商人と冒険者と娼婦 作:にやまな
ぐちゃり、ぐちゃち、ぬちゃり、ぬちゃり、そんな音がどこからともなく聞こえて来る。
粘度の高い粘液をこれでもかと掻き混ぜて、空気を内包させて白く泡立った粘液が糸を引き更に混ぜ合わされる、そんな音。
その空間はまず薄暗い、光源となるものは脈打つ肉の壁であり、それらが振動する度に妙な発光を行うので完全な暗闇にはなっていない。
そして次に妙な甘い匂いで満たされている。無数の触手と肉の壁が作る悍ましい空間とは思えないほどに、甘い匂いだ。
花のようにも思えるし、香水のように思える。しかしその本質はどちらかと言えば毒の部類だ。人の思考を溶かして痺れさせる、強い媚薬にも近いかもしれない。
「「~~~~ッ!!?」」
そんな邪悪で卑猥な肉の牢獄で言葉にならない悲鳴交じりの声が広がる。
エミリーの声である。そしてそこに重なるようにキャロルの声もあった。
「ふふッ、だいぶ蕩けてきたんじゃない?」
「えぇ、お姉様、どこもかしこもドロドロよ」
肉の牢獄を支配する看守は二人の悪魔である。どちらも雪のように白い肌を惜しげもなく晒しており、それだけみれば美しくも儚い印象を与えるのだが、背中に生える蝙蝠のような羽や側頭部から生える角などを見ると、魔性を持った存在だということがわかった。
二人のエキドナはこの肉の牢獄の看守であり、支配者であり、そして絶対者である。
粘液塗れの触手が作り出す卑猥なベッドの上に優雅に腰かける二人は、自分たちの体が粘液に汚れることも気にしないまま、寧ろそれが心地いいとばかりに身を熱くさせている。
卑猥で醜悪なベッドに腰と背中を預けて、まるで浜辺で寛ぐかのような雰囲気ではあるエキドナたちは、それぞれ淫靡な視線と顔を自分たちの正面に向けていた。
「おッ!? んぉッ!?」
エキドナと対面座位の形で交わっているのはキャロルである。体中に触手が巻き付いており、それに揺さぶられながら腰を振っている様子だ。
進んで奉仕している訳ではなく、触手に体を揺さぶられて、その結果として腰が動いているらしい。その姿は巨人の掌にでも握りしめられて上下に揺れているかのようだ。
エキドナはそんなキャロルに自分が房中術で作り出した肉棒を押し込んでおり、目の前で触手に弄ばれる様子を楽しんでいるらしい。
「んッ……あッ……ほら、もっと締めなさい」
「ひゃん!?」
腰を押し込むと同時にエキドナの舌が伸びた先は、普段より少し張っているようにも思える慎ましい胸である。その先端に齧りつくと母乳が滲み出るように舌へと触れて来る。
「ちゅ……こく……はぁ、芳醇な魔力を感じるわ」
「あらお姉様、一人だけずるいですよ」
「ほら、こっちに来なさい、貴女にも分けてあげる」
「……ちゅ、んん」
触手のベッドに腰かけて隣り合うエキドナたちは戯れるように唇を合わせて口内を貪り合う。ふたりだけの空間を形成しており、四人娘たちは好意の幅を広める為の都合の良い器具のような扱いなのだろう。
「んッ……確かに悪くないわね、良質な魔力になる」
暫く舌を絡め合っていたエキドナは口内でキャロルが出した母乳を弄び、喉を鳴らしてから熱っぽい溜息を吐いていた。
「あッ、あッ……イク、イクッ、イグッ!! んんんんんんんッ!!」
肛門には触手、膣内にはエキドナの肉棒、そして全身を弄る大小様々な触手たちが敏感な部分を弄り回した結果、キャロルはあっけなく絶頂を迎えることになる。
「あらあらイッちゃったみたいね。堪え性のないこと」
もう何度目か数えることも馬鹿らしくなってくるほどに重ねた絶頂であるが。この肉の牢獄に漂う媚毒の影響か一向に興奮が引くことはなく、キャロルは快楽の波の向こうにまた新しい興奮がやって来ることに体を震わす。
「ぁ~、あぁ~……あぅ」
唇の端から涎を垂らし、度重なる絶頂で体は甘い痺れにだけ支配され、濁った瞳は目の前にいるエキドナのことも見えていないのではと思えるほどに焦点が合っていない。
意識は朧気で、もはや喘ぐだけの楽器と化しているようだ。そんなキャロルの様子がまたエキドナを楽しませているらしい。
「ほらほら貴女も負けないように頑張るのよ? 退屈させてはいけないわ」
キャロルと自分の姉役であるエキドナの交わりを隣で眺めるもう一人のエキドナは、視線を自分の足の間へと向けた。
「ん、ちゅ……はぁ、はぁ……んむ」
そこでは肉のベッドに膝を付き、エキドナの股間にある肉棒に奉仕するエミリーの姿があった。
キャロルと同様に触手に体を絡め取られている状態だが、彼女は上半身が自由になっており、その様子は無数の触手に下半身を呑みこまれているようにも見えるだろう。
「私を楽しませない肉人形なんていらないの、おわかり?」
肉のベッドに腰かけたエキドナの目が細められる。エミリーの奉仕を値踏みするかのような視線であった。
それにエミリーは体をビクッと震わせる、絶対者からの怒りに怯える奴隷のように。
ここ最近の凌辱によって体と魂に蹂躙者と敗北者としての立場が刻まれてしまったのだろうか、とても覚えた様子に見える。
「は、はい……ご主人様」
屈辱だとか、矜持だとか、敵だとか、そんなことよりも既に恐怖の方が大きくなっているのか、媚びるような声と共に彼女はエキドナに奉仕していく。
自由な両手を使い、そして豊かに育った乳房で肉棒を挟んで擦りあげるのだ。
体を上下に揺さぶり胸の間で肉棒が出入りを繰り返す度に、粘液も掻き混ぜられてにちゃにちゃと卑猥な音が広がっていった。
それに嫌悪感を抱くよりも早く、機嫌を損ねてはならないという焦りの方が強いくらいには、エミリーの心は折れているのだろう。
「んんッ……ふッ、ふッ……はぁ、ちゅ」
胸の間から突き出て来た亀頭には唇と舌を伸ばす、先走りの汁が糸を引いて伸びるがそれすら舐めとっていった。
「うッ!? あッ、あぅ……ぐッ、んんんんッ」
だがそんな奉仕も長くとはいかず、エミリーは熱と快楽に震えることになってしまう。
どうやら触手に呑まれている下半身でも凌辱が行われているらしい。細い触手が固くなった肉芽を巻き上げ、太い触手は膣と肛門を激しく責め上げる。
「や、やめッ……やッ、やぁ、やぁぁぁぁあッ!!」
途端に情けない喘ぎ声を奏で始めるエミリーは、自分の体が度重なる凌辱であまりにも快楽に弱くなってしまったことに気付く。
ただ乱暴に子宮や肛門を突かれただけでこの有様だ。媚毒の影響もあるだろうが心も魂も快楽に屈してしまっているのだろう。
隣にいるキャロルがそうであるように、濁流のような快楽の拷問は時として痛みよりも心と体を乱すのかもしれない。
「ひッぐッ……ふッ、ふッ、ふぅ……うぁ」
「奉仕を止めるな」
頭上から強い命令口調でエキドナからの声が届く、その言葉にまた恐怖が刺激されたのか、エミリーは下半身から伝わって来る快楽に流されまいと肉棒への奉仕を再開するのだった。
両手で豊かな胸をより密着させて、乳房の先端にある固くなった桜色の突起で挟むように粘液塗れの亀頭を擦りあげる。そんな奴隷に相応しい奉仕のありようにエキドナは唇を三日月に歪める。
出来の良いペットには褒美が必要だと言わんばかりに、エキドナの指先はエミリーの頭を撫でまわす。
そんなことをされると屈辱だと憤慨することが当然ではあるが、彼女の中にあるのは反骨心ではなく怒りを買わなかったという安堵である。
実に可愛らしい反応だとエキドナは笑う。人間が犬猫に向けるような愛着程度はエミリーにあるようだ。
「ん、ふッ……あ、あの」
「あら、何かしら?」
触手からの突き上げも、エキドナへの屈辱的な奉仕も、それは良い、まだ我慢できる。だがエミリーが心配するのはやはり仲間たちのことであった。
隣で凌辱されているキャロルもそうだが、肉のベッドの上にはいない二人の子と、シャルルとミューのことも心配なのだろう。どれだけ屈服しようともそこだけはずっと頭の片隅にあり、そんな彼女を嬲ることをエキドナは殊更に好んでいるのだ。
「二人を……ミューとシャルルを、少し、休ませてあげてください」
「あぁ、あの二人ね」
嘆願の声にたった今思い出したかのように、エキドナはベッドの傍らへと視線を向ける。
そこでは肉の壁に手足を埋められて、胴体と頭だけが露出したミュートシャルルの姿が確認できてしまった。
「~~~~ッ!!」
「ッ!!」
どちらもそんな状態であり、彼女たちの股間にはエキドナが強制的に作ったであろう肉棒が伸びている。
エミリーも経験した搾精の責め苦であった。気まぐれなのかそれとも奪い取れる魔力の質を調べているのか、今はミューとシャルルの番であるらしい。
ただしエミリーと違うのは、二人の頭をすっぽりと覆いかぶさるように花弁の触手が包み込んでいるということだろうか、唇と顎先だけが露出しておりそれ以外は触手に呑まれている。
「なにじゃあお前が代わりになるの? ふふッ、頭まで触手に呑まれて凌辱されたいわけだ、物好きなこと」
その発言に覚えたように表情を歪めるエミリーは、手足を肉の壁に埋め込まれ、搾精と頭をしゃぶられる二人に何とも言えない視線を向けていた。
「あはッ、あれって凄いのよ、糸みたいに凄く細い触手が耳や鼻の穴から入って来てね、頭の奥まで弄り回されるの……ぐっちゃぐちゃにね」
またエミリーの体が恐怖で震える。自分がそれを受けていることを想像したのかもしれない。
「あの二人は今頃、幻覚でも見てるんじゃない?」
それを証明するかのように、二人から喘ぎ声が漏れる。
「あッ、あッ……ダメです……おッ……キャロル殿……んくッ……そんなに締め付けてはぁ!!」
ミューの口からは触手に嬲られて搾精されているとは思えないような声が漏れ出ていた。頭が大きな花弁の触手にしゃぶられているのでその表情はハッキリと見えないが、僅かに露出した唇や顎先はどこか喜んでいるようにも見えてしまう。
手足は肉の壁に埋まってしまっているので自由に動かせないが、露出した胴体は甘い刺激に連動するように身動ぎしており、腰に至ってはカクカクと小刻みに揺れ動いていた。
まるで見えない何かと激しく交わっているようなありさまである。ただし彼女が交わっている相手は触手であった。
腰が揺れる度に、エキドナに生やされた肉棒を揺れ、そこに触手が群がり精を吸い出す。
肉の壁に埋まり、頭には醜悪な肉の兜を嵌められ、膣と肛門は触手に蹂躙され、生えた男性器には触手が群がる。そんな醜悪で悍ましい状態が今のミューとシャルルであった。
「んぉぉぉおッ!! おッ、おッ……また出る、出ちゃうッ……キャロル殿ッ、また貴女に……全部受け止めてください……あはぁぁぁぁあああッ!!」
頭の奥まで触手に犯しつくされるミューは、もしかしたらキャロルと交わる幻覚でも見ているのかもしれない。それが頭をしゃぶる触手によるものなのか、つらい現実から目を背ける防衛本能なのか判断はできない。
子宮を押し上げられ、同時に肉棒からも精を吐き出すミューは、男と女の絶頂を同時に経験して普段の凛々しい雰囲気を完全に粉砕して淫らな声を響かせていく。
「あ、うぁ……ぅ……あは、んん、はい、何度でもお付き合いします……キャロル殿」
やがて絶頂の波が収まり。涎を垂らしながら余韻に震えるミューは、またもや触手の刺激に興奮を高めていき。徐々に喘ぎ声を大きくしていくのだった。
例え幻想であっても、敬愛すべき主に奉仕している夢を見れているだけ、彼女は幸運なのかもしれない。
それを見せつけられるエミリーとキャロルからしてみれば、触手に犯され搾精される姿は何とも言えない渋い表情になってしまうものである。
速く仲間をあの状態から救い出したい、だがそんな余裕はエミリーにもキャロルにもないのだ。
そしてミューのすぐ隣で同じように頭を触手にしゃぶられ、体中のあらゆる穴を大小様々な触手で責められるシャルルもそれは同様であった。
「……ぁ……ぅ……んん」
シャルルは隣にいるミューとは違い、か細い呻き声を聞かせるだけである。疲れ切っていながらも断続的に広がる甘い痺れや、度重なる搾精にただただ翻弄されるだけらしい。
戦士として鍛え抜かれたしなやかな体も、エミリーと変わらない程に豊かに実った乳房も、粘液に塗れて汚れており、ミューと同じように頭には大きな触手の花弁を被っていた。
きっとシャルルはシャルルで何かしらの幻覚を見ているのかもしれない。
「……ぅッ」
ビクッとシャルルの肛門と膣を押し上げる触手の動きに合わせてシャルルの腰が反応して、エキドナに生やされた肉棒から精が放たれる。
それを舐めまわすように触手が群がり飲み干していく光景は、もう数え切れないほどに繰り返されたものなのだろう。
エミリーとキャロルが肉のベッドで凌辱されている間、シャルルとミューはずっとこんな感じである。何もかもを搾り取られて疲労は深刻な状態だ。特にシャルルは聖騎士の魔力や生命力を珍しがられたのか執拗に搾精されており、ぐったりとしているのは間違いない。
だからといって、肉のベッドの上でエキドナの相手をさせられているエミリーとキャロルが楽なのかと言われるとそうでもないのだが。
肉の壁に手足を埋め込まれて触手に弄ばれる二人の様子はあまりにも無残であり、危険でもあるように思えた。
少しでも休憩が必要だと、二人の様子を見てエミリーは考えるのだが。
「……んくぅんッ!?」
不意打ち気味に、触手に絡めとられている下半身から甘い痺れが広がって、彼女は堪えようとしていた喘ぎ声を中途半端に漏らす。
そもそもエミリーもキャロルも、ミューとシャルルを気遣っていられる状況でもないのだ。
「あぁ~……あぁ~……うぁ」
同じ肉のベッドの上にいるキャロルも度重なる絶頂で放心気味であり、そんな状態であっても彼女をお気に入りの人形のように手元に置くエキドナは容赦なく攻めたてている。出て来る母乳が減って来たからなのか、鋭い犬歯を乳首に立てて毒を流し込み、そのまま鎖骨や顎先を舐めまわしながら己の欲望を吐き出していく。
「……おッ!?」
子宮に感じ取るエキドナの欲望を受けてキャロルは苦しそうに汚い喘ぎを響かせ、そして苦痛よりも大きな絶頂へとまた昂っていくのだった。
もう何度も繰り返されてきたことであり、決まってその次は触発されたかのようにエミリーへと触手が動くのだ。
「痛ッ……んむッ!?」
キャロルと自分の半身の絶頂を隣で見ていたもう一人のエキドナは、それに触発されたかのようにエミリーの頭を鷲掴みにすると、胸と唇で奉仕させていた肉棒を強引に加えさせてしまう。
力づくで喉奥まで亀頭を押し込まれる形でかなり強引な行為だったので呼吸困難になりながらも、やはりエミリーの思考はエキドナを怒らせてはいけないという方向に落ち着いてしまうのだ。
度重なる凌辱がそうさせる。だから舌も唇も強引な口淫を受け入れて艶めかしく動いてしまうのだろう。
「んッ……はぁ……全部飲みなさい、ご褒美よ」
暫く必死の口淫を楽しんだエキドナは体を震わせながら欲望を放つ。喉奥に突然に火傷しそうなほどの熱を感じ取ったエミリーは、それを涙目になりながら喉を鳴らし飲み干していく、いくしかない。
喉にこびりつく熱と粘りけ、そして舌で感じ取る味わい、どれも娼婦をしていれば馴染みのあるものではあるのだが、エキドナのこれは媚毒でもあるのか胃に落ちた瞬間により興奮を増幅させてしまう。
「うッ、げほ……げほ、こふッ……はぁ、はぁ」
吐き出せば厳しい折檻が待っている。自分だけならばともかく仲間にまでその苛立ちを向けられてしまう、だからエミリーは窒息しそうになりながらも全てを呑みほしてからようやく体を脱力させた。
腹の奥にエキドナの熱を感じ取っていると、徐々に興奮が広がっていくのがわかってしまう。こうなると暫くは理性が蕩けるほどに堕ちてしまうことはもう何度も経験したのでわかっていた。
広がる興奮に思考がぼやけていくと、突然にエミリーの手が引かれて肉のベッドの上をやや強引に移動することになる。
先程までいた場所のすぐ隣、エキドナとキャロルが交わっていた空間まで引っ張られてしまったらしい。
下半身を呑みこむように絡みついていた触手たちはエミリーから離れ、代わりに場所を入れ替わったキャロルに絡みついているのが確認できた。
「あはは、あのチビも悪くないけど、貴女を使うのも好きよ? だって魔力が豊富だもの」
そう言ってさっきまでキャロルを貫いていたエキドナは、大量の愛液と精液を塗りたくられた己の興奮をエミリーの膣口へと押し付けてしまう。
触手に嬲られていた膣口は粘液でドロドロの状態であり、難なく強直を受け入れていくのだった。
咄嗟に抵抗しようにも、両手は手錠のように触手に絡めとられてしまっており、蛮行を受け入れるしかない。
「無理、無理です、こんな大きなもの……やぁぁぁぁあッ!?」
「んちゅ……うぐ……ん、ん」
子宮を亀頭が押し上げた瞬間にエミリーの視界では多くの火花が散った。それと同時に場所を入れ替わったキャロルもまたもう片方のエキドナに口淫をさせられてしまう。
「やッ、うぁッ……そんな、キャロル殿……孕みたいなどと……うッ……わ、わかりました、私がッ、私がぁッ……あッ、あッ、あぁッ!!」
「ぁ……ぁ……ぁ……ん」
更に醜悪な肉のベッドの近くではシャルルとミューが体中の穴を責められながら幻覚を見て搾り取られており、そんな四人をエキドナたちはケラケラと笑って嬲り倒すのだ。
勝者と敗者、上位者と奉仕者に分かれた構図が覆ることはなく、あざ笑う声と喘ぎ声が落ち着くこともない。
ここは肉の牢獄、四人娘は囚人で、悪魔の看守が絶対である。