商人と冒険者と娼婦 作:にやまな
男は興奮していた、それは酒に酔っていたこともそうだが竜殺しと言う大仕事を無事に終わらせたことによるものが大きい。
わかってはいたことだがドラゴンは巨大であった、体は腐っていたがそれでも肉の城とさえ表現すべき規模であり、多数の力によってだがそれを乗り越えられた興奮は後にも先にもこの瞬間だけだろう。
彼も傭兵と言う荒事を生業とする男、平和で穏やかに生きる一般人にはわからない感覚だが、自分よりも巨大な存在を手に持った武器で叩き伏せる快感は言い知れぬ興奮を与えてくれるのだ、その痺れは性交による絶頂にも引けをとらないかもしれない。
しかし強者を乗り越える感覚は素晴らしいものだが、その身に宿った熱は燻ぶる炭のようになかなか消えることはなかった、そのまま莫大な報酬を見せびらかしながら普段は手が届かない酒を舐めるのも悪くはないが、それだけで内包した熱が消えることはなかった。
熱はそのまま下半身へと集う、そうなれば発散する為に女を必要とするのは当然のことである、いつもの酒場で給仕を口説くか、それとも少し奮発して高級娼館に顔を出すか、悩ましい所だろう。
彼が高級な酒を飲みながらこの熱をどこに……正確には誰に吐き出すか考え込んでいると、酒場に舞台が騒がしくなり、そこに視線を向けてみると同じ探索者であるバッカニアとリンダが妖艶に踊っていた。
珍しく、懐かしい光景だ、彼女たちが駆け出しだった頃はよくああやって舞台で踊っていたものだと彼は思い出す、あの二人とは何度かまくらを共にしたことがあるが、なかなかに具合が良かったと記憶している。
探索者として稼げるようになってからは色々と事業を展開して忙しくなったのか、ああやって舞台で踊るようなこともなくなってしまったが、今日は気分が乗ったのか艶やかに腰を振っていた。
両者ともに美しい女である、股間の熱は更に大きくなってしまったらしい。
「金貨だ! 俺は金貨を出すぞ!」
気が付くと彼はそう叫んでいた、娼婦に支払うチップとしては破格であるが、今の彼の財布は破裂しそうな程に太っている、酔いも手伝って惜しいとは思わないようだ。
周りの男たちも大差がなく、金貨を見せびらかしながら舞台で踊る二人を舐め回すように見つめている。
ただ残念なことにバッカニアとリンダは別の男に担がれて二階に行ってしまった、久しぶりに抱きたいと思っていたのにその機会を逃してしまった男たちは苛立たしそうに文句を言うのだった。
どこかの娼館にでも顔を出すか、誰もがそんなことを考えていると次に舞台に立ったのはまだ幼さを残す三人の少女たちである。
顔つきは幼いながらも美しく整っており舞台役者のようだ、胸や尻の肉付きは少しばかり足りないが健康的であり欲情を誘うには十分であり、少女と女の中間にいる者にしか醸し出せない独特の色気があった。
悪くない、男がそう思ったように周囲の同業者たちも同様の答えに行きついたのだろう、舞台で堂々と踊る三人娘に向かって歓声を上げている。
この三人娘は最近になってバッカニアのチームに加わったらしい、話を聞くとキャラバン出身であり舞台役者でもあるらしい。
舞台役者を抱けるという付加価値もあってか男の興奮は更に大きくなっていた、金貨と銀貨を握りしめるとそれを大きく掲げていく。
そんな彼の努力が実を結んだのか、三人の内の一人を抱ける権利を得られるのだった。
彼が戦利品のように肩に抱くのは三人の中でも更に幼さが目立つ少女であり、キャロルと言う名前であるらしい。
二階にある宿の一室に入ると男は雑にキャロルをベッドに降ろす、そしてこれまた雑に衣服をはぎ取ると細い体に圧し掛かっていく。
少々乱暴だという自覚は彼にもあるのだが、竜殺しによって体に溜まった熱は限界にまで高まっている、加減ができそうにはなかった。
「ん……んやあ」
ベッドの上で少女を見下ろす、凹凸が少ない少女は白い肌に興奮からくる僅かな汗を流しており、それが堪らなくいやらしい。
まだ幼い少女であるのでどこか倒錯的な興奮を感じてしまう、手を伸ばして小振りな乳房に触れてみると想像以上に脆そうな感触が帰って来るのだった。
そこで男の理性が完全に熱に溶かされることになる、乱暴にキャロルの体を押さえつけるとそのまま自らの欲望を押し付けていく。
「……うッ……あッ、ぁあ……」
まだ濡れきっていない膣は男の欲望を挿入されると痛みを感じてしまうらしく、キャロルが零した声は喘ぎと言うよりは苦痛の方が大きいようだ。
涙目で痛みに耐えるキャロルを見下ろして男の欲望は更に刺激されたのか、腰を激しく振りながら男は歯をむき出しにしてキャロルに吸い付いていく。
ガブリ、そんな擬音が聞こえてくるような勢いで彼女の鎖骨にキスをする……いや、噛みつくと、そのまま血を啜るかのように吸い上げていく。
「くッ……うッ、やぁ」
男に噛みつかれてキャロルは苦悶の声を絞り出す、しかし僅かばかりの熱も交じっているのか、被虐的な快楽を感じているようだ。
「んんッ……ッ!」
男がキャロルの鎖骨から口を話すとそこには歯型と鬱血痕が残されていた、出血こそしていないが痛々しい様子である、しかし男はそれを見て征服欲が刺激されたのか更に白い肌に噛みついていく。
「んにゃぁああ!?」
今度は逆側の鎖骨である、そこに噛みつくとやはり歯型と鬱血痕が残されるのだった。
そして腰を振っていく、雑で乱暴な動きにキャロルは耐えきれないとばかりに喘ぎ声を零す。
いつの間にか男の肉棒を咥え込む幼い膣はよく濡れていた、執拗かつ乱暴にかき混ぜられたそこは被虐的な痺れも加わって白く濁っているようだ。
「うッ……あッ……あッ……んんッ!!」
「へ、へへへ、良い具合だ、悪くねぇ」
また男はキャロルに噛みついた、小振りな胸の先端を包み込むかのように吸い付くと、歯を立てながら舌で弄んでいく。
「んんッ……さっきから、そればっかり」
キャロルにそう言われて男も気が付いた、さっきから腰を振りながら噛みつくばかりであると。
「ふッ、んッ……噛みつくの、好きなの?」
「……あ、あぁ、いや……すまんな」
「ん……んッ、んッ……いいよ、でも、んぁ……傷は残さないで、欲しい」
大事な商売道具なのだから目立つ傷は避けたい、逆に言えば加減さえ誤らなければ好きにしてもかまわないということだ、それを聞かされて僅かに冷静になっていた頭がまた沸騰していくのだった。
見下ろした先にいるのは白い肌の少女、そこに残されているのは自分が残した歯型と鬱血痕、涙目で見上げられると美しい物を汚したかのような罪悪感も相まって……言葉を飾らずに表現するのならば、異常に興奮した。
また男の下が伸びる、キャロルの白い肌を汚す為に。
「あぁ~……うぁ……あッ、あッ……んッ、くッ」
歯形を残す度に興奮は大きくなっていき、連動するように腰の動きも早くなっていく。
キャロルが行使している房中術の影響もあってか、普段では考えられないような熱が生まれては射精の度に消えていくようだ。
「んッ、イクの? イキそうなんだ? あッ、あッ……んぁ、私も……あは」
限界が近いことを悟ったのか男はキャロルの肌に歯を立てる、少女の柔肌など簡単に噛み千切ることができるのだが、軽い洗脳状態にある彼はキャロルをそこまで傷つけることができないので、やはり歯型を残すのみとなる。
僅かな痛みと、激しい腰使いによって二人は同時に絶頂を迎えた、男はこれまで感じたことの無い痺れを味わいながら涎を垂らし、キャロルはそんな男を見上げながら熱と快楽に蕩けていく。
「------ッッんくうぅん!!」
ギュッと男を咥え込んだ蜜壺が閉まる、そして吐き出された精液を一滴も無駄にしないとばかりに吸い込んでいく。
「うぁぁ~……はぁ~……んッ」
この射精は男の人生で最も強く甘いものであったことだろう、房中術の影響だとは知らないまま体の相性が最高なんだと考えるのも無理はない。
まだ幼い少女だと思っていたが、極上の美酒を飲んだかのように心身が満たされるかのような味わいである、まさに最高の娼婦である。
これならばまだまだ楽しめそうだ、一度で終わるのはあまりにも惜しい、二度三度と抱いて余すことなく飲み干すのだ、そんな欲望を滾らせているといつの間にか男の体はベッドに沈み込んでいた。
そしてキャロルの華奢な体が上になっている、知らぬ間に上下が入れ替わっていたのだが、洗脳状態にある男は特に気にした様子もなく彼女を見上げるだけであり、不思議とは思っていないのだろう。
「ん……今度はこっちの番」
キャロルの性癖としては、押し倒されるよりも押し倒す方が好みである、チップに金貨をくれるような客なので要望を最大限に叶えたつもりなのだが……どうやらやられっぱなしは合わないらしい。
「んふふ……噛みつくのも良いけど……噛まれるのも悪くないよ」
ペロッと、キャロルが舌で唇を撫でると、僅かに開かれた唇の間からは犬歯が男を覗いていた。
「大丈夫……痛いのも悪くないから」
「……」
彼は抵抗しなかった、出来なかった。
思考は蕩けていきまともな判断は下せない、太く固い胸板に歯形を残される痛みすら甘い痺れとなって駆け抜けていくのだから、洗脳は恐ろしいとしか言えない。
しかしこうなった過程や状態はどうであれ、両者はこの行為を楽しんでいるので問題はないのだろう。
男はキャロルに噛みつかれながら、甘い微睡みを泳ぐのだった。
身体に熱が残っている、燻ぶっていつまでも消えることがない、キャラバンに初めて入団して剣を習い、訓練の末に敵を切り裂いた時も似たような熱が体を支配したことをシャルルはよく覚えていた。
訓練が身を結んだ結果であり、剣を握ることで得た利益であり、戦いの興奮であり、戦士の性だと言えるだろう。
初めての敵はキャラバンが野営中に近づいて来た狂暴な大猿だった、キャロルと一緒に倒したのだが肉を切った感触は今でもしっかりと思い出せる。
その夜は眠れなかった、命をその手で奪ったこともそうだが、剣で何かを為せたという事実が奇妙な興奮となったことをよく覚えているのだ。
戦う熱、勝利の熱、そんなことを言うとエミリーやキャロルは不思議そうな顔をするのだが、こればかりは剣士にしかわからない感覚なのかもしれない。
特に強敵との戦いは特別だ、決して手が届かないような相手を乗り越えた時の熱はよく酔っぱらえる、隠れて自慰をしたこともあった。
今回の竜殺しはまさにそれである、戦いが終わった後に残った熱はとても心地良いのだが疼きがいつまでたっても消えないことは考えものだろう。
キャラバンが娼館を開いていればそこで解消できるのだが、今回は短い滞在らしいので娼婦として働けない、そんな状況で都合よく男たちの相手をできることになったのはシャルルにとっても僥倖であった。
身体の熱を晴らすのにセックスはうってつけである、それは男にとってもシャルルにとっても変わらない。
「んむ、ん……ん、ん……ちゅ」
興奮と欲望を晴らす為に酒場の二階にある部屋に入ると同時に、シャルルと男は貪るようなキスをする、お互いに我慢できない状態であったのかまだ扉は半開きの状態である。
そして立て付けの悪い扉が完全に締まる頃にはキスをしながら互いの服を脱がし合っていた、カチャカチャと音を立てながらベルトを外すとズボンを脱がして固くなった男の象徴へとシャルルは舌を伸ばす。
「おいおい、どんだけ欲しがりなんだよ、ベッドまで行こうぜ」
「待てないっての、んッ……アンタもそうだろ?」
舌で亀頭を突くとビクッと反応が返って来る、それにいい気分になったのかシャルルはニへっと笑うと大きく口を開いて奉仕をしていくのだった。
ここはベッドではないので男は扉を背中に預けて立つだけであり、その正面に膝をついて肉棒を咥え込むシャルルは玄関での交わりを特に気にしていないのだろう。
それよりも今は体に燻ぶる興奮を晴らすことが優先である、悪い感覚ではないのだがこのままキャラバンに帰っても眠れないことを彼女は理解していた。
男の方も積極的なシャルルに悪い気はしないのだろう、口での奉仕を受け入れている。
見た目に沿わず慣れているのか舌遣いは巧みと評せる、激しく頭を上下しながら同じように激しく舌を絡める奉仕に彼は簡単に達してしまうのだった。
「んむッ!? んん……んんん……ふッ……ん、んく」
シャルルは口内を占拠する生命力の塊を最初は驚きながらも躊躇なく飲み干していく、飲み込んだそれは腹部に落ちると熱となって全身に広がっていき彼女の活力となる。
嫌いな感覚ではない、しかし体の熱が増えるのは考えものだろう。
「はぁ、ん……ふふ、凄いな、まだ硬いままじゃん」
正確には固くさせたのだが、野暮なことは言わない。
「ここじゃやりにくいからさベッドに行くぞ」
そう言われてシャルルはようやくここが玄関だと気が付いたようだ、男の逞しい腕に抱かれるとそのまま上等とは言えないベッドに雑に降ろされてしまう。
「んぁ、ほら、早くこいよぉ」
「ドロドロじゃねえか、どんだけ待ちわびてんだよ」
「だってさぁ……あはは、なんか興奮しちゃってさ」
「まぁわからなくはない、俺も似たようなもんだしな」
あの腐竜が倒れ伏した光景を思い出すだけで異様に興奮してしまうのだ、戦士の性は厄介なものである、この興奮に勝てるものがあるとするのなら、それは最も原始的な欲求であるセックスしかないだろう。
自分と同じように興奮冷めやらぬ男の肉棒をシャルルは正面から受け入れた、そして啄むようなキスを繰り返しながら互いに腰を振っていく。
「あぁッ! あッ、くッ、うあぁあ!!」
それは情緒も技術も無い交わりであった、ただ激しく腰を振るだけの交わりであり、加減も思いやりもなにもない。
お互いにお互いが興奮を晴らす為に相手を利用しているかのようであり、そして今の二人にとって最も適したセックスだと言えるだろう。
気持ちよければそれでいい、本能的で獣のような交わりであった。
「あぁッ! ほら、そんなもんかよ! もっと激しくしろって! んぁ!?」
「言ったな、なら覚悟しろよ……寝かせないからな!」
「あぁッ!? あッ、くぁッ!! んぁぁぁ!?」
獣のような交わりであるという自覚もないままに二人は貪り合う、汗をかく体を擦り付けて互いの唇を絡ませ合い、理性も無く腰を振る。
それが堪らなく心地よかった、セックスなどこれで良いのだと証明するかのようだ。
「あぁッ!! イクイク! イクからぁ! んんんッ! もっと、腰振って……うぁあああッ!」
互いに限界が近い、房中術によって体だけでなく魂まで繋がり合ったセックスであり、ただ本能のままに貪り合う交わりは互いに最高の快楽を与えてくれるのだった。
「あぁああああああッ!!?」
絶頂と共に悲鳴のような叫びをシャルルがあげた、宿の薄壁など何の役にも立たない程の声量だったのだが、それを気にするような余裕はどちらにもない。
「あぁあ……うぁぁ……はぁぁぁ」
絶頂の余韻に蕩けながらもシャルルは熱っぽい視線で男を見上げていた、そしてまだ足りないと言わんばかりに肉棒を締め付けていく。
「はぁ……ん……まだ……できるよな?」
獣の交わりなのだから一度で終わるはずがない、終わらせるつもりもない。
シャルルは房中術で男の生命力を吸い上げながら、いつ終わるともわからない交わりを続けていくことになる。
行為は朝に朝方近くまでおよび、翌日にエミリーが不機嫌であることに彼女は気が付かなかったらしい。