのかぁ?」
「んッ、んやぁ……つまんじゃダメッ」
「あんッ……そこは敏感なんですッ」
両脇に置いた二人の肌を指先が撫でていく、慎ましい乳房の先端にある桜色の突起を摘みあげ、もう片方の手では秘所へと潜り込んで肉芽を突きまわす。
肉棒に二人がかりで奉仕させ、その状態で自分の両脇にいる美少女へとちょっかいを出している姿は、ハーレムを築く好色の貴族といった様子である。
それぞれ異なるタイプの美女や美少女に囲まれて気分が良いのだろう、独特の笑い声がよく部屋に響く。
「カッカッカッ!! ええのう、ええのう、やはり交わりはこうでなくてはならん!!」
昔の好き勝手していた時代を思い出したのかルールーはとても機嫌がよさそうである、両脇にいる二人に気まぐれにキスをして、肉棒へ奉仕する二人の頭に手をやって髪を撫でていく。
「さぁて、最初は誰から味わおうかの?」
猫科を思わせる瞳で四人を順番に眺めていくルールーの姿はなんとも楽しそうである。
大きく固い興奮と熱を宿した股間がピクリと跳ね上がり、その逞しさを改めて見せつけられた四人は、これからの交わりを想像してそれぞれ喉を鳴らすのだった。