※この作品はR-18です。

商人と冒険者と娼婦   作:にやまな

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第三十話 帝都 9

 

 

 

 

 

 

 

 

 人は黄金の魅力には叶わない、美しい存在を前にしてそれを魅力的に思うことは極めて自然で当たり前のことである。

 

 

 

 その点で言えば黄金の輝きはまさにわかりやすい美しさだ、極めればどんなことでも呪いや魔術となるのだから、黄金ほど単純な美しさは無いだろう。

 

 

 

 貨幣としての価値だけではない、その美しさに人は価値を感じるのだ。

 

 

 

 人間のように経済的かつ美術的な視点や価値観を持っているのならば尚更その輝きには敵わない、例え知性が足りずに貨幣としての価値を感じなかったとしても、その美しさで身を飾ることで自らの力や権威を見せつける価値はあるだろう。

 

 

 

 つまり、知性ある全ての存在を惑わす毒なのだ、黄金の輝きとは。

 

 

 

 有史以来、今日ここまで、黄金の輝きを巡って一体どれだけの血が流れただろうか、幾つの国が滅んだだろうか、その歴史を見るだけで黄金の力がよくわかる。

 

 

 

 人が人である限り決してその魔力には抗えない、それはパレスにとって絶対の認識であり自信であり理であった。

 

 

 

 パレスがエキドナより与えられた権能は黄金だ、知性ある全ての存在を惑わし操る力である。

 

 

 

 他の兄弟姉妹と異なり圧倒的な暴力で全てをねじ伏せるような力ではないが、それでも強力なものだと彼女は認識しており、扱いやすいとも考えているらしい。

 

 

 

 別に馬鹿にする訳ではないが、嵐の王や死の王のように巨大な力で全てを蹂躙するようなあり方に疑問さえ覚えていた。

 

 

 

 力が大きいことは良い、戦いが得意なことも良い、だがそれではあまりにもわかりやすいではないか、大きな的を抱えてこれを壊せば勝ちとでも宣伝しているかのようである。

 

 

 

 勝てるのならば目立つ存在感も良いのだろうが、結局はどちらも敗北しているので考えものであった。

 

 

 

 それぞれに与えられた力でエキドナの悲願を叶えようとするのは評価できるが、あまりにも強烈すぎる存在感は半神のような強者をどうしたって引き寄せてしまう。

 

 

 

 だからなのかパレスはあまり表に立たずに、遠回りかつ面倒な方法でエキドナの悲願を叶えることにした。

 

 

 

 戦いがあまり得意ではないので選択肢が少なかったというのもあるが、そういうやり方を彼女が好んでいたことも理由だ。

 

 

 

 黄金の魅力に取りつかれた人間たちを使って無数の魂を収集すること、そして自分は裏でそれを眺める、そんな計画であった。

 

 

 

 帝国に目を付けたのもそれが理由だ、強大な国力と強力な軍隊と膨大な人口を持つ国家なので裏で操れたのならばこれ以上の武器はない。

 

 

 

 嵐の王のように全てを粉砕する力でなくとも、人で人を磨り潰せばそれで良いのだ、自分は例え存在を感知されようとも表に出ることは極力避ける、そんな作戦だ。

 

 

 

 だがそれも全てがひっくり返ってしまっている、彼女が思わぬ形で。

 

 

 

 パレスの権能である黄金の魅力はいとも容易く破られてしまっていた、戦士でも騎士でもなく見るからに貧弱な者にさえ。

 

 

 

「エリン、ご苦労だった」

 

 

 

「陛下、二度とごめんです、私は騎士でも戦士でもなく秘書官なので」

 

 

 

「全くもってその通りだ、無茶をさせたという自覚もある……だがおかげで相手も姿を現した、君の功績だ」

 

 

 

「いりませんね、武勇など、文官には無用です」

 

 

 

 エリンは黄金の魅力に惑わされてはいなかった、ある時、突然に自分の執務室に落とされた金貨の存在を見た瞬間に、引き寄せられそうな魔性の引力は感じたのだが「それだけ」であった。

 

 

 

 手に取った瞬間にランポッサを孤立させるようにと命令らしき意思が伝わって来て、エリンの意識を汚染したが彼女はそれをあっさりと振り払って、その足ですぐに皇帝の執務室へ向かって事情を説明したのだ。

 

 

 

 そして皇帝はエリンからの報告に驚きながらも、ようやく見えない相手の尻尾が見えたことに歓喜したらしい。

 

 

 

 エリンの忠誠心を疑うようなことはしなかった、そんなことに意味がないからだ。

 

 

 

 それよりも先に、この状況を上手く利用できるかが重要だろうと考えるのがランポッサという男である。

 

 

 

 その結果がこれだ、上手く皇帝を孤立させて操り帝国を支配しようとしていたパレスは、大勢の騎士と魔術師たちに囲まれてしまっていた。

 

 

 

「エリン、君は下がれ」

 

 

 

「了解です……陛下、ご武運を」

 

 

 

 ここでこの場に残る選択肢を選ばないのがエリンである、自分が戦いの場で役に立たないとわかっているからだ、皇帝の盾となる者は他にも沢山いるのでわざわざ残る必要がない。

 

 

 

 だからせめて彼女は祈った、その祈りだけでランポッサには十分だった。

 

 

 

「誰ぞ、剣を寄こせ!!」

 

 

 

 誰に向けたものでもない命令だがすぐに近くにいた近衛騎士から予備の武器を投げ渡され、それを受け取ったランポッサは鞘から美しい刃を引き抜く。

 

 

 

「陛下、まさか自ら戦われつもりですか?」

 

 

 

「安心しろ、多少腕に覚えがある程度では何もできん、これはもしもの時の備えだ、この首は悪魔にはやらん」

 

 

 

 周囲を固める近衛騎士の言葉にそんな返事をすれば、彼らはより守りを固めるように密集した。

 

 

 

 優秀な部下たちである、ランポッサは実に満足そうな頷いていた。

 

 

 

「躊躇は一切必要ない、最大火力で焼き払え!!」

 

 

 

 そんな言質に色めきだったのは騎士たちよりも魔術師組である、特に一部の、主に炎を柱とする魔術師たちは獰猛な笑みすら浮かべているのだ。

 

 

 

 他の誰でもない皇帝からの許しが得られた、本来ならば都市のど真ん中で使うべきでない魔術であっても躊躇する必要はないだろう。

 

 

 

 だから炎の魔術師たちは火花と熱をまき散らす、それらを阿吽の呼吸で束ねると巨大な力の流れを生み出す、それらが向かう先は迷うことも無く黄金の悪魔だ。

 

 

 

 次の瞬間、大量の金貨が隔離されていた広大な地下金庫を中心に巨大な火柱が迸る。

 

 

 

 まるで火山の噴火のような衝撃と熱量だ、近くに皇帝がいるのにやるべきことではない。

 

 

 

「陛下ぁ!! やりすぎなのでは!?」

 

 

 

「構わん続けさせろ!! この一帯を更地にしても許そう!!」

 

 

 

 近衛騎士が構える大盾に身を隠しながらランポッサがそう叫ぶ、その言葉は完全に炎の魔術師たちの躊躇を奪い去る。

 

 

 

 吹き上がった巨大な火柱はそのまま巻き上がり竜巻と化してパレスを包み続けると、そこに向かって幾つもの熱線が打ち込まれていく。

 

 

 

 それだけに留まらず、ほかの魔術師たちも次々に魔術を行使していった。

 

 

 

 雷が駆け抜け、熱が渦巻き、不可視の重圧が襲い掛かり、身を刺すような冷気が放出される。

 

 

 

 数え切れないほどの力の流れはその全てがパレスを包み、最終的には巨大な爆発となって彼女を吹き飛ばすのだった。

 

 

 

 相手に何もさせずにこちらの都合を押し付け続ける、これ以上ないくらいの状況であり、有利な展開ではあるだろう。

 

 

 

 だが、ランポッサはガレス王国に現れた死の王を遠くからだが見たことがある、これで勝てるとは思わなかった。

 

 

 

 魔王の首はそこまで軽くはない、だから彼は帝国の全てを束ねて挑むのだ。

 

 

 

 油断も隙も無くパレスがいるだろう場所を睨んでいると、そこに黄金の輝きを発見する。

 

 

 

「それが貴様の本当の姿か」

 

 

 

 不定形の状態でグネグネとうねる姿はスライムのようにも見えた、ただしその全てが黄金だ。

 

 

 

 人の姿は擬態だったのだろう、この黄金の粘液こそがパレスの本質なのだとランポッサは理解する。

 

 

 

 同時に、帝国中で流通している偽造通貨の危険性が彼の中で繰り上がった。

 

 

 

 あれは悪魔が生み出した物ではなく、悪魔そのもの、パレスそのものだったのだと察したのだ。

 

 

 

 帝国を惑わす武器ではなく、手、或いは血液のようなもの、ならばそれは力そのものである。

 

 

 

 だが彼としてはそれでも構わなかった、正体がハッキリしてもやるべきことは変わらないのだから。

 

 

 

 それに、対処法が無い訳でもない、どんな運命のいたずらなのかわからないが、流れの魔術師が帝国に新しい魔術を齎してくれたのだ。

 

 

 

 加えるのならば、例えそれが無かったとしても手が無い訳でもない。

 

 

 

 ここは帝国、神々の加護が残る場所である。

 

 

 

「軽々と超えられては困るな」

 

 

 

「▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇ッ!!」

 

 

 

 黄金の粘液が耳障りで聞き取り辛い悲鳴を上げてのたうち回った、大量の魔術でその身を焼かれてさすがに痛痒になったらしい、苦しむような叫びに思える。

 

 

 

 実際に無視できないほどの損害があったのだろう、グネグネとうねる体は随分と弱弱しく見えてしまう。

 

 

 

 この広大な地下金庫に大量に隔離されていた山ほどある金貨の全てが、さきほどの熱量に充てられて融解しており、頑丈な筈の金貨が溶けているのだからパレスとてそれは同様だ。

 

 

 

 不定形なのでわかりづらくはあるが、人間で言えば手足を失ったくらいの損失があるのだろう。

 

 

 

 だから彼女は逃れるように、苦し紛れに己の「全て」を強引に動かすのだった。

 

 

 

 今ここにある体だけではない、広大な地下金庫に隔離されて今となっては溶け落ちて黄金の床を作っている中にも彼女はいる。

 

 

 

 それだけではない、帝国に住まう人々のポケットや財布、箪笥の中や金庫の中にだって彼女は存在しているのだ。

 

 

 

 それら全てが、彼女の危機に動き出す。

 

 

 

 まず最初に動いたのは彼女の最も近くにあった分身、この地下空間にあった黄金たちである、既に溶けて床に張り付いてしまっているが、その中に紛れていた彼女が浮き上がると再び金貨の形となって床に転がっていく。

 

 

 

 チャリン、チャリン、と心地の良い金貨の音が響く、人によってはそれだけで満面の笑みを浮かべてしまうそれは、パレスそのものであり彼女の権能を放っていた。

 

 

 

 人を惑わせ、陥れる、悪魔らしい力が宿っている。

 

 

 

「▇▇▇▇▇ッ!!」

 

 

 

 怒りと、痛みと、驚きと、苦しさが混じり合った聞き取り辛い悲鳴と共に金貨が妖しく輝く、これで一先ず目の前の人間たちは無力化できるだろうというパレスの思惑は、叩きこまれた熱線によって霧散してしまう。

 

 

 

 こちらに攻撃してくる魔術師たちも、皇帝の周囲を守る騎士たちも、魔性の輝きを放つ金貨に目もくれない。

 

 

 

 いや、少しだけ視線を向ける者もいるのだが、それは魅了されていると言うよりも警戒心から来る行為だろう。

 

 

 

 彼ら彼女らは、欠片も金貨に惑わされてはいなかった。

 

 

 

 エリンがそうであったように、パレスの存在を否定した。

 

 

 

「▇▇▇」

 

 

 

 黄金のスライムから聞き取り辛くはあるが細い悲鳴が漏れた、無数の炎と熱線にかき消されて誰の耳にも届かない程度のものである。

 

 

 

 彼女が感じているのは絶望だ、自らの力がどうしてか届かない、その事実がどうしようもないほどの不安が襲い掛かっていた。

 

 

 

 エキドナから与えられたパレスの権能は黄金だ、その輝きを持って他者を従える力である、それは彼女の自信であり存在理由であり誇りなのだろう。

 

 

 

 それを通じない、否定されてしまった、どうしようもない絶望だ。

 

 

 

「▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇ッ!!」

 

 

 

 今度の悲鳴はその場にいた全員に届くほどの大きさだった、あまりにも大きかったので思わず耳を塞いだ者すら確認できる。

 

 

 

 それによって生まれた熱と炎の間にある僅かな隙間に、パレスは活路を見出す。

 

 

 

 膨大な熱量によってこの地下施設に隔離されていた金貨の大半が融解して黄金の床となってしまっているが、それらが突如として波打って動き始めると消滅寸前だったパレスに集まっていく。

 

 

 

 何千何万、もしくはそれ以上の黄金がパレスに集い、一瞬でその体積を増やしていった。

 

 

 

 人間を黄金のした程度のサイズが、膨大な熱に焼かれて消滅する手前程まで減らされていたのだが、新しい黄金を取り込んだことで見上げるほどの大きさとなってしまう。

 

 

 

 そして変化はそれだけに留まらない、黄金のスライムのつるりとした表面が沸騰したかのように泡立ったかと思えば、そのまま勢いは収まらず巨大化していった。

 

 

 

「手を休めるな!! 巨大化しているぞ、抑え込め!!」

 

 

 

「陛下、ここは危険ですので下がりましょう!!」

 

 

 

 パレスの泡立ちは終わらない、ボコボコと音を発しながら膨らんでは割れてを繰り返す。

 

 

 

 大きな泡が膨れ上がり、パチッと弾けて、また泡が生まれる、それがいつまでたっても終わらず、繰り返される度にパレスは大きくなっていく。

 

 

 

 見上げるほどの体積は瞬く間に巨大になっていき、広大な地下施設の全てを満たしてしまうほどに増えていた。

 

 

 

 巨大化と表現するのは誤りだ、増殖しているといった方が正しいだろう。

 

 

 

 ランポッサや騎士や魔術師たちには無い情報であったがパレスが持つ権能は一つではない、その黄金の体には、もう一柱の魔王が溶け込んでいるのだ。

 

 

 

 そもそもパレスが廃坑道の奥でロドリゲスに研究されて利用していたかつて魔王だった存在に目を付けたのは、自分の権能ととても相性が良かったからというのが最大の理由である。

 

 

 

 帝国と戦う為の武器にしようと企んでいたロドリゲスを黄金で支配すると、時間をかけてでも自らに取り込んでいった理由がこれであった。

 

 

 

 黄金は泡立ち増殖していく、それこそ限界が見えない程に。

 

 

 

 限りある黄金を、彼女の力の源を、可能な限り増殖させていくのだ。

 

 

 

 海となり大地を満たせ、壁となり全てを阻め、この世の全てを染め上げろ、パレスの意思に応じるかのように増殖した黄金は蠢き続ける。

 

 

 

「陛下、失礼をお許しください!!」

 

 

 

 これは拙いと思ったのだろう、近衛騎士の一人がランポッサを強引に担ぎ上げて走り出した。

 

 

 

「▇▇▇▇▇▇ッ!!」

 

 

 

 そのすぐ後にランポッサがいた場所に大きなスライムから伸ばされた触手が叩きつけられたのだから、彼の判断は正しかったのだろう。

 

 

 

「奴め、随分とご立腹のようだ。怒りを理解するなどスライムにしては賢いではないか」

 

 

 

「そんなこと言っている場合ですか!! このまま離れますよ!!」

 

 

 

「闇雲に逃げ回っても被害が広がるだけだが……周囲の避難状況はどうなっている?」

 

 

 

「帝国銀行を中心に周辺数キロの区画は避難が完了しております」

 

 

 

「当初の予定よりも広くしておいた方が良いだろう、それと警邏兵たちには帝都の様子を見させるんだ」

 

 

 

「避難誘導には当たっているとは思いますが、何故でしょうか?」

 

 

 

「偽造通貨の存在理由がハッキリしたのでな、あれは我が国を経済的に崩壊させる物ではなかった、もっと単純に物理的な破壊を目的としたものだ」

 

 

 

「物理的に?」

 

 

 

 偽造通貨が大量に紛れていることで帝国金貨の信用と信頼を崩壊させる、ランポッサは当初そんな予想をしていたのだが、徐々に黄金の悪魔の情報が入るに連れてその予想が完全に的外れであることに気が付いたらしい。

 

 

 

 その程度ならば可愛いものである、もっと物理的で単純な破壊を目的としたものであるとパレスを見て確信に至った。

 

 

 

 まだ情報が不足していた頃であっても偽造金貨が危険な物であるという予想はあったので可能な限り隔離しようとしたのだが、帝国中に流通している金貨を全て交換するには本来ならばとても長い時間がかかる、それこそ年単位の期間が必要な大事業である。

 

 

 

「もう少し時間があれば全て隔離できただろうに……まぁ、たらればの話をしても意味はないか」

 

 

 

 そして敵はランポッサの対策や思惑を慮ってなどくれない、当たり前のことだ、ランポッサだって敵の都合など考えることはしないのだから。

 

 

 

「近衛騎士の半数は帝都の警邏に加われ!! これから大きな暴動が起こる!!」

 

 

 

「暴動!? いえ、陛下の守りを薄くする訳にはッ!!」

 

 

 

「問答無用!! 急げ!!」

 

 

 

 ランポッサは近衛騎士に担がれた状態で後方へと視線を向ける、そこには帝国銀行の姿は影も形も無く、巨大な地下空間からあふれ出るような勢いで黄金が波打っていた。

 

 

 

 その黄金の噴出は終わりが見えず、溢れて噴き出し留まらない。

 

 

 

 このまま噴火のようにまき散らすだけかと思われたが、突如として翻るように姿を変えていく。

 

 

 

 まず床ができてそこから柱が伸びると、屋根を形成して天井を作り、それが幾度か繰り返されて、大きく分厚い壁すらも建築した。

 

 

 

 全てが黄金だ、そこに出来上がったのは悉くが黄金で構築された城であった。

 

 

 

「黄金の城か……こうして見ると下品だな」

 

 

 

 見上げるほどに巨大な城である、成金もここまで極まれば感心するほどだ。

 

 

 

 苛立たしそうに黄金の城を見上げていると、悍ましく不気味な声が届いた。

 

 

 

 美しい音色だというのに、不思議と心がざわつくパレスの声色である。

 

 

 

 

 

「あぁそうとも、油断した、慢心した、人を甘く見過ぎていた……だから私も真心こめて滅ぼそう……我が楽土、我が権能、麗しき黄金帝国をもって」

 

 

 

 

 

 

 

 

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