商人と冒険者と娼婦 作:にやまな
神殿娼婦と呼ばれる女性がいる、神官であり神職に勤めながら売春を行う者がそう呼ばれるらしい。
シャルルやキャロルからしてみると、普通の娼婦とどう違うのかさっぱりわからないのだが、説明役であるエミリーに言わせると全くの別者らしい。
生活の為に売春するのではなく神職の延長として売春を行う、やることは一緒だが目標が大きく違うのだろう。
「その時代や神殿による解釈の違いはあるでしょうけど、多くの場合は神事の一環として性交渉を行います、房中術による魂の交わりは……もっと言えば男女の交わりは一つの儀式なのだと古くから考えられてきました」
そうエミリーに説明された二人は「へぇ」と簡単な返事だけをしてしまう、やはり上手く伝わらなかったらしい。
「人間は不完全な生き物だという考え方もあるそうです、なので交わることによって完全となり子を産むことができるという価値観があり、またそう言った宗教解釈とは別に房中術によって活力を分け与えるなどの医療的な需要もありました」
「ふ~ん……そんだけ?」
「シャルル……これから私たちは神殿娼婦として働くんですからね? 前にも言いましたが中途半端な気持ちで儀式に挑んではいけませんよ? とても長く深い歴史がある立場なんだとしっかり自覚しなくては」
「いや、まぁなんか色々と考えてるんだなぁとは思ったけどさ、宗教的なあれやこれらを教えられてもよくわかんないって……それに実際はそんな難しい考え方じゃなくて、もっと単純に神殿の運転資金が足りなくなったから体で稼いでただけなんじゃないのか?」
「う……まぁ、そういう側面があることも否定はできませんが」
つまり娼館と大差はない、難しい歴史を説明されるよりは簡単にそう言われた方がシャルルとしてはわかりやすいのだろう。
「ん……神官とセックスすると神域に近づけて、加護を強くできるんだって」
キャロルの手には娼婦と男娼の神殿にある聖典が握られている、そこに書かれた歴史を眺めながら彼女はそう言った。
あまり興味がないのか流し読みをするだけだが、エミリーが伝えたいことはなんとなく理解したらしい。
「はい、そうですね、そこにかかれている通り神殿娼婦との交わりは神格を高めて徳を積み重ねることに繋がると言われています。宗教的、儀式的、医療的な見方によって求められることも異なりますが、そのどれもが大きな意味があるんでしょうね」
エミリーは首にぶら下がった聖印を掌で包みながら、自分がその長い歴史の中にいるのだと考え込んで、静かに祈りを捧げるのだった。
神殿娼婦として神事に関わる、それは信心深い彼女にとって一つの憧れなのだろう。
これもまた巡礼の旅の一つ、信者として重ねるべき徳なのだとエミリーは考えていた。
「皆様、準備が整いました……これより儀式を行います」
神殿長が儀式再現の為に集まった娼婦たちにそう声をかける、年齢も事情も様々な女性たちは慣れているのか特に緊張した様子もなく持ち場に付いていく。
毎年のことなので彼女たちの動きに固さはなかった、今回が初参加の三人娘も朝練習を続けていたので淀みなく動いていった。
彼女たちが向かうのは神殿の大広間、そこに転ばされた理性無き人々を囲むように神殿娼婦たちは立つのだ、一定の間隔で並ぶ彼女たちを線で結ぶと一つの魔術陣が出来ている。
最後の一人である神殿長が位置に付くと、大広間に大きな魔術陣が現れて淡い輝きを宿す、その中心にいるのが呪いに苦しむ人々であった。
「苦難を歩む魂に我らが献身を贈ります」
儀式の始まりは神殿長のそんな一言で始まった、その言葉を最初の一歩として、神殿娼婦たちはそれぞれに与えられた祝詞を呟いていく。
「我が魂を貴方の下に」
エミリーがそう言った。
「どうかこの身を侍らしください」
シャルルもまた自らに与えられた言葉を呟く。
「……この熱を分け与えます」
キャロルも祝詞を唱えていく。
五十人近い娼婦がそれぞれ全く異なる言葉を呟き、囀り歌うように繋げていくのだ、それだけの人間が別々の言葉を発すればただの雑音となってしまうのだが、そこには不思議な一体感が存在しているようだ。
そして彼女たちは祝詞を発しながらその身をくねらせて舞い始めた、それぞれがそれぞれの工程に沿って歌と踊りを続けていきその度に魔術陣の光が大きくなっていく。
「思いをここに」
「願いをここに」
「祈りをここに」
三人娘の言葉が僅かに重なっていく、彼女たちだけでなく他の娼婦たちも同様だ。
最初こそ別々の言葉と踊りでそれぞれ儀式を行っていたのだが終盤に近付くに連れて言葉や動作が重なり始め、雑音は確かな歌となり舞もまた同調を始めていた。
始まりは別々だったものが終わりに集い一つになっていく、最後にはその場にいた神殿娼婦たちは一糸乱れぬ動きと歌で儀式を完成させるのだった。
その一部を担う三人娘は奇妙な感覚に絡みつかれている、それは不快ものではなく言ってしまえばデジャブのようなものなのだろう。
これは呪いを祓う儀式でありその模倣なのだ、過去に行われた事象を真似て結果を再現する、完成度の高さもあってかその場にいた娼婦たちは過去に影響を与えられているのだ。
この歌も舞も過去の模倣に過ぎない、しかし真に迫れば真似事でも輝きを宿す、かつて自分たちと同じように歌い踊っていた者たちの感覚が過去再現の儀式によって流れ込んでくる。
彼女たちは周囲の者たちとだけでなく、この儀式によって過去とも同調しているのだ。
自分の知らない記憶が流れてくる、自分とは異なる思いが伝わってくる、やがてそれは完全なる過去再現へと通じるのだった。
降霊術を柱にする魔術師曰、過去を知り模倣することによって知識や経験や記憶を取り込み結果を再現する、これはまさにそれだ。
神殿は大きな光に包まれた、その祝福の輝きは神殿娼婦たちに吸い込まれていき彼女たちの魂を光らせていく。
その加護は巨大、その祝福は強く熱い。
そして彼女たちは、神殿娼婦としてその身を捧げ人々に奉仕するのだった。
理性を失った住民たちは飢えている、誰しもが多かれ少なかれ欲望というものをその身に沈めており、それに蓋をして押し留めるのが感情と理性なのだ、単純に密閉するだけでなく必要に応じて開閉するその蓋を無くしてしまえば、溢れる欲が垂れ流されるだけである。
呪いに侵された住人たちはまさにその蓋が無い状態だ、奥底から溢れる欲望を塞き止める機能を失って、目の前にぶら下げられた餌に食らいつこうと必死に藻掻いているのだろう。
両手を背中で拘束している鎖はジャラジャラと音を鳴らし、血走った瞳は目の前に広がる女体を刺すように見つめている、唇の端からは涎が流れており呼吸も荒い。
欲望と言っても様々だが、目の前で薄着の娼婦たちが歌いながら踊ればその方向は性欲へと誘導されることになった。
彼らの股間は熱くなり、食欲や睡眠欲が薄くなっているようだ、噛みつかれるようなことは無いだろう。
その段階で鎖は緩められた、拘束から抜け出した住民たちは夢遊病患者のようにフラフラとした足取りで、或いは這いずるように巨大な祝福を宿した娼婦たちへ近づいていく。
「ん……ふ、あ……やぁ」
一人の娼婦が幾人かの男に囲まれて熱のある声を上げると、その左右でも似たような喘ぎが広がった。
娼婦は五十人ほどに対して呪いに蝕まれる人々は二百人以上はいるのでどうしても一対一の形にはならない、三人娘は勿論のこと他の娼婦たちもまた男に囲まれている。
「んッ、ふふ、こんなに固くして、待ちきれなかったのねぇ」
熟練の娼婦はそういった状況にも慣れているのか余裕の笑みを浮かべているようだ、左右の手で男の肉棒を優しく包み、唇は正面にいた男の股間に伸びていく。
「んッ、ふッ……ちょ、待って、や、数多すぎだって」
対して若い娼婦は慣れていないのか、複数の男に囲まれると上手く捌くことが出来なかったらしい、そのまま倒れ込むように床に転がって理性無き人々に埋まってしまった。
「あんッ! あッ、これ凄いッ……あは、こんなに大勢と一度にするなんて初めてだよ」
この状況を楽しんでいる者もいるようだ、彼女はまだ幼さの残る少年を押し倒してその上に跨ると、両手は他の男を求めて彷徨う。
神殿の中は淫靡な空気に包まれ、無数の喘ぎ声が響くのだった。
それぞれが自分の役割をこなしていく中、三人娘もまた同じように理性無き人々の相手をしている、キャロルの華奢な体は男に埋まっており、シャルルは壁際に追い詰められて腰を突き出している、エミリーもまた無数の男に囲まれているようだ。
「うッあぁ、あッ、アッ……んんッ、んあ……もうちょっと優しくしろって、あッ!?」
神殿の壁に押し付けられたシャルルは臀部を突き出した状態で男に犯され、腰を痛いくらいの力で掴まれて技術も配慮も無い腰使いで最奥を突かれて喘いでいる。
言葉ではやめろと言っているが激しく暴力的な行為に彼女の体は甘い熱に震えており、しっかりと快楽を感じているようだ。
「あぁ、ああ、中で震えて……もう、イクのか? あッ、アッ、アッ……んんン、んひい!?」
痛みを感じるような突き込みと同時に男は彼女の中に射精する、体重を押し付けられたシャルルの体は更に神殿の端に押し付けられてしまい、上半身はぴったりと張り付いてしまう。
丁度、その場所がガラス窓であったことから透明な壁に沿って胸や頬が形を変える、外から見れば何とも淫靡な光景であることだろう。
そんな状態では通行人と目が合ってしまう……正確には娼婦の神殿で行われている乱交の噂を聞きつけて覗きに来た少年たちが、神殿の庭にある花壇に身を隠しながら中を伺っているのだ。
ガラス窓に体を押し付けられ、背後から男に犯されるシャルルを見て彼らは顔を赤くしている。
「ちょ、見られてる、見られてるっての、んんんんッ!? うぁッ! やッ、待って……ん、んんッ!」
だがそんなことは理性無き男たちには関係がなかった、射精して余韻に震える男を押しのけて、別の男がシャルルの腰を掴むと、無遠慮な雑さで自らの欲望を彼女の中に押し込んでいく。
そして挿入と同時に射精する、 中に押し込んだだけで果ててしまったようだ。
「あッ、くッ……あぅ……熱い、また出てる」
二度の射精を受け入れたシャルルの膣口から多くの白濁が零れて太ももを伝っていく、それは床まで汚してしまう量であった。
普通の客であり、普段の仕事であるならば二度も射精されれば相手は満足して行為は終わりになるのだが、今回は人数も多い上に理性を失っている相手なので終わりにはまだ遠い。
少しだけ振り返ってみると、無数の男たちが壁際に追い詰められているシャルルの臀部へと群がろうとしていた、押し合い殴り合うように一人の男が彼女の腰を掴むと勢いよく肉竿を突き込んだ。
「んひッ!? やッ……また、入って……アッ、アッ、アッ……んッ、くッ……ふう~……ふう~、あぁ、んッ、んんんんッ……おッ、おッ……----んんんんッッ!!」
乱暴な交わりに彼女の体は震えた、肉棒を強く締め上げながら膣壁がうねり、精液を子宮へ送り込もうと脈動するのだ。
またガラス窓の向こうで覗く少年たちと視線が重なった、快楽に蕩けるシャルルの顔とガラスに張り付いて形を変える胸を食い入るように見つめている。
「あぁ~……あぁ~……ちょっと、待ってくれ……これ、うッ……恥ずかしいから……んぁッ!?」
また別の男がシャルルを犯す、理性を失っているので技術も思いやりもない行為だがそれが嗜虐的な痺れを与えてくれるのだ、思い出すのは海賊に捕まった時の船底での時間であり、乱暴で強制的な快楽が彼女の癖になっているのだろう。
凌辱されるような雑さが、堪らなく心地いい。
それを証明するかのように複数回に渡って膣内で吐き出された精液だけではない、彼女の愛液も白く濁って太ももを伝っている。
「はぁ、はぁ、はぁ……んッくッ……あッ、まだ、こんなにいるのかよ」
娼婦は他にもいるが相手の数が多すぎるので余ってしまう、そんな彼らは隙間に入り込むかのように女に群がって少しでも欲望を晴らそうと股間を慰めたり擦り付けたりしてくるのだ。
シャルルを犯す男の左右にも別の男がおり、彼らは固くそそり立ったそれをシゴキながら形の良い臀部に白濁を吐き出して汚していく。
それと同時に子宮を押し上げる肉棒も射精するのだった、もう五度目の射精を受けたがこれでもまだ序盤でしかない。
「うッ……あ、あぁ……イク、イクから、またイッちゃうから、ちょっとタンマ……休ませ、んやぁ!? また、入ってきて……あ、あぁ、ああああッ……おッ、おッ」
終わりが見えない交わりであると同時に休憩もないのでシャルルは少しだけ怖くなった、それと同時に甘い痺れと予感に背筋を振るわせてしまう。
また別の男がシャルルを貫いた、今度は挿入と同時にシャルルの方が果てる。
「ーー~~~ッッんんん!!」
二度目の絶頂と六度目の射精にとうとう姿勢を維持することができなくなったのか、彼女は滑り落ちるようにその場に転がった。
だがそれで休憩になるかと思えばそうではない、床に横になった彼女は無数の男たちが群がっており、引きずり込まれるように引っ張られて背中を床に押し付けられてしまう。
そして両足の間に男が体を滑り込ませてきて、固く熱を持つ肉棒で貫いて来た。
「んんッ……く、ぁッ……また、また入ってきてるッ……うぁ、熱い」
押し倒されたシャルルの視界に広がるのは理性を無くした人々であり、それが隙間なく立ちふさがって周りの様子がうかがえない、無数の喘ぎ声だけが男の壁の向こうから聞こえており、その中にはキャロルやエミリーの声も交じっているようにも思えた。
あちらはあちらで無数の男に囲まれているのだろう、絶頂に鳴かされる声はおそらくキャロルのものだ。
「あッ、アッ、おッ、おッ……うッ、震えてる、また、また出すのか?」
七人目の男による七度目の射精を受けると同時に、房中術で繋がった魔術的な道を通じて感覚が引っ張られてしまった。
彼の絶頂は、すなわち彼女の絶頂である。
「ふぅ~……うッ、うッ、うぁ、あぁぁぁぁ、イク、イク、また……あッアッん、んんんッ! んぁ、あッ! あッ! ああッ! んん……-----ッッんむんんんん!?」
男は射精と同時にシャルルの唇を貪って腰をぴったりと合わせてくる、子宮に押し込まれた熱を感じて彼女もまた甘い沼に落ちるのだった。
彼女を取り囲む男たちも一斉に扱いていた肉棒から精液を吐き出すと、それは白い雨となってシャルルの体を汚していく。
三度目の絶頂は未だに強く甘い、しかし余韻に震える彼女の体は鉛をぶら下げるような疲労にはまだ遠いようだ、生命力の塊を蜜壺に注ぎ込まれてそれが魔力となり活力となっていた。
「はぁ~……はぁ~……はぁ~、んッ……あッ」
目の前に立ちふさがる男の壁を眺めながら、シャルルはこんなことを考えた。
今日一日で、どれだけの男と交わって中に出されるのかと。
五十人の娼婦で分担しても十や二十ではおそらく足りないだろう、きっと数えきれないほどの交わりを続けることになる。
「あッ……うぁッ、入ってきて……あはぁッ!」
そんな絶頂の予感に、彼女は僅かな恐怖と歓喜でゾクリと体を震わせてしまう。
少し離れた位置から聞こえてくる友人と妹の喘ぎ声を聞きながら、シャルルはまた新しい男を迎え入れるのだった。
シャルルが八人目の男に貫かれている壁際から少し離れた位置、娼婦の神殿の象徴でもあるミカエラに似た銅像の足元にキャロルの姿が確認できる、どうやら彼女も男の壁に押されてそこまで追い詰められたらしい。
「ーーー~~~ッ!!~~~~~ッんんんッ!?」
華奢な体は二人の男に抱きかかえられている、正面に一人、背後に一人だ。
二人の男は同時に、或いは交互にキャロルの前後の穴を攻め立てているようだ、汗を流して鼻息荒く腰を振る彼らに挟まれるキャロルの体は男に埋まっているとも言えるだろう。
膣と肛門にねじ込まれた肉棒は太く固い、前の穴は慣れているのでまだ大丈夫なのだが、問題なのは後ろの穴だ。
そちらは慣れていない、また彼女自身も楽しむ趣味があまりなかったので突っ込まれても違和感の方が強い、経験が皆無という訳ではないのだが好ましい感覚ではない……これまではそうだった。
少し前に触手の海に呑まれた時、無数の触手に弄ばれた交わりを得た結果なのか、彼女の体はそちらの方でもしっかりと快感を得てしまっている。
膣奥を突かれて震え、肛門を突かれて被虐的な衝撃にビクッと反応を返す。
「んッ! んッ! んんッ! あッ……ダメ、これ、気持ちいい、んやぁッ!」
既に絶頂は三度目だ、蕩けるような熱を前後の穴で味わってしまっている。
娼館に訪れる客の中に稀にだが肛門での行為を要求してくる者がいるが、今なら楽しめるかもしれない、彼女はそんなことを思う。
「やぁ……やぁ……うぁ、イク……アッ、アッ、あぁ」
男たちの腰使いが激しく荒くなっていく、娼婦として働いた経験から射精が近いことを知り、キャロルもまたタイミングを合わせるかのように高まっていくのだった。
「んんんんんッ!! んッ、んんッーー~~~~ッッ!!」
三人の絶頂はぴったりと重なったようだ、最奥で二本の肉棒が震えて精液を吐き出すと、キャロルはそれを体の最も深い部分で受け止める。
彼らは射精の度に毒のように体に広がった呪いを吐き出していく、そしてそれらは巨大な祝福を宿した彼女たちに渡されて浄化されていくのだ。
つまり、射精すればするほど呪いは弱まっていく。
「あぁ……アッ……はぁ、はぁ……んくッ……はぁ~」
ずるりと彼女を蹂躙していた肉竿が引き抜かれていった、そしてキャロルを犯していた二人の男は別の女を求めてフラフラとした足取りで狂乱の中へ消えていくのだった。
絶頂の余韻に震えるキャロルは床に転がっており、前後の穴から大量の白濁が零れている。
「んぁ……はぁ……はぁ……ん」
そんな彼女に別の男が近寄って来た、さっきまでキャロルのすぐ隣で別の娼婦を犯していた男と思われた。
彼は床に転がって余韻を噛みしめていたキャロルの股を開かせると、白濁を零す膣口に自らの欲望を押し込んでいく。
とても雑で便所を使うかのような気楽な動作である、そこにあったから気ままに使っている、そんな動きであった。
「んやぁ!? あッ……うぁ……激し、やッ!」
行為はそう長く続かない、相手を思いやることも配慮することもない理性無き交わりなのだ、男女のまぐわいと表現するよりはただ熱を吐き出すだけの凌辱でしかないのだろう。
キャロルの子宮にはまた精子が注がれていく、そして男の絶頂に合わせて彼女もまた快楽を爆発させるのだった。
「あああぁ……あぁ~~……良い、これ……んッ、気持ちいい」
シャルルもそうだが、キャロルもまた雑に抱かれることに体が慣れてしまっているのだろう、男を迎え入れる度に蕩けるような表情を浮かべて喘いでいた。
どちらかと言えば男に跨って腰を振る女性優位な交わりを好む彼女だが、押し倒されて力づくで抱かれることも嫌いではないらしい。
状況や儀式によって作られる独特の空気に酔っている部分もあるのだろうが、キャロルはこの乱交をしっかりと楽しんでいるようだ。
「あ、んッ、あぁ……また、入って来る、やぁあッ!!」
キャロルを雑に犯していた男を押しのけて別の男が彼女を犯す、そしてまた別の男がやってきて欲望を放つのだ、それが絶えることなく続いていく。
彼女だけではない、周囲の娼婦たちも似たような状況であり神殿の内部は常に喘ぎ声が響くのだ。
「くッ……うッ……あッ……んッ、んんッ、んんんんんんッ!!」
十四人目の男がキャロルに精液をぶちまける、膣内ではなく浴びせるように華奢な体を汚す。
「あ~……あ~……あ~……あああぁ~~」
十七人目の男は射精の瞬間にわざわざ肉棒を膣から引き抜いて顔へと近づけてくる。
「おッ……うッ……うッ……あッ……んッ」
十九人目は床に背中を預けるキャロルを膝立ちにさせると、両手を引っ張りながら犯してきた。
男が射精する度に、その快楽に引っ張られてキャロルも絶頂へと至る、一対一の状況ではここまで連続しての交わりはまず経験できないだろう。
二十人を超えた辺りで彼女は数えることをやめたのか、ただ男に犯されるだけの穴と化していた、銅像の腰に上半身を預けてぶら下がり、小振りな尻を突き出しながらそれをゆらゆらと揺らすだけであった。
「ん……はぁ~……はぁ~……はぁ~……ほらぁ……ここ、空いてる、から……次、誰ぇ?」
揺れ動く小振りな尻に引き寄せられた男が、汗まみれの手で彼女の腰をきつく掴む。
また新しい男を受け入れて、シャルルはただ喘ぐのだった。
房中術の知識が三人娘の中で最も深いエミリーには今回の儀式で特別な役割が与えられた、舞や祝詞の一部を引き受けるのは他の娼婦と変わりないのだが、彼女の仕事はただ男と交わって呪いを祓うことだけではない。
「さぁ、こちらにいらしてくださいな」
エミリーが引き受けるのは主に女性たちである、当然ながら理性を奪われた人々は男性だけに限らないので、女性もまたこの儀式で呪いを砕く必要があるのだ。
ただ、男性と女性では体の構造は勿論のこと魂の在り方も異なって来る。
つまり、精液と一緒に毒のように広がった呪いを房中術を使って吐き出させる方法は女性には使えない。
男が産ませるのに対して女は産む側、吐き出すのではなく受け入れる性質が全ての女性に備わっている、なので彼女たちの呪いを祓うには祝福を体に流し込む必要があった。
娼婦と男娼の神を信仰する神殿長は当初、傘下にある男娼を儀式に参加させて巨大な祝福を宿して女性の相手をさせようと考えていたのだが、そもそも男娼は娼婦に比べて数が少ない上に聖都の現状では男手の需要は高い、要請することはできても強制はできないので結局集まることはなかったらしい。
そこで代わりに候補に挙がったのがエミリーである、彼女には房中術を柱とする魔術師たちが集め作った魔術書の回覧を許していたからこの役目を与えたのだろう。
房中術は最も簡単な魔術でありながら最も深い魔術だと言われている、基礎を覚えることは容易くとも応用となれば難しい、そしてエミリーはもう房中術の入口ではなくその先へと到達していた。
だからこそ彼女はこの儀式で女性の相手を任せられた、疑似男性として。
「んッ、あぁッ、はぁ……これが、男性の感覚なのですね」
エミリーが房中術を駆使して自らの肉体を変質させていく、へその下辺りに奇妙な魔術陣が刻まれると、彼女の肉豆が徐々に変化して男性器を作り出していく。
その技術は触手の海で彼女たちを凌辱したエキドナと同じものなのだろう、そして娼婦の神の半神であった頃のミカエラも同じように男性器を作り出していた。
基礎を終えて応用へ、エミリーは肉体の変質へと至っているのだ、更に極めて最奥まで辿り着けば完全な肉体の制御を行えるようになって不老不死にも近づくのだが、それはまだ遥か彼方の領域である。
「んッ、変な感じですね……女性のそれとは違います……アッ、熱い、これが女を犯すのですね」
だがそんな最果ての技術はエミリーにとって無縁なものであり興味も薄い、彼女の視線は自らの股間に生えた男性器に注がれており、それが誇らしげな表情を浮かべているのだ。
女性と肌を重ねる度に、自分にも男性器があればと心の奥で密かに思っていた彼女からしてみれば、この魔術は実に有用であった。
キャロルやシャルルをこれで鳴かせてみたい、エミリーはそんなことを思う。
「ふふ、さぁ、行きますよ……アッ、あぁ、ああああッ!」
エミリーは作り出した肉棒を呪いに侵食された女性の膣に押し当てる、そして今まで相手をしてきた客の腰使いを思い出して亀頭を最奥へと押し込んでいく。
「はぁ、はぁ、これが……ふふ、ふふふ……男性が夢中になるのもよくわかりますね」
腰を引いて勢いよく押し込む、そしてまた腰を引きそれを繰り返す、自分が最も快楽を感じられると思う男性器を真似たそれは大きくはないがキノコのような角度のついたエラがある、そのエラが膣をかき混ぜながら女性の愛液をほじくり返すのだ。
「ひッ! あッ!あッ……うッ……あぁぁッ!?」
「ふふ、気持ちいいんですね? わかりますよ、こうされると簡単にイっちゃいますよね……おッ、おッ、キツク締まって、あぁ……これ凄いです」
ぐちゃぐちゃと粘液を混ぜるような音が股間から響く、そこは既に白濁に汚れており糸を引きながらエミリーの一物をしっかりと咥え込んでいる。
大量の愛液を垂らす女性の姿に満足したのか、エミリーは満足げな笑顔を浮かべるとへその下辺りからせり上がるような感覚を知った。
それが男の絶頂だと理解すると、彼女はますます腰の動きを早くするのだった。
「おぉッ、おッ、おッ……うッ……これ、来ます、来ちゃいます、あッ、アッ、凄い……これが、男の人のーーーー~~~~ッッんんんん!!」
人生で初めて経験する射精は、女の絶頂とは異なる痺れとなって全身を駆け巡る、チカチカと視界が明転してその衝撃は脳を溶かすかのような甘さに変化していく。
心地いい、気持ちいい、これは癖になる、男の絶頂を真の意味で理解したエミリーはそんなことを考える、それは彼女にとって女の絶頂を知った時と同じくらいの転機となったことだろう。
「はぁ~……はぁ~……あッ、アッ……おッ……うッ……」
腰を女性に押し付けながら祝福を精子に乗せて相手に注ぎ込んでいく、それは毒を浄化する薬となって呪いを和らげていくのだ。
しかし一回では足りないだろう、これから何度も何度も種付けする必要がある。
エミリーもこれだけでは満足できなかったのだろう、理性を失った女性たちを眺めながら次の相手を探すのだが、そんな彼女の腰を背後から掴む者が現れてしまう。
その相手は男性だ、呪いによって理性を無くした彼は女を慰めるエミリーを神殿娼婦と思ったのだろう。
いや、理性が存在しないのでそんな判断はできない、ただ目の前にエミリーがいたから襲い掛かったに過ぎなかった。
「えッ、ちょっと待ってください! 私は今、女性の……あッ、嫌、押し付けないで……あッああああッ!?」
ズンッ、と腹部に衝撃が広がった、エミリーの男性器とは違って大きく長いそれが子宮を押し上げるように挿入されてしまったのだ。
「あはぁ……うッ、くッ、おっきい……あッ、あぁ、待って、私には、まだ仕事があって、ああああッ!?」
そんな言葉は男には届かない、彼はただ腰を振るだけだ。
それがエミリーにもわかったのか説得を諦めて受け入れることにした、彼女は男と交わりながら呪い付きの女性を抱き寄せて自らの役目を果たそうと腰を動かしていく。
「おぉッ!? おッ、おッ……あッ、ぐぅッ!?」
男に突かれながら女を突く、肉棒で犯されながら肉棒で犯すという、本来ならば決して味わうことのできない状況にエミリーは大いに喘ぐ。
受け入れる快楽と注ぎ込む快楽が合わさって爆発する、それは魂の奥深くに突き刺さるかのような痺れとなって彼女の刻み込まれていくのだ。
それは凄まじい絶頂となることだろう、恐ろしいと感じてしまう程に。
だが腰使いは止まらない、それどころが更に激しくなっていく。
「ああッ!? イク、イク、イっちゃう!? 出る、出ちゃいます、もうダメぇ!!」
最初の絶頂はエミリーを犯す男からだ、彼はエミリーの子宮を押し上げながら射精する、そしてその衝撃に彼女は女の絶頂へと押し込まれてしまい、そこから男の絶頂へと変化していくのだ。
「いやああああああぁぁぁぁあああッ!!? んんんんッ!!? んんんんんんッ!!」
射精されながら射精する、それは呪いを受けてもいないエミリーの理性を簡単に焼き切ってしまう。
「あぁぁ~……ああぁ~……あッ、ああッ、んッ、ああぁッ……はぁぁ~~」
世界が変わった、この瞬間に終わって始まったのだ。
彼女は想像を遥かに超える快楽に、そんなことを思うのだった。
女が喘ぐ、そして絶頂する。
男が腰を振る、そして射精する。
その度に祝福が循環されて呪いは薄くなっていく。
二百五十人以上の人間が一堂に集まって行われた儀式は明け方から夜になるまで渡って続き、数えきれないほどの絶頂を伴って儀式の格を高めていくのだった。
「アッ! アッ! イク、また来ちゃうのぉ!!」
また一人の娼婦が潮を吹いて高ぶった。
「おッ……あッ、あッ! アッ!! んやァあああ!?」
その隣では別の娼婦が絶頂していた。
「イクのぉ、またイっちゃうのぉ!! 止まらない、イクの終わらないの!!」
更に隣ではやはり娼婦が喘いでいる。
誰もかれもが白濁と汗に濡れており、ただの一人として例外はない。
注ぎ込まれた欲望は十や二十では足りないだろう、もしかしたら百でも足りないかもしれない。
「あッ……うッ……アッ……アッ……あッ、ああ……あぁ~」
銅像の下ではキャロルが。
「おッ……おッ……あッ……うぁ……イク……イク、イクからぁぁ!」
窓際ではシャルルが。
「~~~ッッんぁあ!! これ、凄い、もっと、もっと出したいです!! もっと突いてください!! ほら、もっとぉ!!」
柱の陰ではエミリーが犯し犯されている。
三人もまた無数の欲望に濡れて染まりきっているようだ。
しかしその顔は甘い痺れに蕩けており、次々に男を迎え入れては絶頂を繰り返している。
狂乱の交わりはまだ終わらない、既に理性を取り戻している者もいるのだがそんなことは関係ないとばかりに腰を振っているのだろう。
既に外は暗くなっており星が輝いている、それでもまだ儀式は……いや、宴は終わらないようだ、疲労もあるが房中術が全体に広がっているので疲れは蓄積しない、女は射精される度にそれを活力としており、その熱を男へ祝福として返すのだ。
それはまた男の力となって熱となり、それ故に終わらない、完全に呪いをかき消すその時までこの乱交は続いていく。
時間を忘れてしまったかのように大人数での交わりは終わらなかった。
エミリー、キャロル、シャルルの三人は、そんな中で数えきれない絶頂を経験していく。
結局、その日だけで二百人以上の相手と交わって、それ以上の欲望を受け入れるのだった。
星が消え、朝日が差し込むまで儀式は続いたと言われている。