商人と冒険者と娼婦 作:にやまな
シャルルとキャロルが帝都を離れて西部方面へ荷馬車を走らせている頃、帝都での待機組であるエミリーとミューも忙しくしていた。
自分たちの持つ資金を新通貨へ両替することもそうだが、せっかく帝国銀行へ行くのだから自分たちの口座も作りたいという考えから、様々な書類を製作する必要がある。
それは商人としての実績であったり、どれほどの収入があったりなど、かなり厳しく精査されるのは間違いない、だがそれらの諸々の手続きを乗り越えれば晴れて帝国銀行に自分たちの金庫を作ることだってできる、融資の話だって通しやすくなるだろう。
大商人ならばともかく、融資も金庫も彼女たちにはまだまだ必要としていないのだが、将来に備えてということなのだろう、その時になって慌てるよりはずっと良いのかもしれない。
ただ、やはりだが簡単にとはいかない、銀行側だって不審な相手を自分たちの懐に入れたくはないので、わざわざ神殿から嘘を見抜くことのできる神官を呼ぶほどである、なので彼女たちが作る書類もミスが無いようにと慎重に作る必要があった。
それらの書類仕事に加えてエヴァからの依頼もある、帝都での縁づくりもある、情報収集もあれば儲け話は無いかと嗅覚を鋭くさせる必要もある、シャルルやキャロルならば面倒でやりたくないと思うのかもしれない。
しかしエミリーやミューは書類の製作などはそこまで苦にはならないらしい、エミリーは魔術の論文が書ける位には筆を走らせられるし、ミューは末席だが王族の血を引いているのでその辺りの教育はしっかりなされている。
また、書類仕事をそもそも苦しいことだという意識が皆無なので、二人の持つ羽ペンが虚空を彷徨うことはなかった。
「エヴァ殿から依頼があったのは二日後だが、それまでには間に合いそうだな」
手元にある銀行への提出用の書類をめくりながらミューがそんなことを言うと、対面で同じように書類を作っていたエミリーが頷く。
「そうですね、それまでには纏めちゃいましょう、両替する時に一緒に提出できるように」
「あぁ、ただ我々はまだ商人として実績が少ない、不備なく書類を出したとして上手く銀行口座など作れるだろうか?」
「あぁ~、確かにそうですね、簡単ではないでしょうけど、別に失敗したらそれはそれで良いんですよ」
「うん? そうなのか?」
「えぇ、仮に失敗したとしても次に提出する時は一度目と比較されるでしょうから、銀行側もそれを参考にする筈です。もし将来、私たちのキャラバンが帝国銀行に融資や借金などを願ったとして、今より大きな取引や収入などがあれば話も通しやすいでしょう」
「なるほど、これらはその時への試金石となる訳か」
「一度で認められたらそれが一番なんですけどね」
「将来を考えた準備と考える位が良いのかもしれないな、私も頑張るとしよう」
「シャルルとキャロルはこういった仕事を苦手にしてますから、ミューさんがいてくれて良かったです」
「新参の私が力になれたのならそれは幸いだ……しかしシャルル殿とキャロル殿はこういった仕事が苦手なのか」
「できないということはないんでしょうけどね」
エミリーの苦笑いを見てミューは何とも言えない表情を作る、そこで彼女が思い出したのは主と仰ぐ少女の姿であった。
仕事で暫くの間、離れることになってしまったのだが、キャロルは今どうしているだろうかと彼女は考えてしまう。
共に行動しているシャルルのことを信頼していない訳でもないのだが、例えシャルルがどれだけ強かったとしても心配しないことには繋がらないのでやはり不安は大きい。
共に行動するようになってここまで離れ離れになるのは初めてのことである、可能ならばシャルルの代わりに共に行動したかったのだが、エヴァからの依頼もあり暫くは帝都に釘付けになってしまった。
仕事に不満は無いのだが、それでも胸の奥ではキャロルと離れてしまったことに僅かな不安と寂しさがあるのだろう。
そんなミューの内面を察したのか、エミリーが少し考え込むように小さくむむむと唸って見せた。
「キャロルのことが心配ですか?」
「ん? そういう訳では……いや、違うな、心配しているのだろう」
「シャルルもいますから大丈夫ですよ、キャロルだって凄く強いんですから」
「あの二人の実力を信頼していない訳ではないんだ……ただなんだろうな、う~む、言葉にするのが難しい感情があるようで、少し持て余しているんだと思う」
「つまりキャロルと離れて寂しいということですか?」
「そ、そんな幼子のようなことは考えていないッ……おそらく、だが」
自分の発言に説得力を感じられなかったのか、ミューの言葉は徐々に力を無くしていく。
「寂しいなどと思うこと自体が間違っている、主に奉仕するのが従者の仕事であってそのような思いを抱くなど……」
「そもそもキャロルはミューさんを従者だと思っていないと思いますが」
「そんなことはないッ!! 私はキャロル殿に主従の誓いを受け入れて貰ったのだから」
ミューは今でも思い出すことができる、黄金の槍を下賜された瞬間のことを。
戦士にとって重要な儀式であり、彼女にとって生まれ変わったと言っても過言ではない瞬間でもある。
尤も、正しい意味でその戦士の儀式がキャロルに伝わったかどうかは妖しいものである、自分の価値観と人間の価値観にズレがあることを理解し始めているので、あまり強く主張できる自信がないのだろう。
自分はキャロルの従者である、そう認識できるだけの確固たる意志が薄いのだ。
或いはキャロルが主として相応のふるまいをしていたのならば、ミューも自信を無くすこともなかったのかもしれないが、キャロルはどこまでも仲間としてか扱っていない。
なのでキャロルへの奉仕もどこか空振り気味であった、そんな悩みの持っていく場所も無いので不安は募るばかりであった。
「……だが、まぁ、空振り気味であることは認めるしかない」
「ミューさんはキャロルにどうして欲しいんですか?」
いつの間にか、エミリーが項垂れるミューの背後に立って鮮やかな金髪に指を滑らしていた、幼い子供の髪を結うかのような動作だ。
「どうして欲しい等と、そんなことは……忠誠や奉仕に対価を求めることはあってはならないと」
よく手入れされた髪はエミリーの指に引っかかることはない、するりと解けて毛先まで案内していく。
そんな感触も両者共に心地いいと感じているのか、暫くそのまま時間が過ぎた。
「きっとミューさんは難しく考えすぎなんですよ、私たちは仲間なんですから忠誠や奉仕だなんて言葉は似合いません」
「……そうだろうか?」
「はい、そうですよ、キャロルもきっとそう考える筈です」
髪を梳かしていたエミリーの両手がミューの両肩へと置かれた。
「すまないエミリー殿、気遣い感謝する」
「いいえ、仲間なんですから当然です。くどいようですがあまり難しく考えないでください、私もキャロルもシャルルも、貴女のことを仲間だと思っているんですから」
従者だと思っているのはミューだけである、そこら辺の認識をハッキリさせたかったのかもしれない。
今後もキャラバンの仲間として共に歩んでいくのだから、そこの認識のズレだけはしっかりと正したかったのだろう、きっとそれは大事な場面で大きな意味を持つだろうからと彼女は考えた。
「仲間なんですから助け合いましょう、忠誠や奉仕ではなく……それが何よりも重要ですから」
「あぁ、全くもってその通りだ」
肩に置かれた手に自分の手を重ねると、互いの指先から熱が通じ合う。
「誤解の無いように言っておきますけど、ミューさんの考えや思いはとても嬉しいものなんですよ? 私にとってもキャロルは妹みたいな存在です、そんなあの子を大切に思ってくれるなんて、嬉しく思います」
それが忠誠であれ奉仕であれ、大切に思ってくれるのなら嬉しいのは間違いない、きっとシャルルも同様に思うだろう。
「嬉しく思いますし、ちょっと嫉妬もしちゃいますね」
「うん? 嫉妬?」
「えぇ、ミューさんみたいな素敵な方にそれだけ想われるんですから、ちょっとだけキャロルが羨ましく感じてしまうんです」
肩に置かれていた両手が滑るように前へと移動して、ギュッとミューを抱きしめる形となった。
「エ、エミリー殿?」
「どうしました?」
「いや、その……」
長く尖った耳の裏で感じるのはエミリーの熱い吐息であった、興奮が交じったそれが耳たぶやうなじを撫でているのだ。
「ふふふ、ちょっとだけ興奮しちゃいました。ミューさんの匂いが良くてつい……それにせっかく二人きりだというのに、ミューさんはキャロルのことばかり、寂しいです」
すねたようなそんな言葉にミューは狼狽えていた、手元にあった書類が指先をすり抜けてルールーの屋敷の床へと滑り落ちてしまう程に。
偶にエミリーはこういうことがある、仕事が終わってから晩酌をして酔った時などが主であり、瞳に妖しい興奮を宿して迫って来るのだ。
そういう時は結局肌を重ねることになる、シャルルとキャロルも巻き込まれてミューもベッドに引きづりこまれてしまう。
今のエミリーはそういう時のエミリーだ。
「今日はキャロルもシャルルもいませんけど……偶には二人でというのも悪くはありませんよね?」
「い、いや、待たれよ、まだ仕事が残っていて……んッ」
ふっ、と耳たぶへ吐息を吹きかけられると、それが毒のように広がって痺れへと変わっていく。
「やっぱりキャロルと一緒の方が良いですか? ミューさんは私やシャルルと肌を重ねるよりも、キャロルとする方が反応が良いので」
「そ、そんなことは……ふぁ」
今度はチロチロと舌が蠢き耳を撫でて来る、それは吐息以上に体を震わせて力を抜いていった。
流されては駄目だという考えと、このまま肌を重ねても良いんじゃないかという気持ちが混ざり合いせめぎ合って膠着するのだが、そんな隙を見逃す筈もなく今度は柔らかな唇が耳の先端を甘噛みするのだった。
「ぅ……んンッ」
「ふふ、大丈夫ですよ、あむ……ん……キャロルたちが帰ってきたら、その時は一緒に楽しみましょう、でも今は二人きりですから、ね?」
不思議なことに耳元でそう囁かれると脳が梳かされるような熱が広がった、ミューは気が付いていないようだが房中術によって興奮を大きくされているようだ。
「ミューさんが悪いんですからね? 二人きりだというのにキャロルのことばかり、そんな意地悪なことをされればこうもなります」
いや、それはない、そんな言葉が出そうになるのだが、そうなる前にエミリーの歯が尖った耳の先を柔らかく噛んで来たので、震えによって引っ込められてしまう。
耳を好き勝手に蹂躙されていき、このままでは腑に気に押し流されてしまうとわかっていながら、房中術によって弄ばれているので抵抗しようという気持ちが徐々に薄くなっていく。
そしてエミリーの指先が胸へと伸びて、服の上から愛撫された瞬間に、ミューはいよいよ抵抗することを諦めるのだった。
体から力が抜けたことを感じ取ったのか、邪悪な魔女はにんまりとした笑顔を浮かべると、柔肌を好き勝手に弄んでいく。
「うぁ、あッ……ん、ふぅッ……いやぁ、それは、ダメだ……エミリー殿ッ」
指先は服の上から乳房を弄り、その状態でミューの尖った耳を舌で愛撫する、蛇のように妖しく蠢く舌先は巧みに興奮を引き出していき、堪らず甘い声を引き出すのだった。
流されていると言う自覚はある、ただやはり抗えない。
房中術の影響もあるのだが、それ以上に彼女が慣れてしまったというのが大きいのかもしれない、最初の歓迎会でいきなり四人で肌を重ねることになり、それからも機会があれば共に枕をしている。
エミリーとだって、他にシャルルやキャロルがいる中で交わったこともある、そんな経験が何よりミューの抵抗心を奪うのだろう。
彼女たちと肌を重ねることが日常になりつつある、体と心が受け入れてしまっている、だから体が甘く痺れるのだ。
乳房を服の上から撫でる指先も、甘味を舐めるように動く舌も、全てが慣れ親しみを覚え始めたものである。
エミリーのそれもそうだが、シャルルやキャロルとの交わりだって同様である、特にキャロルを前にした時は――。
「む、またキャロルのことを考えてますね」
キャロルが甘い声を響かせている光景を思い浮かべた瞬間に、不満そうなエミリーの声が届く、房中術で繋がった状態なので相手が何を考えているのか簡単にわかってしまうようだ。
自分と愛し合っているというのに、その相手が別の誰かを思い浮かべている、それが不満であると同時にやる気に繋がったのか、エミリーはやや乱暴にミューの腰を抱き上げて作業していた机へと上半身を押し付けた。
机の上に上半身を預けて臀部をこちらへ突きつけるような体勢である、きゅっと締まったそこは丸みを帯びており艶やかな曲線を帯びている。
良い尻だ、そんなことをエミリーが思ったのかどうかはわからないが、感触を楽しむかのように撫でまわしていた。
ミューはあまり胸は大きくない、エミリーやシャルル程の存在感はないのだが、臀部の丸みは彼女の方が良いのかもしれない。
「ミューさん、今はキャロルがいないんですから、私だけを見て想ってください」
臀部を突き出す体勢のミューへ圧し掛かり、耳元でそう呟けばゾクリとした震えが帰って来た。
「うぁ、ひゃッ……や、やめ……耳を舐めないでくれぇ、変になりそうだ」
「ふふ、ここが弱いんですよねぇ……わかりますよ、音とか熱とか、凄く近くに感じられて気持ちいいですものね、ちゅる」
「うやぁッ」
耳たぶを舐め上げると途端に情けない声を聞かせてくれるので、ミューを攻める時はいつもこうして耳を弄んでいるようだ。
ただやはり、キャロルが同じように耳を愛撫するとミューの反応は一際大きなものとなる、僅かな抵抗心が垣間見える今の状態とは異なり、完全に声も思考も蕩けさせてしまう。
自分とキャロルで何が違うのだろうか、メラメラと嫉妬とも対抗心とも表現できない感情が胸の奥から燃え上がっていき、それによってエミリーの愛撫は少しばかり乱暴なものとなった。
慣れた手つきでミューが身に纏っていたベルトを外して衣服を剥ぎ取ると、下着も乱暴に下ろす。
膝元付近で下着が引っかかってしまうが、それを気にすることもなくエミリーは湿り気を帯び始めていた秘所へと指をやった。
「んんんッ!?」
「あら、しっかりと濡れてますね、これなら前戯は必要ないかしら」
くちゅりと音を立てて指先に纏わりつくのは粘度のある愛液だ、膝元まで下着を下ろした時に糸を引いていたのでわかってはいたことだが、実際に指先で確かめてエミリーは機嫌を良くしたらしい。
嬉しいのだろう、自分の指や舌で相手が感じていることが。
「はぁ、はぁ……エミリー殿、うぁあ」
「んん~? どうしました?」
濡れる秘所へ伸ばされた指は愛液を掬い取るかのように細かく動いているが、表面を撫でるだけで中には入ってこない。
「うッ……ふぅ……お、奥まで……ん」
「ふふふ、欲しいんですね……良いですよ……んんッ……ふッ……はぁ~」
甘く熱っぽい吐息を響かせると、エミリーは房中術で男性器を一時的に生み出す。
女の興奮とはことなるそれは熱く脈動しており、大きく反りかえりながら先端を濡れそぼる蜜壺へと押し当てた。
濡れる膣口に亀頭が触れた瞬間に、ビクッと反応を返す丸い臀部を愛おしそうに撫でながら、エミリーは己の興奮を押し込むのだった。
「んんんッ!? うッ、あッ……いつもより、大きいッ!?」
「んふッ……あッ、うッ……だって、ミューさんが意地悪するから」
「そ、そんなことはしていないッ……うあぁッ」
「い~え、キャロルのことばかり考えて私をじらしました、それでやる気が出て来たんです」
机に上半身を預けて臀部を突き出す形なのでなかなか思うような抵抗ができないのか、ジタバタと体を動かすだけで何の効果もなく、エミリーが腰を揺さぶるだけで丸め込まれてしまっている。
この体勢ではただ蹂躙されるだけであった。
「だから今日は……んッ……キャロルより私を見て感じてくださいね」
「ひゃあッ!!?」
言葉と共に勢いよく腰を押し込むと、最奥に届いた衝撃と圧迫感に苦し気な声が漏れ出た。
しかしその中には確かに甘い熱が込められている、耐え切れないと言わんばかりの苦悶と言えるだろう。
それはエミリーが腰を振る度に大きくなっていき、徐々に苦痛が取り除かれて行って最後にはただただ蕩けるような甘い声を聞かせてくれる。
世の男はそんな声で喘がれれば征服欲を満たされるだろう、エミリーは男ではないが房中術で男性器を生み出しているので、現在は男の欲望が強い傾向となっていた。
だからなのか、ミューの喘ぎ声にエミリーは満足そうに笑顔を見せており、より体重を押しかけて激しく腰を振るのだった。
「おッ、おッ……うッ……良いですよ、ギュッと締め付けて来て、あはッ」
「エ、エミリー殿ぉ……は、激しい、あッ、あッ、あんッ……激しすぎるッ……もっと、ゆっくりッ、んあッ!!」
「ゆっくりですか? あッ、んんッ……そんなこと言ってもいいんでしょうか? ふふ、いじめちゃいますよ」
絶頂寸前まで追い詰められていたミューは自らの要求通りに緩まった腰使いを感じ取り、これで一息つけると考えたのだが、その動きはあまりにも緩やかなものであった。
激しさは無い、ただ緩やかに腰が震えるだけであり、どこかもどかしさを感じるものである。
「はぁ~、はぁ~……エミリー殿、貴女はとても意地悪だ」
「そんなことありません……ミューさんがそうしてくれって言ったから、その通りにしたんです」
エミリーの腰は動かない、荒い呼吸と共に僅かに揺れるだけなのだ。
そのもどかしさに、その物足りない動きに、堪らずミューが抗議の声を上げてしまう、自分から言い出したことだがこれはあんまりだと。
「う、動いてくれ……こんな、生殺しの状態で、放置などッ……うぁ」
「もう、やめてと言ったり動いてと言ったり、わがままなんですから」
口ではそう言いながらも、楽しくて仕方がないという雰囲気を隠さないエミリーは、グッと体を押し付けて唇を尖った耳へと近づけていく。
そして耳朶から脳を梳かすかのような熱を込めてこう囁くのだ。
「ミューさん……ふふ、キャロルとするのと、私とするの、どちらが気持ちいいですか?」
「ふぁ……そんなこと……んッ……い、言われてもッ」
「ちゃんと言ってくれないと……ふふ、もっと意地悪しちゃいますからね」
緩やかに腰が前に出される、あまり強くは無くやはりもどかしいものであった。
「うぁッ……はぁ、はぁ~……私はキャロル殿の、従者でッ」
「それじゃあここで止めちゃいましょうか? そんなにキャロルキャロルと言われてしまいますと、こちらも申し訳ない気分になってくるので」
今度は腰が円を描くように動かされる、大量の愛液を太ももへと垂れ流す蜜壺はぐちゃぐちゃと淫靡な音を響かせるが、その動きは決して激しいものではない。
「さぁ、どうして欲しいんですか? 私に聞かせてください」
トドメを刺すかのように亀頭で子宮を押し上げると、それがミューの守っていた最後の砦を突き崩してしまう。
この魔女め、そんな文句を心で思いながらも、口から出て来たのは甘くねだる言葉なのだから、ミューとしてはやるせない気分なのかもしれない。
「も、もっと……犯して欲しい……うッ……エミリー殿に」
「ふふ、それだけですか?」
耳元に吹きかけられる吐息が堪らなく熱い、それは彼女の心を溶かすには十分な熱であり毒であった。
「キャ、キャロル殿より……エミリー殿が、欲しいんだ……はぁ、はぁ、これで良いだろう?」
待ち望んだそんな言葉にエミリーはゾクゾクと体を震わした、房中術を使って男性器を生やしている影響なのか、彼女の中に男らしい征服欲がありそれが満たされているのだろう。
「ふふふ、ごめんなさい、ここまで意地悪するつもりは無かったんですけど、ミューさんがあまりにも可愛くてつい……大丈夫ですよ、キャロルだってきっと許してくれますから」
そもそもキャロルは気にしていないだろう、ミューのことを独占するような気持ちも無ければ従者として認識しているかどうかも妖しいのだから。
こうしてエミリーとミューが仲良くしている光景を見たとしても、楽しそうに混ざろうとする姿の方がしっかりと想像できてしまう。
「それじゃあ……はぁ~……いきますね」
攪拌されて白濁した愛液に満たされる秘所に、大きな欲望の塊が再び押し込まれて最奥を突く、そして張り付き舐めしゃぶって来る膣壁を擦り取るように引き抜き、また押し込む。
やるのはその繰り返し、ただ動きはもどかしさを感じさせないほどに激しいものであった。
「あッ!? あッ!? んぁぁああああああああッ!!?」
そんな激しい腰使いにじらされていたミューは堪らず快楽を爆発させて絶頂へと押し上げられる。
激しすぎる快楽に体をジタバタと動かして痙攣を続けるのだが、背中に感じるエミリーの体重に押し付けられてまともに動けないまま、大きな波が過ぎ去るのを待つしかないようだ。
そしてエミリーもまたキツく締め上げて来る蜜壺に感触に、己の欲望を最奥へと射精する。
「あぁ~……あぁ~……あッ……あん……んん」
興奮と熱の全てをミューの最奥へ放ったエミリーは腰を震わせながら上半身を傾けて体重の全てを相手に押し付けていた、その体勢のまま両者は暫く痙攣を繰り返して最も大きな波が過ぎ去るのを待つ。
そこから呼吸を整えて、エミリーは再び唇を尖った耳へと這わせるのだった。
熱く、柔らかな感触を受けて何度目かの甘い声が響く。
「はぁ、はぁ……ミューさん……あむ、続きは、ベッドでしましょうか?」
そんな誘いに、蕩けきった顔で涎を垂らすミューは、ただ頷きを返すだけであった。
二人で楽しめる時間はそれほど長くは無い、それまではたっぷりと楽しむつもりなのだろう。
少しだけキャロルに申し訳なく思う気持ちもあったのだが、帰ってきたら精一杯歓迎しようと考えて、思考をミューとの甘く爛れた生活へと向けていく。
四人で楽しむのも良いが、二人で楽しむのも良いものだ、そんなことを考えながら彼女はベッドにミューと共に倒れこむ。
そしてキスを繰り返しながら、また肌を重ねるのだ。
シャルルとキャロルは今頃どうしているだろうか? そんなことを思いながらも、二人の熱は溶けあっていくのだった。