ボイスロイド(の皮をかぶったサキュバス)との繁殖記録 作:放出系能力者
目が覚める。また自分の部屋のベッドの上にいた。もしかしてあのまま死んでしまうのかもしれないとも思っていた。実際、それでもいいんじゃないかと思うくらい最高の体験だった。
枕元に女物のパンツが置かれていた。ゆかりさんのだ。あの後、回収し忘れたのか。それともわざと残していったのか。改めて昨晩の一件は夢ではなかったのだと感じる。いや、夢だけど。
だが、あまりにも過程をすっ飛ばした展開だった。いきなりセックスだ。普通はデートとか重ねて、告白とかして、それから徐々に関係が深まっていくものではないのか。
とにかく頭の中がゆかりさんのことでいっぱいだった。パンツを見ているだけで昨日のことが鮮明にフラッシュバックする。すぐに引き出しの中にしまった。後で返そう。
ズボンの中を確認すると、しっとりと濡れていた。あの後、風呂に入る余裕もなく気絶してしまったのでそのままの状態である。ゆかりさんが口できれいにしてくれたのでそこまでひどく汚れているわけではないが、二人の体液が混ざり合った事後の痕跡が残っている。
このままではまた欲情してしまいそうだった。風呂に入って邪念を洗い流すことにする。バスルームへと向かったが、気が動転していたためか、先客がいることに全く気がつかなかった。
「あ、マスターやんか。ウチと一緒に入ってく?」
「うわあああ!? ごめんなさい!」
茜ちゃんがシャワーを浴びているところをがっつり目撃してしまった。ラブコメ漫画かよ。急いでバスルームから出た。キッチンへ向かい、冷蔵庫から牛乳を取り出して一気飲みする。牛乳には興奮の鎮静作用があると聞いたことがある。
まあ、意味なんてほとんどなかったが。幸いにも湯気で隠れて茜ちゃんの裸は良く見えなかったが、余計にフラストレーションが溜まっていく。リビングに行くと誰もいなかったので、ソファに座って気持ちを落ち着ける。
見ず知らずの他人といきなり共同生活を送るというこの状況は結構なストレスだった。もちろん、男として嬉しく思う気持ちは大いにあるが、気苦労も同じくらい大きい。
「先上がったで、マスター」
「あ、うん」
シャワーから出た茜ちゃんがやって来た。いつもの服ではなく、もこもこしたフリースの部屋着姿だ。髪もアップにしてまとめていた。そしてなぜか俺の隣に座って来る。かなり距離が近い。肩が触れ合いそうなくらいだ。
「そ、そう言えば妹の方はいないんですか? ほら、双子の妹の琴葉葵ちゃん」
たでさえ美少女なのに湯上り効果までプラスされた茜ちゃんに打ちのめされそうになり、たまらず別の話題を振った。
「せやな。キャスト不足や。さすがにウチとそっくりの見た目した夢魔をもう一人用意するのはきついで」
意外な答えが返ってきた。てっきりそのあたりの設定はファンタジー的な力で解決できるものと思っていた。
「いくら夢かて好き放題できるわけやあらへん。ウチらは宿主にとって理想の異性を演じてるだけや。服を用意して、髪染めて、カラコンはめて、メイクして……裏では涙ぐましい努力してんねんで」
声だけは魔法で声帯をいじっているようだが、他は現実のコスプレと一緒だった。魔法を使えばもっと色々なことができるらしいが、それには精気を消費する。節約のためにも最低限のことにしか使わないそうだ。
「ウチもほんまは関西弁とか普段使わんのやけどな。ところどころ怪しい喋りがあるかもしれへんけど堪忍な。まあ、それは色んな動画の茜ちゃんにも言えることやから準拠ってことでええやろ」
ぶっちゃけすぎだ。まさかそんな裏の事情まであけすけに話されるとは思わなかった。
「当たり障りのないその場しのぎの綺麗事だけ言うことは簡単や。でも、腹を割って話せる相手がいた方が、今のマスターにとってはええんとちゃうか? 悩みがあるなら遠慮せんとウチに言いや」
どうやら俺の心の内はお見通しだったようだ。現に、茜ちゃんに対する心理的な壁は取り払われていた。
一番大きな悩みと言えば、やはり現実世界の俺の容体がどうなっているかだが、それについてはここで尋ねても意味がないことだろう。それに次ぐ悩みはすぐに思い当たった。ゆかりさんのことである。
俺は昨晩のことを話した。うまく説明できた自信はない。話すだけで喉がカラカラに乾くくらい緊張してしまった。要点を言えば、なぜゆかりさんはあんなことをしたのか、俺のことをどう思っているのか知りたかった。
「せやなぁ……それについてはまずウチら、夢魔のことを話す必要がある」
夢魔たちは、現実とは異なるこの世界で生きている。窓の外に見える黒い世界だ。しかし、ここは彼女たちにとって過酷な環境であり、拠り所なくして生きてはいけない。それが人間の夢というわけだ。
黒の世界には数多の人間の夢へとつながる入口が現れる。夢魔はそれを見つけて侵入し、宿主の欲望を夢の中で叶えてやることで精気を引きずり出し、それを糧とする。その欲望の満たし方というのが、要するにスケベなことだった。
「それが一番手っ取り早いからな。しゃーないんや。もたもたしてたら夢が壊れてまう」
「え? ずっとその人の心に住み続けるわけじゃないんですか?」
起床して夢から覚めても深層心理には夢の世界が残り続けるらしいが、それも長くはもたないという。
「夢は儚いもんや。短ければ数日、長くとも1か月が限界やな。そうなるとウチらは宿主の深層心理から弾き出されて黒の世界に戻るしかない。また別の入口を探す。その繰り返しや」
ということは今俺が見ているこの夢も、夢魔たちとの関係も束の間の出来事に過ぎないというわけか。
「それがちょっと事情が違うてな。マスターの場合は特別や。普通はこない立派な一軒家を明確に維持し続けるなんて無理なんや。しかも、4人も夢魔を住まわせて3年以上経ってもまだ壊れる気配すら見えへん。化けモン級の性欲やで」
「えぇ……それ性欲が関係あるんですか?」
「大アリや。フロイト先生も言うとるやろ。夢は欲望のはけ口。満たされない欲望が強いほど強固になる。特に性欲は大きく関係しとるんや」
3年前と言うと、中学時代の転機を思い出す。受験勉強も何も手がつかないほどエロいことばかり考えてしまって困っていたところ、ある時から急に落ち着き出した。どうやらその当時から、ここにいる夢魔たちに精気を吸われていたようだ。
「えっ、じゃあ、ゆかりさんと何度もしてたってこと!?」
「夢の中の話やで?」
というか夢魔の生態を考えれば、俺以外の男の夢の中でもそういうことをしていたとしてもおかしくはない。
「今も男漁りに行ってるで」
「うああああああああ!?」
思わずソファから崩れ落ちる。確かに昨晩は手慣れた様子だった。だがそんな、俺のゆかりさんがそんな……
「まさか、茜ちゃんも……」
「ゆかりんほどではないけど、たまに行くで」
もう何も信じられない。ヤムチャみたいなポーズでフローリングの床に寝そべる。
「ピュアッピュアやなマスター。ええやんか、処女なんてめんどくさいだけやで。そんなんありがたがるのは童貞だけや」
「も、物には限度があると思います……」
「せやろか。なら、マキマキときりたんは狙い目やで。ウチらより、あの二人はまだ若い。経験も少ない感じや。外に出ても買い物だけしかしてないみたいやからな」
別に行為をせずともこの家の中にいるだけで微量の精気を得ることができるらしく、マキさんときりたんはそれで満足しているようだ。だったら俺の方から粉をかけるようなことができるはずもない。
「草食系やなぁ。迫れば嫌とは言わんと思うけど」
「い、今はそれよりゆかりさんのことです!」
ゆかりさんが不特定多数の男と関係を持っていることはショックだった。それが夢魔として真っ当な生き方だとしても納得できるわけがない。だが、今の関係上、俺が何かを彼女に言う権利はないだろう。
「ゆかりんのこと好き?」
「うっ……好き……」
たとえビッチだろうともう好きになってしまった気持ちをなかったことにはできなかった。男心クラッシャーだ。
「ならもうはっきり伝えるしかないで。ワイの女になれ! ドン! これで即落ちや」
「無理ッス。俺にゆかりさんを引き留めて置けるほどの魅力は……」
男子校に進学したこともあって女っ気とは無縁の学校生活だった。容姿に関しても自信はない。
背が低く、童顔なこともあって素で中学生と間違われることがあるくらいだ。未練がましく毎日牛乳を飲んだり自分の呼び方を俺に変えたりと徒労を重ねていた。
「ええやんか、それもチャームポイントや。かわいい系として攻めればいけるって」
「か、かわいい系? 男らしい方が良くないですか?」
「見た目はな、確かに大事やけど第一印象の決め手でしかないねん。そこは清潔感があれば何とかなる。肝心なんはそっから先や。こういうことわざがある。『一押し、二金、三男』やで」
「『一富士、二鷹、三なすび』では?」
「ちゃうちゃう。女を口説くテクニックや。一番は押しの強さ。二番目は金、そして三番目が男。男前かどうかは二の次三の次ってことや。マスターはウチらにとっての金に等しい精気をぎょーさんもっとるんやから、後は押せば勝てる勝負や」
「いや、でも……最近は告白ハラスメントとかいう言葉も聞くし、一方的にこちらの想いを伝えてもむしろ嫌われる可能性も……」
「あーもーほんま、これは性根から叩き直してやらんと話が前に進まへん」
そう言うと茜ちゃんはトイレに入った。しばらくしてジャーという水を流す音がして、二人が出てくる。茜ちゃんともう一人、姿はそっくりだが青いイメージカラーを持つあの人。葵ちゃんがいた。
「紹介するで。妹の葵や」
「せやで〜」
「どこで錬成してるんですか。これが魔法ってやつですか?」
「まぁな。ウチの分身みたいなもんや。マスターにはいつも世話になっとるからな。このくらいの協力はさせてもらうで」
なぜ急に葵ちゃんを作ったのかわからずにいると、茜ちゃんが出来立てほやほやの妹をぐいぐい押し付けてくる。
「マスターは女という生き物に対して警戒心が高すぎるんや。もっとバリアフリーを心がけんと告白なんか一生できへんで」
「ぜ、善処します」
「そこで今回紹介します商品がこの『琴葉葵』! まずはこのお人形さんといちゃいちゃすることで女との接し方を覚えるんや」
「覚えろって言われてもそんな」
「要は慣れや。それは人形やからどんなエグい使い方してもかまへん。とにかく色々試してみ。おまんこの練習もおきばりやす」
「えっ! そ、それはさすがにまずくないですか!?」
「夢魔を堕としたいなら、そこが一番重要やで。どうせ、ゆかりんとのセックスも思うようにいかへんかったやろ? 精気取られるだけ取られて終わり、みたいな感じで」
実はかなり気にしていたことだけに、茜ちゃんの言葉がぐさぐさと胸に刺さる。
「あ、精液は口かマンコの中に出してな。後でウチが回収するから。ほななー」
そう言い残して茜ちゃんは行ってしまった。葵ちゃんはと言うと、キッチンの冷蔵庫を物色していた。アイスのラインナップを見て不満げに唸っている。チョコミントはなかったようだ。
好きにさせておこうと思い、自分の部屋に向かっていると、その後ろを葵ちゃんがとことこついてくる。結局、部屋の中まで入ってきた。
「い、一応、一応ね……」
部屋の鍵を閉める。ゆかりさんとの関係を進展させたく相談したはずが、なぜか葵ちゃんとエロいことをする状況になっている。どうしてこうなったのか自分でもわからない。振り返ると、既に葵ちゃんは服を脱ぎ始めていた。
「準備万端ですね!!!!」
ピンク色のニーソだけ残して後は裸になってしまった。あられもない姿で俺の手を引き、ベッドの方へと誘う。一緒にベッドに腰掛けはしたが、緊張でそこから動けない。
「ますたー?」
葵ちゃんは甘えるように体を寄せてきた。しばらく様子を見てわかったが、言葉を流暢に話すことはできないようだった。幼い子供というか、動物っぽい行動や仕草が感じられる。
そこでひらめく。ペットに接するような気持ちでスキンシップを取ればいいのではないか。それなら不慣れな自分でもできそうな気がした。
「よ、よしよし……」
頭を撫でてやると嬉しそうに目を細める。ごろごろと喉を鳴らしながら体を擦り付けてきた。猫みたいだ。猫は結構好きだ。飼ったことはないが猫の動画はよく見ている。
猫は体を舐めて毛づくろいをするが、頭の上や首の後ろにはさすがに舌が届かない。だからそこを撫でてもらうと気持ちいいようだ。特に首の後ろはリラックスするツボのようなものらしい。
撫でる時は優しくゆっくりと。犬にするようにわしゃわしゃ撫でまわされるのは苦手な子が多い。近所の野良猫相手に培った技術が生きたのか、葵ちゃんは非常に気持ちよさそうにしていた。
その順応力は凄まじい。なんと、頭の上に猫耳が生えてきた。お尻には猫の尻尾まで生えている。夢魔は宿主の願望に応じた姿を取る。その性質が葵ちゃんにも備わっているということかもしれない。魔法の力ってすげー。
髪と同じ青色の毛並みの猫耳を触るとピクッピクッとむずがゆそうに反応する。尻尾も本物同然の動きをしていた。猫好きとしての好奇心の方が優先してしまい、あちこち触ってしまった。
「ヴゥー……♡」
尻尾の付け根のところを撫でてしまったのがいけなかったのか、ピンと上に尻尾を立てて頭突きしてきた。尻尾やその付け根の部分は神経が集中する敏感な部分だ。
頭突きや頭をこすりつけるような猫の行動は、飼い主などの親しい人物に自分のにおいをつけるために行う。猫の首回りには臭腺が多くあり、自分のものであるというアピールのためマーキングする。
葵ちゃんの表情はとろけていた。気安く人に見せてはいけないような危うい表情で迫ってくる。必死にマーキングしてくる。
どんなに感情を紛らわそうとしたところで無駄だった。相手は猫ではない。猫耳が生えた裸の美少女から好き好き攻撃を受けて理性が持つはずがなかった。
胸のふくらみに手を伸ばす。意図して避けていたその場所に触れる。小さいながら瑞々しい柔らかさがちゃんと感じられた。しかし、その先端だけは固くなっている。
「にゃっ、みゃんっ……!」
乳首に触れると甘い鳴き声をあげる。そのまま愛撫を続けていると、葵ちゃんは急に体を離した。何かしくじったのかと慌てたが、そうではなかった。心を許した者にしか見せない仰向けの姿勢。発情した猫がベッドの上で股を開き、雄を迎え入れようとしていた。
すぐに応じる。勃起した一物を取り出す。相手は人形、本物ではない。超高性能なダッチワイフのようなものだ。だからこれはただのオナニー。そう自分に言い聞かせる。
葵ちゃんのそこは既に交合の準備を整えていた。愛液が滴る割れ目に肉棒を差し込む。互いの性器が機能を果たし、足りないものを埋め合わせるように一つになっていく。
「お、お……」
「みゃう……」
その快感に腰が引けていた。ぬくもりに包み込まれたペニスを引き抜き、突き入れる。その動作は恐ろしくぎこちなかった。自分がイメージしていたセックスとは程遠い。へこへこと小刻みに腰がカクつくだけ。
「おっ!」
そして、唐突に達した。時間にして10秒も経っていないかもしれない。必死に我慢しようとするがもう遅い。ぬちぬちと小さく膣内でこすられただけで、あっけなく精を吐き出した。一度、出始めてしまえば止められない。
「ご、ごめん、葵ちゃん……」
「みゃ?」
死にたいくらい情けなかった。オナニーとは何もかも勝手が違う。ぴゅくぴゅくと満足そうにまだ射精しているチンコが恨めしかった。それに伴い、疲労感もやってくる。また精気を消耗してしまったようだ。疲れたが、ゆかりさんとした時ほどではなかった。
「よっ、マスター。パコパコしてるー?」
賢者タイムに陥っていた俺は、かけられた声に驚いて振り返った。茜ちゃんが部屋に入って来ている。鍵をかけておいたはずなのに。