神父とブラソとナダボカとオレはペソン曰わく失敗作品のパンケーキをモソモソと食べる。えらく大量に作られたそれ。聞く話、ペソンは綺麗な作品だけ皿に盛り付け意気揚々と自室に向かったらしい。
残りは全部居合わせたブラソに渡し黙々と食堂でノルマをこなしていた所、神父ナダボカと集まり、オレも臨時スクールから帰ってきて、お茶を作ろうと食堂に立ち寄り出くわしたわけだが。
「……他の子供達も呼びません?」
オレは早々に弱音を吐いた。
「シスターに黙って使わしたので、できれば私達で処理したい所ですね」
神父が苦笑いを浮かべながら食べる。
「今日中は……流石に……布に包んだりとか」
「まあ……いざとなったら、そうしますか」
「……ブラソ、何枚いったよ」
「俺がきてから十枚は食ってるな」
真剣なブラソの代わりに、ナダボカが答える。
「十枚……ペソン……どんだけ作ったんだよ」
オレは頭を抱える。
「神父様、後で時間ができましたら……オレと一緒に、ペソンに限度というものについて語っていただけないでしょうか」
「ふ」
神父がオレの顔を見て小さく笑う。オレが訝しむような瞳を向けると神父は肩をすくめて呟いた。
「いえ、立派なものだなと思いましてね」
「?」
褒められてるのか、よくわからない発言だ。神父がボンヤリと午後の外に視線を向ける。何だか昔を懐かしむような表情だ。
「君は賭事に興味があるかい?」
――……賭……賭博?
「オレがそこに関わる事業としては……内装や設備の建設、副業のプレゼン、ロゴマークや階級に合わせたサービスであって、小さな賭事自体に興味はありませんね。いえ、経営者側になれば動きは高いものを見せるとは思いますが……オレはこう見えて堅実な金の動きが好きなもので……」
「あははは」
神父がたまらないといった様で笑い出す。
「……神父様?」
なんだ、急に。
とりあえず言えることは。
「神父様、話に逃げましたね」
「う」
みんな、お腹いっぱいだ。
*
独特な生物の香りが漂う室内。四つある内の二つ合わせた寝台はズレないように脚が紐で結ばれている。上には広めにシーツがかぶさり、その上にガールが寝かされ座禅を組んだブラソの股の上に枕を置き、そのまた上に頭を置いて両腕をシーツに押されているガール。
「ガール……」
オロは寝間着を脱ぎ彼女の肌を愛おしそうに撫でながら、ガールの額や頬に唇を落としていく。
「……」
はふぅ、はふぅと緊張気味に無言で呼吸を繰り返すガール。何かがこの後に起こると感じているのだろう。オロはガールの柔らかく火照った頬を撫で、それを流れるように下げていく。ガールが、ぴくっ、ぴくっと小さく身を跳ねらせた。
汗ばんだ首筋を手の平でなぞり鎖骨から乳房を包むようにさすり肋骨部分から脇腹を押し込むように伝い白い太股を掴む。膝を立たせ、ふくよかな乳房元に近づける。開いた股の間。淡い光にテラテラと光る割れ目。その愛液に反り立つ肉棒を当てて、よく馴染ませる。
「……っ」
ガールが息を飲み震えた。未知の事柄に緊張した筋肉を解そうと声が落とされる。
「力を抜いてガール」
「深呼吸だよ、ガールちゃん、はい吸ってー」
ガールを後ろ上側から押さえるブラソが優しげに言葉を落とす。
「う、うん……」
ガールが言葉を返して大きく深呼吸を始める。
「はいてー」
フー……
「すってー」
スー……
にちりと音を鳴らし、オロは陰唇を片手で開き肉棒を桃色の膣口へピタリと当て入れる瞬間を見計らう。
吸って、吐いて。
ぷちゅりっ。
「!」
先っぽだけを入れ込む。
ガールの柔らかな膣口がキュッと肉棒の頭の部分を飲み吸盤のように張り付き何とも言えない感覚にゾワリとした快感がオロの身体に広がった。
――……ヤバい……
オロは自分自身も細かく呼吸をし身をジリジリと進める。
「ゎ、ひ」
ガールの足に力が入り足先は何かを掴もうと丸くなっては空振りし目隠しの下の顔が、より朱らみ口がアワアワと震える。
「……は、ペソン、ガールの胸、愛撫してくれる?」
汗を滲ませながらオロが水色の瞳をすぼめてペソンに呟く。
「う、うん」
ベット下の隣で床に座り眺めていたペソンはガールの乳房に手を這わす。やんわりと乳房を手の平で揉みしだき、さっきガールが気持ちいいと答えた方法で、ソロリソロリと乳首を刺激する。
「……ナダボカも、少しぐらい混ざらない?」
ジッとペソンの隣で両膝を立て組んだ腕に顎を乗せ俯き気味に、こちらを見ていたナダボカが驚いたように眉を上げた。
「は、ふ……身体を撫でるだけでも違うんだ」
息を調えながら少し苦しそうな顔で呟くオロ。ナダボカは薄黒い瞳を揺らめかし、コクリと頷くと、ソッとガールの身体を愛撫し始めた。
「ぁ、ぁ……」
ガールが息荒く声を漏らす。汗でしっとりした肌をなぞるように撫で、ナダボカはガールの脇腹に口付けをした。オロは口元を緩まし、ようやく三分の一まで入れた肉棒を見る。
「ぉ、オ……ロ……」
「ちょっと動くね」
「……ゎ、ふ、ぅ」
位置を少し引き下げ愛液を中で動かし前に進む。
ミチ。
ミチ、ミチ。
「ぃ、ひゃ」
何かを壊すような感覚。まとまりつく中の独特な吸盤が形をなぞるよるに徐々に広がっていく。
「ぁ、ぁめ……」
「は、ガール……」
ミチチ……
「ひ、ひ」
ガールの目隠しの間から涙がポロポロと零れ落ちる。腕があがらいを見せるように小さく浮かんでは、ブラソの手に押さえつけられ下半身は痛さ故か小刻みに震えだけが続く。
「ぅ、う……」
ミチチ、ミチチ……
「ぃ……ひぃ」
半分まで入り情事の匂いの中、裂かれた膣口から真新しい血の香りが上がる。
「ゃ、や……やぁ」
ミチュ、ミチ。
「ひー……ひぃー……」
オロは一度止まり息を調えるとグッと力強く腰を進ました。
グチュン!
「――――!」
ガールの腰がピタリと止まり上半身をブルブル震わせながら顎が上向く。言葉無く声無く涙や涎を垂らしながら息の音さえ止まる。オロがそのままジッとして苦しそうなガールを見下げ荒く息を吐く。
「ガール……深呼吸だよ」
言われて、ガールは声無く泣きながら口を震わせ、小さく、本当に小さく胸元だけで息をする。大粒の汗が、つうっと流れてく。
「うん、えらいねガール。じゃあ、もう少し大きく息をしようか」
「……っ」
「吸って」
言われるまま必死に息を吸うガール。
「吐いて」
息を吐くと共に、オロの体が前に倒され中に入っているモノがグリグリと奥を刺激する。
「!?」
ガールは身をすくめて呻く。
「えらい、えらいね。良い子だガール。可愛いよ」
「ぁ……」
「ほら舌を出して」
足が大きく開かされ、痛みが増える。
「ぅー……」
オロの舌がガールの震える舌に被さり開いた唇の中に入れ込んで擦り合わせ痛みから逃げるようにガールは自ら舌を絡まし始め、お互いに柔らかい肉の弾力を感じながらクチュ、ヌチュと液体の音が響いた。
数分ほど静かな部屋の中で、その舌の絡まりは続き、じんわりと広がる愛液で鮮血の色が薄まっていく。
たらり……とろり……
緊張から生まれていたであろう膣内で感じた筋肉の動きが落ち着いたのを感じオロは頃合いを見計らい奥に肉棒を入れたままガールを揺らし。
「ん、ふ……♡」
口の合間から甘い声が漏れた。そのまま腰を最小限で動かすと、ガールの甘さが増え。オロは少しだけ後ろに下げ前に進めた。
「んー……!」
少し苦しそうな声が口の間から上がる。
鼻息が荒い。
オロは恍惚とした表情をして同じことを繰り返す。
「ん、ぅ……♡」
苦しさの中に甘さが混ざりはじめ、オロは舌をガールの唇から引き抜いた。
「ぁ、ぁ……オ……オロ……♡」
腰を揺らしながらガールの頬を撫でる。
「……ガール、どんな感じ? 教えて」
「……ぁ、ん♡ さ、最初、い、痛くて……でも……」
ハ、ハ、ハッ。
犬のような息づかい。
「じんって……♡」
汗が枕やシーツにポタリ、ポタリと落ちる。
「あ、温かい……の……♡」
「……ガール、ごめんね、これを繰り返したら気持ち良くなるから、もう少し我慢してね」
頭を撫でながら額にキスをして身体を起こすと腰を持つ。細かい抜き差しの幅が広がり、ガールが喘ぎと喉の引きつりを起こした。
「ぁ、ひ、あ、あっ♡」
オロが目元をすぼめ息をつまらす。
「……うっ♡」
「ぁ♡ あー……んぅー……♡」
気持ち良さげに、ガールの奥の奥にモノを入れ込んで腰を密着させる。ビクビクと震えるオロの腰。振動が止まらないのだろう、オロは荒い息づかいの中、抜かず、その場に止まり大粒の汗をガールの身体に零した。
***
ガールが苦しそうな中、健気に言うことを聞き喘ぐ姿。
たまらない。
酷くたまらない。
出したばかりだっていうのに、モノが膨らむ。
余韻に感嘆が漏れた。
気持ち良すぎる。
こんなのありか?
――……あー……どうしよう……
なんて言えばいいのか。
なんだこの気持ち。
頭がおかしくなりそう。
いや、おかしいかな。
はは。
泣きたい。
本当、泣ける。
ガール可愛いよ。
すげー可愛いよ。
可愛いすぎて、ヤバい。
キャラじゃないけど、可愛いすぎて、ふざけんな―!とか、叫びそう。
はは。
なんじゃそりゃ。
ガールびっくりするからそれ。
抑えろオレ。
ガール。
オレのガール。
オレのになるって、嬉しそうにさ。
なんなの本当。
ヤバい。
――……あーあー……あ~……
まだガールはさ、生理きてないんだよね。
まあ、あんな食生活だったし、これからくるとして。
もう子供作っちゃおうかな。
他の奴らの子供ができる可能性もあるけど、オレ、ガールの子供なら欲しいや。
「……ブラソ、ガールの手、外してもらっていい?」
「はいよ」
コイツら、いい奴らだし、うん。
事業起こして、ガールと赤ん坊に癒されながら毎日頑張るとか良いな。
震えるガールの目隠しをズラす。
ガールの涙でクシャクシャの顔が現れて、目元に口付けを落とした。
「……ガール、好きだよ」
ガールが涙の瞳を瞬いて、トロンとした様子でオレを見上げる。
「……オレのガール」
ガールの柔らかい身体をゆっくりと抱きしめる。
オレが動く事によって入りっぱなしの肉棒が動くらしい。ガールが小さく喘ぐ。
「ぁ、オロの……♡ わた、し、うん……♡ オロの……な、の♡」
ガールは朱い顔のまま頷いて、オレの背中に手を這わし抱きしめ返してくる。
「……オ、ロの♡」
スリスリとオレの首元に頬を擦り付けるガール。
――……何この子……ぁあー……! もう、本当……すげー……好き、大好き。
***
爽やかな白い光が零れ落ちる朝日。薄暗い厠のもの影で、あの時の俺は可哀想な子のどうしょもない姿に欲情した。
自慰という存在を知らない初めての経験だった。見よう見真似。神父の行動を真似して自分の肉棒を触り握り動かす。最初は、どう動かせば正解なのか上手くいかなかったけれど、繰り返すうちに段々コツがわかってきた。
無意識の手作業の中、もう、羞恥心の有無など忘れて夢中になる。頭の中が真っ白で朝焼けの光よりも白かったと思う。
――……ああ、すごい……
気が付けば透明な液体が垂れていた肉棒は白い液体を辺りにバラまく。血液の流れが、どくどくと身の中で音を奏で妙な充実感と共に吐き出される熱がこもった白い息。その息が薄まっていく程に急速に冷やされていく熱。
朝の寒さが頭の中を冷やしていく。
何をやっているのだろうか。
自分の汚れた手を見つめ、より汚れている化け物に目を向ける。
泣いている。
つらそう。
目も痛そう。
ああ。
化け物。
バケモノ。
そんな存在に欲情する自分は一体何なのか。心の中の固定されていた理念が崩れていく瞬間だった。静かに一滴涙が頬に伝い、眉をひそめる。
だからといって、自分に何ができるというワケではない。
可哀想な化け物と、優しい神父と、家族のような仲間達。
その中の自分の位置。
さめざめと何もできないと頭を緩く振る。
――……仕方ないんだ……
自分に何度も言い聞かせ。心の中で呟き続ける。
――……仕方ない……仕方ない……仕方ない……
言い訳を繰り返し、繰り返し。
うなだれる。
身寄りの無い子供達。
年の近い殆どが同じ様に幼き頃、街で起こった火事で親を無くした。
それから日々暮らす場所はこの教会。
ここが全て。
ここで見聞きすることが全て。
ここが世界。
生まれたルールが答の筈だ。
答え。
答え。
答え、答え、答え、答え、答え、答え、答え、答、答、答、答、答、答、答、こ、こたえ、こたえ、こたえ、こたえ、こ、こ、こた、え……たえ、え、え、え……
グルグル、グルグル。
グルグル、グルグル。
同じ言葉が頭の中で反響し、それが渦となって吐き気を促してくる。
「……あは……ははは」
ザリッ。
砂をこする音。
うなだれていた頭を持ち上げると神父が僕を見下げていた。当たり前のように佇む姿。俺はこの瞬間を待っていたのかもしれない。
信頼している優しい神父。言葉にならない懺悔が胸の奥をグルグルと回る。
「……――」
神父がそんな俺の感情に笑ったような気がした。綺麗な笑顔に息がつまる。
「ナダボカ、あなたに頼みがあるのですが良いですかね?」
「……はい」
か細い声が漏れ従う。最初から逆らう気は無い。諦めがついている。あの子を俺は見捨てるんだ。
何もかも見透かしたような神父の言動を聞きながら、コクリと頷き。頼まれたことをする。
神父に渡された男子の風呂場の鍵。風呂場の場所に行けば、途方に暮れたような化け物の後ろ姿。女子の風呂場が開かず、どうしたらいいのかわからないのだろう。女子の風呂場の鍵を持つのはシスターか、女子の年長者のみだ。
化け物の腕を掴む。ドロドロに汚れた化け物はヒッとか細い悲鳴を上げて固まる。怒られると思ったのかもしれない。ガタガタと震えている。
誰かが来る前に、化け物を引きずるように引っ張り、男子の風呂場に連れて行く。渡された化け物用の服をカゴに見せつけるように入れて、自分も風呂に入る為に服を脱ぎ捨てる。
化け物は混乱しているようだった。
浴槽近くに引きずり、お湯を頭からかけてやる。逃げ腰だったが何度もかけられる内に大人しくなった。
フッと気が付くと化け物の目元の傷が塞がっている。傷とは、そんなに早く塞がるものなのだろうか。聞いたことがない。
いや、コレは、この可哀想な子はそうだ。ソッとしゃがみ込み、その紅い瞳下を指平で撫でた。
「化け物……か」
ボソリと自然に出た言葉に化け物は眉をひそめ静かに涙を流す。
しまったと思ったが言ってしまった手前、言葉が見つからない。
そもそも化け物以外にこの可哀想な子の名前を知らない。呼びかける言葉がわからない。
――……ごめん……
謝ることも違う気がした。謝ろうと結局自分は見捨てるのに。
「……服、さっきカゴに入れた奴だから、着ろな」
そう呟いて洗い終わると立ち上がる。
「あの」
化け物がポソリと呟いた。
震えが混じった声色。
罵られるのだろうか。無力な俺を罵る気だろうか。理不尽な、どこからか沸き上がる怒りに少女を見下げる。少女は震えながら顔は手で隠して上げず言い続けた。
「……ありが、とう」
化け物を少女を残して俺は逃げるように風呂場から出る。
ホロホロと涙が零れた。