商人と冒険者と娼婦 作:にやまな
どれくらいこの肉の牢獄に囚われて凌辱されただろうか? そんなことを頭の片隅で考えてみるが、意味の無いことだと結論付けてしまう。
彼女たちの感覚では一カ月はいるような気もするし、もしかしたら数日もたっていないのかもしれない。
太陽も見えず月も肉の天蓋で隠れてしまっているので、今が昼なのか夜なのかもわからないまま過ごすのだ。日付けの感覚が来るってしまうのも仕方がないだろう。
空腹で大まかな時間を知る術もあるのだが、定期的に飲まされる触手の粘液や吐き出される白濁液で不思議と飢餓状態にはならないので、やはりハッキリとした時間はわからない。
エキドナはその辺りは慎重だ。畜産業者が家畜が飢えないように気を使うかのように、四人娘たちを家畜のように世話をする。
凌辱していても本当に危ない所までは追い込まない。それは優しさとか配慮とかではなく、自分が所有している家畜が自分のあずかり知らぬ所で死んでしまうことを避ける為であり、彼女たちの為ではない。
既にエキドナの中では四人娘は目障りな敵ではなく、自分が管理する家畜となっているらしい。
「はぁ~……はぁ~」
隣から荒い呼吸が聞こえて来る、僅かに視線を向けてみるとそこでは肩を大きく揺らして酸素を求めるシャルルの姿があった。
そして逆側に視線を向けてみると、そこでもエミリーの姿が確認できてしまう。
最後に正面を見てみるとミューの姿もあり、キャロルは自分たちが肉の牢獄に変わらず囚われていることを改めて実感する。
どれだけの時間が過ぎ去ったのかはわからないが、目覚めるとエキドナの姿は無く、彼女たちは肉の壁に手足を埋め込まれた状態で拘束されていた。
無駄とわかっていながらも手足を動かそうとするが、吊り下げられるように固められた手と足は肉の壁から抜けることはない。
キャロルもエミリーもシャルルもミューも、誰もが等しくそんな状態だった。
肉の壁から露出している胴体には大量の凌辱を物語る痕跡が塗りたくられており、それは糸を引いて肉の床へと落ちていく。
思い起こされるのはエキドナたちによる激しい凌辱である。体力の限界まで追い詰められて意識を失ってしまったことだろうか。
エキドナは今はいない。面白おかしく四人を弄ぶことを楽しんでいる様子ではあるが、彼女たちも暇ではないのか常に張り付いている訳でもないのだろう。
あの凌辱者がいない今こそ脱出の好機ではあるのだが、肉の壁から手足は抜けずもぞもぞと動くだけである。
何より体に蓄積した疲労は鉛を引きずるかのように彼女たちの体を縛っていた。心の衰弱も酷く、だからこそエキドナたちは壁に埋め込むだけで放置しているのだろう。
「う、ぁ……キャロル殿……お目覚めになられましたか?」
「ん……ミュー……大丈夫?」
「はい、なんとか……うッ」
キャロルから見て正面の位置で吊り下げられているミューの声に、キャロルは重たい瞼を広げて視線を上げた。
自分と同じように肉の壁に手足を埋め込まれて拘束されているミューは、下腹部に淡く輝く呪印が見て取れる。エキドナに埋め込まれたそれは淫らな呪いとなって体に絶えない興奮を刻んでいるのだろう。
ミューだけではない、キャロルにもへその下辺りに淫らな印が刻み込まれており、それは両隣にいるエミリーやシャルルも同様である。
飼い猫に首輪を付けるような感覚なのだろう。強力な房中術で刻み込まれたこの呪いはいつまでたっても興奮が収まらない厄介なものであった。
今もミューは内股になってモジモジと股を擦り合わせており、それは痒い所を掻けないかの様子にも見えてしまう。
こうして呪印による興奮が大きく高まってしまえば、最後には理性も矜持も投げ捨てて浅ましくエキドナに犯してくれと懇願するようになるのだ、昨日はまさにそんな状態であった。
或いは、こうして放置されているのはそんな四人娘の姿を見たいからなのかもしれない、悪趣味だと思うしかないが、それを跳ね除けられる立場にないのが今の彼女たちだ。
ジクジクとした熱が呪印から広がっていくのを感じながらも、今はまだ理性が勝っているので会話もできるらしい。
「あの悪魔たちは……いないようですね……ならば、何とか脱出を」
疲れ切って憔悴した表情でミューは体を捩る。目覚める度に繰り返して来た細やかな抵抗は、わかりきっていたことだが無駄に終わってしまう。
どれだけ手足に力を込めようとも、肉に埋まった四肢は全く引き抜けない。
「ん……体力を、温存しよう」
自分でも驚くほどに力が無く消極的な発言をしていると自覚しながらも、間違ったことではないと言い聞かせていることにも気が付く。
最初の頃は何としてでも逃げ出してやると思っていた心も、度重なる凌辱に陰りが見え始めているのは間違いない。
「エミリー……これ取れないのか? んッ……お前が付けてた時は、簡単に取れてたじゃん」
結局、自分たちにできることは無いと諦めるしかないと受け入れた所で、キャロルの隣にいるシャルルいつの間にか意識を取り戻してがそんなことを言った。
シャルルから見て正面で吊り上げられているエミリーに向けたものである。釣られるようにミュートキャロルの視線もそちらに向けられていく。
「すい、ません……とても、強力な房中術による呪印です……簡単には」
エミリーも目が覚めていたのか、疲れ切った表情でそう返す。
その返答は現状を脱することはできないという絶望的なものであり、時間が過ぎれば過ぎるほどに呪印による興奮が増していき、最後にはあさましく凌辱を求めるようになる未来を確定させるものであった。
今も四人娘のへその下辺りに刻まれた呪印は淡く輝いており、時間がたつに連れて熱が強まっているのだ。エキドナに懇願するようになるのはそう遠いことではない。
「強く、強く心を保ってください……ん、んんッ……弱気のままだと、すぐに蝕まれてしまいますから」
そう言ったエミリーに欠片の強気も感じられないくらいに憔悴しており、この状況で心を強く意地することがどれだけ難しいかを物語っている。
「うッ……アイツらは、何がしたいんだろうな……殺すでもなくさ」
シャルルとしてはそこが疑問であるらしい。目の前に無力化した敵がいるというのにエキドナは自分たちを弄びこそすれど殺すまではいかない。
悪魔らしく無慈悲に殺そうとするのが自然なように思えるのだが、シャルルを含めて他の三人もまだ生きているのが疑問であるらしい。
こうして四人が会話できる距離にいることを利用して少しでも医師や情報を共有して置くべきだろう。もしくは話していないと弱気に食いつぶされてしまうと思っているのだろうか。
「ん……孕ませるつもりなんだと思う……強い、魔獣が欲しいみたいだから」
疑問に答えたのはキャロルであった。幾度かエキドナに接した経験として孕ませて生み出すことに強い執着を持っていることを知っていたからだ。そしてエキドナ自身もそうす為だと公言もしているので間違いないだろう。
「なんだよ、それ……家畜じゃないんだから」
「あちらとしては、まさに繁殖用の家畜なのでしょうね」
シャルルもエキドナの目的については薄々と理解していたようだが、実際にそれをされる側からしてみれば俄かには信じがたいことである。エミリーの捕捉を聞かされても納得できないのも仕方がない。
そもそも人間と悪魔の価値観が並行を辿ることなどありえないのだから、いつまでたっても理解など出来る筈がないだろう。
そしてエキドナも理解させるつもりはないらしい、強者が弱者の子宮を犯すことにそんなものはそもそも不要なのだから。
「大丈夫だ、シャルル殿……我々には娼婦神の加護がある……はぁ、はぁ、簡単に孕んだりはしない」
呪印の効力が強まって来たのか、荒い呼吸を繰り返しながらミューがそう答えると、納得できる部分はあった。
これまで散々と凌辱されてきたが彼女たちが孕んだ様子はなく、もっと言えばこれまで娼婦として多くの相手と交わって来たがそれでも妊娠することはない。
それもこれも娼婦神の加護があるからである。逆に生命神の加護が強まれば簡単に妊娠することができるので、おそらくはそこがエキドナの狙いであると思われた。
「だから、娼婦神への祈りを欠かしては駄目だ……きっと、我々を追い詰めて、加護を弱めようとする筈だから……うぁ」
言い終わる前にミューの胴体に細長い触手が伸びて来て絡みついてくる。粘液に塗れたそれが胴体に張り付く感覚にミューはなさけない声を上げてしまう。
身を捩るが手足は肉の壁に埋まったままだ、どれだけ動こうとも釋種が柔肌を撫でることを阻止することはできない。
触手が動き始めたということは今日も凌辱が始まったということである。エキドナたちはまだ姿は見せていないが、どうやら今回は触手群で嬲るつもりのようだ。
「んゃ……これ、やだ、触手やぁ……馬鹿に、なる、んんんッ」
「やめろ、触るなッ……あッ、あッ、うぁぁあッ!!」
「いゃあん……ダメですッ、押し広げないでッ……やああああッ!!」
触手に絡めとられているのはミューだけではない、左右と正面にいる三人も同様に絡みついており、その先端はそれぞれの膣口を押し開いて彼女たちの最奥を蹂躙していく。
もう慣れ親しんだとさえ思えるほどに蹂躙された触手たちだ、子宮口でその先端を受け止めると媚毒の影響もあって途端に甘い声が漏れ出てしまった。
どれだけ否定して抵抗したとしても、体はもう素直になってしまっているのだろう。
引き抜き、押し込まれる、ただその繰り返しだけで彼女たちの秘所は熱く昂り、粘り気のある愛液が糸を引いて触手に絡みついてしまう。
理性も感情も焼き切る、甘い拷問であった。
キャロルが馬鹿になってしまうと言っているのも頷ける、この触手たちは女を嬲って蹂躙する為だけに生み出された肉棒だ。押し込みかき乱せば抗うことは難しい。
事実、触手を受け入れた四人娘は誰もが口では抵抗しながらも、蕩けきっただらしのない顔を浮かべて涎を垂らしている。
「おッ……んぉッ!?」
下品極まる声を上げたのは誰だろうか、触手は同時に動き出したのでもしかしたら全員かもしれない。
一般的な男性器よりも太く、そして妙に凸凹した瘤が付いた触手は最奥を執拗に押し上げ、それに加えて細長い触手が同時に彼女たちの肉芽を突きまわせば、四人娘はすぐさま体を震わせて甘い声を上げてしまう。
「んッ、くッ……んんんんんんッ!?」
まだ始まったばかりであるというのに、エミリーは絶頂へと押し上げられていた。
「馬ッ鹿……エミリー、お前が心を強く保てって……んッ……言ったんだろうが、あッ、あんッ……もっと、耐えろよぉ……やぁ!?」
「だって、だってぇ!! こんなの無理です……はぁ、はぁ~……ゴリゴリってぇ、奥をッ……ああッ、あッ……また来て……んやぁ!!」
シャルルの位置から見て正面にいるエミリーは絶頂の余韻が引かない内からまたも攻めたてられて昂っていく。
そんな姿に悪態をつくシャルルではあったが、彼女は彼女で人のことを言えない程度には触手に翻弄されており、絶頂もそう遠くはなさそうだ。
「ひぅん!? や、やめろ、そっちは駄目だぁ……んぉ!?」
次に一際大きな声を上げたのはミューである。皆と同じように膣口では大きな触手を咥えこんでおりそれだけでも翻弄されているというのに、同じ太さの触手がどうやら肛門にも当たっているらしい。
なんとか阻止しようと身を捩るが、やはり無駄であった。
肛門を押し広げて触手の侵入を許せば、ミューは痛みよりも早く甘い痺れに支配されてなさけない声を響かせる。
「おッ、おッ……あぐッ……同時に突くのはッ……あッ、あぁぁッ、あはあああッ!?」
前後の穴で触手を咥えこんで一分もしない内に、ミューは絶頂に押し上げられて股間から潮を吹きだす。
それは彼女から見て正面にいたキャロルに飛び散ってその体を汚すのだった。
「あッ……ぁ……うッ……キャロル、殿……申し訳、ありません……あッ、あッ!! あ!? やめ、動くなぁ!!」
執拗に攻められているのはキャロルも同様であり、正面のミューからの謝罪を受け取る余裕すらないのか、触手の動きに同調して体を揺れ動かしている。
キャロルの華奢な体では他の三人以上に触手は大きな衝撃を与えているのだろう。触手が動く度に僅かにだがキャロルの腹部が膨れ上がっているようにも見えてしまう。
「ひッ、うッ……ぁ……あ……うッ……ひぐッ……らめ、あは……これダメぇ……おかしくなるからぁ……やッ、やッ、やぁああああッ!!」
瘤だらけの触手が膣壁を引っかきながら最奥へ到達してしまえば、華奢な体はそれだけで激しく昂ってしまった。
以前はそこまで敏感ではなかったのだが度重なる刺激と媚毒の影響なのか、あまりにも快楽に弱くなってしまい、そこに呪印が刻まれたことでもう何の抵抗もできなくなってしまったのだろう。
触手を突っ込まれてしまえば、キャロルはもう喘ぐことしかできないのだ。
矜持だとか、エキドナに向けた憤りだとか、復讐心だとか、そういった全てが子宮を押し上げられると吹き飛んでしまう。
このまま甘い沼に浸かって沈んでしまいたい。
そんな一線が見えて感じるくらいの位置にまで来ている自覚はあるのだろう。そこをこえれば最後、きっと自分はエキドナに何もかもを捧げる完全な奴隷となってしまうと言い聞かせて抵抗するのだが、やはり触手が動くと固めた筈の決意が揺らいでしまう。
超えてはならない一線は、間違いなく昨日より近づいている。
それはきっとキャロルだけの話ではなく、全員が共通していることだ。
こうして互いの姿が確認できるうちはせめて慰め合って勇気づけ、少しでも心を潤すしかないが、そんな健気な慰め合いもエキドナを楽しませていることに気が付いてはいないらしい。
何であれ、今日も耐えるだけである。あの一線を超えないように。
「ひッ!?」
「あ、あれは……」
彼女たちの思いや意思など無関係とばかりにそれはやって来た。
まず最初にらしくない悲鳴を上げたのはシャルルである。彼女はそれをよく知っているし味わっているので恐怖の対象となっているのだろう。
危ない薬にどっぷりと浸かって夢でも見るかのような感覚を与えて来るものなのだ、恐れるのも当然である。
四人娘の頭上から一際大きな触手が伸びて来る。それは彼女たちの胴体程はあろうかというとても太い触手であり、その先端が眼前で花弁のように開くと恐ろしさはいよいよ最大まで高まった。
「ひうッ!?」
大きな花弁の触手はまずシャルルの頭を包んで帽子のように顔の上半分を包み込んでしまう。
次の瞬間に産毛のような細い触手が花弁の中で動き回るのがわかった。そのまま耳や鼻の穴から侵入してくるそれは、最後には彼女たちの頭にまで届く。
ぐちゃりぐちゃりと、頭に響く音は本能的な今日をを広げるのだが、それは最初だけである。
「はひんッ!?」
徐々に恐怖は薄れていく、それどころか妙な浮遊感すら覚え始めて、最後には理性も思考も蕩けきって快楽の波に押し流されてしまうのだ。
幸福で甘ったるい夢を見ながらシャルルは嬲られていく、きっと自分が今どんな状態であるかすらもわかっていないのだろう。
「や、やぁ……やだッ」
キャロルもまた花弁に頭が包み込まれて思考と理性を溶かされていき。
「くッ……また、これか……私は、負けないぞ、こんなものにッ……うッ」
「皆、心をッ、強く保って……んんッ」
どれだけ抵抗しようとも、最後にはそれぞれ花弁の触手を頭に被って理性と思考を溶かされていくのだった。
「あぁッ……んひッ……あぁ、ぁ~、あぁ~………………ぁ」
きっと、幸せな夢でも見ているのだろう。