※この作品はR-18です。

商人と冒険者と娼婦   作:にやまな

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第十五話 消えない興奮 前編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 熱狂と興奮を孕んだ空気が酒場を満たしていた、竜殺しという偉業を成し遂げた探索者たちから発せられる雰囲気がそこにはある。

 

 

 

 彼らの手元には破裂しそうなほどに膨らんだ革袋があり、その中には溢れんばかりの金貨が詰まっておりそれを全員が所持していた。

 

 

 

 心地よい重さに思わず頬が緩む、前衛を務めていた探索者が腐竜との戦いで大きく失ってしまったので分け前は生き残った者に上乗せされているらしい。

 

 

 

 大金である、これが一度の稼ぎと考えれば庶民はやってられないだろう。

 

 

 

 一仕事終えていつものように酒場に集った彼らは、普段なら舐めるように楽しむ酒を大量に注文して浴びるようにまき散らす。

 

 

 

 それだけ懐が潤っているということだ、普段はケチな探索者も今日ばかりは財布の紐も緩い、酒場で給仕をしていた踊り子兼娼婦たちもここぞとばかりに媚を売っている。

 

 

 

 一人が舞台に上がって艶やかに腰を揺らしながら踊り出せば、傭兵たちは俺の相手をしろとばかりに報酬を見せびらかしていく、そんな中で豪快にも一人の探索者が舞台に上がると踊り子の胸元に金色の硬貨をねじ込むのだった。

 

 

 

 気前の良い傭兵に彼女は抱き着いてキスをする、男は踊り子を抱き上げると他の傭兵たちに見せびらかすように二階の宿屋へと消えていく。

 

 

 

 娼婦へのチップとして金貨を渡すのは破格と言える、高級娼婦と呼ばれるような店でもそこまでは求めない、多くても大銀貨に加えて色を付ける程度の銅貨が妥当だろう。

 

 

 

 ましてこの酒場の給仕たちはもう少し低いくらいが基本である、そんな状況で金貨を前払いされれば踊り子たちの目の色も変わるだろう。

 

 

 

 また一人の娼婦が給仕をそっちのけで舞台へ上がった、最初の一人が金貨を貰ったので他の男たちも見栄があるのか見せびらかすのはやはり金貨である。

 

 

 

 踊りながら娼婦は誰が一番気前がいいのかしっかり見定めていく、そして金貨に加えて幾つかの銀貨を握っていた男の下へ舞台から飛び降りるのだった。

 

 

 

 クソがッ!! 狙っていた娼婦をかすめ取られた傭兵のそんな叫びが酒場に響く、お気に入りの相手だったのか苛立ちはつのるばかりである。

 

 

 

「なんか熱くなってんな」

 

 

 

 そんな男と女の駆け引きに苦笑いを浮かべるのはシャルルだ、彼女を含めてバッカニアとリンダ、そしてエミリーとキャロルも同じように舞台を眺めていた。

 

 

 

 熱狂によってどこか理性が欠けている彼らのやりとりとは少し離れて、カウンター席で甘口の飲み物を楽しむ五人は酔いとも熱とも距離があるらしい、彼女たちの瞳は……特に三人娘は驚いたように、そして冷静に男たちが見せびらかす金貨を追っている。

 

 

 

 自分たちが娼館で働いている時は大銀貨なのに……そんなことを思っているのか、面白い程に瞳が揺れ動いていた、少しばかりのカルチャーショックでも受けているのだろう。

 

 

 

 大銀貨でもチップとしては高額である、そもそも彼女たちは娼婦神の聖印をぶら下げた高級娼館で働いているのだから世間一般的に見れば高給取りなのだ。

 

 

 

 だからこそ金貨が飛び交う舞台に驚いている、この熱狂はある種の夢のようなものなのかもしれない、一度に大量の金貨が手に入ったことによる黄金の夢である。

 

 

 

「大物殺しが成功するといつもこんな感じだね、娼婦が色目をつかって男は見栄で高いチップを払うのさ」

 

 

 

「前は私たちもあそこで踊っていましたのよ、お金がない頃はよく頃合いを見計らって大物殺しのおこぼれに預かっては……はぁ、今となっては懐かしいですわねぇ」

 

 

 

「ん……二人も踊ってたんだ」

 

 

 

「あぁ、駆け出しの頃の話だけどな」

 

 

 

 カウンターでそんなことを話していると、会話が聞こえたのか熱狂している傭兵の一人が声を上げた。

 

 

 

「おお!! リンダとバッカニア、お前らも久しぶりに舞台に上がってくれよ!!」

 

 

 

「そりゃいいな、あの二人はあそこの具合も最高だからよ!」

 

 

 

 ゲラゲラと下品な笑いと熱っぽい視線がカウンター席に向けられた、無遠慮な男の気配に彼女たちはたじろぐ。

 

 

 

「女が少なくてありつけないんだよ!」

 

 

 

「そりゃアンタがケチなだけだろが、あんだけ稼いだんだからもっと豪快に金貨をばらまきな!」

 

 

 

 バッカニアはそう言って男たちを遠ざけようとするのだが、逆にこんなことを言われて言葉に詰まるのだった。

 

 

 

「なら金貨一枚と大銀貨ならばどうだ?」

 

 

 

「……足りないね」

 

 

 

「……も、もう一声頂けるのなら」

 

 

 

 バッカニアは毅然とした態度で言い返すのだが、金貨の誘惑に弱いリンダは揺れ動いている。

 

 

 

「わかったわかった、相変わらずがめつい奴だ。なら金貨一枚と大銀貨二枚出そう、これならどうだ?」

 

 

 

「「…………」」

 

 

 

 傭兵たちは期待を込めた目でバッカニアとリンダを舐め回す、ついでとばかりに三人娘の体も眺めているようだ。

 

 

 

「ふん、それでも足りないね! 女を抱きたいのなら男は器の広い所を見せてみな!!」

 

 

 

 金貨の輝きに魅せられたのかバッカニアは財布と股間を膨らました男達を飛び越えて舞台に立つ、追いかけるようにリンダもまた上着を脱ぎ捨てて下着になると、二人は慣れた動きで妖艶な動きを見せつけるのだった。

 

 

 

 以前に踊り子兼娼婦として働いていたこともあるので実に艶やかで卓越した動きである、腰使いも男を擽る仕草もしっかりと心得ており、男たちの酔いも手伝ってチップの値段も上がっていく。

 

 

 

 まるでオークションの競売のようだ、理性を失って財布を見せびらかす男たちの熱も際限なく上がっている。

 

 

 

 そしてバッカニアとリンダはまんまと金貨二枚を手に入れて男に担がれていくのだった、彼女たちも今回の竜退治でかなり稼いだはずなのだが、逞しいことにまだまだ足りないらしい。

 

 

 

 また女を取られて男たちが悔しがる、そして彼らの滾った情欲は三人娘に向けられてしまう。

 

 

 

 まさかこのまま帰ったりしないよな? そんなことを訴えて来る彼らは、見栄もあってかしっかりと金貨を握っているようだ。

 

 

 

「どうする?」

 

 

 

「ん……金貨は欲しい」

 

 

 

「ええっと、でも、よその娼婦の仕事場を乱すわけにはいかないかと」

 

 

 

「構うことはねえっての! そんな縄張りを気にする奴もいないしな、そもそもみんな二階に持っていかれただろ」

 

 

 

 需要に供給が追い付いていない、あぶれてしまった男たちの相手をする娼婦がいないのだ、確かに他所の娼婦の稼ぎを妨げるのは問題だが彼らの資金は今は有り余っている、邪魔するどころか手が足りないような状況である。

 

 

 

 一応、エミリーたちは娼婦の胴元でもある酒場のいかつい店主に確認してみるが、彼は好きにしろとばかりに手を振るだけであった。

 

 

 

 どうしたものかと考え込むエミリーを置いてけぼりにして、キャロルとシャルルは既に舞台に上がっているのだった。

 

 

 

「えッ、あ、ちょっとふたりとも!?」

 

 

 

 エミリーの叫びをかき消すように男たちの歓声が広がった。

 

 

 

「良いぞ嬢ちゃん! もっと腰を振ってくれ!」

 

 

 

「舞台映えする子たちだなぁ」

 

 

 

「なんでも商業キャラバンの出身らしいぜ、公演とかもやってるらしい」

 

 

 

「ほーん、舞台役者でもあるんだな」

 

 

 

「……胸も尻もあとちょっと大きければ言うことないんだが」

 

 

 

「……確かにそこは残念だな」

 

 

 

 舞台に立つことも仕事の内であるキャロルとシャルルは特に臆したこともなく妖艶な踊りを続けていた、バッカニアとリンダの真似をしているだけだがなかなか様になっている。

 

 

 

「エミリーも来いよ、金貨を貰えるぞ!」

 

 

 

 彼女たち自身も楽しんでいるのか笑顔でエミリーに声をかけてきた、そんな友人の姿に彼女も考えることを止めたのか小さな溜息を吐いて舞台に立つのだった。

 

 

 

 三人が踊りだしたことで観客たちの興奮も跳ね上がる、まだ少女らしく肉付きは薄いが美しい少女たちの妖艶な踊りであり、そして彼らは一様に酔っぱらっており竜殺しによって財布も膨らんでいる、踊り子たちを手に入れる為の競売は異様な熱気が纏わりついてしまう。

 

 

 

 俺なら金貨二枚出せると豪語する男を押しのけて別の男が更にチップを上乗せすると、更にその男を押しのけて誰かが報酬を吊り上げる……誰もかれもが冷静ではないようだ。

 

 

 

 結局、舞台で踊る三人娘は金貨二枚に加えて大銀貨数枚を手にすることになり、戦利品となって男に担がれていくのだった。

 

 

 

 またあぶれた男が怨嗟の声を吐き出し、とうとう苛立ちを隠せなくなったのか財布を握って酒場から出ていく、おそらく別の娼婦を探しにいったのだろう。

 

 

 

 この酔いと熱気と、竜殺しという興奮をぶつける相手を誰もが求めているのだ。

 

 

 

 しかし例外もある、それは酒場の隅っこで静かに高い酒を舐めていた探索者の集団である、彼らは素行は悪くとも腕は確かであるという評価を得ており、それは間違いなく事実であるのだが……今回の竜殺しには参加していない。

 

 

 

 それを不審に思ったのか、酒場を出ていこうとした傭兵の一人が声をかける。

 

 

 

「そういえばお前らは竜退治の仕事に参加しなかったんだな、珍しいこともあるもんだ」

 

 

 

「……あぁ、竜な、まぁ……疲れてたんだ」

 

 

 

「お、おぉ、そうなのか……いや、お前らどうしたんだ? なんか頬がこけてるけど、痩せた?」

 

 

 

「……あぁ、そうかもしれん」

 

 

 

 普段はゲラゲラ笑いながら酒場の給仕を安いチップで連れ込むような連中が、今日は何故か酷く枯れている、これではまるで生きがいをなくした老人のような生気の無さである。

 

 

 

 彼らの記憶よりも間違いなく痩せている、そして枯れている。

 

 

 

 サキュバスにでも襲われたのかと尋ねてみるのだが、帰って来るのは要領を得ない返事だけであった。

 

 

 

 この歳でボケてしまったか、そんな彼らを見て傭兵の男はそんなことを思うしかないのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 チップに金貨を貰えるのは一晩の仕事としては破格である、彼女たちも竜殺しの報酬を貰っているので大きく稼いでいるのだが、娼婦としての収入は別と考えているのかもしれない。

 

 

 

 何であれ財布が更に太るのは歓迎である、それが自分の働きによって手に入れられる労働の対価であるのならば嫌やとは言うまい。

 

 

 

 竜殺しも、舞台役者も、キャラバンの護衛も、娼婦の仕事も、結局は稼ぐ為の手段でしかないのだ、ならば全力を尽くすだけである、金貨の輝きとはなんとも魅力的なのだから。

 

 

 

「んむッ、ん、ん、んんッ……んぐッ」

 

 

 

 娼婦として客を迎え入れたエミリーは当然ながら相手をもてなす義務がある、以前の無作法な男たちのように死ぬ寸前まで搾り取ることができないのが少しばかり不満なのだが、相手を気遣って優しく溶けていくような交わりも悪くはない。

 

 

 

 男に担がれて酒場の二階にある宿の一室に連れ込まれたエミリーは、酔っぱらった男からチップを受け取ることで契約を結ぶことになる。

 

 

 

 ベッドに腰かける男の股間にエミリーは顔を埋めると、そのまま地べたに座り込んだまま舌による奉仕を始めるのだった。

 

 

 

「ん、ぷは……あぁ、はぁ、凄く大きいです」

 

 

 

 舌だけでなく言葉によるリップサービスも忘れない、サイズ的には平均的な男性のそれなので大きいというのは少し大げさなのだが、エミリーの体格ではこれでも大きいことは間違いない。

 

 

 

 彼女は舌による奉仕を好んでいる、匂いや熱が強く感じられるので子宮を精液で満たされるような征服感を感じられるからだろう、房中術を覚えてからというものの、精液の味を特別好むようになってしまったので、舌での奉仕に積極的なのだ。

 

 

 

「へへ、まだガキかと思ってたけど、なかなかうまいじゃないか」

 

 

 

 男も満足しているようだ、またぐらに潜り込んでいるエミリーに手を伸ばすとゴツゴツした指で髪を撫でて来る。

 

 

 

「ふふ、沢山練習しましたから」

 

 

 

 ちろちろと、舌先が先走りと唾液に濡れた肉棒を弄ぶ、そのまま喉奥まで咥え込むと飲み干すかのように吸い付くのだった。

 

 

 

「んぐッ……んんッ、んんんッ……んッ! んッ!」

 

 

 

 巧みな舌遣いに男も翻弄されているのか限界が近いようだ、せり上がって来た熱を放出する為なのか彼は両手で股の間にあったエミリーの頭を掴むと、そのまま乱暴に奉仕を強制させた。

 

 

 

「んむッ!? んんんッ!!?」

 

 

 

 そしてエミリーの喉奥に向けて性癖が放たれた、男の匂いが一瞬で口内に広がるとそのまま鼻まで流れて嗅覚をも刺激している。

 

 

 

「ふぅ~……ふぅ~……ふぅ~……んッ、んん」

 

 

 

 口の中で跳ね回る肉棒と、吐き出される精液に呼吸を塞がれたエミリーは、なんとか鼻での呼吸を繰り返すのだが、その度に感じ取れる精液の香りに体を身もだえさせていらしい。

 

 

 

 彼女からしてみれば精液の味や匂いは極上の美酒でしかない、それもただ酔っぱらうだけでなく脳髄や魂まで満たし尽くす神酒にも匹敵するのだろう。

 

 

 

「ん、んん……こく、ちゅ、うッ、こく、んぁ……---ッッん!!」

 

 

 

 喉を鳴らして精液を飲み干した彼女はただそれだけで軽く達してしまったのか、ゾクゾクと背筋を振るわして脱力するのだった。

 

 

 

 しかし視線だけは男を見上げている、熱を帯びた涙目を向けられた男は射精したばかりだというのに、また情欲が込み上がってくるような興奮を覚えているらしい。

 

 

 

 房中術で繋がり合った二人だ、魔術の知識もないので肉体の操作は容易い、それこそ股間を再び固くすることなど簡単である。

 

 

 

 自分の体が操られていることなど魔術師でもない男が気が付くはずもなく、彼は強引に床に座り込んでいたエミリーをベッドにまで引き上げると、僅かに残っていた下着をはぎ取った。

 

 

 

「あん……もう、乱暴なんですから」

 

 

 

「嬢ちゃんが色っぽいのが悪いのさ。ほら、ケツむけろ」

 

 

 

 客の要望通りにエミリーはベッドの上でうつ伏せになると臀部を上げて相手に見せつける、既に股間の割れ目からは愛液が流れており蜜壺とでも言うような状態になっているようだ。

 

 

 

 ゴクリと、男が喉を鳴らす、少女らしさを残しつつもいやらしさに満ちた股間を凝視した彼は、暫く見とれていたのだが、思い出したかのように両手を伸ばすとそのまま彼女の腰を引き寄せていく。

 

 

 

「----ッッんぁん!?」

 

 

 

 そのまま強引に自らの欲望を押し込んだ、それだけで射精感がこみ上げてくるのだが、何とか食いしばって情けない事態を耐えているようだ、こんな具合の良い少女との交わりを簡単に終わらせてしまうのはもったいない、そんなことを考えながら男は挿入時とは正反対に慎重に腰を振っていく。

 

 

 

 パン、パン、と一定間隔で肉のぶつかり合う音が響く、それに合わせてぐちゃぐちゃと愛液が絡み合う音も絶え間なく流れている。

 

 

 

「はは、ははは、良いぞ、最高の具合だ!」

 

 

 

 男の理性が溶けているようだ、酒と興奮だけが原因ではなく、これは魂の干渉によるところが大きい。

 

 

 

 軽い洗脳状態なのだが、そんな状況が最も快楽を大きく感じることができるのだろう、人道面を無視したエミリーなりのサービスでもあった。

 

 

 

「ほら嬢ちゃん、どうされるのが好きなんだ、えぇ?」

 

 

 

 男の掌がエミリーの臀部を叩く、どうされるのが良いのかと尋ねるわりには乱暴な行為であり、答えを強制しているようなものなのだがエミリーもまた娼婦なのだから男の欲情を刺激するのも仕事である。

 

 

 

 それに、乱暴な交わり自体、彼女はそこまで嫌いでもないのだった。

 

 

 

「お、奥ッ! 奥を激しく犯してください! 乱暴にーーーやぁあああん!!」

 

 

 

 その言葉を待っていたとばかりに彼は乱暴に腰を打ち付ける、エミリーの両手を引いてベッドに押し付け拘束するかのような交わりだ。

 

 

 

 エミリーは僅かな痛みを感じながらも甘い痺れを大きくさせていく、枕に顔を押し付けながら体を震わせる彼女に征服欲を満たされたのか傭兵の腰は激しくなるばかりである……それが誘導されていることだと気が付かないまま。

 

 

 

「あッ! あッ! くぁッ!! やん、凄い、気持ちいいです!」

 

 

 

 嘘は言っていない、しかしリップサービスでもある。

 

 

 

「当たり前だろ、俺を誰だと思ってやがる! 今日は寝かせやしねえぞ、このままヤリまくってやるからよ!」

 

 

 

「あッ、んひッ!? やッ、やッ、やああ!!」

 

 

 

「おらイケ! イキやがれ!」

 

 

 

 男も限界が近いのだろう、激しく腰を打ち付けながらトドメとばかりに最奥を押し上げる。

 

 

 

「----ッッんんんんん!?」

 

 

 

 自分の最も深い場所で生命力の塊を受け止めたエミリーは耐えられないとばかりに快楽を爆発させていく、相手に引っ張られたのか全く同時の絶頂であった。

 

 

 

「ふあぁ……あッ……ん……んぁ」

 

 

 

 そしてへその下で感じる男の脈動を味わいながら彼女は脱力するのだった、脳に突き刺さるような鋭い快楽の絶頂も良いのだが、その波の引き際である余韻を楽しむことも彼女は好んでいるらしい。

 

 

 

 蕩けた表情を枕で隠しながら痙攣するエミリーは、不意に聞こえて来た喘ぎ声を耳にする。

 

 

 

「あぁッ!! イクイク! イクからぁ! んんんッ! もっと、腰振って……うぁあああッ!」

 

 

 

 それは宿の薄壁を貫通して聞こえて来た隣室の交わりであった、届いたのはシャルルの声でありあちらも盛り上がっているのか声だけでなく激しい息遣いも聞こえてくる。

 

 

 

 上等な宿ではないので防音など期待できないので仕方がない、エミリーにとって問題なのは男に抱かれて喘ぐシャルルの声なのだろう。

 

 

 

 随分と楽しそうだ、自分以外の相手に抱かれているというのに、そんなことをエミリーは思っているらしい。

 

 

 

「……むう」

 

 

 

 一つ注意するのならばシャルルもキャロルも別にエミリーの恋人ではない、流れに逆らえずセフレのような関係になっているが友人でしかなく、エミリーもそれはわかっているのだが……男性器を生やせるようになってからどこか男性的な独占欲のようなものが生まれていた。

 

 

 

 房中術の影響下にあるのは何も客の男だけではないということだ、巧みに扱えるが故にその沼にどっぷりと嵌ってしまっているのだろう。

 

 

 

 どうであれエミリーにその自覚はあまりない、彼女が考えるのは隣で自分を忘れて楽しむシャルルを今度はどう愛するのかという思いだけであった。

 

 

 

 ジャイアントキリングを達成した男の興奮はエミリーの房中術の影響もあってまだまだ冷めることはない、二度や三度では足りないのは間違いないだろう……シャルルやキャロルと愛し合うのはまだ先になりそうだ。

 

 

 

 男との交わりも楽しいものだが、女同士も悪くない。

 

 

 

「やぁん、また固くなっていますよ」

 

 

 

「嬢ちゃんの具合がよすぎるからな、こりゃ萎えねえよ」

 

 

 

「あッ! また、激しッ……おッ、おッ」

 

 

 

 仕事が終わったらまたシャルルとキャロルを愛そう、仕事ではなく趣味で……エミリーはそんなことを考えながら再び男に抱かれるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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