商人と冒険者と娼婦 作:にやまな
大きな何かが近寄って来るような存在感を肌で感じ取ったことで、シャルルは視線を上げて夜空を眺める。
雲一つない夜空には星と月が鮮やかに輝いており、その中で一際輝く明かりを見つけてシャルルは大きく手を振った。
「おお~いッ!! ここだここ!!」
自らの存在を主張するように勢いよく振られる両腕に気が付いたのだろう、一際輝く光が彼女の元へと舞い落ちて来る。
流れ星のようなそれは、近くで観察してみると鮮やかに輝く不死鳥であった。
「ピィ~ッ」
「よしよし、いい子だ。ほらおやつだぞ」
腕に爪を立てないように着地したのはヘステアである、帝都からの手紙を運んできたのだろう。
一仕事終えたヘステアは差し出された燻した豆を嬉しそうに啄んでいる、そんな姿を眺めているシャルルは「こいつ太ったな」と内心では思いながら、背中にある小さな鞄から手紙を取り出す。
そして代わりに自分たちが西部方面で手に入れた様々な情報が書かれた手紙を鞄に入れると、腕を振ってヘステアを再び空へ解き放つのだった。
流れ星のように光の尾を引きながら空を駆けるヘステアを見送って、シャルルは手紙を開いて盛大に眉間に皺を寄せてしまう。
手紙の差出人はエミリーで、書かれているのは最近の帝都での情勢だ、てっきり以前と同じで穏やかな内容なのかと思っていたのだが、想像を遥かに超える内容に眉を顰めてしまったのだ。
「黄金の悪魔って……物騒過ぎるだろ」
どうやら帝国で話題の偽造通貨は悪魔の仕業であったらしい、エミリーからくれぐれも身辺に気を付けて早々に持っている旧通貨に祝福の力を叩きこむべしというアドバイスに従い、シャルルは慌てて懐から財布を取り出す。
そして神に祈って加護を受け取ることもなく、己の内側から湧き出て来る祝福の光を財布へと押し付ける。
中には取引で手に入れた旧通貨が幾つか入っている、普段ならば特に気にすることもないのだが、悪魔が紛れているかもしれないと知ったならば呪いの品のように思えてしまったのだろう、実に迅速であった。
「▇▇▇▇▇▇」
効果はすぐに現れる、財布代わりに使っていた革袋から不快な叫び声が聞こえて来たからだ、慌てて紐を緩めて中には行っていた通貨を地面に投げ捨てると、グネグネとうねるスライムのような存在が這い出て来る。
「うわ、なんだこいつ……」
財布の中に入っていた金貨の一部は黄金の悪魔の擬態であったのだろう、シャルルの祝福の光によって致命的な痛痒となったのか、のたうち回りながら徐々に力を無くしていき最後には蒸発して黄金の悪魔は消えていく。
「あんまり強くはないんだな」
そこも手紙に書かれていた通りである、シャルルは地面に投げ捨てられた通貨の中で無事であったものをかき集めて財布に戻すと、行動を共にしている騎士団がいる場所へと歩を進めるのだった。
そもそも今のシャルルとキャロルは騎士団に雇われた傭兵という立場である、雇い主のそばを離れるのはあまり良いことでもないだろう。
僅かに早歩きになりながら向かうのは騎士団が駐屯している開拓村であった、地方ならばどこにでもあるような場所であり、最西部方面へ向かうにあたって村長と交渉して世話になっているらしい。
お礼を支払って騎士たちが消費する食料や部屋などを融通してもらっているのだろう、この開拓村を経由して明日の朝に更に西へと進む予定であった。
当然ながら雇われているのだからシャルルとキャロルもそこに同行することになる、騎士たちと同じように開拓村にある家の一つを借りて今夜は過ごすつもりだ。
帝都から送られてきた手紙に書かれていた内容もキャロルと共有したい、そんなことを考えながら自分たちに宛がわれていた家の扉を開くと、シャルルを出迎えたのは艶やかな喘ぎ声である。
「あッ……あッ……んんッ……あはッ」
「あぁ、シャルルさん、お世話になっております」
部屋の中心にいるのは妹のキャロルだ、そしてそんな彼女を取り囲むのは屈強な男たちであった。
既に幾度かの交わりを終えていたのか、キャロルの華奢な体は汚れきっており、男の物を受け入れる秘所からも白濁した粘液が伸びている様子だ。
それでもキャロルは複数の男たちとの交わりを続けており、快楽に蕩けきった顔をしながら姉に視線を向ける。
「うッ……んんッ……シャル姉……手伝ってぇ……あッ、あッ」
前後を屈強な男に囲まれながらそんなことを言ってくるキャロルに、シャルルは盛大に溜息を吐きながらも、身に纏っていた衣服を徐々に脱いでいく。
騎士団は基本的には男所帯である、誰も彼もが体力を持て余しているような戦士ばかりだ、そんな場所に娼婦神の聖印をぶら下げて混ざればこんな状況になるのは自然な流れなのかもしれない。
シャルルとキャロルも、しっかりチップを貰えるのならば嫌とは言わなかったのだろう、こうして暇と体力を持て余した男たちの相手をしているようだ。
騎士団の規律の面を考えて適度に発散はさせることを良しとしているのか、ロビンフッドもルールーも煩くは言わないらしい、鬱憤を溜められて一般市民に乱暴するよりは娼婦としっかり契約を結んで遊ぶ方がずっと健全で安全なのだろう。
別にそれはシャルルとキャロルだけの仕事ではない、騎士たちも立ち寄った宿場町などでは娼婦によく声をかけるしかけられもしている、この開拓村でも未亡人らしき女性が懐を温める為に騎士たちと契約を結んでいたりした。
何十人もの男が集団で行動していると、色々と需要があるということなのだろう、二人もまたしっかり契約を結んでその需要に預かっているのだ。
「あぁもうドロドロじゃんか、アンタらも一人相手に頑張り過ぎだっての」
部屋の中にいる騎士団の男は十人ほど、シャルルがヘステアを探している間に楽しんでいたのだろう、キャロルの華奢な体で全ての興奮と欲望を受け入れていたのならば、蕩けきってしまうのも当然である。
「ほら、今度はワタシが相手してやるから、ちょっと休ませてやってくれ」
さすがに騎士に男たちもドロドロに汚れきっているキャロルを見てやり過ぎたと思ったのだろう、少しだけ申し訳なさそうな顔をしていた。
それでもシャルルが相手をすると宣言した瞬間に股間は熱くなっているのだから、顔と下半身が一致していない。
「散々キャロルとしたってのに、まだまだ元気そうだな……これなら楽しめそうだ」
ぺろりと唇の端を舐めた彼女の表情は情欲の気配があった、これは娼婦として契約を結んだ仕事ではあるが、単純に彼女たちにとっても行軍の負担や不満を和らげる意図があったのだろう。
結局、シャルルとキャロルは誰かと交わることを好んでいるということだ。
財布も膨らむ上に甘い快楽を貪ることができる、娼婦と言う仕事を楽しんでいるのだろう。
「んん……ほら、誰からでも良いぞ、喧嘩だけはしないようにな」
男たちに囲まれるベッドの上に乗り、衣服を完全に脱ぎ去ったシャルルが四つん這いの状態で臀部だけを突き上げる。
すると周囲では喉を鳴らす音が広がった、男の欲情を誘う丸みを帯びた尻と太もも、その中心にある桜色の膣口にシャルルは指を伸ばすと、二本の指を差し込んで僅かに開いて見せる。
「んッ、ちょっとだけ待ってろよ……すぐに濡らすから、あッ、んんッ」
そして膣口を自ら弄りだす、二本の指を巧みに動かして艶めかしさを生み出していく。
「うッ、ぁ、ん……ふぁ、ああぁ」
自慰行為を始めるとすぐにシャルルのそこは濡れ始めていく、最初は按摩をするかのように優しい動きだったものが、次第に激しくなっていきクチャクチャという粘液を掻き混ぜる音が聞こえだすと、男たちの興奮はいよいよ大きくなった。
桜色の膣口と肉豆に糸を引くほどに愛液が塗りたくられると同時に、ねちゃりと音を立てて膣口が大きく開かれる、艶めかしく蠢くそこは男の欲望を押し込まれることを今か今かと待っているかのようだ。
「ではお先に」
「あッ、ずるいですよ隊長!?」
「階級順だ」
一人の男が堪えきれなくなったのか、固くなった己の肉棒を濡れそぼる蜜壺へと勢いよく押し込む。
「ひゃあんッ!?」
そしてシャルルは突然の感触に可愛らしい声を響かせた、しっかり濡らしていたので痛みは無いようだが快楽が大きかったようだ。
「キャロル殿は痛いほどに締め付けて来るが、シャルル殿はぴったりと張り付くような具合だな、こりゃたまらん」
「んんッ、あッ、あッ……おっちゃんのも、固くて、あんッ……いい感じだよ……くッ……こんな凶悪なものでキャロルを苛めてたのか、あんッ!!」
「いや、どちらかというと襲われていたのは我々の方なのだが」
同じベッドに横たわるキャロルへ男が視線を向けると、一息ついたキャロルが男と抱き合って啄むようなキスをしていた、そして手では男の股間を弄っている。
「ん……ちゅ……はぁ……そんなことはない」
「まぁそういうことにしておこう」
お互いの認識の差を埋めることなく行為は続いていく、キャロルを散々に嬲っていた肉棒は更にシャルルの奥へと押し込まれていき腰使いはどんどん激しくなっていった。
「んんんぁぁあッ、あぁッ、んんんんッ……あッ、んぁ!? ちょっと、待て……むぐッ」
「シャルルさん、こっちもお願いします」
上司とシャルルの交わりをただ眺めているだけではつまらないと思ったのだろう、騎士の一人が四つん這いで喘ぐシャルルの眼前に己の肉棒を押し付けて来る。
先走りと、少し前までキャロルの中を蹂躙していたそれはその時の名残がまだ残っている、それがまず頬へと押し当てられて粘液を滑らしながら唇へと移動した。
そしてやや強引に口の中へと押し込まれていくそれは、シャルルは仕方がないとばかりに受け入れていく。
口と膣で二人分の男の興奮を受け入れると、苦しさの中に被虐的な快感が生まれて来るので、なんだかんだで彼女はこういった交わりを好んでいるのだろう。
「はぁ……ん……ふふ……もう一度、する?」
「じゃあお願いしようかな」
そしてシャルルの近くでは休憩を挟んでいたキャロルが快楽に蕩けきった顔のままそんなことを言っていた、掌ではグリグリと騎士の男の亀頭を弄んでいる。
この場にいる男たちとは既に全員と交わっていたのだが、どうやらシャルルの交わりを見て興奮がまた生まれたのか、もう一周するつもりらしい。
「ん……うッ……ふぁぁぁ」
そして男に抱き着くと、そのまま対面座位の形で交わり始めていった。
へその下辺りに感じる大きな熱は、何度受け入れようとも飽きることのないキャロルの好物だ、それを華奢な体を使って締め上げて膣で舐りまわせば、男はあっという間に余裕を無くしてしまう。
「うッ……締めすぎだって」
「ん、ふぅ……でも、それが良いんでしょ? あは、固くなった……んんッ」
男の反応に気分を良くしたのかキャロルの腰使いは激しくなっていく、体格差と対面座位の形を考えれば男が主導権を握ってもおかしくはないのだが、彼は翻弄されるばかりである。
どうやら一対一だとキャロルに軍配が上がるらしい、そのまま男の精を絞り出そうとするのだが、残念なことにこの場にいる相手は一人だけではない。
シャルルが交じったことでそちらに何名か流れはしたのだが、まだ暇をしている男たちは残っており、その内の一人はキャロルの背後へと回っていた。
「んやぁッ!? あうッ……そっちはだめぇ……あッ、あッ……んあぁぁぁあッ」
背後に回った男はがっしりと華奢な体を掴むと、そのまま固くそそり立つ肉棒をキャロルの肛門へと押し込んだ。
前後の穴を埋められて男たちに挟まれるキャロルは、体格差もあって筋肉に埋もれているかのような状況であった、少し苦しそうな声を出しており余裕が無くなったようにも見える。
そんな彼女の反応に気分を良くしたのだろう、男たちは華奢な体をこれでもかと攻め立てていく。
同時に押し込み、その次は交互に、華奢な体はその激しい腰使いに壊れてしまうのではと心配になるほどだ。
「ひぐッ……うッ、うぅッ……あッ、あんッ……激しッ……んやぁあああッ!!」
男たちの興奮が前後する度に視界に火花が散って甘い痺れが走り抜けている、どうやら浅い絶頂を何度も繰り返しているようだ。
「あッ、おい……んちゅ……あんまり虐めんなよ……あッ、あッ……うぁッ!!」
屈強な男に挟まれて喘ぐ妹が心配になったのかシャルルが抗議の声を上げるのだが、彼女もそこまで余裕がある訳でもなさそうだ、文句を言う為に肉棒から離れた唇はまたも塞がれてしまっている。
そして腰を掴んで背後から求めてくる男も腰使いが激しい、パンパンと肉がぶつかり合う音が何度も響いており交わりの激しさを物語っていた。
四つん這いの状態で交わるシャルルもキャロルと同様に男に挟まれている状態だ、口と膣は大きな肉棒が押し込まれており纏わりついた唾液と愛液でドロドロになっている。
「う、むッ、んん、んぐッ……はッ、んんんんんッ!!」
喉奥まで男の興奮を受け入れて呼吸困難に陥りながらも体の奥では甘い痺れを感じており、そこに子宮からの熱も合流して大きな快楽の爆発となってしまう。
そんなことを何度も続けられると、シャルルの体はあっという間に蕩けきってしまうのだった。
苦しい交わりだがそれが心地いい、近くで前後の穴を塞がれて突きまわされるキャロルも同じ意見なのだが、苦しそうな喘ぎ声の中に艶っぽいものも交じっているのは間違いない。
「ひぐぅッ!!」
肉棒を奥深くまで突き込まれるとくぐもった悲鳴にも似た喘ぎが漏れ出て。
「……んぉッ!?」
愛液を掻き出すように引き抜かれればどこか情けない声を奏でる。
その繰り返し、幾度も男たちの興奮を受け入れていき、それが最高潮まで昂った瞬間に示し合わしたかのように全員が快楽を爆発させるのだった。
「「ひやぁああああああああッ!!?」」
シャルルとキャロルが体を震わせて大きな絶頂へと押し上げられると、それに引っ張られるかのように周囲の男たちも射精する。
煮えたぎって熱い精子が二人の中に、そして肌へと吐き出されて幾度も脈動を繰り返す、加えて周囲で待ちきれないとばかりに自慰をしていた男たちも雨のように精子を放って肌に塗りたくって来た。
「うッ、ぷはッ……ん、ちゅる、ごく……はぁ、はぁ……熱ッ」
口の中に射精された男の欲望を喉を鳴らして飲み干したシャルルは、肌に張り付いた精液の熱を感じ取りゾクッと肌を震わせる。
「ん、や……んにゃ……ん、ふ……ふぁぁ」
前後の穴で射精を受け止めたキャロルはどこか夢見心地の状態で甘い声を上げていた。
二人とも細かな痙攣を繰り返しており快楽の波が引いていくのをまっているようだが、周囲の男たちはまだ興奮が冷めていない様子であった。
「ん……ふふ……まだ元気みたい」
「あ、ぁぁ……はぁ、鍛えてるだけはあるよな……へへ、もうちょっと楽しむか?」
「……もっと欲しいかも」
そして興奮が冷めやらぬのは二人も同様らしい、肌に張り付いた精液を指先で掬い取ってそれを口へと運び、舌先で舐めとると体がまた熱くなっていく。
ベッドの上で艶やかな視線を向けられると、ただそれだけでこれまで何度も射精をしてきた男たちの股間は熱くなった。
「ん、あは……んん、ここにちょうだい?」
「ほら、まだ出せるんだろ?」
シャルルとキャロルはベッドの上で四つん這いとなり、男たちに臀部を見せつけて欲情を誘う。
あさましく下品な様子で左右に腰を振る姉妹に、男たちは酔っぱらったかのように引き寄せられていく。
火に飛び込む虫のようだ、或いは密に群がるとでも言うべきだろうか。
「あッ!? おっき……あッ、あッ、やああああぁぁッ」
「うあぁぁあッ、激し、激しすぎるってッ……うゃあッ、ああああッ!!」
激しい交わりはこうして続いていくことになる、二人が同行している間は夜な夜な乱交に及ぶことになり、その度に騎士の男たちの財布が軽くなっていく。
彼らが頭を抱えてやせ細った財布を眺めるようになるのは、これから一週間後のことであった。