商人と冒険者と娼婦 作:にやまな
体中に広がる鈍痛は未だに続いている、僅かに呼吸が苦しいが幸いにも骨折している感覚は無いので打ち身程度による痛みだろう。
少し休憩すれば呼吸も落ち着く、数日休めば打ち身の痛みも無くなるだろう、帆柱の上から海に叩きつけられたにしては軽傷であるといえた。
あそこで死んでいても不思議ではないのだ、だから幸運であると評すべきなのだろうが、目の前に広がる現実は飛び上がって喜べるものではない。
「このッ! やめろ、触んな!」
魚のように網で引き上げられて船の上まで戻って来たシャルルを待ち構えていたのは大勢の海賊たちだ、誰もが下卑た視線で彼女の体を舐め回し、網から引きずり出した瞬間に無遠慮にも手を這わせてきたのだ。
「やっぱまだまだガキだな、胸もケツも小振りだ」
「でも面は悪くねえ、それにこれくらいの体は締まりがいいもんさ」
「ふんッ!」
シャルルは背後から自分の胸に手を伸ばしてきた海賊の鼻先に、後頭部を勢いよくぶつけて反撃してみせた。
「気安く触んな! まさか、タダで抱けるとでも思ってるんじゃないだろうな?」
「このクソガキが! 優しくしてやりゃ付け上がりやがって!」
鼻血を流す海賊の一人が彼女に掴みかかって来るが、シャルルは逆に相手の懐に入り込んで半身になりながら肩で体当たりをすると、男の腰にぶら下がっていたサーベルを奪い取る。
普段、自分が使っている直剣の感覚とは大きく異なるが、この状況では無いよりもずっとマシだろう。
海賊の数が多い、甲板を見渡してみるが生きている海兵の姿はどこにもない、倒れ伏しているか引きずられて海に投げ捨てられているかであり、味方の姿が皆無だ。
エミリーとキャロルはどうなったのだろうか? 思い浮かんだ最悪の状況に表情を曇らせるが、サーベルに力を込めてそれを振り払う。
少なくとも見える範囲に二人の姿は無い、海賊が大勢ここに集まっているのだから二人は逃げることが出来たのかもしれない、彼女としてはそう考える方がずっと気楽だろう。
二人は逃げている、根拠のない前提だがそれを基準に動くことしかシャルルにはできなかった、ならば一か八か相手に切り込んで海に逃げるしかない。
一瞬、海に逃げてもどうしようもないだろ、と彼女の冷静な部分が囁いたのだが、他に手段が思い浮かばなかった。
幸運を拾えれば逃げられる、だが幸運に頼らなければならないような状況になっている時点で詰んでいることにまだ彼女は気が付いていないようだ。
無謀でも無茶でもやるしかない、気合をサーベルに乗せて海賊たちに切り込むのだが、やはり感情と勢いだけでは状況が好転することは無い。
一歩踏み出し、海賊の間へと切り込む、だがどうあがいても数の差が覆ることはなく、脇腹を蹴り飛ばされてシャルルはその場に倒れ込む。
「おら! このクソガキが!」
「さっきまでの威勢はどこいったんだ!?」
「へッ! 女の分際でいっちょ前に剣なんか振り回すからこうなるんだよ」
蹲って身動きの取れないシャルルを囲んで海賊たちは次々と踏みつけてくる、この戦いが思っていた以上の出血を伴った為なのか憂さ晴らしにも力が込められているようだ。
「ッ! このッ! 痛いっての!」
「お前が殺した俺らの仲間はもっと痛かっただろうよ!」
「お前! 海賊の癖によくそんなことが言えたな!」
聞き捨てならないセリフに噛みつくが、それに対する返答は男の踵だった。
背中と手足に広がる鈍い痛みに顔を歪め、頬の内側から染みるように溢れて来た血を唾液と一緒に吐き出して海賊たちを睨みつける。
心は今でも折れていない、しかし感情だけでなんとかなるような状況ではなく、暴行に飽きたのか海賊たちの手がいよいよシャルルの服へと伸びていく。
抵抗は無意味だ、彼女の両手は野太い腕に押さえつけられて、どれだけ力を込めようとも足も広げられてしまう。
「チッ! 皮鎧が面倒だな」
「さっさと剥いちまえよ」
「せっかく綺麗な面してるんだから傷物にすんなよ」
体を捩って男の魔の手から逃れようとしても手足を掴まれていては大した抵抗はできなかった、皮鎧のベルトや服はナイフで切り裂かれて下着もはぎ取られ、引き締まったしなやかな体は海賊たちの視線を絡め取っていく。
「このッ! 見るな、タダじゃないんだぞ!」
「へへへ、威勢だけは一人前だな、嫌ならしっかり抵抗してみろよ」
「そうそう、ほーら、ちゃんと暴れないとタダで抱かれることになっちまうぞ」
ゲラゲラと品のない笑いが周囲に起こる、そんな光景をただ睨みつけることしかできない自分の力がシャルルは悔しかった。
できることならこの拘束を振りほどき、周囲の海賊たちを皆殺しにして血によって名誉の回復をしたかったのだが、彼女の腕は海賊たちに届くことはなくその足は相手を踏みつけることが出来ない。
無力を嘆くことしかシャルルには許されないのだ、その太い手が体を掴み舌が柔肌を舐めて、臭う一物を擦り付けられようともただ悔しさを噛みしめる。
大きく開かれた股の間に海賊が割り込んで、まだ碌に濡れてもいないシャルルの淫唇に臭い男の肉竿が配慮の欠片もなく突き込まれるのだった。
「いッ!? 痛ッ! やだ、やめ……うぁぁ!?」
男と交わることはもう慣れている、最初は不感症気味だった体もセックスの快楽を知ったことで娼婦の仕事も楽しめるようになっているのだ、様々な男に抱かれてきた経験の中で乱暴な者もヘタクソな者も早漏な者もいた……しかしここまで遠慮のない交わりは彼女も初めてだろう。
男の一物に貫かれる時の背筋が震える甘い痺れが無い、腹部をキュッと引き締める快楽も無い、体に広がるのは鋭い痛みだけだった。
痛い、ただ痛い、激しいセックスがシャルルの好みなのだがそこに苦痛は必要ない。
「……へ、ヘタクソ、海賊ってのは女の抱き方も知らないのかよ」
痛みと疲労で強がりにも力が入っていない、ここまで屈辱的な交わりに唾を吐こうともそれが出来るだけの力が彼女にはないのだ。
ただ睨みつけるだけ、しかしそれだけでは相手を倒すことはできないだろう。
「やだ、こんなのやだ……痛い」
ズンッと男の亀頭が子宮の入口を叩く、噛みしめながらその衝撃に耐えていると、突然にシャルルの体が持ち上げられて抱きかかえられてしまった。
「おら、後がこんだけ詰まってるんだからこっちも使わせろよ」
「うぇ? ち、ちが……そっちは違うからぁ!」
男の固く太い肉竿がシャルルの後ろの穴を勢いよく貫いてしまう、男の一物を咥えることに慣れた前とは違ってそこはシャルルも初めての経験になる。
「~~~~~んんッッ!!」
この痛みをシャルルは知っている、娼婦として初めて働いた時に味わった破瓜の痛みと同じ……いや、本来なら男を受け入れる場所ではないので苦痛はあの時以上だ。
抱き抱えられた状態で前後から男に貫かれる、密着した海賊の汗臭い匂いに顔を歪めて背けるが、その視線の先にも海賊が待っていた。
一人二人ではない、何十人もの海賊が股間を膨らませてシャルルの体に情欲を向けているのだ、前後の男が精液を吐き出せば次はまた誰かが自分の体を汚すのだろう。
シャルルは一人だ、頼りになる仲間がどこにも見当たらない、その現実に彼女は途端に心細くなってしまう。
この男たちは自分を犯す、きっとそれは何度も何度も繰り返されるのだろう、助けを求めてもその声が届くことはない。
怖い、そうシャルルが思ってしまうのも仕方がないことだった。
背筋をぞわぞわとした何かが走る、恐怖によるものなのか子宮に放たれた男の精液のせいなのか判別はできない。
「……やだ」
それは普段の彼女からは想像もできない程に弱く細い声であったことだろう、剣を握って海賊と戦う戦士の言葉にしてはあまりにも頼りないのだ。
「やだ、こんなのヤダーーあひッ!?」
二人目の男が彼女の中へ大きな一物を強引にねじ込んだ、遠慮も配慮も無いままに最奥を貫かれてほんの僅かにだが甘い痺れが体を走っていく。
苦痛だけを感じるセックスに体が慣れたのか、それとも最初の男が放った精液によって滑りが良くなったからなのか、子宮を打ち上げられる感覚に嫌な感覚があった。
幾ら激しいセックスが好みだと言っても、こんな屈辱的な交わりに少しでも感じてしまったことに情けなさがこみ上げてくる。
殺してしまいたいほどに憎らしい男たちに輪姦されているというのに、抱かれることに慣れた体は快楽を感じてしまっている、これほど屈辱的なことはない。
「ヤダ、ダメッ! こんなんで感じるなんて、やだ……あッ! うぐッ! 待って、お願い、ちょっとだけ待って」
「良い具合だ、結構慣れてやがるぜコイツ」
「ああ、感じてやがるな、こりゃとんでもない好き者だな」
前後の男がもがき苦しむシャルルを抱きかかえながら、同時に男の象徴を奥へと突き込んだ。
「あぁぁぁッ!?」
その暴力的な行為をシャルルの体は受け入れてしまう、受け入れざるを得なかった、体を捩じって逃れようとも男たちは決して彼女の体を離したりしない。
こんなセックスは嫌だ、そんな彼女の思いを裏切って娼婦として働いた体は甘い衝撃を蓄えていくのだ、このまま凌辱を続けられたのならば只でさえ心が折れかけているというのに、その瞬間を迎えてしまうだろう。
もしそうなったのならば、シャルルはいよいよ屈してしまうかもしれない。
「やだぁ、これやだぁ……あうッ! だから同時は……あひ!? こ、交互もダメだからあぁぁ!!」
膣でも肛門でも感じてしまっている、そんな浅ましい体にシャルルは嘆き、男たちは哀れな女を征服する瞬間を今か今かと待ちわびているのだ。
知らずと涙が流れてくる、最早この状況に置いてどこにも逃げ場がないと理解してしまえば、後は泣き叫ぶことしかできないだろう。
「誰か助けて……あッ、アッ……おぉ、ああぁ、あぁぁ、やだ……もう、だめ」
しかし彼女の体が貯めこんだ快楽を爆発させる瞬間に、一足早く前後の男たちが精液を彼女の奥へと吐き出した。
「んんッ……ん、んんーーふ~ッ、ふ~ッ……あ、はあはあ」
ぞわぞわとした感覚に体を縮こまらせてなんとか耐えるのだが、そんな彼女の体はまたも抱き抱えられてしまう。
二度も中へ吐き出された精液が、淫唇と肛門から蓋を無くした白濁液がどろりと流れ落ちていく、そんな彼女の二つの穴にまたも男たちの肉竿が宛がわれてしまった。
入口が亀頭で押し広げられていく、その感覚にシャルルはいやいやと首を振るのだが、そんな抵抗虚しく滑る中へと侵入を許してしまう。
もう駄目だ、例えこの男たちの凌辱を耐えたとしても次から次へと犯されてしまうのだ、絶頂の瞬間をいつまでも先延ばしにはできない。
だがそれはただ絶頂するだけではないのだ、敗北を受け入れてしまうことと同じ意味であり、心が折れてしまう瞬間だろう。
そしてその瞬間は間違いなくやって来る、どれだけ体を捩じろうとも逃げられず、最奥を突かれた際の感覚は一突きごとに大きくなっていく。
「あぁ~…あぁ~…やだ、やだ、もう、ダメだから……ああぁぁぁッ!!」
二人の男はトドメとばかりに交互に彼女の膣と肛門を責めていく、熱く脈動するそれを舐めしゃぶるように締め付けながら、シャルルは敗北の瞬間を迎え入れることになるのだった。
「ーーーッッんんんん!?」
絶頂は狙ったかのように同時だ、体中で爆発するように広がる痺れと共に、腹部の深い所に染み渡るかのような熱が、彼女に敗北を与えてくる。
「う……あ、あぁ……んッ……うあぁ……ああ~、んッく」
「へへへ、こいつイキやがったぜ」
「とんだ売女だな、剣を握るよりも俺らの一物を握る方が向いてるんだろうよ」
ガハハと勝利者たちが敗者を貶める、どんな屈辱的な言葉や態度であっても今のシャルルは受け入れるしかない。
反論も、反抗も、敗北を受け入れてしまえばどうしようもないのだ、力なく項垂れて体を震わせることくらいしかシャルルには許されないだろう。
「おら、なに休んでやがる、まだまだ相手してもらうからな」
「……う、あぁ」
周囲を取り囲む男たちによってシャルルの視界は閉ざされている、どこにも隙間は確認できずどこにも逃げ場がない。
その男たち全員が股間を膨らませてシャルルに向けていた、これから彼女は気を失うまで……いや、気を失ってもなお犯されることになるのだ。
シャルルは静かに震えた、心は恐怖によって、体は屈辱的な快楽によって。
「ああぁぁぁ~~、だめ、だめ……お願い、許して……もうやだぁ!」
助けを求める声は誰にも届かない、海賊たちを喜ばせる為の彩りにしかならないようだ。
膣も、胸も、肛門も、顔も、髪も、余すことなく精液で汚されていく。
海の上にある船という牢獄での輪姦は、無情にもまだ始まったばかりだった。
海賊たちに取り囲まれて、足場は小さなボートだけ、戦力差は圧倒的であり、発動にタメが必要な魔術では詠唱中に潰されてしまうだろう。
それはキャロルの弓も同じだ、引き絞って矢を放とうとも倒せるのは一人だけ、次の間に距離を詰められて拘束される結果が手に取るようにわかる。
海賊がキャロルの小さな体を担いで自分たちのボートへと乗り移る、彼女は男の肩の上で力なく項垂れながらエミリーへと弱弱しい視線を送って来る。
どうせ犯されるのならばせめて友人と手を繋ぎながら支え合いたかった、だが海賊たちはそんな健気な抵抗すらも強引に引きはがしてしまった。
エミリーとキャロルの手が離れて、抱き合っていた体はボート一隻分の距離が空いてしまう、ほんの一メートル程の距離なのだが、二人からしてみれば最早渓谷が広がるかのような絶望感だ。
キャロルはボートの真ん中へ雑に降ろされて小さなうめき声を上げ、エミリーはそちらへ駆け寄ろうとするのだが海賊たちに押さえつけられて向こうのボートへと飛び移れない。
「キャロル!」
「ん……大丈夫」
そこでボートが波に揺れてまた距離が空いてしまう、互いが手を伸ばしても僅かに届かないような距離だ。
周囲の海賊たちが乗っていたボートから、キャロルが乗せられたボートへと、そしてエミリーが乗っているボートにも、海賊たちが所狭しと乗り移って来る。
狭い、ただでさえ小さな足場だというのにこれだけ乗り込めば身じろぎすらも難しい。
「動くなよ、魔術師ってのは言葉一つで相手を殺せるらしいからな、少しでも妙な真似してみろ、お前もお友達も冥府の神に挨拶することになるぜ」
魔術師に対してどんな想像をしているのか計れないが、そこまで万能ならばどれだけ良かったかとエミリーは思っていることだろう。
自分はまだまだ未熟だ、指さすだけで相手を倒せない、声だけで相手を従えることなど出来るはずがない、真に力のある魔術師ならばともかくまだまだ達人の領域には遠いのだ、つまりこの状況でここまで近づかれてしまえば身体的にはか弱いと断言できるエミリーにできることはなかった。
海賊たちはエミリーが魔術師だということで最初は警戒していたのだが、体を震わせるだけの彼女に海賊本来の性根が勝ったのか直ぐにナイフをチラつかせて肢体を包む服へと突き立てる。
ビリビリと、神殿学校を卒業した時に記念にと送られた法衣が切り捨てられていく、下着すらも煩わしそうに引きちぎられて、エミリーの体が大海原に晒された。
すると娼婦として働く時に体を晒すのとは違った羞恥がこみ上げてくる、顔を赤くしながら左手で小振りな乳房を、右手で股間を隠してせめてもの抵抗とばかりに海賊たちを睨みつけるのだが……そんな視線すら海賊たちにとっては楽しみの種になるのか下種な笑い声が帰って来るだけだった。
キャロルが乗せられたボートでも似たようなことが起こっている、愛用の弓を邪魔だとばかりに海へと投げ捨てられて、細く肉付きの薄い幼いとさえ表現できる体が晒されている。
どうやら彼女は抵抗の意思は無いらしく、服は海賊たちに囃し立てられて自ら脱いだようだ、仮に反発したとしてもどうせ最後には脱がされるのだから結果は変わらないのだろう。
屈辱的な状況だが、下手な抵抗は自らの血を流すことになるとの想定から、海賊たちの言葉に不本意ではあるのだが従うしかない。
「まだガキだな、胸もケツも肉が足りねえよ」
「でもこれくらいの方が締まりがいいんだよ、前に犯したガキは食いちぎられるかと思ったほどだぜ」
裸になって屈辱を噛みしめながらも無表情を貫くキャロルの体を、海賊たちはまるで品評でもするかのように眺めていた、子供だと評価しながらもしっかりと股間を膨らませているのだから、なんとも我儘な連中だと彼女は思う。
「ふうん、まあ穴があればなんだっていいか」
最後の最後にはそんな言葉で不満を漏らしていた海賊たちは落ち着いたようだ、そしてキャロルの柔肌を強引に引き寄せる。
「ほら、優しくしてほしいんならしっかりとご機嫌を取るんだな」
「ああ、上手くできたらそれなりに大事にしてやるから頑張るんだな」
「……ん」
キャロルは溜息交じりの返事と共に、細い指先を男の股間へと這わせて舌で汗臭い肌をなぞっていく。
セックスは嫌いではない、娼婦として働くのも楽しんでいる、しかしこうも屈辱的な交わりはさすがに遠慮したいのだが……彼女にはここから脱出できるだけの力が無い。
弓は無くしてしまったので素手で戦うしかないのだが、果たして小さな足場でこれだけの海賊たちを相手にどれだけ戦えるだろうか。
不利な殴り合いよりも、おとなしく奉仕した方がまだ生存は現実的だろう、その判断がせめて正しいと信じることしかキャロルにはできないでいた。
無数の男に奉仕しながらチラリと向こう側のボートへと視線をやると、全裸に剥かれたエミリーがボートの隅で四つん這いになりながら尻を突き出している光景を確認できてしまった。
キャロルとエミリーの視線が交じり合う、下手な抵抗はするなという意思を込めて彼女は小さく頷いて、まるで手本を見せるかのように男の股間へと顔を埋めてみせる。
そんなキャロルの行動を見てエミリーも覚悟が決まったのだろう、突き出した臀部を掴む男の両手に体を震わせながらも、侵入してきた大きな肉竿を迎え入れるのだった。
「ーーッ!」
「……んんッ!」
エミリーも、キャロルも、自らの膣にねじ込まれた肉竿に大きな苦痛を感じてしまう、まともに愛撫もすませていないのだから当然なのだが、海賊たちにはそんなこと関係ないのだろう。
突っ込んで腰を振る、そこに相手への感情や配慮など存在しない、ただ犯すだけだ。
「んッ……んんッ……ふ~……ふ~」
キャロルは男に跨って下から突き上げられながら、口では大きすぎる肉竿を咥え込み、手では他の男の股間をしごきあげていく。
痛い、痛い、ただそれだけだ、ここまでつまらないセックスはさすがに初めてだった。
不本意極まりない交わりな上に苦痛が大きい、こんなことがこれから先いつまでも続くとなると、ゾッと背筋が震えてしまう。
キャロルが瞼を閉じて思い浮かべるのは、これまで娼婦として働いた時の経験や光景だ、その時の熱を体に思い出させていった。
子宮を突かれる感覚を、男の汗の匂いを、激しい息遣いを、それによって齎される快楽を視界を閉ざして現状と重ね合わせていく。
苦痛交じりのセックスよりも、そちらの方がずっと好みだった。
「……んんッ!」
今まで経験してきた交わりの中で最も気持ちよかったセックスを思い出したことで、キャロルの体はようやく熱を持ち始めることに成功したようだ。
まだ苦痛は残っているが、男の股間をしゃぶって膣を貫かれる度に、ビリっと痺れが走るようになる。
「おお? ガキな割に悪くねぇ具合だ」
「自分から腰振りやがって、えらく楽しんでるみたいだな」
「ん……ふう……あッ……うぁ」
ぬちゃりとぬちゃりと粘液をかき混ぜる音が聞こえるようになった時点で痛みは無くなった、屈辱的な交わりでもしっかり感じられるあたり、キャロルの体は幼いながらもしっかりと娼婦なのだろう。
だが隣のボートから悲鳴が聞こえて来ればそちらに気を取られてしまう、自分と違ってエミリーはこの凌辱に快楽を感じられないらしい。
「ふぁ……エミ、リー」
「キャロル……助け、助けてください……ッッ!! うあぁ!!」
エミリーは背後から犯されながらボロボロと涙を流してただただ苦痛に耐えているようだ、感じる女だろうが泣き叫ぶ女だろうが海賊たちには関係ないのだろう。
彼女たちは穴のある物としか扱われていない、暴行の末に壊れてしまおうとも玩具を無くしたくらいの感覚なのかもしれない。
このままではエミリーが壊されてしまう、キャロルは助けを求めるように手を伸ばすエミリーへ同じように手を伸ばす。
幸運なことに波がボートを押して二人の手を結び合わせてくれた、そして互いを引き寄せ合って両手を結び合う。
「……あうッ!」
二人がキスできるほどの距離まで顔を近づけた瞬間に、彼女たちの中へ男の精液が放たれた。
体の最も深い所に広がる熱にキャロルは震えて、エミリーは痛みが大きすぎて中出しされたことにも気が付いていないようだ。
だがそれで終わりではない、二つのボートに乗ってもう離れないとばかりに両手を結びあって臀部を突き出す二人の淫唇へまたも男たちの肉棒が突き込まれてしまう。
キャロルは快楽で体を反応させて、エミリーは苦痛で体を捩る、ボートとボートの間にある海というほんの数十センチの隙間を隔てて対照的な反応を見せる二人を見て海賊たちは大いに楽しんでいるようだ。
「ッッ! うぐッ……痛い、こんなの無理です」
「エミリー……舌……舌だして」
「うあッ……キャロ……んむッ!」
背後から犯されながら二人はキスをした、呼吸を忘れたかのように長く深く舌を絡ませて、キャロルは少しでもエミリーの苦痛を減らそうとしているようだ。
「ぷはぁ……力……んッ……抜いて……ね? あッ、アッ……ほら、もう一度」
またキャロルはエミリーの唇を奪う、先程よりも更に深く激しく貪るように、そして目の前にあるエミリーの瞳が僅かにだが熱を持つようになっていく。
「ひあッ!?」
そのタイミングで背後からエミリーを犯していた海賊が腰を打ち付けると、彼女の体がピクリと甘い快感に震えた。
「あぁッ! こんな……こんなことで、どうして……いやん!?」
「ん……それでいいから……もっと力抜いて」
また彼女たちの膣奥へと精液が放たれた、そして順番待ちしていた男が間髪入れずに突き込んでくる。
今度はエミリーもキャロルと同じように快楽で震えることになる、屈辱ではあるのだが一度でも熱を持てばしっかりと体は反応してしまうようだ、彼女の体もちゃんと娼婦としての経験を積み重ねているので切っ掛けさえあればこれ以上の苦痛はないだろう。
「あッ……あッ……ん、んん……んんんんんッ!」
「うあ……キャロル、もっと、もっとしてください! 心細いです!」
「ん……あむ……ん、ちゅ……んんんん!」
「ふあ……ちゅる、うむ、ん、ちゅッ!」
自分たちを無視するかのように二人の世界でむつみ合う女を、海賊たちはボートを蹴って強引に引きはがす、どうやらエミリーとキャロルだけで楽しむのは難しいらしい。
「たく、自分たちの立場がわかってんのかよ、女と女じゃ俺らが楽しめないだろうが」
「俺は悪くない光景だと思うけどな、もう少しやらせてみようぜ」
「ならお前は隅っこでしごいてろ」
「せっかく女がいるんだからそんな真似できるか……まぁ、どうせこの後に船に連れ込むんだからまだ機会はあるか」
もう手が届かない位置までボートは離れてしまっているのだが、それでも二人はしっかりと視線を結び合わせて互いを認識していた。
物理的な距離は離れても先程までの孤独感はもう存在しない、男に囲まれて嬲られながらもしっかり互いを感じられる。
これから長く続くであろう輪姦も、これなら超えていける筈だ、心の支えがあるだけで屈辱的な凌辱にも僅かな希望が胸に宿ってくれた。
男の股間に顔を埋めようとも、肌や髪をどれだけ汚されようとも、肛門に男の肉棒をねじ込まれようとも、自分たちは孤独ではないのだという小さな思いが力を与えてくれる。
「あッ……アッ……おッ……おッ……エミ、リー……ーーーんんんんんッ!」
「あぁ、イッちゃう……また、イっちゃ……だめ、こんな交わりで、いやぁ……あ、アッ……ああ、キャロルも……やああああッ!」
お互いが見えない糸で繋がっているかのように絶頂は同時だった、触れ合うことのできない距離だというのに息遣いや熱や快楽が重ね合わされているかのようだ。
距離はある、しかし絶頂に体を震わせながらキャロルとエミリーは二人だけの確かな繋がりを自覚しているのだろう。
また新たな男に貫かれながら、二人は視線を絡み合わせてキスするかのように唇を動かして愛し合う行為を妄想しながら心を癒す。
そうやってボートの上での輪姦の中で、二人は慰め合いながら日が沈むまで犯され続け、気を失うその瞬間まで健気にもお互いを思うのだった。